ふばばさんのマイページ

萌×2作品

PREMIUM レビューアー

女性ふばばさん

レビュー数50

ポイント数281

今年度12位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

雷に撃たれるように

オメガバースの基本形的な作品。

一応Ωへの差別は無い、だが人々の心の中ではまだまだ偏見あり。そして「運命の番」は天文学的確率。という世界観の元で展開していきます。
主人公は、デザイナーの日比谷(α)。
ある仕事で担当相手だった月島(Ω)が部屋に入ってきた途端、お互い雷に打たれたように発情が始まり…
そう。2人は「運命の番」でした。
そのまま激情に流されて体を重ねた2人だけど、お互い第一印象が悪い上に月島には自分のΩ性に色々と抱えるものがあって…
…と、オメガバースあるあるの「Ωである事の不幸」というか切なさというか、そういうものが強調されています。
でも、日比谷はそんな月島の気持ちをちゃんと汲んで、思いやりを見せていきます。
月島に想いを寄せるα女性の存在などもありつつ、日比谷と月島が心でも結ばれて幸せエンドへ向かう、というある意味王道系。
オメガバースが好きな人には絶対刺さるし、あまり読まない人には基本が読める。絵柄も良くおすすめです。

私にとって一番印象的だったシーンを上げておきます。
2人でいると発情に襲われて結局日比谷に縋ってしまう。Ωという忌々しい私の身体、惨めだな…
そう思うと、抱かれながら月島の瞳からポロポロと涙が溢れる。
このシーンに「萌x2」を。

意地悪ノンケと押されっぱなしの年上ゲイ

リバーシブルが好きな私。そこから派生して「攻めが受けに転向する」のも好みの設定です。
ただ、このテのは私が苦手な「攻x攻攻防」系が絡むことが多くて。
本作もそんな感じ。

主人公はタチ専のゲイ・豊。
仕事のストレスでEDになってて、バーでヤケ酒。
酔ったはずみで好みでもなんでもない若いノンケと寝た⁉︎何も覚えていないが、俺は勃ったのか⁉︎
ワンナイトと思ってたのに、次の日その相手が職場にバイトとして入ってきて…
…と始まります。
このノンケ・芸大生の爽太は悪びれもせず平然と接してきて、休日前に宅飲みにも誘ってくる。特に警戒もせずに爽太の家に行くが、急に手錠をして「思い出しました?」と言いながら組み敷いてきて。
このノンケ。躊躇なく後ろに指も入れ、豊のtnkも咥え、キスもしてガッツリ挿入も。相性がいいから付き合いましょう、とも。
豊は気持ちでは抵抗しまくるけど〜…

ただし、このノンケはちょっとタチが悪いよ。
Hを隠し撮りしてたりさ…
そんな性悪のところがやっぱり障壁になるんだけど、それも豊への必死さの裏返しとも取れるわけで。
一方豊の方も自分の内面に向き合う素直さがいい。
2人の恋心が花火みたいに輝くシーンがいい。
ケンカップルというより精神年齢が同じ感じ?これからもぶつかったり悩んだりしながらしっくり馴染んでいくんでしょうね。

いにしえちっくで良い

49歳x50歳のラブストーリー…これは読まねば!ですよ。
さて、本作は一冊の長編というよりも現在や過去のエピソードを連ねるオムニバス的な。
そして絵柄とか設定とか、いにしへのかほりが。だから私には読みやす〜い。

絶交して25年。再会してブランクなど無かったように燃え上がる恋…いや違うな。
消えたことなど無かった想いが目を覚ます、ような感じ?
それでも49歳イケおじ俳優の方ははじめちょっと気まずさがあるんだけど、50歳優しげ映像作家は全く屈託がない。ケロッとしすぎ。
そもそも「絶交」ってのが昭和以前ぽい。
出会いの頃(大学生)の禮司はキリリの剣道青年。
雪比古はその益荒男ぶりにビビッときたんでしょうねぇ。
なら、禮司の方は雪比古のどこに惹かれたのかしらん?やっぱり才気なのかな。

実は禮司はバツイチで、息子あり。
その息子も俳優になって、彼とのギクシャクした関係性なんかも描かれます。
新たに恋人としての関係性を構築していく禮司と雪比古だけど、ふと自分たちの年齢も気になる。
フワフワと軽やかな自由人・雪比古の心の中の不安や弱さを受け止める禮司は、さすが経験を重ねた包容力を見せてくれます。
恋人から伴侶へ、の一層の結びつきを読ませてくれる熟年愛の良作。
絵柄的には禮司の渋さが良い。
エロはほぼなしで読みやすいです。「萌x2」で。

番解消離婚⁉︎

オメガバースで「離婚へのカウントダウン」という斬新さ!

