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クールな刑事さんは実は泣き虫

10年を経ての2巻目!おめでとうございます。
さて、1巻でやっと素直になれた2人、のその後。

ホストクラブ経営者の文と刑事の崇晴は秘密の恋人。
表向きは敵対的、実際はそれなりに甘々な関係を築いていたけれど、文は…
大きく言えば「仕事か俺か」的な命題と言える?
文も仕事人。崇晴の仕事に関してもよく理解はしているけれど、理解と感情は時に相対するものであって。
ある仕事で一ヶ月連絡が無かったことが堪えてしまった文。
崇晴が怪我をしても、最悪死んでも、自分は何も関われない…と。
そんな文の不安を知って崇晴が起こした行動は…
…と言うのがこの2巻。

崇晴〜!あなた変わりましたね…
ひとりで勝手に文と別れて、ひとりで勝手に線を引いてたあの頃とは心が変わったんですね。肝が据わったんですね…
文の愛に応えようと動く崇晴がいい。とてもいい。
大人のビターなすれ違い、そこから甘さ控えめながら熟した愛へ。
あるべき大人の愛と仕事と生活の姿を見せてもらった。「萌x2」で。

大人のビターなすれ違いLOVE

10年経っての新装版プラス続編。おめでとうございます。
旧版既読。

高校時代に付き合っていて、その後数年間別れた後の再会愛…のホストと刑事の物語。
お互い好きなのに口では…の不器用なケンカップル……と言うには2人とも年を重ねて臆病になって、心からの「好き」を言ってしまえば終わってしまう、と思い込んでいるよう。
どこか手放しで飛び込めない、踏み込めない2人の距離。
自分だけが本気で好きなんだ…そんな誤解とすれ違いが、若い2人の両片想い物語とはまた違うビターさを醸し出しています。

「まだ夜は続く」
文がネックレスにしてつけている「指輪」のエピソード。
お互い会わない時間に嫉妬してるけど、お前だけだ、という甘エピ。

「二十歳の思い出」
二十歳の時は5連続でやったな、と言う崇晴に一回で愛は伝えてる!と抗議の文。渾身の愛の告白です。

「わんにゃん物語」
「Knife」とのコラボエピソード。
崇晴は黒猫、佐久間が犬、そして文と津積はマンションの隣人という設定。
犬のタイシはお隣のネコちゃんと遊びたい、と飼い主の津積におねだり。ネコのタカハルが遊びに行って…
遊び疲れて2匹くっついて眠る姿に両飼い主興奮、というお話。


旧版は手離してしまっていたので「2」と一緒に購入しましたが、未収録ショートが収穫でした。

HAL9000かベイビィ・フェイスか

昔の小説を読みたくてこちらを。
1989年はさすがに古かったか、BLというより一般文芸ですね。

テーマは今でも興味深くて、コンピューターが意思を持ったら?コンピューターが人に恋をしたら?
そこを、少しのサスペンス/ホラー風味で味付けした作品です。
視点は、プログラミング担当者(?)の里見。
故障が続くコンピューターのメンテナンスを行おうとするが、なぜか原因もわからない。その上、本体に触れると酷い静電気が起きる。
だが、故障のために長時間労働をしているデータ室の丸木洋司はおかしな事を言う。
「岡田」は指示しなくても処理を始めてくれることもある、と。(洋司はコンピューターに名前をつけている)
洋司1人の時はあまりトラブらない、この部屋で寝てるとおかしな夢を見る…

このような設定はとても興味深いんだけど、これだけで里見がすごく危機感を持ったり、データ室に出入りしていた女子事務員が急死したり、とこじつけ気味な急展開が出てしまっている。
結論はやはりコンピューターが意思を持ち始め、洋司に執着して独占しようとしている…を匂わせて。
そこにどんでん返しをぶつけてくる…⁉︎
……んだと思うんだけど、ラストは正直わかりづらい。やりたい事はわかるけども、消化不良です。
このテーマは今現在でも十分有効、Sキングの「クリスティーン」のAI版みたいなの誰か書いて〜と言っておきます。

