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女性ぱるりろんさん

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恋も仕事も順調で何よりです

「アクマと契約」シリーズ2冊目。前巻は連作短編集でしたが、本作は1冊まるまるの長編でした。読み応えがあって面白かったです。
前回は雑誌掲載と書き下ろし、今回は電子単話配信をまとめたもので、そのためか次の話への引きを感じ読みやすくなっていました。登場人物もみんな魅力的ですし、ストーリーも面白くて楽しかったです。
涼介に友達ができたこと、劇中劇を見せてもらえたことが何より嬉しかったのですが、例の事件は解決してすっきりはしたものの、結末そのものはとても残念なものでした。涼介の素直で人に親切に接する美点をもってしても、凶行を抑えることはできなかったのかと思うと歯痒い気持ちです。電書では流血がカラーで驚きました。紙本はモノクロですよね?
役者の顔に縫うほどの怪我は悪手なので許せないですが、お話としては雅人が次のステップに踏み出すきっかけになったと思うので怪我の功名かも知れない。映画の関係者に頭を下げる場面、謝罪の言葉が心からのものだと感じました。適当にそれらしい言葉をうわっつらだけなぞっているなと分かる場面が前の方にありましたが、それとは全然違いました。
雅人が涼介を見初めたエピソードも興味深かったです。1冊目ではハラスメントにしか見えなかったものですが、2冊目では名実ともに恋人関係に発展していてそれと分かりました。雅人がアクマから脱しそう。
シリーズの続きがまだあることが嬉しいです。

アクマと契約 コミック

ハル 

肩の力を抜いて楽しめる芸能もの

オーディションに落ちてばかりの駆け出しの俳優である涼介は、不注意から高級車に傷をつけてしまう。
車の持ち主は有名な俳優の雅人のもので、修理代と代車の費用あわせて高額を請求され、到底払えず弱り切ったところに所属事務所の社長から仕事があると声を掛けられる、というところから始まるお話。
連作短編集で7本収録。そのうち最初の3本が雑誌掲載作で、残りの4本は書き下ろしのようです。贅沢ですね。
ハル先生の初コミックスとのこと。肩の力を抜いて楽しめる芸能ものでした。
タイトルのアクマは、強引で傲岸不遜な攻めの雅人のことを表しており、表し方は独特ですが雅人は主人公の涼介のことをとても気に入っています。気に入ってるだけでなく、自分の付き人にして、ほうぼうに顔つなぎして、仕事のチャンスもくれて、ある意味王子なんですが、キスを迫ったり添い寝したり特に最初の数本はセクハラめいていてちょっとアレでした。最初は特に恋愛の要素を感じられなかったこともあって、餌を与えて身体を奪う風に読めてしまったので、途中から考えるのをやめ、普通にラブコメとして楽しみました。
「アクマの誕生日」がとても好きです。お話の落とし方も幸せでよかったです。

良質のバディアクションBL

政府の諜報機関、隠密部隊「朧」には忍者の末裔が所属していて、入隊すぐにαとΩでバディを組むことと、共同生活をすることが義務づけられているという設定の、バディアクションものです。
主人公の灯火は亡き兄の死の真相を探るという目的のため成績を上げて昇進したいという野望があるのに、規則を無視して単独行動を好むバディの佐一とは喧嘩ばかりの日々、というお話です。
まだ1巻なので、BL展開はおろか、死の真相にも近づけず、ストーリーの全貌も明らかになっていませんが、すごく面白いです。
亡くなった灯火の兄を慕う忍者も出てきましたし、兄のバディが誰だったかも分かりましたが、一体なにがあったのか気になるところです。死んでいないという可能性もあるのかなあなどと邪推もしています。
また、灯火が気が強いけれど隙だらけで、Ω性というのもありますし存在が危ういです。Ωは諜報に向かないような気もしますがどうなんでしょう。
灯火に重点が置かれているために佐一の活躍が少し足りない印象です。次巻ではもっと出番があるといいです。
因みにnight raidは夜襲の意味とのこと。
それとあまり関係のないことですが、作中に忍びの御三家というのがあって、灯火の実家の音無家と、後半に登場する阿久津家、もうひとつはどこなのか気になります。
2巻を早く読みたいです。

