久し振りに凪良ゆうさんの作品を読みました。
後書きに「普通の男の子のお話」ってあったけど、
それが私は好きみたい。
面白かったです。
凪良ゆうさんの作品って、あったかくて切なくて、
その人が持ってるありったけのもので好きな人を守るってのが
読んでて心がほぐれていく感じ。
ただ日頃、日々の現実にさらされてると、
心が荒むのか(いや、荒むんだな〜)
それがお伽話感いっぱいに感じて、
読んでて楽しいんだけど、心から楽しめない。
ロボットとか(いや、面白かったんですよ)
死んでなかったとか(これも面白かったんですよ)
楽しく読んだくせに読み終わると
「ファンタジーだわー」ってのが残る。
なんかそれが嫌で。
なので今回のは「普通の男の子」のお話だったので、
ニコの心配をしながら、
榮いい奴やなぁ〜と思いながら
ニコの行きつけのお店のお客さんの1人のような気分で楽しく読みました。
いいなぁ〜、ずっとこのまま幸せに歳を重ねていって欲しいなぁ〜と荒んだ心がほぐれました。
最後のエピソード、いいですね。
「普通の男の子」のお話だけど、普通じゃない。
だけど普通で別になんら変わらない。
世界にひとつだけの花を共感しながら歌っても
他人と比べる自分がいて、他人を自分達と比べる自分もいて。
人間ってややこしいな。
でもそれがあるからパートナーがいるんだよな。
なんかそんな事を思いました。
直行も頑張るんだぞ!
2組のカップルのお話が入ってます。
どちらも2話ずつ入ってて、
今の話と馴れ初めのお話が入ってます。
1組目はサラリーマン同士、先輩後輩のお話です。
相思相愛なんだけど、ちょっとした誤解で後輩の気持ちの中でモヤモヤが生まれちゃって、
過去のトラウマからそれをはっきりさせる前に身を引いてしまう先輩。
2人の馴れ初めも後輩がグイグイ来るんだけど、
先輩が過去のトラウマから踏み出す事が出来なくて。
この先輩の気持ち解る…こんな後輩みたいに素直に真っ直ぐいられたら
傷付いても楽しい毎日になるかもしれないのに
そうはいかないのよね〜と読んでました。
ちょっとそういう面で胸痛かった。
2組目は大学時代の友人。
過去に恋愛に発展しそうだったのに、
突然姿を消した友人に気持ちが残ったままで忘れなられない橋口。
しかしある日突然その相手、柳に再会する事が出来、恋人になり…という話。
橋口、良かったです。
長い年月を経た分、勢いだけじゃなくて包容力が大人で、
それが読んでてあったかかったです。
お話は特に刺激がある訳でなく、
物凄く微笑ましいという訳でもなく、
さらさらと読めました。
絵は、ひとそれぞれの好み。
私はあまり好みではありませんでした。
面白かったです。
そんなに厚くない本なので短時間で読めて、
でもちゃんと橘さんの世界を楽しめてという
再読には手が伸ばしやすそうという作品でした。
なんとなく印象として橘紅緒さんの作品って
ふわふわしててアクが弱いのか、いやいや逆に強いでしょというような
面倒くさい奴なのか、いやいやそれが可愛く見えるという
そういう輪郭がぼやけてんだかはっきりしてんだか解らないんだけどの登場人物が好き。
で話は雰囲気が強くてちょっと解り辛い感じがするんだけど、
そのふわふわ揺蕩う空気の中での甘さやせつなさが良くて、
お話も実は解り辛くもなくで(そこが凄いなーと思います)
お話も好きなんですけど、その雰囲気も味わえちゃうというのが好きです。
なんか甘さもせつなさも一味違ったものが味わえる感じ。
今回のお話は要約して書くと、いたってシンプル。
あらすじに「てひどい裏切り」とあったので大どんでん返しがあるのかな?と思いましたが、そんな事もなく。
なのでお話を楽しむというより、出てくるキャラを楽しむ方が強いかな?と思いました。
主役は誰もが惚れてしまうような容姿端麗・ミステリアスなのか純情なのかという万里(ばんり)と、
その万里に一目惚れしてしまう朗(ろう)のお話。
万里の方が年上だし経験豊富だし高級マンションに住んでるし、
一見朗の方が万里を追っかける側になりそうですが、
実はそうじゃなくって、
じゃ万里が朗を追っかけて、追っかけてになってるかと言ったら、実はそうじゃなく。
お話は既に別れたこの2人の再会から。
別れたとはいえ、未練が残ってる朗からの視点で話が進むので、
こんなに好きなのに、断ち切りたいのにの朗の気持ちが解って読むので、
態度で追っかけてくる気持ちの万里が可愛く、
態度で示せないけど断ち切れない朗が可愛く、
読んでて楽しかったです。
ちょっと「唇で壊される」に似てるかな?
