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女性おぶもいもいさん

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甘酸っぱさだけではない日々

恋心を拗らせすぎて、ものすごーく
めんどくさくなってしまっている子が
最高に好きです。
なので、折川のどうしようもないくらいの
めんどくささがツボでした。

彼の中にあるのは桝木のことが好きという
シンプルな感情だけなのに、
あれこれ理由をつけて誤魔化したり
自分の気持ちさえ見ないふりをしたり…。
そんな言動になる理由はしっかりあるけれども
どこまでも素直になれずにいるところに
何とも言えず萌えました。

そして桝木の高校生らしからぬ
"ザ・漢"みたいなどっしり感も良かった…!
途中までは彼の気持ちが本当にわからなくて
ずっとヤキモキしていたのですが
優しくしたり大切にしたりするだけが
想いを伝える方法ではないと気付かせてくれて
わかりにくいけれども端々で見える
『好き』にめちゃくちゃキュンとしました。

高校生の恋というと甘酸っぱいやり取りが
たくさんあるイメージですが
彼らの日々にはそういう部分があまり無かったのが
逆にすごく良かったです。
ふたりの恋を追うだけではなく、
部活のことや彼らを想う女性キャラの存在が
絶妙にストーリーを盛り上げてくれていて
すごく読み応えがありました。

初恋…

MRと研究員とのお話ということで
お仕事BLなのかな?と思いきや
専門的な部分はあってもそれほどお仕事色は強くなく、かといって恋愛部分が際立っているわけでもなくて…
久我に対する想いを持て余した秋人の、ぐるぐるした思考をただただ見守るような眺めるような…
そんな展開でした。

真面目で良くも悪くもお堅い秋人が
久我を前にすると何もかもが制御不能になってしまうのが何とも言えず可愛かったし
こういう真面目キャラは周りとは距離がありがちなイメージだけども
後輩からは慕われ他部署や本社の人間ともしっかり関わりがある。という、イメージを壊してくれるところが面白かったです。
秋人が作る手作りのお弁当を食べると「不調から抜け出せるご利益がある」という噂があり、
いろいろな人がお弁当を頼みにくるのにも
一つひとつ対応している家庭的な面のギャップも良かったです。

ただ、久我に対する恋心に向き合いながらも
ぐるぐる悩み続ける部分が長すぎて…
お話の3分の2を過ぎてもふたりの関係は何も変化していないので、読み進めるのがかなりツラかったです。
久我の幻聴のことだとか、後輩たちから聞こえてくる不穏な噂とか。
それが同じ場所で足踏みし続ける秋人の背中を押すのかと思えばそういうわけでもなく、
どこまでいっても動き出せない秋人のことを
どういう気持ちで見守ればいいのかわからなくなっていました。

終盤で彼らの関係は一気に変化し、幸せになってくれて良かったなとは思ったけれど…
そこに辿り着くまでのストーリーにもっとメリハリがあればよかったなと思いました。

静かに想い続ける強さ

夜の観覧車のなか、親友からの突然の告白。
…という、そのまま流されるか?気持ちが揺れるか?というBLにありがちなシチュエーションから始まるけれど。

暁行は清々しいほどに『ノンケ』で、
遥から想いを告げられても良くも悪くも意識は何も変わらず。
でも決して遥の気持ちを軽々しく扱わないところに誠実さが見えていたのかな、と。
ただデリカシーの無い発言にはかなりモヤっとしてしまい、どこか線を引いているような暁行が許せないかも。と思った部分もありました。

でもその場の雰囲気に流されたり簡単に気持ちを変化させたりせず、あくまでも自分を貫くところこそ暁行の良いところなのだと気付かせてくれるストーリーになっていて、
彼への印象も変わるし遥が好きになったのも理解できるような展開だったなと思いました。
そして。あえて多くを望まないようにしている、控えめな遥の健気な想いに触れたとき。
暁行の感情が一気に爆発したのがすごく良かったです…!

どうやったってこえられないと思っていた壁を乗り越えたあとの暁行は潔くて強くて、
ブレない想いで遥を見ているのが伝わってくるのがすごく嬉しかった。
そしてこれまでひとりで何もかもを抱えてきた遥が幸せになってくれて本当に良かったなと思いました。

ふたりの居場所

計の何もかもを受けとめて包みこみ、
そして丸ごと愛してくれる潮の過去が明かされることになった3巻。

これまでとは何か流れが違うな?と序盤から思ってはいたものの、こんなにツラい展開になるとは…。
1〜2巻は計についてのエピソードがメインで、
彼の口からポンポン出てくる悪態すらも楽しめるようなところがあったので
まさか、まさか…!ということ続きでかなり抉られてしまって。
どちらの気持ちを考えても苦しくて、ただただ泣けてしかたなかったです。

