すぐ隣にいそうなメガネ屋さんで働く律がお客さんとして来店した年上の小説家、倫太朗と知り合い、だんだんと個人的に仲良くなっていくお話です。
現代もの、メガネ男子、自己肯定感かなり低めという自分の癖とは違うタイプの律をかわいいと思えるかな?と読み始めました。
もちろんすぐに律のかわいさに惚れてしまい、幸せになって欲しくなりました。
当て馬とかめちゃくちゃすれ違うとかではなく、ゆっくり穏やかに恋が始まっていく様子がホントに素敵です。
特別なことはないのに面白いんですよね!
律と倫太朗と律ママだけだと暗くなり気持ちが下がってきそうなんですが、倫太朗の弟くんが良いキャラで上手くお話を動かしていくし読者の気持ちを代弁してくれてスッキリするんです。
作中、倫太朗が言うセリフが良かった!他にもたくさん良いセリフやシーンがありましたがいちばん感動したのが
「…読むとじわっと楽しくなるようなものを提供できる作家でありたい」
まさにこの作品に対する月村先生の姿勢なのでは?と思いました。
毒ママが突然性格改めることなく、律も縁を切るなんてこともしないのがリアルでよかったです。
クールで余裕あって何でもサラッとこなしちゃう、優しくて穏やかな性格の年上彼氏の千秋。
大学生の李央がクラブでからまれた時にスマートに助けてくれたバーテンさん。
告白シーンとか付き合うまでは短く、お付き合いがスタートしてからの様子がメインのお話です。
からまれたシーンも明るいラブコメの雰囲気に合わせて軽くちょっとしか描かれてないので、気分良く読めました。
なんと言っても攻めの千秋が第一印象と違って、年相応の男の子で赤面したり嫉妬したり、すごくかわいいとこがある子でイメージが変わります。
カッコつけてるのと甘える面が楽しめてとってもお得に感じました。
もちろん李央くんもかわいいのですがやはり千秋の魅力にやられました。
少しお話が短いので彼らの仲良しな世界をもっと見たいなぁと思いました!
3編収録されているお話はノンケメガネの細谷とゲイの拓海の出会い編とそのご編。
細谷の同僚ノンケ北村と細谷の従弟であるゲイの慎吾編です。
性格が良いノンケと過去の恋愛があまり良いとは言えない可愛いゲイのお話です。
会社ではクールで愛想のない拓海ですがホントは恋愛小説が大好きなロマンチスト。家族や友人もおらず過去に交際した人も一人だけ。細谷の前では自信がなくてオドオドしがち。後ろ向きな発言も多いけどそれ以上に素直に可愛いことをサラッというのが魅力的です。愛でたくなる気持ちわかります。
慎吾は経験豊富で誰とでもすぐ打ち解ける愛想の良い子ですが、実は人一倍他人に気を遣い自分をないがしろにしがちな子。
恋活パーティー後にいつ拓海が傷ついちゃうかと思うともう読んでて悲しくなりました。
慎吾の笑顔の下に隠していた恋心にもキュンとします。
ただ自分基準からすると、ノンケくん達がサクッと素直に恋に落ちゃってます。もう少しすれ違ったりする苦味が欲しかったです。
bl歴が浅くすでに紙本在庫はないので電子で読みました。
ものすごくハマった。号泣しました!
攻めは女性専用出張ホストなのでかなりエッチなことしてます。背も高くスタイル良くてエスコートも完璧ですが、ちょっと内気なところもあります。
ナルちゃんはノンケばかり好きになっちゃう子。
普通にカップルとして付き合いたいのですが、そこを否定されてきた過去に傷ついています。
二人それぞれの心の奥にある孤独感を上手くストーリーにのせて読ませてくれるので読み返す度に泣けました。
5話と描き下ろしがあり、3話目からずっと涙が止まりませんでした。
誰にも愛されず求められもしない寂しさを抱えている二人。悲しい現実を忘れてお互いの肌のぬくもりだけを感じているシーンはエッチだけど胸が痛くなりました。
すごく良い雰囲気の中、お店からの電話で現実に戻る圭。ホテルを出て二人が駅まで行くところがホントに最高!忘れられない名シーンです。
ちょっと暗くて重いけど最後に安心して読み終わるお話が好きなので大満足です。
表紙の渋江先生のイラストから濃厚なエロいストーリーなのかな?辛いオメガと威張ってるアルファだと読みにくいかもと不安がありましたが、全く違いました。
もちろんアルファとオメガ、ヒートという描写はしっかりありますが甘くて明るいカジュアルな作品です。
マンハッタン近郊の自然が美しい田舎町が舞台の今作品。海外ドラマをたくさん観てらっしゃる神香先生が描く雰囲気がたいへん良いです。自分もかなりドラマを観る方なので上手いなぁと思いました。
アルファ、スパダリ、上から目線、自分ベースでしか物事のジャッジをしないレスターですが、だんだんと憎めない俺さまに変わっていき魅力度アップです。
千歳はツンデレ美人さん。オメガゆえに家族と疎遠になりオメガ専用グループホームに身を寄せ、コミカレを卒業し4年制大学へ編入したいと思いながらその施設の入居者オメガとアルファの縁組支援コーディネーターとして働いており、自立心もあって偉い子です。
体からの関係から始まる恋愛に絡めて、入居者のオメガが行方不明になるというミステリー要素も後半にあるのでラストまで飽きずに楽しめます。
このシリーズも三巻になりますが面白さがますますアップしていました。
久瀬と重治は同居をスタートさせています。引っ越し準備をする暇がないという重治に、久瀬は業者に全部任せれば良いと提案します。
仕事以外では変化に臆病で慎重な重治の背中をそっと押してくれたり、決断するまで無駄な事言わずに黙って見守ってくれたりする久瀬、いい男だな!
