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ソムリエ合格

女性おぶもいもいさん

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愛を知って、

一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、気持ちも関係性も変化させていくふたりを追いながら
長い年月の中で絡まっていった魔導士や人間たちとの確執の糸を解いていくことになった下巻。
お話が深くなっていく分複雑さも増していきますが、その一つひとつを噛み砕きながら読み進めていくことにのめり込ませてくれるようなストーリーでした。

恋という感情を知っても尚、それを伝える術を知らないアダン。
そんな彼の不器用すぎる愛情表現は微笑ましくも痛々しくもあって、上手く伝わらないこともしばしば…。
ですが、発情期の後からはヨナーク自身の考え方やアダンに対する想い自体も変わって、
その関係が少しずつカタチを変えていくのを実感できて嬉しかったです。

彼らがより深い関係になっていくまでには
ルキウスとアンヌのことだったりそれぞれの遠い過去のことだったりと様々なエピソードが挟み込まれていて、それをすべて繋ぎ合わせるのは難しく思うところもありますが。
それは人間とは違う時間を生きている彼らの道のりを知るための大切な鍵で、
これからも続いていく日々の1ページなので
複雑な部分までも愛おしく眺めることができました。

そんな風にふたりの恋"だけ"を描いたお話ではないからこそ、アダンとヨナークの気持ちがしっかり伝わる部分もあって、
たくさんのエピソードの中からそれを拾い集めるのも楽しかったです。

上巻同様、巻末の解説も本当に素晴らしくて、
最後の最後までどっぷり世界観に浸ることができた作品でした。

強さに惹かれる

竜神と人間とのお話。ということでファンタジー色は強めですが、
どのシーンを切り取っても細かなところまでしっかりと計算され、とても丁寧に練り上げられたストーリーだと感じ取れるので
違和感なく彼らの世界に入り込んでどっぷりと浸らせてくれるお話となっていました。

竜神であるアダンの纏う空気は神ゆえの重厚さがあって、悪い神ではないにしても決して優しさだけを持ち合わせているわけではないのが伝わります。
鋭い眼差しと大きな身体、淡々と対価を求めてくる冷徹さ。
もうそれだけで得体のしれない相手であることは明らかですが、ヨナークは怯むことなく、そして願いを叶えてもらうために下手に出ることもないのです。
それは大切な相手への想いが彼を支えているからで、その揺るぎない強さが本当に美しくて素敵でした。

海を渡ろうと決意した時点で、恐らくイルゼーとの未来は諦めていたのでしょう。
それなのに最後まで"悪者"を貫いたのもまた、彼女への愛でヨナーク自身の強さなのだな、と。
この別離を悲しみだけの感情で終わらせず、前に進むための糧にできるのが本当にすごい。
そしてすべてを理解したアダンがヨナークの隣にいてくれて本当に良かったなと思いました。

巻末の冬房先生による各話の雑感も本当に素晴らしかった…!
細かな設定を知れたのが嬉しすぎました。
「雑感」とはありますがとても丁寧な解説なので、文字としてそれを追えたのが本当にありがたかったです。
下巻も大切に読みたいと思います。

密心 下 コミック

中込いくさ 

幸せいっぱい

上巻終わりの幸せな空気感をそのまま引き連れて始まっていく下巻。
気持ちが交わるまでにあったヒリヒリしたところなんかもないので、ふたりの甘い日々をただただ見守らせてもらえてすごく嬉しかったです。

冒頭から幸せオーラ全開のふたりからはお互いが大切に想い合っていることがバシバシ伝わるし
愛をたっぷりまとった絡みからは求め合わずにはいられない!という衝動も感じます。
そんな姿を見ているとこの再会がふたりにとってどれだけ大きなものだったのかがわかって、また巡り会えて本当に良かったね…!と改めて思ったのでした。

リウの父・貫太郎は謎に圧が強かったし、稔に対して含みを持たせて接する部分が多かったので
かき乱す存在になるのではないかとハラハラしましたが。
貫太郎がいたことによって逆にふたりは燃えあがり、いい刺激をもらってより仲が深まることに。
貫太郎の真意はわからぬままだったけれど
誰も傷付かず綺麗に収まる結末になっていたのが良かったです。

