初読み作家さまです。
繊細な線で味わいのある絵が好きです。
唐木田の魚心あれば水心がふーんという感じでしたがそんな彼が恋に落ちると…てことですよね。
ただ終始余裕ぶっててもうちょっと違う面が見られたらいいなとは個人的好みとしては思ってしまいました。
ノンセクシャルについては、異性愛が当たり前のようにされている世の中では生きづらいのはわかります。
ただ、そんな名前がなくとも恋愛や性については個人差があって表に出すことなく悩む人は多いですよね。相性もあることですし。
そんな人たちにとっては共感できる作品だと思います。
「みんな違ってみんないいんですよ なんて どいつもこいつも上から目線で綺麗事ばっか口にしやがって」はほんまそう!と思いました。
世間は「異性愛ファシズム」と言っている人がいてそうよな〜と思ったもので。
読んでいて、これ作家さまが描きたいことを描かれているんだろうな〜と思ったらあとがきで大変納得致しました。
小説家キャラが好きでして、その人格、創作の過程がストーリーに絡むお話が好きで満足です。
お仕事BLとしての良さもしっかりある。
椎名のあだ名が偏屈王…最高です。
プライドが高く毒舌で繊細。かわいらしさとエロのギャップもある。
そんな椎名に負けない強さがある藤もよかった。
藤が最初から椎名に恋愛感情があるわけではないのがミソかなと思います。
藤の口説き文句で椎名を落とせば恋愛小説を書く…という流れがうまくストーリーと重なっていて、2人の恋愛に進展したのが気持ちよかったです。
批評するレビュアーについて椎名の「何も生み出せないくせにケチばかりつける愚民どもめ」に笑いました。すみません肝に銘じます。笑
白崎の「読者は自由に物語を解釈し その答えを現実の中で見つけることができる」がとても納得でうれしくなりました。
初読み作家さまです。
絵がきれいです。
作家モノが好きでして小説家キャラが活かされたお話がよかったです(稀に職業が小説家なだけでストーリーにさほど関係ない作品があるので)。
偏屈で理屈っぽく作品や自分のことなど存分に語ってくれる司朗がまさに小説家というタイプで楽しい。
編集担当者さんとの会話、耀へのセリフ、自問自答…司朗の心情や思考がよくわかる語り口にわくわくしました。
編集担当者さんもすばらしいキャラで好きです。
タイトル、宇宙人、宇宙一めんどくさい、天体観測、流星群などのワード(要素)の使い方、つながりがお上手ですね、
耀が無鉄砲で自己中なのかと思ったら、直感型で彼なりの理屈や良識があるところがよかったです。
耀の「こんな膨大な宇宙の前に思考は意味をなさないのさ!」が好きです。
さすがの司朗もこの言葉には言い返せませんね。笑
各話前の小説もおもしろい。
特に4話前のものが好きです。
司朗の元カレが回想で登場しなかったのが無駄なくスッキリ感がありました。
タイトル通り、司朗の作品…耀との恋愛を楽しめる物語ぇした。
初読み作家さまです。絵がきれいですね。お菓子もキラキラ美味しそうでした。
真木がお菓子を作る時のかっこよさ、美しさに惚れ惚れしました。
男なのにかわいいものが好きな自分はおかしいと悩み誰からも理解されない孤独が伝わりました。
かわいいものが好きなのにメタルを聞くのは怒りの感情からなんでしょうか。それともヤンキーファッションとして怖そうだからメタルバンドのツアーTシャツを着ているのだったらおもしろい。こういう個性のつけ方好きです。
キャパオーバーになると泣いちゃうのもかわいい。
八十川は登場時の表情から絶妙に苦手なタイプで、真木をひっぱるためのストーリー上必要なキャラ設定なんでしょうね。
お菓子を作る時の真木の手がセクシーなのもいいですね。何かをつくる人の手って惹かれます。
あたる先生作品初読みです。
絵がとても好みです。キャラやお話も。
特に聡一。無愛想無口男前長身短髪…めっちゃタイプ。
派手さはありませんが、とてもいい作品でした。
最初は無表情だった聡一が阿部と接するうちに笑顔になったりかわいらしくなっていくのがよかったです。