やっぱりフィンレイに尽きる

「初恋王子の甘くない新婚生活」の続きで、1年後のお話。
前巻で第1王子のウィルフが王太子の座から降ろされて第2王子アンドレアが王太子になったのですが、落馬事故で亡くなってしまい、二人は葬儀に参列するために王都へ。
その後、次期王太子をめぐり第2王子の息子アーネストか第3王子ディミトリアスかで水面下で揉める中、フレデリックの元にアーネストが訪ねてきたのをきっかけにフレデリックは多忙となり、フィンレイは屋敷で孤独に苛まれるという内容です。
領地ではラブラブな日々を送っていたのに、王都では留守勝ちのフレデリックと会話もできず、なんなら冷たい態度すら取られるし、屋敷の使用人達はみんなそっけないし(フレデリックの命令でフィンレイに近付くなと言われていたことを後から知る)、フィンレイがとにかく可哀相です。僕はなにか間違えたのかな、と自省するのがフィンレイらしく、こちらとしてはフレデリック大概にしろよ、と苛々したりして、でもそれだけに楽しく読めました。
考えてみたら1冊目でもフレデリックの態度はひどいものでした。フィンレイが優しいからつけ上がっているというのもあると思うのですが、この人はずっと良い家柄の御曹司で、周囲の人が傅くのが当たり前の世界で生きていて、見目も良くて多分普通にしているだけでいろんな人が集まってくる環境だと思うので、こういう態度を取ったりしてもある意味仕方ないよなと思えます。そのうえで、フィンレイの心根の清らかさや、ギルバートやデリックといったフィンレイに味方する有能な人々の力に魅せられながら、ストーリーを味わうことが出来て、楽しい読書でした。
終盤の誤字が気になりました。「納得できかねない」とありました。「納得できかねる」か「納得できない」だと思いました。
巻末の「お留守番の子供たち」はフレデリックとフィンレイが留守にしている間、ライアンやジェイやキースがフィンレイに会いたくて仕方ない様子を描いたSSで可愛かったです。ライアンが、フィンレイと狩りに行く夢を見ながらひっそり涙を流しているのが良かったなあ。

ビター・シガー コミック

熊猫 

6年前のなれそめ話

「バニラ・ショコラ・シガレット」の豊橋×高槻のカップルの馴れそめ話。豊橋が26歳なので、6年前ということになります。
マンションの隣の部屋同士なわけなのですが、その隣人という関係からほぼ定期的に「ごはん会」をやるようになって仲良くなっていき、恋人になるまでが描かれておりました。
とても可愛いお話で大変よかったです。
高槻のことを、豊橋はもう最初からずっと可愛いと思っていたことが分かりました。女の子っぽい顔立ちに加え、表情がくるくる変わってにこにこ可愛いんです。作った料理を「美味しい!!」と喜んで食べたのもポイント高かったと思います。
高槻が美容院で髪の毛を短くきる羽目になってしまった日、髪の長さのことではなくて自身の好みというかアイデンティティも否定されたような気分で落ち込んでいるときに、長くても短くてもどっちも可愛い、と衒い無く告げる豊橋がとても男前でした。
この時夜景のきれいな窓側のテーブルで向かい合っているのですが、このコマだけ星のきらきらの書き方が異なっていて、とても印象的な絵になっています。さながら高槻の気持ちの体現といったところで、びっくりして時が止まったのと、心に残る一言を差し出された嬉しさが伝わります。まあこのあとの高槻の行動の是非はともかく、良いシーンでした。その後の豊橋がぐるぐる悩むのも好き。
それと、総じて二人の着ている服もいいのです。サイケっぽい柄のシャツとか、豊橋のガツンとしたブーツや、ショルダーバッグもディテールが凝ってますし、熊猫先生はおしゃれな方なのだろうなと思いました。私が一番好きなのは高槻のアーガイルの靴下です。
カバー下の食べ物づくしも素敵。一つ一つの拘りが良い感じに配置され綴られて隅々まで読んでしまいました。うさぎ屋さん行ってみたいです。

ほのぼの日常もの

2組のカップルのお話。できあがっているカップルと、まだこれからのカップル。
豊橋と高槻はマンションのお隣同士。仕事が原因のすれ違いがあってもお互いにぽんぽん言い合うので、なんだかんだ仲良しの二人。
かたやその二人の並びの部屋に越してきた椿は、二人と交流したり同じ職場の先輩・我妻と色々なことを話すうちに、ゲイに対する偏見であったり、自分自身に足りていないと思うこと等と向き合うように。
そしていつしか我妻に惹かれていることに気付く、というお話です。
淡々とした日常の、ほのぼのした内容でした。描線が個性的で、とても可愛いです。タイトルのバニラとショコラは豊橋の飼っている猫の名前。シガレットは文字通り煙草なんですが豊橋と我妻が喫煙者です。
我妻が煙草を吸い始めたきっかけが、好きな人が吸ってたから、というもので、それに対して「俺も吸おうかな」と返すのにぐっと来ました。椿は真面目な人ですが、我妻は冗談やふんわりした空気で自分をよろう人なので、相性が良さそうでもあり、こじれそうでもあり。
巻末の4人の部屋や洋服の好みみたいな設定ページが面白かった。こういうの好きです。

