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攻めを責めるのが楽しい

沙野風結子さん作品で
ファンタジーでもヤクザでもない
普通の現代ものって珍しい気がしました。
すっごくよかったです!

ほの暗い小学生時代からのお話もよかったし、
それを踏まえて大人になってからのお話もよかった。
大人になってからのお話は
お仕事BLっぽいテイストなので、一粒で二度美味しい感じ。

濡れ場も美しくて官能的でよかったです。
何と言っても乳首を責められて喘ぐ攻めが最高。
BL界、もっと感じてる攻めを
積極的に描いてもいいと思うんですよね!

BLらしい英田作品

英田さん作品はハードボイルド作品ばかり読んでたので新鮮でした。
すごくBLらしくて萌えましたし、
でもやっぱりお仕事の堅い部分も面白い。

高校の寮で同室で穂香に恋心を抱いていた同志のお話。
そのままだったらただのいいお話だったはずなのに
卒業間近のある出来事をきっかけに二人にはわだかまりがあり…

若い頃のあのシーンはイチャイチャして
ドキドキさせられた後にひでぇ!!の一言。
流血したしね…。

なので、愛人になったあとは超優しい攻めにも
ずっと疑いの目を向けていた私。ごめんなさい。

あの出来事以外にも、お互いの事を知らな過ぎて
誤解がいっぱいあり、それがなくなった後の
ラブラブは最高でした。

しかしあの友達面した奴は許せなくて
胸糞悪すぎました。
ギャフンと言わせたい。(死語)

ラブラブで何より

同じ人に繰り返し一目惚れする話です。
どう考えてもその人しか好きになれないんじゃない?
と思うのに、本人は自分の事を単に惚れっぽいって思っているところもいいです。

最初は本人にも読者にもただの惚れっぽい人なのかな~と思わせといて、徐々にネタばらしされていく構成も良かったです。
すっかり忘れていた初恋のエピまで最後にダメ押しされたときはもう笑うしかなかったな~。

とにかく攻めが受けを大好き!
受けを大事に大事にしてるところが気持ち良かったです。

そして、その思いやりが受けに伝わって、
受けも攻めを好きになって行くのも自然に感じました。

エロは・・・初エッチはローション使ってやって~!!
と悲鳴が出ましたw
二回目はちゃんと使っていたのでちょっとホッ。

後半は受け視点でした。ラブラブで満足。
でも攻めが好きすぎて攻め視点をもう一回読みたくなりました。

分かりやすいツンデレ

朝香りくさん初読みです。
あとがきによるとスピンオフだそうですが
これだけ読んでも全く支障ありません。

極度に怖がりのカルテ管理室チーフ・羽澄が主人公。
病院での夜間残業が怖すぎて
ドSでバイの外科医・霧ケ谷に
残業を付き合ってもらう代わりに
キスを要求されて背に腹は代えられぬと
受け入れるうち、要求はエスカレートしていき…?

分かりやすくて楽しいラブコメでした。
羽澄は善良で分かりやすいツンデレです。
私はこういう話好きだな~。
意外性はあまりないんですが、明るい気持ちになれます。

しかし羽澄、チョロ過ぎるよね…
いやそこが可愛いんだけども…

挿入だけは!!と守り続けてたのを
最後に許して両想い、って展開は
読めていたけども、まあ良し。

エロ自体はもっと焦らしがあっても良かった…
もっともっと焦らして受けから「入れて」って
言わせるまで焦らして欲しかった…

描き下ろしはカバー下もありました。ほのぼのラブラブでよかったです。

小山田あみさんの挿絵も男らしくて好きでした。

とにかく明るい気持ちになりたい時におすすめですね。

すれちがいが楽しい

自然な形で恋をしたいけど、
ゲイなので相手を見つけることが難しく
ずっと一人でいた主人公が、
やっと恋人を見つけるまでのお話。

ゲイだと自覚済みの夏目と
自覚なしに夏目に惚れている秋吉の
すれ違いがもどかしくも楽しいです。

それにしても発展場って恐ろしいなぁ…。
ビビってしまう気持ちがよくわかる。
公衆トイレでエッチとか絶対嫌…。

夏目は愛想良くはないんだろうけど
嘘をつけなくてお人よし。
そんな夏目のことを理解している秋吉もいい子でした。

エッチは最後に一回だけですが、
丁寧描写でじっくりエロかったです。
初めてだけどバイブ経験があるからか
痛そうじゃなかったのも良かったですw

口絵が意外とエロくてびっくりしました。
カラーだけどtnkも白濁もあった…。

off you go中心

2巻は「off you go」の番外編中心です。
二人のイチャラブを楽しむと言うよりは
三人の関係への理解が深まる感じ。
密を兄妹で交代に愛するって感じですか?

