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女性さいちゅんさん

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短い話の中に充実の笑いとエロ

※ネタバレといっても軽微です


本編のCDには収録されておらず、聴きたい〜〜〜!と思っていたコミックス描き下ろし部分をこの形で出していただいて、商売上手め!と思いながらも大変嬉しかったです。

とにかく可愛くて大満足。
絵で見せるギャグシーンも思い切り振り切ったお芝居で笑わせてくれて、そしてエッチシーンは本当に最&高でした。
色々な所で書いているのですが私はとにかく増田さんの受けが大好きで、この気持ちいいのが止まらない獅子倉も大変可愛かったです。
あくびをしながら素っ気ない喋り方をする辺りなどのお芝居も凄く自然で生っぽく、それがあるからこそとろとろになるエッチシーンがより汁気を感じて、良い相乗効果になっているなと思います。

虎谷の興津さんは、本編の方のレビューにも書きましたが本当にあまりにも虎谷なので、今作でもとても虎谷でした。

二人の赤ちゃんが見たいなという気持ちと、まだまだゆっくりじっくり恋人としての時間を紡いでいってほしいなという気持ちの両方が私の中にあります。
続編の『運命の番と温泉旅行だなんて』の音声化や更にその続きなど、期待が尽きません。

二人が刻んできた時間の全てが尊い

二本とも最高でした。
素晴らしかった。
どれだけ言葉を尽くしても、この新たな二つの物語に触れられた喜びは表現しきれないのですが、なんとか書いてみたいと思います。


『Once Upon a Time』
こちらは、ボイスアクリルキーホルダーsoloeteの特典から、その後SS集に収録された『追懐のアイビー』を更に追いかけるような内容でした。
春惟お兄ちゃんが『兄』であろうとし続けていたこと、それが母の笑顔の為、そうして母から愛情を受け取る為であったということを、慧斗くんは『追懐のアイビー』の時に理解していて、それから彼は、甘えさせてもらうだけだった『弟』であることをやめ、『兄弟』であることが終わっていくことを実感する時間を経てきたことはその後のSSからも見て取れます。
そうしたことを踏まえた上で聴くと、「どっちでもいいだろ」という台詞にも深い意味を感じました。
弟としての恩返しであっても、恋人としての愛情であっても、本当に今の彼にとっては「どっちでもいい」んだろうと思います。
ただとにかくお兄ちゃんを甘やかしたくて、甘えてくれないと寂しいのが今の慧斗くんであるということなのだと。
お母さんの「はるくんは子供の頃の方が物わかりが良かったわね〜」という台詞はとても痛くて、それに対する、あのエッチを経た後の慧斗くんの「うん」は、とても幸せでした。
子供の頃に物わかりが良かったのはお母さんに対する諦めがあったからだ、ということは過去になって、今わがままを言ってくれる春惟お兄ちゃんのことが、慧斗くんはとても愛おしくて、安堵もしているんだろうと感じられる「うん」の一言でした。
慧斗くんの「俺たち今、超幸せだよな」に対して「そんなのずっとそうじゃん!」と返せるお兄ちゃんの無邪気さというか、本当にそう思っているんだろうなという所に、聴いているこちらがどこか救われたような気持ちにもなりました。
この5年で、いや、出逢ってからずっと、二人の中でいろんな感情の揺らぎがあって今に至っているはずなのに、それを全部ひっくるめて「幸せ」と言ってくれるお兄ちゃんの純粋さと、やはり今も残る兄らしい包容力に、少し心がムズムズする感じがしました。
タイトルの通り昔々を思い返して、その日々があったからこそ今が「ほんと、信じられないくらい幸せだ」と思えることがとても尊いなと思いました。