あの作品も好きだった記憶が。
久し振りに橘さんの作品を読んだんですが、
やっぱり好きな世界だなと思いました。
ふっとした時に読みたくなる作品。
若葉寮で暮らす3カップルのお話が入っています。
1話の長さが長い訳ではないのに、
なんだかじっくりゆっくり読んだ感覚になり、
その感じが好き。
なので、「もぅ大のお気に入り!」という訳ではないのですが、
あのゆったりした感じになりたくて、
結構読み返してる作品です。
1組目のお話は本当ピュア。
最後「惚れてくれ」という台詞があるんですけど、
読んでて「おいっ。コラッ。」っと思うんですけど、
いいな〜とか可愛いなぁ〜と思っちゃう自分にも「おいっ!」と思いつつ、その2人の可愛さの余韻に浸っちゃいます。
可愛いです。
2組目は鰐部が好き。
いきなり同居相手になった沙山にびっくりする事連発な訳ですが、
面倒臭がりながらもひとつひとつ受け止めてく鰐部が読んでて笑えるし可愛いし、いい奴だなぁ〜と思う。
途中、DVD見つかって謝る所とか笑えた。
あんな目で見られたら、そりゃ謝るわ。
そして終わり方も好き。
3組とも余韻の残る終わり方がいいなぁ〜と好きなんですが、
2組目が一番好き。
「理屈じゃねぇって感じだな…」と照れながら言う鰐部いいわぁ。
そして「分かるわ」と笑いながら言う樋口もこれまたいいです。
3組目は寮監と寮生のお話。
やっぱりちょっと大人になると素直になれないんだなぁ。
胸が痛いです。
花言葉、調べちゃいますね(笑)
嶋!桐野はアイビー覚えたぞ、今度は嶋が覚える番だぞ!
BL恋愛専科ってたくさんシリーズがあって、
実は続きものだったりするものだったり、
「あぁ〜好きだな」って思うものを探したりするのが好き。
今作は、中でも今本次音さんの「びいどろ3月」が私は好きでした。
以下ネタバレです。
田舎で教師をしている義高は
「ゲイ」なんて口が裂けても言えないという環境の中
ずっと幼馴染の久志の事が好き。
地元で教師をしているからこそ久志と離れずにいれたのに、
田舎ならではの世間体が強く「そろそろ結婚して…」があり、
久志はお見合いして「いいカンジの人だったから」と結婚する事に。
自分はずっと想い続けてたのに、
彼女は1回会っただけなのに。
結婚式なんか行きたくない…見たくない…っていうどん底の時に
卒業して東京に行くという生徒から告白され、
つい義高はその生徒と寝ちゃうんですが、
その時にその生徒が
「ここじゃゲイだってバレたら変人扱いだけど、東京じゃそんな事ないだろ」
「先生に好きな人がいても構わないから一緒に行こう」
って言われるんですね。
しかしそんなやり取りを久志に見られてしまい、
義高の恋も、久志との友情も終わってしまう。
っという、短〜いお話なんですが、
このBL恋愛専科は「メガネ特集」。
義高はずっとメガネをしてるんですが、
これがいい。
義高にとって自分を隠すアイテムのひとつなんですが、
変に説明ったらしくなくて、程よく伝わってきてそこが好きでした。
後、松山が義高に「先生も俺の事気持ち悪いって思う?」という時の表情に
最初は「なんか急にホラー」な気がしたんですけど、
なんかそれが妙に印象に残ってて、
なんでかなーと後でその事思いながらもう1回読んだ時に、
私の好みですが、表情の使い方が上手いんだなと。