表には出さなくても仕事に対する不安や迷いがあったんでしょうね。それをプロであり人生の先輩の阿部から認められ励まされうれしかったんだろうなと絵で伝わる作風が好きなので。
そんな聡一の変化と共にストーリーが進むのが自然で。
阿部なりの葛藤や心情の変化も見せつつ流れがお上手です。
キスシーンがめちゃくちゃよかった。超好みな描き方です。
そして聡一のスキンシップの仕方、阿部の髪にキスしたりバックハグしたり…身長差や触れ方が好みすぎる。
寡黙で無表情だった聡一がこんなに甘い愛情表現するなんてーと萌えでした。
設定や仕事内容もストーリーに沿っていてお仕事BL(好き)としても楽しめました。
脇キャラもメイン2人との関係性がいいしそれぞれ個性的であたたかく、作品のよさとなる重要な要素でした。
初読み作家さまです。
きれいでかっこいい絵でセンス抜群のギャグが炸裂して最高でした。
おバカ純愛とギャグの緩急、間、リアクションがめっちゃ好みで何回も声出して笑いました。
紅丸、獅之介のダブルボケかと思ったら領主もボケでトリプルボケかーい!とツッこんでしまいました。
というより全体的にすっとぼけで、蒼太がツッコミを一手に引き受けているんですね。グッジョブだです。
タイトルがツッコミになっていてそこもいい。
領主のキャラとノリもいい。
拉致犯たちと紅丸の会話がブラック企業のサラリーマンみたいで、でもノリはあくまでもすっとぼけで軽くてそこも印象に残りました。
獅之介もまっすぐいい奴で紅丸とお似合いでBLとしても楽しめました。
ただ紅丸がもう少し男性ぽいルックスだったらな〜というのが個人的な好みです。
や~すごい作品でした。
一言ではもちろん言えないし、全てのエピソードが秀逸でそれがつながっていく構成がすばらしい。
こんな複雑な人間のあれこれを読み応えも余韻も凄まじい1冊にまとめられる手腕が恐ろしいくらいです。
シュールな絵(村瀬なんてちびま〇子ちゃんのキャラみたい)にヘビーな内容だなと読んでいた前半ですが、後半とラストで打ちのめされました。
人(特に子ども)は環境や衝撃によって歪んでしまう。
「どうせ皆どこかしらオカシイよ」まさにそう思う。
おかしいとされる村瀬の日記は読書好きなだけあって感受性、情感、語彙力、表現力などが豊か。
人の内面って外からはわかりにくいものですもんね。
そんな村瀬の文才がクライマックスで活かされる場面が見事です。
淀井のかくれんぼのエピソードは切なく象徴的。
村瀬が駅のホームで哲郎を突き飛ばそうとした時、淀井の姿が浮かんで踏みとどまった。村瀬のトラウマが淀井によって上書きされつつあるということですよね。
そのトラウマのある電車の中での2人の会話がやさしく、村瀬のモノローグが少し軽くなり、2人の心の重みがましになっていればいいなと思いました。
この頃、村瀬の吃音はなくなっていた。
お互い相手の特別になりたい。
その気持ちや形はちぐはぐでヘン…それを自覚し共有する繊細さよ。
この後、告白大会をして村瀬が嬉し泣きしてこわくなって…
下に小さな景色の3コマ…最後のコマがこれまで何度か描かれてきた神社の鳥居のシルエットで、ここで、え!❔(嫌な予感しかない)と声が出ました。
次が「はい 飯田です」のページ。
場面転換が上手すぎる!とビビりました。
ここからがまたすごすぎて…飯田、柿沼と共に
淀井の乳歯を見つけた村瀬のスピーチが圧巻でした。
見開きで、踏切、海、フェンスと空を背景に…ここの言葉にこれまでの淀井との思い出が詰まっている。
「僕の行く景色には淀井くんが溶け込んでいて」←淀井は村瀬にとって神様ですもんね
「強く柔らかな午後の光線は いつも彼だけを差し照らしているようでした」←いつか見た日の村瀬だけの淀井で永遠なんだな(ここでのタイトル回収に震えました)
死は解放で憧れ。
村瀬にとって淀井は憧れで神様でもあった。
淀井は自ら選択したのでしょうか。
村瀬のため、村瀬から離れたくない自分のため、
「村瀬の目を借りて色んな場所を見てみたい」から?