注、レビュータイトルのベイビィ・フェイスはジョジョ5部のメローネのスタンド。パソコン型で邪悪な女性に邪悪な子を産ませる。

紳士なエロ魔王は待てができるのだ。

昔の小説を読みたくてこちらを。橘先生初読み。

読んでみたら…面白くて一気読みでした。
主人公はノンケリーマンの瞬。
結婚まで考えていた女性にフられ、ヤケ酒の後にチンピラに絡まれ、助けてくれた男性の家に転がり込んだ瞬。
目覚めると何処かから男女の喘ぎ声が聞こえる。
部屋を出てみると、なんとそこはAVビデオの撮影現場で…⁉︎
…と始まります。
そこで演技指導をしながら監督をしている早見に目を奪われて、結局は心も奪われる…というお話。
瞬はノンケだけどすぐ受け臭ぷんぷん。
一方攻めの早見はバイ設定なので、自分の男臭い魅力と性のテクニックを駆使するのは納得です。
早見は元々文芸派の映画監督で、その才能と行動力はスタッフの皆を惹きつけています。そういう人望も彼の魅力。
早見にぽ〜っとする瞬は、ゲイビに出るか?なんて聞かれてすぐ承諾しちゃうし、早見の方も演技指導なんて言いながら心はマジになっていくので、この辺は誤解とすれ違いの両片想い展開をキッチリ押さえてきます。
終盤に大きな波乱が起きますが、これは正直強引かな。瞬がヤクザに拉致されて早見が王子様のように助けに入る、ってのはさすがにマンガっぽいかも。
とにかく早見が魅力的で、私の脳裏には若き日の原田芳雄が浮かんだわ(古い…)。
エロは確かにエロいんだけど、なぜかとっても純情を感じました。「萌x2」で。

イメージの奔流

好きすぎる作品って、レビューできないですね…だから初読みは2014年頃だったけどもう10年経ってしまった。
…というわけで、明日屋の2巻目です。

構成は1巻と同じで、持ち込まれる古道具にまつわる怪異と人の心を秋緒(とキッカ)がほどいてゆくストーリー展開。
手が無くて扇子が持てない女形のために地獄を巡る秋緒。
狐の子に火鉢を売ってあげる秋緒。(この話泣ける…)
愛しい人と馬の背で川を飛び越える花嫁御寮。
愛しければ骨だけでわかるの?のガシャ髑髏。
あの世に原稿を受け取りに行く編集者。

そしてついに秋緒の秘密が、天宮とキッカの秘密が、死の世界の秘密が、明らかになってゆく。
目覚めて独りの秋緒は寂しかろ。これなら死んだ方が良かった?それは違う。
いのちは情熱に値する…
私にとっては、そこがテーマのように思えました。
さて真実がわかったところで振り返ると、なんという不思議世界、なんというイメージの奔流。
こんな作品が他にあるでしょうか。正に唯一無二。
究極の神作です。

世界の裂け目から

世界の車窓から、みたいなね。
いや、世界というより世の理(ことわり)の裂け目から…って感じかな。
本作は、私の初ARUKU作品でした。
最初っからこんなの読んじゃって、そりゃぁもう信者になりますよ。
…というくらいの神作です。マンガ大賞レベルです。いやもっと。

はじめは、オカルトっぽいのおもしろ!という気持ち。
3話目の「旗」あたりからずーーーんと低音が響いてきて、この只事じゃない物語の深さから全く目が離せない。
天宮とキッカ。
生き残った者の心理。
刀の意志は、護りたいのか斬りたいのか。
秋緒の生を許さず追ってくる死…
事故には何か秘密がある?と匂わせる1巻はここまで。

さて、巻末には「楽しい俳句教室」という短編が2編収録されています。
これがまた最高。
忍田先生の俳句も加賀美の俳句も出てきません。ただ、俳句を通じて季節を感じ取り、自分の感情に言葉を見つけていく加賀美がいい。
なかなか、いや全く報われないところもまたいい。

キュートで天然なハスネを愛でよう

ARUKU信者である私の初ARUKU作品は「明日屋商い繁盛」でした。そこでブッ飛んだ私が2作目に選んだのが本作、ハスネサイコロジー。確か…2014年?
10年を経て今読んでも。
やっぱり最高です。

読んでみると、最近のARUKU作品に見られる要素がすでにここでも、というのがわかる。
主人公の無垢。
主人公の不憫。
溺愛。
あ、あと怖〜い女たちも!
絵柄はちょっとカクカクだけど、私はそこも含めて好きなんです。
なにしろ主人公のハスネがキュートで。
はじめは女の子にモテたかったり、人を妬んだり、の普通男子。
それが藤原の溺愛を浴びてどんどん可愛くキュートになっていく。それどころかカウンセラーさんを惑わせる天然美少女的側面まで発動して。
終盤に藤原父の横槍が入る不穏展開があるけど、作品自体に毒がないから全体的に読んでてクスッと笑えるし、最後はほっこりできる。
ARUKU先生作品はちょっと怖い?と先入観持ってる人にもおすすめできる可愛らしいお話です。(怖い女達はいるけどね。)

作者様は多分コミカルと思って書かれている。でも

須和雪里先生の作品、だから一筋縄ではいかない。
やはり読んでびっくり。

BL?