『Happily ever After』
こちらは、シナリオ担当の桜しんり先生がご自身のサイトに掲載してくださっている『はたんきょう』の内容(「嫌いだった」「仲良くしたくなさそうなのに友達みたいに接してくる」)をはじめて音声として、今の彼らの言葉として形にしてくれたといことが大変嬉しかったです。
春惟お兄ちゃんの「いつか言っとかなきゃいけない気がしてた」という台詞が重いのと同時に、それが今(あの海の時間)だったんだな、としっかり腑に落ちる感じがあったというか。
二人がもう、永遠を誓い合う時に、誰も居ない海で風を受けながら、『今』なんだと、そうやって自然とお兄ちゃんの背中が押された感じに、胸が締め付けられる感じがしました。
「今となっては大したことじゃない」なんて、当時の春惟お兄ちゃんがどれだけ苦しんでいたかを知っていたら、そんなこと――と思うのですが、これはやせ我慢とか無理矢理そう思い込もうとしているものではなくて、本当に今のお兄ちゃんは満たされていて、そうやって過去を昇華できたんだなと、その後の「だぁいたいさあ、〜なれるわけないじゃんねっ」という台詞と併せて思いました。
大人になって、慧斗くんと愛し合えている春惟お兄ちゃんが、子供の頃の自分を抱き締めて慰めて思い出として別れを告げるみたいな、そんな感じがしました。

高校生当時は籠の中に閉じ籠もって互いを抱き締め合う秘密の関係という印象でしたが、こうして生涯共に居ることを確かめ合った大人の二人は、海のように広く大きな世界に踏み出して、より一層絆を強くしたような、晴れ晴れとした愛の深さを感じました。
本当に、二人がこれから描いていく未来を、更にずっと見守りたいと思いました。


二本ともセックスはとても激しく濃厚で大満足です。
穏やかな日常や、少しふざけてみたり、燃え上がるように愛し合ったり、全てにおいて白井さん、増田さんのお芝居は大変素晴らしかったです。
また続きの物語を覗かせてもらえることを心から願っています。

恋愛感情の上手な育み方

まず最初に言いたいのは、白鳥さんが会社員としてかっこよすぎる。
いかにも受けらしい風でもなく、でもとても優しい風貌で、なんというか、社会人としてしっかりしている感じが振る舞いや言葉の随所に滲み出ていて、あぁ、これは惚れてしまうな、と思いました。


以下、かなり個人的な解釈を含む感想です。

人の役に立つことで承認欲求や自己肯定感を満たすというやり方は確かに大人になっても抜けないものだと思います。すごく白鳥さんのその気持ちがわかって、「ただの自己満足」と言っている所にも共感しました。
でも、そんな所に「頑張らなくても先輩は素敵です」と鷹見が言ってくれて、人の為に役に立とうとしていなくても存在を認めてもらえるんだ、ということは本当に白鳥さんにとって衝撃的で解放された感じであっただろうと思います。
本当は多分、これまで白鳥さんと関わってきた人達の中には同じように思っていた人は居ると思うのですが、言葉にして伝えてくれたのは鷹見が初めてだった、というのは白鳥さんの心に大きく響いたでしょう。

ですが、『あんな簡単に返事してよ良かったんだろうか』という引っかかりは大事だと思いました。
白鳥さんの中で、鷹見に対しては常に『かわいい』という感情が先行していて、イコール恋愛感情として捉えていいのだろうか、という疑問をこちらも感じていたからです。
朝倉さんが来た後のエッチの時、鷹見が必死に縋るように伝えた「好きです」と、それに対する白鳥さんの「俺も……鷹見が好きだよ」には若干の温度差を感じました。
白鳥さんは常に鷹見のことが可愛くて喜ばせたくて心配させたなくて迷惑かけたくなくて……というような気持ちを持っていて、その距離の取り方は鷹見にとってはとても辛かっただろうなと思います。

朝倉さんに言われた言葉を引きずって、お祭りの人混みに入らないという選択を白鳥さんがしたのは、彼なりに何でもかんでも鷹見に合わせない、と少し頑張ってみたのかなとちょっと微笑ましい場面ではありました。
けれど朝倉さんから告白された時に鷹見について言った評価が「いいやつ」「優しい」「愛情表現してくれます」というような言葉ばかりで、鷹見からの気持ちを一方的に受け取っているだけのような気がしました。
「あいつのそういうところが好きなんです」と言った後の朝倉さんの表情は、私が感じたようなことを同じように感じていたのかもしれない、という風になんとなく思いました。打ちのめされた……?のとはちょっと違うと感じました。

