恋インの大ファンです。そういう方が多いと思います。恋インを生んだ丹下先生の新作ということで、余計に期待値が高くなっているんだと思います。(ある意味先生への評価の高さ故ですね)
恋インで慣らされてしまってるので、人外という設定以外「目新しさ」がないと思ってしまうんだと思いますが、逆にいうと、ド安定の丹下ワールドが繰り広げられています。それが目的なら、安心して読めるし、楽しめると思います。2重の意味で、裏切られることはないです。
恋インは登場人物が多く、関係性も絡み合っているのでハマりやすいと思いますが、今作は主に主人公の2人だけなので、耐性がある分、比較するとどうしてもインパクトが弱くなります。(シリーズとして次作決定してますが、まだシリーズとしての世界観やスケールが見えてきてない) ただ、恋インの丹下先生がこじんまりした設定を書くと思いますか?っていうのはありますね。(期待を込めて)
つまるところ、目新しさがないっていう感想も恋インのインパクトと存在感がデカすぎるってことの裏返しだと思います。
ストーリーですが、3分の2はすれ違い状態で、終盤くっついてから駆け足だったので、最後「ここで終わり?」とちと物足りなさは否めないです…もっと蜜月期が読みたかった!(鶏楽×愛染編でも感じた不完全燃焼感…)
恋インみたいにクロスオーバーでまた読めるのか、このカプはここで完結なのか分かりませんが、もったいない気がするので、実は壮大なストーリーの序章に過ぎなかった?的なサプライズを期待したいです!(書いててやっぱり期待しまくりなんですが、先生がここのレビューを目にして良くないプレッシャーにならないことを願います)
シリーズで行く末が気になっていた志波×黄辺です。虫シリーズは受けが痛いことになることが多いので、少なくありますように…と思って読み始めましたが、オオムラサキの特性上やはりそれなりでしたね。。自分の生活も黄辺の描写とリンクしていて、読んでいて泣けてきました。傍目からはそれなりの人生で、見目麗しく、きちんと社会生活をして、自活していても、明けない夜の中にいるように空っぽで虚しい。自分だけ愛の循環の中にいない。
黄辺は志波と向き合い、志波の形もきちんと愛だと理由をつけ、自分が愛し続けることにも理由をつけましたが、そうすることでしか、愛し続けることしかできない黄辺は進めないのですが、読み手として納得するには苦しく、切なかった。
物語は黄辺視点で進むので、志波が言葉にしたこと以外心の真相は掴めないのですが、巻末のSSでは甘々なのに、関係性に名をつけることもできず、いつかまたどこかへ行きたくなるかもしれない志波に対して、結局受け身でしかいられない黄辺が不憫で、いつか志波が自分の愛を悟り、愛の言葉とは言わずともせめて約束を口にできる日が来るのか、気になります。2人の未来の話も読みたくなりました。
明言はされていないですが他の方が仰っていたように、SSを読むと志波は愛せないのではなく、気づいてないだけだと思います。熾烈な激情じゃなくても。(いや、兄を殺すというくらい、大和ともうしないでというくらい独占欲はありますからね、ある意味熾烈だと思いますが…)志波、気づいて~!!
上下巻ですが、2カプのそれぞれの話で、下巻は上巻では「悪役」だった環と結城の話です。
正直、こちらのカプの方が断然好みです!
下巻を読むと環に感情移入してしまい、嫌うどころか贔屓目になってしまうほど笑
幼少からの付き合いで、両片思いを拗らせに拗らせたふたり。
道理も分からないほどの歳に互いの爪を誓いの印として交換し合う(痛い)ほど惹かれあっていたのに、結城は婆やの言葉で環とは一緒になれないと悟り、周りの期待に応えようとする性格もあいまって、環を想いながらも普通に女性と結婚します。好きではないけど、それなりに上手くやろうと思う割には子作りもちゃんとするし、15年不妊だったのに、最後はできるほど、励み続け、妻に「君は誇りだ」なんて声を掛ける。一方の環は結城と一緒になれず、屈折した想いを抱えたまま結城に似た伊月を養子に迎え、歪んだ愛情を傾けてしまうわけですが…2人のなれそめを読むと、環が屈折してしまうのも頷けるといいますか、こちらは理解出来るのに対し、結城については一途に環を想っているような描写がある割には、とても残酷な人ですよね。
環を想い妻を愛してない風でいながら、見た目には到底そうは見えない素振りで、夫役をこなすんですよ。内心のセリフがなければ、傍目には分からないほど。ここがかなりモヤモヤしました。結局のところ、結城は環を捨てて、普通に生きていくことも可能な男なんですよね。
環はそうではなくて、だから結婚もしなかったし、ずっと結城の面影を追いかけていて、乗り越えられずにいる。不公平さが際立っていました。
そして、上巻の銃暴発により、足を悪くして田舎に隠居した環のもとを訪ねる結城、子供ができたと報告します。
そこで、恐らく数十年越し?にお互いへの想いを吐露してようやく結ばれ、最後も環の元に来る結城のシーンで締めくくられますが、別に家を捨てて環のもとに来たってわけではなさそうですよね。愛人のところに訪ねにきたという風ですよ。周囲の期待に応え続けた男が、愛する男を得て、遂にはわがままを通すというなら感動もあったとは思いますが、長年の想いを通じ合わせて、家庭も環もってのは、シラケるというか涙も引っ込むというか。