BLではないですね。
内容は、「集団自殺」。
当然冒頭は暗い。救い無い。
ネットでの募集に応じた4人の男性がある駅で待ち合わせて…と始まります。
まず3人が先に着く。
死にたい理由は言わない約束、なのにやっぱりこれまでの不幸や不満、恨み言、自虐を語り出す3人。
そして最後の1人がやっとやってきて…

向かうのは伊豆にある彼の別荘で、そこは海を一望する崖の上、温泉を引いていつでも入浴できる、そしてせっかくだからと上等な肉で焼き肉を始める。
志願者のひとりは怒り狂い始めます。
こんなんじゃ死ねない!と。死ぬ気はあるのか!と。
すると別荘男がある爆弾を投下します。
彼の発言でその場/皆の決心が滅茶苦茶になって、一気に物語が動いていきます。

振り返ってみると、前半は皆の視野は凝り固まっている。その上で死しかない、という一方通行にはまりこんでいる。
でもそうじゃない、という視点を見せてくれる作品なのかな。
読み終わってみるとコミカルな風味を感じるけれど、前半はほんとに暗い。
鬱気質の人は引きずられないように気をつけて。

欲張りお題ながらまとまっている

4作品収録のアンソロジー。
お題が「幼馴染x初恋x体格差」というトリプル設定。さてどうなるか。

以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)

「アイツは俺の王子さま」鴉島ルイ
自分だけ背が伸びてしまったからいつも王子様役の風馬は、本当は結哉のお姫様になりたくて…
ひとりで胸に秘める想いは通じるか否か⁉︎
希望エンド。風馬を応援したいですね。

「僕は彼の一番にはなれない」ホームラン・拳
容姿成績家の裕福さ全てに恵まれている成沢の片想い相手は、二次元にしか興味がないオタクの幼馴染・悠人。
健気に悠人が喜ぶことだけを考えるが悠人は鈍感で…
こちらも希望の見えるエンド。

「僕のワンだふる計画」さだ
幼馴染の叶が急に彼氏か犬にしてくれ、と告白してきて…
彼氏にはできないから犬にするんだけど、叶は全くめげない。しばらくは犬かな。そして愛犬へ、そこから彼氏〜?

「藍と間と愛」環山
実家の農家を継いでいる蒼葉と、街の大学に通う真衣(さない)は、時々会って寝る仲。
蒼葉は真衣が好きだけれど、土地を離れられない以上決定的な言葉を言うことができない。
この作品はすごく雰囲気があって良かった!絵柄も好み!


低身長の方が主導権を握る…みたいなパターンが繰り返されてる感があって、そこは残念。しかし、トリプル設定で渋滞するかと思いきやその辺はまとまっていたと思います。
最後の環山先生作品が好み。追ってみよう。

設定が欲張り

3作品収録のアンソロジー。
お題が「双子x両片想い」。
片方だけでも十分なお題なのに2つが重なると……⁉︎

以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)

「慈と善」ネオショコ
宗教二世? 幼少時、毒母の支配に震えていた双子の慈(ちか)と善。母の死後も心は縛られている。
不安になると善は慈にキスをねだり。
慈は心の底でその行為は異常だと苦しむ。何より慈は他人の期待/依頼を断れない。
善も慈の悩みに気付き…
両片想いというより、お互い助け合う2人のお話。キスまででHはなし。

「双子相愛には程遠い」くらげ壱
小さい時に口をきいてくれなくなった弟。ところが最近時々刺すように自分を見ていて…
弟は兄を嫌っているのではなく、逆に強い執着心を心に飼っていたのです…というお話。確信犯すぎてコワい。
この2人は外見も体格も全く似てないです。双子設定に無理があるかも。

「恋と指切り」茶渋たむ
酒造会社の双子御曹司。片方が跡取りのいない祖父の親友の家に養子に行ってしまい、そのまま外国へ。しかし高3になっていきなり目の前に現れて…
なぜひとりで別れて行ってしまったのか。彼には恋を続けていくための強い意志を秘めていた、ということ。
この作品が一番「双子x両片想い」のテーマに合っていると思いました。


双子と両片想い、ひとつでも強い設定なのに2つ重ねる事でムリが出るかなぁ…という印象。欲張りすぎなんですよね。