白鳥さんの中でしっかり鷹見に対する恋愛感情が芽生えたのは、喧嘩をした時『悲しい』と感じた時ではないのかなと私は思いました。
そしてクライマックスで一番好きだったのは「だから自信をなくしてなんていられないんです!」という鷹見の言葉です。
自分がうんと年下であるという事実、社会人として、恋人としての距離感、そういうものに鷹見はずっと悩んできたのではないかと思います。
でも、『不安にさせないように』『心配かけないように』といった白鳥さんの気持ちを、自分が覆すしかないんだ!という強い決意が感じられた言葉でした。
白鳥さんが勝手に自己完結してきたということを自覚して、「俺たちもっとたくさん話し合っていこう」と言った言葉に希望を感じました。

かわいいかわいいと思ってきた鷹見の頼もしさを見た後の「俺に今からどうされたいか言って」はドキューンと撃ち抜かれた台詞でした。
年下がタメ口になる瞬間というのも個人的に大好きなので、あれはたまらなかったです。
服を脱いだ後の『にこっ』もずるかったですね。
あそこから急速に攻め度が上がっていったら、確かに白鳥さんの心臓はもたなくなるだろうなと思いました。
それが年下わんこ攻めの醍醐味ですが!


描き下ろしの「ちょっと焼けた?」と「ちょっと妬ける」は意図的なのかな?と楽しませていただきました。
本編で渡辺さん達が出てきた時に『お、よくある友人に嫉妬するやつか?』と思ったら違ったので(そこでの白鳥さんのスマートな振る舞いも最高でした)、こっちで、その方向で絡んでくるのか〜と、ねじねじと捻ったパンを食べたような気分でした。


これは毎度言っている気がするのですが、ぷぅ先生のエロシーンはぷぅ先生の絵柄だからこその濃度のギャップというか、そういうのがたまらないんですよね。
兜合わせが個人的に好きなので(白抜きですが質感のわかる修正度合いで)それが見られたのも嬉しかったですし、白鳥さんがはじめて鷹見のものを咥えた時もはじめてなのに喉奥――!?と驚かされたのと、出されたものを口から垂らす描写に非常に背徳的なエロスを感じました。


ちなみに、私は朝倉さんがけっこう好きです。
確かに敵を作りやすいだろうなと納得のいく、豪快で自信たっぷりな性格ですが、それも二次元の中なら悪くないなと思いますし(ふふふ)、それでいて仕事に関しては的確なアドバイスをくれる所が魅力的だなと思いました。

ドラマ性良し、エロも良し

まずはおかえりなさいの気持ちです。
原作のドラマCDの続きが出ることをずっと待ち望んでいました。
アニメからもだいぶ久しぶりになりましたが、キャラクターの声を聴いたら全然そんな感じは無く、当たり前のように、いつものようにそこに存在してくれていて、いわゆる“実家のような安心感”に包まれました。
前野さんが「我が家」と喩えてくれたのも凄く嬉しかったです。
アニメではキャス変された周りのキャラクター達も原作キャストが帰ってきてくれて、懐かしさに浸りました。
委員長が登場しないので少し寂しかったですが。


物語としては、恋愛の中のけっこう苦しい部分が描かれているターンなので、ドラマとしても聴き応えがありました。
この話のテーマ『「好き」って地獄』というのが個人的に凄く好きなんですよね。
幸せに溺れて、自分でもそれが怖くなって、案の定深く傷つくことが起きるわけですが、この勢多川ちゃんの場合、そこに母親が絡んでくるのがなんとも涙を誘うところです。
康介さんがくれた、康介さんと育んできた愛が沢山詰まった大切な指輪に勝手に触られたことで感情の制御が利かなくなったことがまず萌えポイントで、そのことに自分で驚き、母を傷つけてしまったことと、指輪にも傷をつけてしまった、両方のことに同時に押し潰されてしまうところに胸が締め付けられてなりません。その上そのことを康介さんに言うことができないから更に苦しんでしまうという、正に『地獄』。
ろくな母親ではないけれど、感謝している、しかたないと思っている勢多川ちゃんの心が健気で痛々しく、飛び出す前に泣きながら手当てをしたというのが実に彼らしくて泣けてしまいます。
ようやく事情を把握した康介さんが「辛かったろう、傷ついたろう」と推し量る台詞には、勢多川ちゃんに対して感じる同様の気持ちと、また、それを支えてやれなかった康介さんの虚しさや悔しさへの共感の二つで苦しくなります。