ホラーに感じてた表情が、今ギリギリの所で喋ってるんだなって思ったら、
皆笑ってないんだな、ちょっとしか見えないんだなとか思ったら
それが面白くなってきて、
逆に笑ってる時がさっきよりもせつなくなってきて。
そういう細かい所で地に足がつかない不安定さが終始流れてて、緊張が抜けないんだなと。
だからこそ、
久志に殴られた痕を松山に「好きだった人にバレちゃった〜」と笑いながら言う義高にあぁ…となった所で
ぶわっと、嘘がない、しがらみもない涙が出てくる松山が来て、
よくあるっちゃあるシーンかもだけど、
凄く私には泣けてきちゃったんですよね。
やっとそこで泣けるというか、救われるというか。
で、最後の久志の幸せな笑顔も違う意味で心に残る。
久志には別の選択もあったんじゃないかって思うけど、
やっぱり久志は選ばなかったと思う。
これで良かったんだと思うと思うこのせつなさ。
最後までしっとりした暗い終わり方な感じがするお話なんですけど、
最後はちゃんと辛いけど、前を向いてる感じ。
淡々と、大事なとこ1点集中のそこだけですべて持ってく感じ。
好きだわ。
私にはどストライクの作品でした。
初めて読んだ頃は
絵が綺麗だな、上手いなっという位にしか感じなかったんですけど、
ふとした時に「あ、もう一回読みたい」と読み返してる内に
いつの間にか梁井と成川にハマりました。
そんな2人の完結編。
満足満足なハッピーエンドが読めました。
1巻で恋人仮契約を結んだ2人。
ゆるゆると恋人お試し期間を過ごしていますが、
学生時代も終わり、社会人として旅立つ時期となる事で、
これからは学生時代とは違って
将来を見据えて決断をしていかねばなりません。
始めは仮契約だからと自分の気持ちをはっきりとさせられずにいた梁井ですが、
間近に迫ってくる「もしかしたら成川とずっと一緒にはいられないかも」という選択にいてもたってもいられず、
成川と離れたくない一心で本契約となります。
がしかし、
本契約になった所で将来を見据えての決断がなくなる訳でもなく、
やっぱりその決断を迫られる時はくる訳で。
学生から社会人としての成長と共に、
恋人としての関係も育まれていくというお話。
いやぁ〜なんとも可愛い甘々ラブラブなお話でした。
BLで必ずという位にぶち当たる同性同士という問題も、
梁井には成川しか見えてないし、
成川も梁井しか見えてないので、さほど大きな問題にはならず、
もはや同性同士だからのBL漫画で、少女漫画と変わらない位の内容。
でも、んな事はどうでもよく、
お互いが相手の事をすごく好きで、大好きで、
会いたくてしょうがないという気持ちが溢れてるのが読んでて楽しい。
スキー場での梁井のお風呂場での「今なら」の三連発、
笑いましたね〜。
泡立てすぎでしょ(笑)
前回よりも笑えるイラストが増え、せつない部分が増え、
密着度も増えという所も楽しいのですが、
でもなんといっても今迄ふわふわしてた梁井が成長していく姿が楽しい。
「1年待つからカナダに行ってこい」と言える子になったのね。
ふわふわしてた梁井ですが、
これからは成川を支えるしっかり者になりそうです。
さほど驚くような内容があるわけではないのですが、
キャラがしっかりしてるので、安心して読めます。
今回ふと思った事ですが、
キャラがしっかりしてると読みやすいんですね。
また束原さんの絵はなんといっても綺麗で上手いと思う。