密心 上 コミック

中込いくさ 

運命を掴むまで

表紙の稔の真っ直ぐな眼差しがすごく素敵。
視線の先にはきっとリウがいるのだろうなと想像すると、その表情からは色気も感じ取れてドキドキしてしまいます。
上下巻それぞれのソロショットになっていますが
とても美しくて印象的で、読む前から期待が高まりました。

トップモデルとカメラマンとの恋。ですが、
仕事絡みで知り合って少しずつ気持ちを育んでいくような感じではなく、その関係の始まりはやや唐突だなと感じる部分も。
ふたりは初対面のはずなのに稔に対するリウの激しい感情が見えたと思ったら、
仕事の最中に流されるまま身体の関係を持ちそうになるという危うい展開にヒヤヒヤ。
初っ端からこんなことになってて大丈夫かな…?と心配になってしまいましたが、
その後ふたりの過去が明かされすっかり心配を消し去ってくれたので、唐突な始まりにもモヤモヤが残ることなく読めました。

それぞれが相手の仕事の"原点"みたいな立ち位置になっていて、数年越しの再会でそれが繋がるなんてまるで運命のよう。
でもこれは彼らの努力の証でもあり、簡単に掴んだ運命ではないのもしっかり伝わってきます。
だからこそふたりの気持ちが交わった部分がより輝いて見えたのかなと思いました。

とても幸せなところで終わっていた上巻ですが、
この先どんな展開になるのか楽しみに下巻も読みたいと思います。

オムライスおいしそう

帯通り、『こんな運命望んでない!!』なんて思いながらも。
運命みたいな巡り合わせに翻弄され、
二階堂のペースに飲み込まれていく日下部の絶妙なチョロさが最高に良いリーマンものでした。

恋愛から遠ざかりすぎているせいで、新たな出会いを探すことすら億劫で…という日下部が
苦手意識のある相手からの突然の求愛を簡単に受け入れられるはずもなく、最初こそ二階堂を胡散臭そうに見たりしているのだけど。
なんだかんだと絆されていつしか気持ちまで動いていくのを、彼自身さえ戸惑いながらも実感していく様子がすごく良かったです。

もしかしたら「苦手」だと思っていた時点で、実は惹かれていたのかもしれませんね。
日下部の本心を上手く引き出していった二階堂のナチュラルに策士な感じがツボでした。

そして改めて思ったのが、ゆいつ先生の描く塩顔イケメンが最高に好きだ…!ということ(笑)
日下部を見つめる二階堂の表情がすごく良くて、
冷たいようにも見える眼差しのなかに好意も温かさも存在しているのがたまらんっ。
それを感じ取ってドギマギしている日下部も可愛かったです。

シンプルなストーリーなので読みやすくて、スッと入ってくる萌え要素を存分に楽しませてもらいました。描き下ろしのセックスもめちゃくちゃ良かったです。

世界観に浸る

帯に大きく書かれた「執着」を思わせる和巳の表情にすごく惹かれました。

でも彼はそれを剥き出しにはできない葛藤を抱えているし、アルファとオメガだからすんなり関係が進むとも限らない難しさもあったりして。
基本和巳はすごく優しくて波止を心から思い遣ってくれる人なので、そんな彼が執着心を見せているというところからも"愛"が感じられるのが素敵でした。

和巳だけではなく、波止も本当に優しくてすごく心が綺麗な人。
自分のツラさよりも和巳の苦しみに目を向けられるところに、彼自身の人の良さが表れています。
どう進むべきか悩んでいる和巳に寄り添って
『きっと大丈夫』だと言った波止の笑顔が本当に綺麗で。
アルファとオメガの本能の部分をこえて惹かれ合うふたりを、心から応援したい気持ちになったのでした。

シンプルなストーリーではあるけれどそれぞれの表情から伝わる想いがたくさんあり、
彼らが語る言葉だけでない部分にものすごく引き込まれました。
早寝電灯先生の世界観に存分に浸れて、本当に幸せでした。