自分が弾ける体を村瀬に見せたいのかもと淀井が言ったのもあって、村瀬は最期の淀井に会いたかったのか。
ラストシーンのタタンタタン…が頭に残ります。
淀井は死への旅に出た。
午後の光線を浴びながら。
外が海(命)なのが象徴的。
銀河鉄道の夜を想起させます。全体的にもほんのり。
表紙の淀井の顔
右側、光が当たっている
左側、影になり頬に怪我がある
が、村瀬乃日記
「春光で淀井くんの半顔が 沫雪みたいに白く輝いていて」
「瞳の、深い深い穴の底の色を際立たせていました。」と被ります。
周りの人物造形もとってもいい。ステレオタイプやき記号ではなく多面的な人間として描かれる。
飯田と柿沼がいい奴で。
彼らの会話がすばらしい。
特に飯田の「こういう時だけ先生ヅラしやがって」が好きです。
淀井の母親は息子に愛情がないわけではない。
哲郎は悪100%でもない(逆に悪いだけの人間なんているのかとも思う)。
こういう人たち結構いますよね。
哲郎の「神も仏もねえな」が印象的。
何度も出てきた鳥居や道祖神に皮肉が込められているんでしょうか。
頭の中をぐるぐるするシーンが多すぎて、まとまりなくなってしまいました(いつものことですが)
当分余韻が抜けないだろうと思います。
すばらしい読書体験をありがとうごさいますという気持ちです。
先生のますます美麗な絵で描かれる本格ファンタジーBLは見応えありますね、
説明が多くゆっくりり進むなと思ったら1巻でまだ序章なんですね。
リタとイグナートの背景や立ち位置がわかり、次第に関係性を築いていく。
それぞれ孤独で、相手のあたたかさに絆されていく過程がよかったです。
特に、先生の「触れ合う」絵が大好きでして。
2人の仲はまだ手探りながら、触れるシーンが心の動きとリンクしていてすばらしい、
一緒に眠ったり、イグナートの大きな手でリタに触れたり、キスしそうになったり…見たい構図、表情をバッチリ見せて頂けるのがうれしい。
リタの「ありがとう」などにイグナートが無表情ながらグッときているのがわかる描写も好きです。
続編が楽しみです。
本編から1年後、同棲している2人が千夏の兄の墓参りに行きます。
千夏の中で家族はあたたかくもあり影を落とす存在でもあり、兄に佳澄を紹介することでまた一つ千夏の心があたたかく、2人の絆が強くなるように感じました。
千夏の父も墓参りに来ていた気配があり父なりに何か思うところがあったんでしょうか。
それは千夏にとって少し安心できるというか、一区切りできることであるように感じます。
家族のことを思う千夏を佳澄なりに励まし、そんな佳澄が好きでしかたないとばかりに触れ、キスして抱きしめる←こういう描き方が大好き
佳澄に向ける千夏の瞳と言葉がやさしくて、きっと声もやさしいんだろうと思わせる絵がすばらしい。
佳澄の祖父の話や、2人で聡に会いに行ったり、佳澄の家族と関係性が良いのも安心します。
2人だけの逃避行などでは決してないですもんね。
その後の千夏の「恋人です」の照れた顔が萌え〜。
かっこいいのにかわいくて佳澄が大好きすぎてこんなになっちゃうのずるいー(大喜び)。
その後も、お互い好きで好きでたまらないと伝わってくる絵と描写でしあわせいっぱいで最高でした。