一時Xに広告で良く流れてきていたので手に取りました。
特攻兵になったものの帰還した親戚がいました。
とてもよく調べられているとは思いますが、親戚の、戦中の話は絶対しないしTVでやっているのを見るとすぐにチャンネルを変える姿を知っているので、どうしてもおもちゃにされているという気持ちがぬぐえず、途中からはパラパラ程度にしか読めませんでした。ちゃんと最後まで読めばもしかしたら納得のいくお話になっていたかもしれません。なのでこのレビューは話半分で見ていただけると助かります。
作者さんは覚悟をもって書かれたと思います(インタビューも読みました)。
でもそのインタビューのすぐ後に「うす消し特装版」という言葉があって何とも言えない気持ちになりました。
「戦後70数年たった今だから許される」というレビューもありましたが、存命中の遺族は多いです。作品を誉めるためとはいえ軽々しく許されるなんて言ってほしくない。
こちらを読んだ方々はどう感じたんだろうと思ってレビューを拝読しましたが、作品よりもレビューがよりきつかったです。
創作です、ファンタジーです、リアルと混同するなんて、と言われるかもしれないですが、戦争を経験した人たちの目には届かないよう願っています。
連載を追いかけていたので、本編もめちゃくちゃ描き直されているし追加されてるな?!ということにまずびっくりしました。嬉しい。
前作でも感じていたけど、ナオトの身体がボロボロで、自己肯定感が最底辺を這っている状態じゃなければ、先生がナオトを落とすのにもっと時間がかかっただろうなと思うし、あのタイミングで先生と再会して、散々に執着され尽くされなかったら、ナオトはメンタルやられてたんじゃないかなあと思う。代わりに危ない扉開いてたけど、どうせこの先それを見るのは岸辺先生だけなんだから問題ないよね
岸辺先生もどんどん化けの皮がはがれてやばい感じになってるけど、ナオトって、どんなに危ない扉開いても、どんなに尽くされて優越感に浸っても、元来彼が持っている「真っ当さ」みたいなものが揺るがないので、安心して見てられる。
先生の異常な行動にツッコミはするけど、自分の価値観で相手を殴るような真似はせず、受け入れて理解して対話をしようとするところ、それも変にドラマティックにするのではなくあくまで自然体なところ、この続編はとにかくそのナオトの真っ当さが際立ってたなと思う。
子供のころの地獄のような環境の中であの真っ当さに触れて救われたならそりゃ執着するよね…と岸辺先生に共感しきりだった。岸辺先生の20年の理由として納得いった。
きっと今後もずっと救われていくんだろうな、とキャッチボールのシーンでふと思って泣いてしまった。いいお話でした。
商業ベースで続編をやらないとしても同人誌出していただけると嬉しいな…もっと二人のエピソード欲しい。
ドラマCD化も待っています!
ナオトの、子供の頃仲良かった子と自然消滅して思い出せない感じとか彼氏になったからと言って簡単にはっきりと好き!とならないところ恋愛感情よりも先に優越感を感じてしまっているところなどなど結構リアルだなと感じました。
一方の岸辺先生、割とコミカルに見せるシーンが多いので重く感じさせないですけど、彼の子供の頃の環境、衣食住が確保されていたとは言え悲惨だし(父親に怒鳴られているところ可哀想すぎる)、感情が麻痺するまで孤独に慣れていたところに唯一優しさと優越感(と性癖)をくれたのがナオトだけだったなら、あの執着具合もそこまでファンタジーではないのかもしれないなあと…。
時々執着攻めという言葉だけですませちゃいけない壊れ方だと感じさせる描写もあるけど、むしろ振り向かずそのまま突っ走って幸せになってほしいです。君は我に帰っちゃだめなタイプだ。
連載中の続編含め、今の所二人の温度差は金魚なら死んでしまいそうなくらいあるけど、激流に飲み込まれてパニックを起こしたまま流されていたナオトが、持ち前の性分でちゃんと向き合おうとし始めているし、今後も目が離せない二人だなと思っています。
筋肉の柔らかさが伝わってくるエロはもちろん最高です。