原作に忠実で全ページカラー

尾上与一先生の小説「碧のかたみ」のコミカライズ。1巻に引き続き2巻も全ページカラーです。本当に贅沢。
第2巻は、第8話から第12話を収録。原作だと小説(キャラ文庫)の115ページから190ページに相当します。1巻と同様、原作に忠実です。科白も原作とほぼ同じ。
このまま最後までマンガにするんですね。大変。私は最初コミカライズの話をきいたときにはもっと軽く考えており、数話分を電子単話で配信するだけなのかと思っていたのです。(つまり、ほのぼのしたマンガにしやすい箇所のみ作画して、この続きは原作で、とするなど) 何故ならこのシリーズは太平洋戦争の話で、本作の舞台はラバウルで主人公は海軍の戦闘機乗りだからです。BL小説としても異色と思いますが、ましてやマンガにするとより一層なまなましく生と死が隣り合わせですし、戦闘シーンはあるし爆撃もあるし流血やらマラリアやら、そのような様々を文字でなく絵で表す。真っ向勝負です。今さらですが、覚悟をもってコミカライズに踏み切ったのだなと2巻を読んで改めて思いました。
2巻は空戦の場面もありますし、戦況が悪化してもいるので、本当に描くのが大変と思います。この続きも既に単話配信されていますが最後まで見届けたいと思います。
書き下ろしイラストの、ハイビスカスに囲まれてのキスがとても可愛いです。あの場面の補完ですね。
書き下ろし漫画の「トマト畑にて」は1Pでしたが二人らしくて笑ってしまいました。

抱えてきた時間が違いますね

アニメイトセットでついてくる書き下ろし12p小冊子。
「俺の愛は重いって言ってるけど俺の方が重い」の番外編「いつだってずっと」。表3まで使っての9pのコミックです。
好きな奴の前ではかっこつけたい、と「今日は俺がお前を天国に連れて行ってやる」と豪語した愛斗でしたが、結局いつものように亮平に良いようにされてしまう、というお話。
亮平の愛の重さを痛感しつつ、子供の頃からの積年の思いを実感。亮平は子供の頃から愛斗を大好きだった、というおまけペーパーにリンクしています。
とても可愛いです。いつまでもお幸せに。

忠実にコミカライズ

尾上与一先生の小説「碧のかたみ」のコミカライズ。全ページカラーなのがとても贅沢です。
第1巻は、第1話~第7話収録。原作の冒頭から文庫版だと114ページまで。科白も同じですし、とても忠実にコミカライズされています。
と言うのは簡単ですが、作画は大変だろうなと想像します。結構戦闘機が出てきますし、戦闘シーンもあります。なかなか描く機会ないじゃないですか、ラバウル基地ですし。
描線が細いので、普段書き慣れているのとはおそらく異なるであろうジャンルを描く大変さを勝手に想像していました。
もっとも第3話くらいになってくると、こちらもだんだん作画云々よりも作品世界に没入するようになってきますし、キャラクター原案が小説のイラストを描いている牧先生なので、ほとんど違和感なく楽しめました。
恒の瞳がキラキラしていてとても綺麗です。
六郎の髪の色がグレーなのが気になります。元の挿絵(モノクロ)だと白い髪なんですが、カラーにした場合、ダークグレイとかダークブラウンとかではだめだったのか?などと思ってしまいます。若白髪のように見えてしまうグレー髪は六郎だけなので。
1巻はまだ、BL色は少ないです。
しかし、改めて見ると、物資の少ない時代に味方の戦闘機を壊そうとするなんて斎藤はやばい人ですね。いくら恒を気に入らないにしても。

妖狐の二葉が最高に可愛いかっこいいです

だ、大好きです!!!!!
もう何もかもが大好きです。よい本を買ったなあ(しみじみ)。
生徒たちのこっくりさんで降りてきた妖狐の二葉と、子供の頃から妖かしが見える中学教師夢望のお話。
人間×人外であり、再会ものでもあり、甘くてちょっと切なくてめっちゃ可愛い、素敵でおしゃれな絵、和風オカルトぽくもある。ピンと来た方には是非とも読んでいただきたいです。
夢望の癖強なキャラクターは、素直じゃ無い風でとても正直な二葉と相性がすごくよいと思いますし、ちらっと描かれた二葉の過去が最後リンクするのも良かったです。
このあとも二人で雪化粧や満開の桜、空に輝く花火、そしてまた燃えるような紅葉を一緒に楽しむのだろうと思うとにこにこしてしまいます。
なんといっても、狐の二葉が、性格もビジュアルも最高でして、こんなに可愛いのにかっこよくもあって、その存在自体がなんの御褒美かと思うわけなのです。
エッチの時に噛んだり舐めたりするのも最高です。着物と扇子の美しさ、耳としっぽの愛らしさ、そしてこのモノクロのバランス(語彙喪失)。特に特に第肆話のラストのページ、振り返った二葉の顔を、これがジャンププラスであったなら、私はTシャツやトートバッグにしたいです。ああ素敵すぎる。
個性的な線に、ものすごい書き込み、夢望の部屋なんて、物がすごく多いのですが、ひとつひとつに意味があることをカバー下の設定資料で知りました。
カバー下も必見です。部屋の間取り図や、キャラ紹介が詳しく書かれているのです。ポンちゃんが猫又ということも明かされています。
表紙や中表紙のカラーイラストも色使いや背景の書き込みがすごく雰囲気良くて、とてもレトロでクラフト系の紙質にも合っていると思いました。
表紙の二人の手、よく見たら影絵のキツネなんですね。凝ってるなあ。
と思ったらそれだけじゃなかった。カバー袖、小指つないでた。熊猫先生がポストで教えてくれた。きゃー