なので途中ふとしたシンプルなギャグ的な絵になっても幼稚な感じにならないんですよね。
絵の印象はあくまで好みなので、
上記はあくまで私の感想でありますが、
私はとにかく好きであります。
いや、しつこいけどお風呂場の今さら三連発は笑った。
綺麗に大満足はおさまり方でのハッピーエンドなので、
もう続編はないんだろうな。
梁井成川ファンとしてはちょっと寂しい所。
いつかまた2人の成長した姿を先生に書いて欲しいです。
面白かったです。
近未来を舞台にしたサスペンスもの。
でも主役流己視点で書かれているので、好きになった相手を想う気持ちを読んでて楽しむ方が強いサスペンスものって感じでした。
円安が進み、物価は急上昇してスーパーインフレとなり、貧富の差が激しくなって治安は悪化、
テロで意思表示をする者が増えてしまった近未来の日本。
今回主役の2人は、
警視総監でさえ活動拠点を知らない超極秘優秀テロ対策チームメンバーで、生死ギリギリの所で働く超頭が冴える2人。
そこに小山田あみ先生のイラストが加われば、
そりゃぁもぅ!ってなもんです。
それだけスーパーカップルだと、
あり得ない位に不死身で完璧で、
人生最大の事件に取り組む、超あり得ないけどカッコいい〜というような話になりそうなんですけど
なんなんだろう、
今回の事件は2人の両親にも関わる事件なのに、
洸先生の手に掛かると、
それが鼻にもつかず、すんなり入ってきちゃうから不思議。
確かに毎回2秒前に爆弾止めちゃったり、
「話を聞くから俺と寝ろ」とか、
「おぉ〜い」という所はあるんですけど、
なんだろう、
あくまで私の感覚ですが、
私達の感覚では非日常なんですけど、彼らにとっては日常の中でのお話。
そこで親の死に関わる事件に遭遇してという風に感じる。
じめっとしてないんですよね。
あくまで彼らにとって日常という中で進められていく感じが好きでした。
なんだろ、
出てくる人達が普通で毒がない。
主役の琉己の母親を殺した人物は、確かに病んではいるんですけど、結構あっさり犯人解って流己とのわだかまり?もさらっと流しているので、
最初はそれが「え〜!これで終わり?」と思ったんですけど、
後から考えると逆にそれが毒っぽくならず、暗くならずで良かったなーと思ったし(あんまりあそこを根掘り葉堀りすると流己が女々しくなるような気がした)、
今回の黒幕も「そういう事だったのか!」とは思うもの、小山田先生の手に掛かると「モデルか!」と言いたくなる位綺麗でキレ者に見えるんですけど、世界を脅かす巨大組織の最強ボスって感じではないので、
やっとの事で結ばれた2人の幸せだけを最後楽しめる。
サスペンスものっというので考えると、ちょっとあっさりトントン拍子かな?とは思うけど、
普段ならそこが「え〜簡単すぎない?」と思うけど、
なんでか解らないけど、逆にじめじめしてなくて好きでした。
あそこ好きでしたねー。
初めて男に抱かれるっつーのに、
「後でまた着るから床にシャツを置くのは嫌だな」と、畳んで枕元に置いた所。
読んでる時は「あー解る、その感覚」と思ってたけど、いざ小山田先生の絵を見た時に、
「こんなにカッコいい人がシャツ畳んで枕元に置いたんだ」と思ったら、ちょっと笑えました。
なんかそういうのが好き。
後、ベットシーンも好きでした。