計が出馬するかも?というガセネタが偶然生み出されたものではなく、すべて仕組まれたモノだった知ったときには本気で腹が立ちました。
潮の気持ちを無視して、打算的な考えばかりを並べて。
計のことを出せば潮は大人しくなると見透かしているのも本当に許せなかった。
そんな奴らには絶対負けて欲しくなかったけれど
どうやっても勝てなそうな気もしていて、ハラハラしっぱなし。
でも計が捨て身で乗り込んでくれたおかげで事態は好転し、離ればなれにならずに済んで本当にホッとしました。

壁にぶち当たったときも自分自身を見失いそうなときも、いつも側にいて自分だけの居場所をくれた潮を救うために。守るために。
あんな風に動いた計が本当にかっこよかったし、
ふたりの間にはしっかり愛と絆があるんだな。というのを改めて実感。
その後の甘さたっぷりな恋人時間にさえ感動して、胸がいっぱいになったのでした。

このシリーズを通してふたりの様々な表情をみることができてすごく嬉しかったです。
スピンオフも総集編も楽しみですが、本編もまた何度も読み返そう!と思うくらいに面白かったです。

ありのままで、

優等生アナの皮を被った計の素の部分の、とんでもない口の悪さは相変わらず。
ですが、何も変わっていないようにも見えるトゲトゲした言葉たちの奥に
潮との出会いで確実に変わった計自身の丸みが見えて、なんだかんだ言いながらも順調で幸せな日々を過ごしているのが伝わるのが素敵です。

ふたりでいる時のつっけんどんな物言いも噛みつきも、好きだからじゃれついているようにしか感じなくて(笑)
前巻よりももっと計の印象が良くなり、ひねくれ者すぎるところすら可愛く見える不思議。
これも潮の愛のパワーのおかげかな。と、すごく温かい気持ちになったのでした。

仕事に対する姿勢について計はずっと悩んでいたところがあって、そこの壁にぶち当たってしまう辺りはすごく切なかったです。
悩んでいることを誰にも気付かれないようしながら自分自身でも目を背けていたので、
いざ答えを求められても頭がうまく働いてくれず
焦りからどんどん負のループにはまってしまって空回り。 
努力ではカバーできないものに通せんぼされてしまう計を見ているのが本当にツラかった…。

でも。「ありのままの計」を認めてくれる潮のおかげでまた立ち上がることができて、
自信を取り戻すだけではなく自分の中にもしっかり情熱はあったのだと気付けた計はもう無敵!
ふたりのピタッとはまる相性の良さを改めて感じることができたなと思います。

プチ記憶喪失なエピソードにはハラハラして、
でも『きれいな国江田さん』から思いがけない計の本心を聞けたことになんだか感動。
そして痛いくらいに伝わってくる潮の計への想いにグッときて、胸がいっぱいに。
からの、めちゃくちゃアツくて甘くて幸せすぎるセックスが最高すぎて…!
最初から最後までずーっと前のめりで読んでしまうくらい面白かったです。

ふたり以外にもいいキャラがたくさん登場していて、次巻にもスピンオフにもさらに期待が高まりました。

恐ろしさと、甘さと。

わりと甘めな雰囲気だった前作から、またガラリと空気が変わっていた3巻。
幸せなふたりの日常に恐怖が入り込むゾクゾク感が最高でした。

普通の恋人同士よりずっと刺激的な彼らの関係を
覗き見ているような背徳感と
藤田の存在の恐ろしさとが合わさることでさらに深いストーリーとなっていて、
読み進めるほどにどんどん引き込まれていくような魅力がありました。
どエロい濃厚な絡みから粘着ストーカーの恐ろしさへ繋がっていく、空気がスッと冷える感じがたまらなく良かったです。

藤田の光のない瞳が清高への執着をよく表していて、彼の"犬"になるためなら手段を選ばないという揺るぎない意志がバシバシ伝わってくるのが恐ろしすぎました…。
狂った思考でふたりを傷つけたのは本当に許せなかったけれど、
堂山家を敵に回すとどうなるか?というのを彼はこれから身を持って知っていくことを考えると、少し胸がすく思いでした。

誠の不安を思うとハラハラしっぱなしな流れではありましたが、
藤田がヒートアップするのに比例して清高と誠の心がより強く結ばれていく部分を見れたのはすごく良かったなと思います。
いつもクールで何事にも動じない清高の心が揺れるほど、誠のことが大切なのが伝わってきたのが素敵でした。

こちらはまだ続くようですね。
毎回違う表情を見せてくれるふたりにまた会えるのを楽しみにしています。

悔しいくらいに格好良い

コミカライズの1巻だけ既読で
そのとき原作も読もう!と思ったものの
シリーズものだからとなかなか読めずにいたのですが。
もっと早く読んでおけば良かった〜!と思うくらい、めちゃくちゃ面白かったです。