まず、「番因子フェロモンを無効化する薬剤の使用で番契約を解消できる」という世界観。
そして、元々βだったレイは「後天性Ω」。バースの変化という設定もあり。
そんな中で初めは「俺様な名家α夫・天星の横暴に愛想を尽かす」…的な空気で進むストーリー。
天星は気楽に考えてプレゼントや外食攻勢、Hで有耶無耶、しかしレイはそんなものが欲しいわけじゃない。
「レイが欲しいもの」がわからずに期限の1ヶ月がきて、遂に番契約が切れて…
…というところで過去編が挟まれて、2人は元々友達だったこと、名家の重圧、レイの家の苦境などが明かされ、レイは天星を愛しながらも自分から離れようとしている、という裏側が明かされていく。
この辺は正直…目新しくない展開になってくるし、そもそもレイは番になった時の天星の感情を誤解していたことが発端だった、というちょっと拍子抜けな…
天星の独占欲とか結構強いのにたった一つの「言葉」が無かったことでレイは不安が消せなかったのかなぁ。
ともかくも、誤解は解けてすれ違いも解消、あとはハッピーなエンディングということで斬新な冒頭の割に既視感な展開になっちゃったなぁ、という感想。
絵柄は良いです。天星の俺様なカッコよさ、レイも受けだけどカッコいいしキレイ。
「萌x2」で。

檸檬のようにフレッシュな

性癖への目覚めの一瞬…
…というには美形すぎて、変態すぎて。

主人公は、大学生の高梨。
同じ講義を受けているレモネード色の髪の三津谷が気になって仕方ない。
風俗でバイト?という噂を元に、ストーカーのようにSNSをチェックして遂に見つけ出す…

三津谷はSM風俗でS専として働いていた…!
高梨は予約して店へ。
三津谷も高梨を認識して驚くも、高梨もMだったのか…とプレイを始めようとするが…

これ、短編ながらも色々複雑な心模様と一見無理筋なSM設定への流れがスムーズに描かれてて、かなり興味深い。
MなのにS役をこなす三津谷。それはどこがMのツボかよくわかっているから。
一方、三津谷のふとした仕草で彼の痛みへの反応を正しく読み取っている高梨の本能。
フィットする快楽と両立する甘酸っぱい初恋のときめき。

スパンキングされる度に弾け飛ぶ爽やかな檸檬の果汁。そんなフレッシュなSMBL。
ん⁇

カワイイハッピーエロを求めると火傷する。

これ、スゴイ…
昔のトピで作品名があがっていて、中身はよく知らずになんとなく購入して積んでいたのですが、やっと読んでみて頭ブン殴られたような気分。
エロ配信のラブコメ系?かと思いきやの超重苦しさ。
紙本で分厚いな〜と想ったら、コレは内容2冊分ですよ。
そして後半が怖い。

Ωの美少年ネットアイドルMAIくんが重課金ファンだけに見せる発情アナニー配信。
MAIファンのΩ少年・南くんがオフ会に当選して、それがなんと2人っきり、そしてMAIくんに誘われてHまで…というトントン拍子のラッキーエロ。
…みたいなウキウキ展開から、急転直下。なんでこんな展開に⁉︎
ゾワゾワしながら読み進めて、ラストもモヤモヤのままなのも鳥肌です。
可愛い絵柄でドシリアスなのも違和感を増幅させている。
ともかく、可愛くてエロくてハッピーなお話を求めて読むと火傷しちゃう。メリバやダーク系に耐性がある人向けだと思う。

Dom/Subのバリエーションが読めるアンソロジー

5作品収録のDom/Subテーマのアンソロジー。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)

「ハチの首輪」ほわこ
幼い頃、幼馴染の凛とのペットごっこと首輪をつける行為が、多分Domであろう凛とのパートナー契約になってしまった八田(やた)。その後引っ越してしまった八田は他のDomとの行為では満たされず、ずっと薬で不安を抑えていた。
だが、大人になり教師実習生として赴任した高校になんと生徒として凛がいて…
…という再会もの。
子供のごっこ遊びも怖いな〜…
心の穴が埋まって良かったね、なんだけど、やっぱりコマンド即セックス。

「ぼくの不器用なコマンド」日野原
中学の時の検査でSubと判明し、友人達に乱暴にからかわれた事でDomに恐怖心を抱いている涼。
かかりつけの病院で会ったクラスメイトの大河と親友になってSubの悩みを共有していたのだが、実は大河はDomで…
大河は涼の事を深く想っています。優しいエンディング。キスまで。

「花の愛しかた」doji
Dom/Subプラス獣人もの。
Domの花は、獣人でSランクDomの真冬先輩と仲が良い。と言うか、真冬はいつも花をエスコートするような態度なので花はなんとなく居心地が悪いのだが。
実は花は最近体調が不安定。それはSwitchの兆候が出ているから…
花は隠していたけど真冬は気付いていて、花をパートナーにしたいと申し込みます。
このあと一冊のコミックスになっていく最初の章。

「運命ははぐらかせない」にたこ
中学生の時から大好きだったショウキさん(Dom)に告白し続け、やっとOKをもらったアラタ(Sub)。
ついにプレイとHのとき迎えるが…
アラタの想像と違って、ショウキは「抱かれる」側だった、というお話。
Dom受けものです!
まず絵柄良し。2人の性格良し。読後感良し。あ、エロも良いです。

「ミッドナイト・スウィート」m:m
オンラインゲームで知り合った雅(Dom)とリア友になった乾(Sub)。ダイナミクスの悩みも話し合えるが、泊まっても何も起きない⁉︎
雅は自分の酷くしたいDom性に悩んでいて…
雅が好きになっていた乾はプレイを持ちかけます。
プレイ中の雅はSっぽくて、遠慮がちな普段とのギャップがいい。

Column
桐式トキコ
精神科医Domxヤクザ若頭Sub。狂犬Subの快楽堕ち系は?
イイと思います!