そして、堰を切ったように泣く勢多川ちゃんにこちらも泣かされました。
特に「情けない」という台詞は、“泣きの芝居の中で「情けない」という台詞を言う”という感じではなく、本当に勢多川ちゃんの心から溢れてきた「情けない」という感情がばっと音になったという感じで、その生々しさに聴いているこちらの心まで抉られるんですよね。
増田さんご自身がフリトでも仰っていましたが、彼のファンとしても、今の増田さんでこの勢多川ちゃんを聴けたのがとても嬉しかったです。

康介さんと夏生くんのやり取りは大人の香りで、これがこの作品(ひとりじめシリーズ)の味に渋みを出してるんですよね。
康介さんの「そんな安い覚悟のつもりねぇから」はBL史に刻んでほしい大好きな名台詞です。
勢多川ちゃんが夏生くんの気持ちに気付いて康介さんへの独占欲を強めるという流れも好きで、原作を読んでいる身としては、ここで芽生えたそれを応援したくなるような気持ちになります。

また、今巻はこれまでで一番エロ度が増した巻であることも魅力の一つだと思います。
決してセクシャルな雌みがあるわけではない、けれど康介さんとの行為に溺れている勢多川ちゃんの喘ぎが絶妙な匙加減で、わたしの大好きなキス喘ぎも沢山聴けるので大変おいしくいただきました。


是非また続きが出ることを願って止みません。

音だけで描かれる春田ワールド

もともと作家買いで原作を読んでいて、しかも獅子倉は脳内CV増田さんで再生していたので、現実になってしまったこどがまずとても嬉しかったです。

実際に聴いてみると、増田さんはかなり素に近い……と言うとやや語弊があるのですが、“増田さんがラジオなどでふざけた時に出てくる煩い奴”のそのまんまという感じで、なるほどそう来たか〜と思いました。
はじめのうちはやや作ってる感があるかなと感じましたが、ノッてくると本当にのびのびと煩かったですね(笑)
巻き舌も気持ちよかったです。
でも煩いだけではなく、喫煙所のシーンで思い切り傷いて吐き出した「いい加減にしろ……ッ!!」「〜ムカつくんだよ!!」の泣きそうになっている声音は凄く切なくなりました。
やっぱりああいう、誇張した泣きの芝居ではなく、湧き出る想いをそのまま音にするのが本当に巧い役者さんだなと思います。
そしてやはり彼の受けが私は大好きです。
ギャンギャンと反発しつつも溶かされていってしまう過程の攻防とか、すっかりトロトロにされてしまってから果てるまでの喘ぎと台詞がリアルでスムーズでとても良かったです。
夢の中の、満員電車では声を我慢してるのと、公園のややデフォルメされてるのも好きでした。
ブックレットやフリトで触れられていた、風呂から土下座の切り替わりは本当に素晴らしかったですね。
ちゃんと原作の勢いを踏襲して、読み手の感じたままを収録でもやってのけてくれる増田さんのプロ意識が嬉しいです。

そして、興津さんの虎谷が、全編通して聴くと試聴で感じた以上に凄く虎谷でした。
合コンで庇うシーンとか、お見舞いに行く話の必死に白々しくする感じとか、ホームでの告白の、照れと、腹を括って言葉にする抑揚とか、本当に理想通りでした。