信頼し合える関係って素敵

あ、あまい…!
前巻を読んだときにもすごく甘いなーと思いましたが、それよりも糖度が高くなっていた2巻でした。

蒼生も晴人もそれぞれ相手のことを一番大切に考えていながらも、自分の仕事にも誇りを持っていて
そのどちらも疎かにしないところが本当に素敵。
相手の仕事のことまで自然と考えてあげられていて、邪魔にならないようにしたり支障をきたさないようにしたりと、しっかり線引きできているのがずっと仲良しでいられる秘訣なのかもしれないなと思いました。

彼らの日々には気持ちがすれ違ったり心変わりしたり…みたいな要素もないし外部から邪魔が入ることもないので、
なんの心配もなく甘い空気感にどっぷり浸ることができて読んでいてずっと幸せでした。

付き合ってから何年経っても変わらずに想い合えているのが本当にすごい。
こんな恋人同士ってなかなかいないよなーと感心してしまうレベルです。
想い合う以上に信頼し合っているのが伝わるシーンの数々、本当に素敵でした。
これは同棲編が読みたすぎる。続編期待しています。

穏やかで優しい

山神様と人間のお話。
なので、ファンタジー色強めではあるんですが
不思議な出来事で埋め尽くされたストーリーではなく、人間と妖とがうまく共存している世界なのが伝わる温かさがあってすごくほっこりしました。

山で迷っていた宗一郎の前に突然現れた紫苑は最初こそ謎な存在だったけれど
彼がいつでも優しく穏やかだったので宗一郎も抵抗なく受け入れられたのかな、と。
ただ宗一郎も相当肝が据わっている人だと思うので、その辺が上手く噛み合う相性の良さがあったのだろうなと感じました。

紫苑の記憶が飛んでしまうところはちょっぴりハラハラしたけれど、そこから大きく拗れていくことはないし原因もきちんとわかって安心できます。
自然界のゆったり流れる時間と、それ故の厳しさにも触れることができて良かったです。

それほど大きな波はなく終始穏やかに進んでいくストーリーですが、その中で生まれる恋がすごく美しくて素敵でした。

"普通"ではなくても。

Domだけどネコ。という一般的なカタチではない部分があるせいで恋人と長続きしない大智。
何があっても絶対に自分を曲げないところも原因だった気もするけれど
そういうところも遥は無条件で受け入れてくれて
むしろ否定したり抗ったりするという選択肢がはじめから無いので
ぴったりなパートナーに巡り会えて良かったなー
と思っていたのですが。

プレイの後あんなにツヤツヤしているにもかかわらず、なぜか大智側が遥を受け入れないという展開にちょっぴりモヤっとしました。
Subである父親のことが引っかかっているにしても
それならSubと付き合ってきた過去はどうなる?みたいな…。
元カレによる嫌がらせのシーンもありますが
大智のことが本当に好きだったからふたりの邪魔をしているというより、大智の不幸を願って遥を傷つけている感じにゾッとして
こんな行動を起こさせるくらいには適当に扱ってきたんだな…と残念な気持ちに。

ふたりの関係は良いところに着地したけれど、
元カレ問題はあれで解決したのか疑問だったし
大智はこれから親とどう向き合っていくのかわからないままだったので
細かな部分の終わりをもう少ししっかり見せてほしかったなと思いました。

美しい涙

自他ともに認める"しごでき"リーマンの阿知葉と、その仕事相手である佐波とのお話。

表紙でも阿知葉は涙を流しているし、
顔合わせ時に佐波の顔を見るなりボロボロ泣き出したりしているので、
ツラい展開になるのも覚悟しましたが。
ツラい記憶と繋がってはいるけれどもものすごく重たい感じではなかったので
苦しくなることなく読み進められました。

佐波の存在が感情を刺激するスイッチとなって、
涙が出たり引っ込んだり。
どんなシチュエーションでもお構い無しに涙が出てしまうので大変なこともあるけれど、
色々なことを背負いすぎている阿知葉にとって
その時間がなければリセットできないモノがたくさんあったのがわかります。
佐波と過ごしていくうちに少しずつ自分にも
佐波に対しても素直になっていき、
ツラさが和らいでいくのを見ることができて
本当に嬉しかったです。

偶然の再会がこんな素敵なものになるなんて
思いもよらなかったと思いますが
それぞれにとって幸せな結末になってくれて
本当に良かったなと思いました。