他の作品でどうだったか忘れましたが、洸先生の書くベットシーンって会話と文章が大半で、喘ぎ声は必要最低限な気がする。
うーん、喘ぎ声もいいんですが、そればっかだと「感じてますー」と言うのだけになっちゃって、それで「愛されてる!」というのになるとのもいいんですけど、
会話だと相手を想ってる気持ちだとか、やり取りが見える感じがしていいなと思いました。
すみません、生々しくて。
でも今回ふとそんな気がして、喘ぎよりも会話多めっていいなと思いました。
作者買い。
麻生ミツ晃さんの作品って麻生さんの絵だからこそ出るせつなさがあって、またストーリーがしっかりしてて、「うわっ!」と思う瞬間があったりして、本当見せ方が上手いなーといつも思います。
どの作品も外れがないです。
以下、思いっきりネタバレのレビューです。
まだ作品を読んでいない方はネタバレなしで読んで欲しいです。
今回のも良かった。
中盤の所の2人の電話での会話。
せつなくてせつなくて、最後「そっかー」という言葉を言ってる須藤、それを聞いてる真木の気持ちが痛い程伝わってくる。
その「そっかー」にたくさんのものが込められてるんですよね。
んで、その後の真木と管理人さんとのやり取り…
泣けます。
こういう「泣ける!」っという所を、ちょっとずらしてもってくる感じ、好きです。
また、こういうのって誰でも経験してるんじゃないかなー。
「あー、なんも世界は変わらず、時間も進んでくんだなー」と思い知らされる時の辛さ。
身近に感じる分、ぐっと真木と須藤に対する親しみが増します。
後、須藤の次の相手の指に光る指輪。
なんとか真木は前に進みたくて、前の自分を取り戻したくて行動したのに
「上書きされる!」って爆発した後にあの指輪。
「上書きされる」って気持ち解る。
前に進まなきゃと思うけど、上書きしたくない、前に進みたくないって思っちゃう気持ち。
そこであの指輪。
まして真木は男ですから、女の私にとっては想像を超えるものがあるんだろうと思うと、
もうその後の電車の所はなんとも言えませんでした。
他にもたくさんそういうのがあって、
こういうホップステップジャンプのようなもっていき方がすごく好きで、
最後の最後まで面白かったです。
後違う話になりますが、
おまけペーパーではちょっと微笑ましく、笑わせられるエピソード。
でもそれが絵が急にコミカルになって「可愛い!笑っちゃう!」というのではなくて、
お話でそうさせるんですよね。
そこもいいなーと思いました。
評価も高く、ファンが多いのもうなづけるお話。
ただ私には1回だけでは話についていくのに必死で、
とにかく頭が疲れた。
面白い!と言われる評価は納得なのですが。
元CIA、元FBAで今は傭兵として働く2人、
抱えてる過去も壮絶で言えない事、そして言いたい事があるけど、それを話すと相手を危険にさらしてしまうというのがあるから、
お互い運命としか言いようがない位惹かれ、求め合ってるのに、そう易々とその熱情に飛び込みきる事が出来ない。
なのでほとんどが相手を試すような、大事な部分は抑えて話すのと、
それでもってまた2人の口調が似てるから、読んでるこっちは読んでるうちにどっちの台詞だったか解らなくなってしまって、
「えぇ〜と、これはトムに言ってるから…」と読み直す事が多かった。
トムは南部訛りなので原作だったらもうちょっと違いがあるのかな?