後輩くんの玲央くん、小野田さんの坂くんもとても良かったです。
特に後輩くんはめちゃめちゃ味があって、ギャグ作品としてかなりキーマンになってくれていたと思います。

原作とCDでは台詞の勢いがやや違う所もありましたが、特に違和感は無く、音声作品としてスムーズに聴けるものになっていました。
ナレーション部分の変更や、いくつかのシーンのカットも問題は無かったですが、出張先のホテルでのセックスシーンを短くされたのだけが唯一残念でした。
精子を欲しがるというのはオメガとしてだいぶ開発された一つの証左となる重要な部分だと思うので、原作通り一度イカされて尚追い立てられるという流れは守ってほしかったなと思います。
それにしてもその増田さんの「精子が欲しい……♡」の台詞は素晴らしかったですね。
偶然の産物かとは思いますが、息を吸った音がうまい具合に「♡」を表していたように感じました。(意図的にやっていたら天才)
結ばれた後のセックスシーンは、獅子倉のモノローグの後まで原作より+αで続いてくれたのが良かったです。

帯裏やケースの中、おしゃべりCDの盤面までふざけていて、トータルとして、あの春田ワールドを良くCDとして仕上げてくれたと思います。
コミックスの描き下ろしの話も聴きたかったですね。
続編も描かれていますし、また音声化してくれる機会があったら嬉しいです。

じっくり耳でドラマを楽しめる

もともと良作である原作をしっかり音声作品として質の良いものに仕上げてくれていました。
まず、ブラック企業に捕らわれてしまっている社畜と、家庭環境に恵まれず達観してしまったダウナー系年下というキャラクター設定に重みがあります。
中学生と小学生だった頃以来の突然の再会から今回の物語が始まるわけですが、ストーリーの展開のしかたが単調ではなく、それぞれ個の物語と、それが重なり合う二人の物語という組み立てがよくできているので、そのドラマを増田さんと前野さんの良い芝居で聴かせてもらえるのはとても満足度が高いです。

増田さん演じる浩国は、見た目がザ・普通であり、見事に仕上げられたザ・社畜で、作中の大半はボロボロですが、フリトで、音声化にあたり、漫画よりも表現の幅をほんの少し大きめに作ったという話をされていた通り、とても生き生きと、等身大の一人の人間としてしっかり存在していました。
徒労でしかない人生の流れが大きく変わった、自らの選択で変えた、プロポーズの劇的な瞬間の爆発力は素晴らしく、まさにクライマックスという輝きでした。
映画館のスクリーンに映るカラーの映像が見えた気がします。

前野さん演じる甲斐は感情の起伏が小さいのですが、その中で浩国に優しく寄り添う声音だったり、好きな相手に迫る男の声音だったり、諦めの色だったり、そういった些細な機微を丁寧に聴かせてくれました。
事前に公開されていた動画で声は聴いていましたが、本編の第一声である「死んでんの?」で、あ、間違いない。と思えました。

あと、これは私の個人的な趣味の話ですが、増田さんの受けが好きなので、えっちシーンは少ない今作ですが、そんな中でも、やはり光っていたな、と。
ストレートの浩国の生理的に出てしまう声、という感じがとても良かったです。

フリトでお二人も言っていたように、会話をよく聴けるドラマCDであり、はじめにも書きましたが原作がそもそも良いので、ストーリー重視で芝居を堪能したい人におすすめの作品だと思います。

リーマン✕ランジェリーは耽美

ドラマCDの予習として読みました。

ランジェリーものは元々そんなに好みではありませんでしたが、こちらは絵の綺麗さと、獄寺さんの見た目が非常に好みだったことでときめきながら読めました。
加えて、年下大型わんこ攻めが好きなので、そこはドンピシャでした。

ストーリー自体はド王道なので感情が掻き乱されるようなことは無く、ツッコミ所もありますが、ランジェリーエロ特化型作品という風に見れば良作だと思います。
上に書いたように絵が綺麗なので、鬼上司としての顔が本当にイケメンで、それがぐずぐずになる匙加減が良い塩梅でした。
獄寺さんがぐずぐずになってしまうわけは繊細でピュアなものだったので愛しみポイントです。
タイトルがちゃんと回収されていました。

あとはポメラニアンの可愛さですね。
元ヤン(を頑張ってた)でありながら可愛い獄寺さんがふあふあのポメラニアンを抱いていたり色々と触れ合っている描写は心の表情筋が弛みました。