三栖よこ
パートナーのいないSub向けに命令音声を配信するDom、は?
コレ絶対面白そう。わたしはぜひ読んでみたいです!


アンソロジーの中では収録作少なめだけど私には丁度良かった。
日野原先生作品、m:m先生作品、コラムの三栖よこ先生の発想が好きでした。

イケ攻め、乱れる!

仕事ほどほど、オトコ遊びには精を出すバリタチリーマン・楠が、遊んでやろうとしてナンパした悟にゴリゴリに掘られて作り変えられるお話。
私はリバーシブルが大好きで、そこから派生して受けに変わる攻めや攻める受け(←コッチは滅多に無い)も好きなのです。
さて本作。
冒頭が…
あれコレ、◯ンニン?
他作者様の某作品に似ちゃってるんだなぁ…
このあとこっちのニ◯ニンくんは優男にヤられて、いいように翻弄されていくわけだけど。
悪あがきするけどあっさりまたヤられちゃう楠と余裕たっぷりがちょっと憎らしい悟のワチャワチャは悪くない。
プライドを折られて怒っていた楠が心も悟に奪われていく所なんかは、わかっていても面白く読みました。
一方、悟はなんか訳アリげな様子も見せつつ結局裏も何もなかったので、ちょっと肩透かし。
絵柄はとても良い。
登場時はいかにも受けっぽかった悟も結構かっこいい攻めとして成立してるし、元々イケ攻めの楠が乱れるのが良き。
設定と顔がニnニnに似すぎてるのがな〜…「萌x2」で。

いのちと自由についての書

完結巻。正に「大作」の風格。
というのも、この作品は当初のお家騒動から命、抑圧、階級、自由、革命にまで拡がった壮大で痛ましい世界観を見せてくれたから。

研究所に監禁された真宮を伊織は救出できるのか。
その結末は、研究所所長などの闇と犀門の過去と共にまるで映画のような緊迫感で描かれます。
9巻のレビューで書いた通り、最後は個々の平安が概ね果たされる流れでの展開だったと思います。
根底にずっとあるα至上社会の転覆や、社会構造の変化までは残念ながら行きつかないある意味リアルなエンディングだと感じました。
ここは、作者様のあとがきまで含めて最終的な納得に至る感じなのかな。
そして、本作はオメガバース。
女/おっぱいを描かずに、産む性の哀しみや差別抑圧を描く舞台装置だけど、BLファンがどうしても期待してしまう恋愛面エロ面のあれこれと、非BL読者層が求めるもののポイントのズレがあって難しかったでしょうね…

伊織と真宮、有憲と麗子、麗子と惺羅、犀門が最期に得た愛。
理歩と恵馬の生きていく世界。
大切にしたい絆は結局はバース性を超えていくんだと思う。この作品のエンディングでは曖昧だけど、ハッピーエンドだと思ってます。思いたい。

恋愛操作 7 コミック

蓮川愛 

期待は裏切らない

待っておりました、の7巻。
5巻からの作品内スピンオフ的な名古屋編完結です。
誠実ノンケイケメン好青年・高橋と、小柄トラウマ持ちゲイの黒川。この2人の誤解とすれ違いにハラハラさせられた名古屋編でしたが、まあなるようになったと言いますか…
一歩進んで十歩下がる高橋も、自制しながらも耳の赤さは不随意現象な黒川にここぞとプッシュプッシュ!
ノンケとはもう…と頑なだった黒川も観念した感じなのかな。
脳内お花畑の高橋と違って、公私きっちり冷静な黒川はぱっと見ちっとも浮つきません。
だから両思いになった後も黒川の過剰な距離置き感と高橋の思い込み不安は続き、も〜う!となるけど、遂に2人は…‼︎とハッピーエンディング。めでたし。

さていよいよ「本家」に戻るらしいですが、思い返せば1巻って2006年発売。
コテコテの「ゴージャススーパー攻めとツンデレ負けず嫌いCP」や「年下俺様攻めと芯強聖母み受けCP」は定型にすぎて、2020年代にどう新鮮に読ませてくれるのか。
そこは注目の所。
と言いつつ、今度はアノ「式」にハズしてくるような気もしてますが。
ともかく、王道には王道の良さがあるし、絵柄も超絶きれい。期待は裏切らない。