日本語だと南部訛りは再現出来ないし、かといってどこかの方言を使う訳にもいかないし…翻訳って難しいなぁ〜なんて事も考えちゃいました。
それにしたって2人共超カッコ良すぎでしょ、
ジャクバウアーか!という位のタフさで、
んでもってイラストが小山田あみさんですから更にカッコ良さが増してまして、
そんな2人が孤独に生きてきた姿、過去に対し耐えながらギリギリの所で抗ってる姿はせつなくもあり、美しい…でも悲しい。
私は読んでて2人が幸せにいる姿がイマイチ想像出来ない。
そこまで2人は引き返せない所まで来てる気がして
先が見えない2人がお互いを求め合う姿(心も身体も)を見てるのが悲しかったです。
ただそれよりなにより、私にはとにかく頭を使いまくって読んでたので、ちょっと疲れてしまいました。
初回読んだ時は「う〜ん、面白い気はすごいするんだけど、雰囲気にのまれてる気も…」というのが正直な感想でした。
「悲しい気がするんだけど…」「せつないシーンな気がするんだけど…」になってしまって、イマイチ話が頭に入ってこない。
まぁ、そりゃそうなんですけどね。
2人も作者も色々大事な部分に触れていないので。
そこが面白いとは思うものの、私には色々想像して楽しむというよりは、解読してる感じになっちゃって、初回はただ疲れた。
2回目に読んだ時の方が面白かったです。
ちょっと解ってから読んだ方が私には面白いなーと、
読めば読むほど面白いんだろうなと思いました。
他のレビュアーさんのお話では、本国では4冊目まで出てるみたいですね。
とにかく私はプロフの事をもうちょっと知りたいので、せめて3冊目だけでも読みたいです。
私はいわゆるショタってものがダメみたい。
後、お話自体は面白いと思うけど、
なんというかそこに求めるものが私の好みとは違うんだろうなと思うものでした。
神様へのお嫁入りのお話。
お嫁さん候補として神様から白羽の矢が当てられた柚々。
半ば強制的な印象の神様へのお嫁入りですが、
近年はちゃんとお嫁さんの気持ちも尊重してかららしく、
シンデレラ状態で家の者にこき使われてる柚々に神様である棕櫚は優しく接し、お嫁入りの日までに答えを決めて欲しいと伝えます。
柚々は棕櫚に惹かれてお嫁入りを決心するんですけど、
いざお嫁入りしてみると、棕櫚は神様じゃなくお遣いの身であって、本物の神様じゃなかったというお話。
その後どうなったかというと、
2人は下界に落とされてハッピーエンド。
ただ下界に落とされる前、
神様に反旗を翻す所がこの話で1番面白い所なんじゃないかなーと思うんですけど、回想という形で神様に懇願して許される所のみなので、
既に棕櫚は兵士?達に組み伏せられてるし、
親玉は大して怖くない。
私としては棕櫚の苦悩や反旗を翻す瞬間が見たかったので、ちょっと物足りなかった。
で、
2人下界に落とされて森の木陰でしちゃう訳ですが、
柚々が絵の印象や仕草からどうしても子どもなので
そのアンバランスからあんまり楽しめず、
先程の肩透かしもあって、
色々あって結ばれた2人なのに「良かったね」となれない。
うーん…話は面白いと思うけどなんだかなぁ。
話ってやっぱり盛り上がる所とか名シーンみたいなのがあったりと「流れ」とか「波」みたいなのがあると思うんですけど、それがない。
面白い設定だと思うけど、なんか残念な感じがしました。
で後半。
棕櫚の弟、白栲のお話。
白栲は可愛らしくてもふもふ系。
言葉が喋れず「コンコン」としか話せない。
「コンコン」とあのつぶらな瞳で見上げられちゃったら、
もうなんでも許してあげたくなりますね。
いくらでも絵本読みますわ。
そんな白栲の事が大好きな黒羽がいたり
棕櫚を捕まえに来た奴に捕まってしまったりと色々ある訳ですが、
その悪い奴に何されてるのか解らないまま悪戯されちゃったり、助けてくれた黒羽としちゃったりするんですが、
白栲は何も解ってないままなんですよね。
うーん…ちょっとこれは…。
私には合わなかった。
木原さんの「B.L.T.」だったかな?「甘い生活」だったかな?は好きだったんですけど、
やっぱり小説だったからなのかな。
小説の分、内容がやっぱり濃くなるし、
その後もあるので面白いと思うんですけど、
コミックだからか話が簡単すぎに感じてしまう。
最後悪い奴の尻尾切っちゃう所とか、
なんというか全体的に若い女の子世代が読むものに感じ、
そういうのでこういうのだと
うーん…ちょっと「大丈夫かな」と唸ってしまった。
可愛い絵がダメってのじゃなくて
私が真面目すぎるのかもだけど…ダメだわ。
私には合いませんでした。