カップルになったからこその幸せな姿をみせてもらえて楽しいです!
もちろん♡ハグ、手繋ぎなど「愛しい」気持ちを表現したシーンも途中にあります。これから始まるでしょと匂わせる甘い描写もありお仕事中心ながらも、ちょこちょこラブを感じられます。
今作は新たに技術部員として採用された難波和広くんの同僚との関わり方や仕事の進め方など、全てにおいて自分流で周りから浮きまくるトラブルが発生しちゃいます。
他の人には真似出来ない重治の能力「空気を撹拌する力」を発揮して難波くんを立派なリバースエッジ社員にすることが出来るのか?
そして新たにメタバース事業をスタートさせるべく奮闘しますが、技術的な事だけではなく営業がなかなか上手くいきません。
やはり久瀬商事に頼らざるを得なくなります。
父と兄達が経営する会社から融資は受けているがリバースエッジは自分が起こした別会社であるというプライドがあり、複雑な思いをずっと抱えいる久瀬。メタバースの営業をあえて久瀬商事にはしていなかったのですが、久瀬が社員の頑張りに感化され、くだらない矜持を捨てた経緯を重治に語るシーンが素晴らしかった!
公私にわたり頼られていた久瀬が重治にやっと見せた本当の素の姿にちょっと涙が出ました。
会社も社員一人一人も変化していく。変わるのって大変だけど夢のためならがんばるよーっていう熱い物語でした。
四冊目も楽しみだなぁ。まだまだ続いて欲しいシリーズです。
シリーズ第二作目のこちら、最初のページから最後までしっかり楽しく読めました。
前作で恋人になった久瀬と重治。社長と部下という会社での関係だけでなく恋人になり、すれ違いや当て馬などが出てくるラブに軸が移るかと思いましたが一巻と同じく、しっかりお仕事のお話が中心で新規事業を成功させるべく社員一丸となり頑張るストーリーです。
江口、長谷川、宮田といったお馴染みの社員達が今回も元気に働いています。笑顔がうさんくさい久瀬の兄、智也も登場してますますお仕事の面で面白くなっていきます。
久瀬のマンションで仕事の話をしながらちょっとハグしたり、頭を預ける甘えた仕草をしたりする、ちょっとしたイチャイチャが大人の恋愛らしさを表現してるようで好きでした。
会社で隠れてキスしたりせずきっちり公私を分けている所もリアルさがあって良かったです。
海野先生のストーリー展開と文章が素晴らしいのでスルスルっとノンストップで読めます!
特に会話文と気持ちを表現する文章のバランスが良くて言い回しに違和感を感じたり、あの話はどうなっちゃったの?という未回収や筋が通らないという部分がないのがすごいと思いました。
この方法で良かったのかと仕事に恋に悩み、落ち込んだり上手くいって喜んだりする彼らを応援しつつずっとワクワクし、最後にはスッキリしました。
これから成長していくであろう若い会社である「リバースエッジ」いうアプリ開発会社に面接を受けに来た鳴沢34歳。彼の転職理由や仕事に対する考え方、はたまた恋愛事情まで冒頭のシーンにギュッと詰まっていてお話しの世界にすんなり入っていけました。
下は22歳、最年長は26歳の社員達の中に唯一の営業として入社します。
他の人が苦手だと躊躇してしまう自分の業務外の仕事でも快く引き受けて見事に処理してしまいます。
その分、自分の仕事をこなす時間がなくなったりしてしまうのですが困ってる人を見捨てることが出来ない性格なのです。
自己犠牲精神が高く、自分をないがしろにする性格
の鳴沢をしっかり評価してくれる社長の久瀬のキャラも良いんです。
社長らしくあろうとするために気付かぬうちに社員から恐れられる存在になってしまい、風通しの悪い状態だったのですが鳴沢の入社によって久瀬も社員もだんだん変わっていく様子が読んでいて気持ち良かったです。
全てを鳴沢が持っていくヒーローなだけではなく、彼も少しずつ人を頼り自分を大切にしなくてはと改めて気づくのです。
他の社員さん達もキャラがしっかりしていてリアルでした。
皆んなで会社を良くしていこうというふうに変わっていく様子に気持ちが明るくなりました。
鳴けない小鳥と贖いの王シリーズを先に読んでいたので、王様と不思議な力を持つ健気な子という設定が同じタイプだなぁと思いましたが、やっぱり泣けました。
健気で不憫なイリリアが辛いめにあうシーンは悲しいけど大満足でした。
ただ、攻めである王さまと側近2名の魅力がちょっと弱かったかな。色々理由があってそう見えるだけで本当は違う。感情移入できて応援したくなるキャラの魅力がもっと欲しかったです。
それと前半のつらいシーンのボリュームに比べて後半の甘く癒してくれる部分が少ないため、読後にお腹いっぱいになりませんでした。
他の部分はファンタジーの雰囲気がきちんとあり、素敵なお話でした。