表紙のイメージ通り甘くてかわいいお話でした。
ケーキバースの王道とは真逆の、ケーキ×フォーク。
フォークであることを恐れて誰とも深く関わらないように過ごす朱羽が、夢見心地でケーキの味を知ってその甘さに抗えず溺れる表情に惹きつけられます。
また、弱みを握って脅すような形にはなるものの、ケーキの三嶋はいつだって心根がやさしいことがわかります。自分自身のバース性を怖れる朱羽を肯定して、食べられるだけの弱い存在じゃないんだと言動で示して、偏見も吹っ飛ばして。大事にしたいからこそ近くにいることを迷うフォークの葛藤を丸ごと包み込む気持ちの伝え方が良いなと思いました。
続きがある作品のようなので、ふたりの甘さがどこまで進むのか楽しみです。