かつての愛人一束を一堂に会させる話は
こわっ!!と思いましたw
密に比べて良時は常識人だと思ってたのにw

この話はBLじゃないかもしれないな…と思うぐらい
十和子の関係が不可欠ですね。三人の関係が密(みつ)。
十和子を通して近親相姦みたいで萌えなかったけど
お話は面白かったかな、と思います。

雪絵さんがいなくなった後に三人で暮らすのは
ハッピーエンドなんだろうか…
何だかぞっとしちゃうのは私だけかな…

それに比べて、「is in you」「ステノグラフィカ」は素直に楽しめました。
私は一対一の恋愛物を見たかったので。
特に「ステノグラフィカ」の二人は大好きなので
ずっと見ていたかったです。
碧のきちんとした暮らし、私には無理だけど
憧れの気持ちで読んでしまいます。

一番驚いたのは「アナザグラフィカ」。えええ~!
二人がそんな仲だったとは。

青石ももこさんの挿絵は好きですが、中年には不向きかもな、と思いました。

一束が可愛かった

新聞社シリーズの番外編同人誌類をまとめたもの。
主に『is in you』の圭輔×一束、次に多いのは『off you go』の良時×密。
後は『ステノグラフィカ』西口×碧が少し。

本編よりも圭輔×一束が可愛らしくて萌えました。
ややこしい話なく美味しいところだけ読めるからかな…。
純粋に可愛いな~、楽しいな~って感じでした。

『off you go』の二人、というか十和子と三人の話は、ラブじゃない部分が結構多かったかな。
雪絵さんの話とか…。
このカップルの話は恋愛と言うより家族愛っぽい感じがするので、
何となく罪悪感と閉塞感があって、
お楽しみ番外編と言う感じがあまりしなかったです。

一番好きなカップル『ステノグラフィカ』の二人は短かったけど癒されました。
西口が別れた嫁の姪と連絡取り合ってることにビックリしました。
完全に他人だからそれはデートじゃん。

情に流される

ゲイであることを会社の先輩に知られ、
それを言いふらされたために居づらくなり
田舎の支店に転勤してきた節。

社宅にあてがわれた離れの母屋に住む津守に
ゲイであることを見抜かれ、半ば強引に抱かれてしまう。
ぶっきらぼうだけど親切な部分もある津守と
同棲のようなセフレのような状態になり、
いつしか情も湧いてしまい…。

自分のセクシュアリティを完全に受け入れていなかった
主人公が最初のセックスに大変ショックを受けるなど、
描写が細やかでリアリティがあります。

言いふらした先輩は通常のBLでは悪役でしかないけど、
物語の後半で、先輩は先輩で性的な対象に
見られていたことに裏切られた気持ちを持ったのだ、
と言うことを主人公が知るというくだりなどは新鮮でした。

後半の突然の妻子登場と即退場は
若干、え~…と思ってしまったな…。
何であんな女と結婚してしまったのだ。

作者は元々TL作家さんだということで
文章も読みやすく、エロも結構多めで
津守は強引だけど痛いことはしないので
サラサラと読めました。

だけど萌えるまでに至らなかったのは、
二人は情に流されたという感じが否めないこと。
そこの場所にいたなら他の人でもよかったのでは。

そういう恋愛、実際にいくらでもあって
本当にその辺リアルだと思うけど、
物語でぐらい運命の愛を信じたい気持ち。

あと、職人攻めにワクワクしてたけど、
輪島塗の沈金師という設定はそんなに生かされていなかった気がします。
もうちょっと蘊蓄あっても良かったかな。

帯の「彼の筋肉質な半裸から目を離せず…」に
正直何故依田さんをイラストにしたの?と思ったけど、
カラー口絵の広い背中が色っぽかった。
そして普段の依田作品では見られない
エロ挿絵も見られたので良かったですw