口が悪くて二面性がありすぎる計にはやっぱり驚きましたが、
その言動を文字で追うことで彼自身のことをしっかり理解できた部分がありました。
何層もの殻で覆って、誰も踏み入ることを許さない心の内側。
そうすることでしか自分を守れない弱さと脆さが見えてくると"ただ性格が悪い人"なわけではないとわかって印象が少しずつ変わっていく、そんなところにも引き込まれました。

そして『オワリ』を適当にあしらうところも『国江田』に好意的に接するところも、
どちらにも素敵なところがある潮なので
バレたらその関係はどうなるんだろうかと本当にハラハラしましたが
心配する必要なんてまったくなかったのだと思い知らせてくれるほど潮はものすごく器が大きくて、たっぷりの愛で計の何もかもを受けとめてくれる様子に感動…!
どの場面でも潮が悔しいくらいに格好良くて、計が惹かれたのが分かりすぎました。

後輩アナくんもふたりの恋路のスパイスになってくれるいいキャラですごく良かった〜!
次のお話も楽しみです。

印象が変わる

冒頭、別れの理由を求めてきた元カレに血も涙もない言葉を投げつけた輝々を見て、
いくら顔が良くても頭が良くても、そんな物言いはだめでしょ…。と、スッと心が冷えてしまって。
クズキャラは嫌いではないけれど、もしかしたら彼のことは好きになれないかも。なんて思いつつ読み進めました。

ですが。
そこからの輝々の捲りがものすごかった!
ひかげと一緒に過ごす時間が増えるほどに人間的な部分が成長していって
その一つひとつを見ているうちに印象は変わり、最初に感じた彼への苦手意識を消し去ってくれました。

これまでは付き合うのも別れるのもものすごく軽くて、恋愛は相手と向き合ってこそ成り立つ関係だということに気付いてすらいなかった輝々ですが。
過去の恋に傷付いたままのひかげの心に触れたことが自分の振る舞いを見つめ直すキッカケになり、恋愛に対して彼自身の意識が変わっていくと、自然とふたりの気持ちが近付いていくわけです。

セフレから始まったふたりだけれど、心を通わせるシーンはすごく純愛で。
大胆にエロいことはたくさんしているのにピュアさすら感じる空気感、めちゃくちゃキュンとしました…!
無事に幸せなところに辿り着いてくれて本当に良かったなと思いました。

そして。ひかげの心を立ち止まらせていた相手・カワキ先生もいいキャラだったなと思います。
残酷なまでの素直さ、とても刺さりました。
ぜひともスピンオフをお願いしたいです。

過去と向き合って

あらすじに「再生の物語」「救済」とあったので
重たい展開も覚悟で読み始めましたが
重たすぎず軽すぎずな過去と
わりとライトなふたりの恋とが合わさったストーリーで、すごく読みやすかったです。

中盤で明かされた和久井の父親との過去は結構ツラいなと思ったけれど、
そのエピソードに長居せずにふたりの現在の気持ちを見せてくれているので、
ツラい・苦しいを引きずらずに読むことができました。

和久井自身、心に残ったしこりの存在を認めつつも。
大人だし仕事もあるし、そこで立ち止まってばかりはいられないと思っていたのかもしれません。
でも忍があえてそこに目を向けさせてくれたおかげで、ようやく父親とも向き合うことができて
読み手としてもホッとしました。

物騒なことに巻き込まれてヒヤヒヤする場面もあるけれど、最終的には上手くまとまってとてもスッキリした結末になっていて良かったてす。

優しさに触れて

高校1年、初対面の春。
あの時点でお互いどこか引き寄せられるような感覚があったのではないかな?と思わずにはいられないくらい、冒頭のシーンがすごく印象的でした。
感じたものがすぐ"恋"には結びつかないところも
その後の展開を期待させる始まりだったなと思います。

2年生になるまでに、失恋をしたり部活を辞めたりと様々な変化があった宇佐美。
苦しくてツラい時もたくさんあったけれど、そんな日々を過ごしていたからこそ出会えた恋心を
とても大切にしている様子が本当に素敵でした。

好きだから青凪を特別大事にしたいというのが伝わる彼の行動一つひとつを微笑ましく眺めつつ、
同じ気持ちになることはないと諦めているような空気を感じるのがなんとも切なくて。
青凪の幸せを願いたいのにそれでも自分と一緒にいてほしいと思う、宇佐美自身の揺れる感情に何度も胸がぎゅっとしました。
なのでふたりの気持ちが交わってくれたのが本当に嬉しくて…!
そこから始まる爽やかで甘い恋人時間にもめちゃくちゃキュンとさせてもらいました。

宇佐美も青凪も自分自身に関することで悩んだり葛藤したりと、色々な思いを巡らせてきたからこその優しさを持っているなと感じます。
そういうところも相性が良かったのかもしれないですね。
優しくて思い遣りにあふれたふたりが、笑顔でいられる結末になってくれて本当に良かったなと思いました。