ブラは着けていないので、セットを求める人にはもしかしたら物足りなさがあるかも。
頼りなげな布がテントを張る描写が好きな人には刺さります。

キャストが一番楽しんでいるハッピーでクソな傑作

これはもう、書くことが無いです。

メインのお二人はもうこのキャラを何年も演じてきているかのような安定感で、好き放題やっているという感じですね。
また、『触手』や『シチュエーション』、『氷刻苦』など、絵で笑わせる要素が強いものも上手いこと音声化されていて、そこは制作の皆さんの技量が凄いなと思いました。(あとベスト・オヴ・ヨシキ2020)

ほとんど穴に関するギャグしか無い今作の中で珍しくBLらしい萌えで鳩尾を殴ってくれるのが『シチュエーション』の最後の『りょうおもい』ですが、神に気絶させられた後、シチュエーションお題がはらはらと舞い散る様を神のナレーションで説明してくれたのは上手いな〜と思ったのと、最後の「りょうおもい」でックゥ〜となりました。

個人的に上田麗奈さんのお声がとても好みだったのですが、あのお声に「ぽ」の台詞を言わせた今作は本当に罪深いですね。

帯に隠れていた部分に「ちんちんは点滴やね!」の名台詞が書かれていたのと、盤の穴に『シチュエーション』の中にあったのと同じように『Free Anal』と矢印が書かれていたのは最低(最高)でした。

キャストトークも言うまでもなく大盛り上がりでしたね。
3巻も絶対あると思うので楽しみです。

巧みに組み立てられた恋とエロのロジック

見事。という一言が合っているでしょうか。

きっかけは変態的な小雨さんがたまたま綺麗な拓を見かけた、という所からスタートしましたが、結局これが運命の導きだったんだろうなと思います。

『価値なんて誰が付けるのか』
これです。意味深な台詞でしたが、やはりこれがテーマだったんだと最後に気付かされます。
小雨さんは拓を可愛いと思い、拓に価値を与え、拓を求めた。
拓は小雨さんに癒やされ、小雨さんに価値を与え、小雨さんを求めた。
互いの想いが恋となり、通じ合った。
この流れが島子先生らしいぐにぐにとしたエロと共に展開されていくのが凄いです。
極めて純粋な恋の芽生えと、先生の個性の融合が『見事』でした。

『強い』とは何か、『弱い』とは何か。
高井との対比と、拓の「今はまだそういう勝ち方はしたくない」という台詞が印象的でした。
彼は本当に、根性があるんだと思います。
あるから脆いんだと思います。
小雨さんと出逢えてよかった。

そして相変わらずお友達のキャラが良い。
全体的にシリアスな空気の中『絵えええ』で思い切り笑わせてもらいました。

キャスティングに賞を贈りたい

BLとしての萌えよりも、キャスティングが素晴らしくギャグ作品として非常に面白かったのでこの評価です。

もともと増田さんのおどおどしたお芝居が好きなのですが、この作品はそれを存分に堪能できたのが嬉しかったです。
言葉の詰まり方や緩急が取ってつけたような芝居ではなく、とてもセンスを感じるものでした。

松岡さんのツッコミの勢いや『!?』というリアクションの一つ一つも本当に面白かったです。

そして、ハンサムくんの白井さんは本当に、本当にお声がハンサム。天才的にハンサム。
わたしは白井さん×増田さんの組み合わせが好きなので、擬似的にそれを聴けたのも個人的に凄く嬉しかった点です。
別録りなのが残念でしたが、違和感無く自然な絡みで素晴らしかったです。
ユニゾンもめっちゃ楽しかった。

キャラデザの個性が突き抜けている漫研メンバーも最高でしたね……。
フリトでも盛り上がってましたが、リーダーはもう絶対杉田さんだし、原作を読みながらこれはいったいどんな芝居になるんだろう……と想像がつかなかったマルくんとシカクくんも大変良かったです。
特に西山さんのマルくんが思った以上にとっても可愛くて、凄く好きになってしまいました。

原作2巻の序盤まで収録された2枚組でボリューミーなCDですが、ライトな作品で笑いたくなった時にはおすすめです。