子供を作ろうと言って結ばれた2人ですが、中にに出されて腹を下したため、「流産だ」という環、「2人でも楽しいよ」と結城、まるで夫婦の会話ですが、
この先環は田舎でひたすらに結城を待つ生活ですか?うーん。報われない。続きを書いていただけるなら、この2人、どうにかしてほしいです。
作者買いです。レムナントシリーズ含め、全作追いかけている羽純先生のファンです。
まず、今回の作品の酒蔵御曹司×高級ストリッパーという設定はすごく好みですし、楽しく読ませていただきました。続きも楽しみです。
ですが、そんな私にもモヤポイントはありましした。以下、辛口になります。
今回気づいたことですが、羽純先生が描かれる受けは総じて「感情を攻めにかき乱され余裕がない」描写が多いと思います。通常、ストーリー展開上そうなることはあっても元々の性格は様々だったりしますが、羽純先生の場合は最初からデフォルトの性格として組み込まれているというか。今回の受けもそうで、故にいちいち攻めへの反応が大きいと感じるのだと思います。これらが恐らく「お高くとまっている孤高の女王様」と矛盾を感じる点かと思います。
そして、攻めの方も現時点ではあまり感情が見えてこないので、この巻は一言でまとめると「何考えてるか分からない攻めが初対面でいきなり孤高の女王様を食う(犯す)といういきなりぶっ飛び展開にも関わらず、なぜか攻めの気を引きたくてしょうがない受けが感情的に振り回される」話です。
受けがなぜ最初からたまたま客として来ただけのそこまで攻めが気にってしょうがないのか、攻めは受けをどう思ってるのか(自分のものにするというくらい気に入ってるのは分かるけど、現時点ではスカしていて執着や愛情描写は薄いです。)
そもそもの、受けが攻めの関心やら全てを欲する「起」の描写が薄く、さらに攻めの感情もつかめないので、ただただ、過剰反応する受けが設定とちぐはぐで、引っかかるんだと思います。
話の展開としてはまだ序盤なので、キャラについては次巻に期待したいです。
以上、ファン故の辛口をお許しください。
上記の細かい引っかかりを除けば好みの話ですし、細かいことを気にしなければ楽しく読めます。羽純先生の絵が相変わらず眼福なことは確かです!
既刊未読で、今回一緒に読みました。
自分は男前オネエ攻めが好きなんだと再確認した作品でした!
なぜオネエ萌えするのか?オネエである必要があるのか?と自問自答した時、やはりギャップ萌えの一言に尽きました。
ストーリーはとにかく読んでほしいので割愛しますが、登場人物全員キャラが立っていて素晴らしいです。
男前で天邪鬼なオネエ攻めには、次はどうでる?と興味津々で見れるし、まだ出し切っていない分意外な素顔が垣間見れたりして楽しいです。そして、おバカで素直なワンコ受けはとにかく一挙一動反応が愛おしいです。(笑)
脇を固めるキャラたちも愉快で好きです(笑)
2巻では攻めの元彼や悪友の活躍により、やっと余裕を失った攻めも見れてようやく結ばれた2人ですが、この先普通にいちゃラブとはいかないと思うので、素直じゃない2人が付き合った後にどう関係を深めていくのか、展開が楽しみです。
1巻と2巻の間が3年半空いてるということで、さすがに次巻は、なる早でお目にかかりたいです…!どうかお願いします!
楽しみに待っていた鶏楽×藍染編ですが、
折り返し地点かな?というところがまさかの最終回で、「え?もう終わり?」とびっくりしたのは否めません。他カプと比べれば、短く、あっさりしていたと思います。そして、相関図を見ていて気づいたことですが、鶏楽×藍染は連載で恋人確定したカプになっていません。つまり、鶏楽の求愛は道半ば…!いままで各カプ完結まで描かれると思い込んでいましたが、武笠×深津も数巻に渡っていたし、クロスオーバー形式?で、この先まだ鶏楽×藍染の進展が読めると期待…?してもいいのでしょうか??ぜひそうであって欲しいです…!
最近本編を読み、こちらを購入。
本編後の甘々と、大志編では葉瑠との話の中に壮志とサトの2人の最期まで収録されています。正直、攻受の「幸せに暮らしました」の後の最期まで見るというのは切ないもので、またそれが予想を裏切るものだったため、余計に涙を誘いました。大志編も予想を裏切られる大号泣でした。最後の最後で、そうきたか、と。大志との結末、また全てをみとり、1人残った葉瑠にはまだまだ長い生があるのかと思うと、胸が締め付けられます。願わくは、葉瑠が最後に出会ったあの子が生まれ変わりでありますように。
本編は2014、この総集編は2016刊行ですが、読んだのはコロナ禍の2020ということもあり、命について考えさせられました。誰でも、いつまで生きられるかは分からないのですよね。後悔しないように生きるというのは、言い古された言葉かもしれませんが、真理ですね。
再読するには、エネルギーが必要ですが、あっぱれの神作でした。この作品に出会えたことに感謝したいです。アーサーシリーズのようなラブコメも好きですが、このような骨太のせつない系もとても好きです。またぜひ読んでみたいです。