ワスレナグサさんのマイページ

レビューした作品

女性ワスレナグサさん

レビュー数3

ポイント数28

今年度198位

通算--位

  • 神3
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

知ってほしい・教えてほしい

新興宗教を信仰する母と暮らす「宗教2世」の東春一(はるひと・攻め)と、幼少時に新興宗教の神、燈主様の「器」とされた賽原永真(とうま・受け)の伝えることと、わからないことをわかろうとすることを考える、大きな意味での救済ラブストーリーでした。

東親子の関係は、繰り返し読めば読むほど、はがゆくなりました。春一に宗教活動をして欲しい母と、宗教の思想を拒絶する春一。宗教関係の話をしていないときは何気ない会話や日常が送れているようなのに、 そこだけがわかりあえない。自分の正しさをわかってもらおうとお互いがもがいて苦しくなっている様子が辛かったですね。

そして春一は心の中にもう一つ「どうせわかってもらえないと諦めようとしているもの」をかかえているわけですが。
何百何千と様々なラブストーリーを読んできましたが、恋愛とは何か?ということを改めて考えましたね。結論はまだ出そうにありません。

わかってもらえないという孤独
わかってもらえた安心感

ちょっと私の中で「わかる」がゲシュタルト崩壊しそうになってますが、
お互いが同じ形や思いじゃないと一緒にいられない、という訳じゃない
違うことをお互いがちゃんとわかってればいいのかもしれないなと思いました。

ちなみに、春一と永真と友人2人で、2回、事を起こすのですが、その時その時で、ちゃんとした大人の力を借りていたのが、何か良かったです。大人を当てにすることができて、大人も信頼に応えられてるって描写はなかなかないんだよなぁと、思いました。

色々考えることができて、とても面白かったです。

2030年にまた会いましょう

幼馴染みでもある死んだ相方が大好きだった芸人、稲葉ソーマ(32歳・ツッコミ・攻)と、8年前に死んだ漫才コンビ「イースター」のソーマの相方、麦太ミツヤ(享年24歳・ボケ・受)の、近未来ラブ&ラフコメディでした。一応参考までに書くと、死ネタがあります。
こちらの作品はリブレ刊「秒でわかるBLシリーズ」の一冊で、お題は「孤独なモンスター」だったんです。芸人でモンスター?クローン?モンスター…?と思いながら、購入して読んでみました。

幼馴染み特有の拗らせた片想いをぶつけて、受け入れて、公私ともに相方に、というほのぼのでハッピーな感じではあるのですが、ソーマの、決断から再会までの8年間の心情を考えると、尋常じゃない激しい感情を感じます。そしてこんな感情を抱えつつもちゃんと芸人として仕事をしていたのだから、ソーマのミツヤへの思いは本当にすごいな、と思いましたね。

2024年と比べて、服装だってスマホだって大して変わってないようでいて、さりげなく便利なツールができていたり、ネット犯罪に対する法制度ができてたり、何と言っても人間クローンの製造が禁止じゃなくなってたり。かと思えば、車は普通に道路を走るし、音MAD職人は健在だったり。この絶妙な混ざり具合が私的には好きでした。
初めは芸人モノとクローンという設定に惹かれて購入したのですが、まさかBLでこんなにも未来へ思いを馳せることになるとは思いませんでした。

もしかしたらないこともない、あるかもしれないちょっと未来のお話。楽しかったです!

やさしくないせかい

エルヴァ様命の大型ワンコ系従者のアルトノウル(アルト・攻め)と、クーデレな南の覡(かんなぎ)のエルヴァ(受け)のスペクタクルファンタジーBLの5巻です。既刊を読まないとさっぱりわからないと思います。ちなみに、もくじにも書いてありますが、子供への性的虐待描写や暴力があったり、ショッキングな描写があったりします。

将来的に通してみたら必要な巻になるのだと思うけど、単体で見るとなかなかハートフルボッコで、二人の進む道のりはこんなにもやさしくないものなのかと思わざるを得ない巻でした。

まず、私のなかで、最低なヤツが多すぎて誰が一番最低か決めあぐねてしまう事態になってしまいましたね。「一番最低」って「頭痛が痛い」みたいになってるけど、そうとしか言いようがないくらい、救えない人が多すぎましたね。正直、こんなビジョンを見せられたら、闇堕ちまったなしだな、と。
そんな中で、エルヴァにとってアルトがひとすじの光なのかもしれないけれど、アルトの真実を知ってしまったらどうなるんだろうという不安もぬぐえなくなりました。

そして、いよいよもって、黒海ってなんなのか?という謎が深くなりました。

ヘビーな内容の巻でしたが、アルトちゃんを愛でるエルヴァとか、巻末書き下ろしとか、ほんわか出来る所があって良かったなぁと思いました。

こんだけしんどい道のりを進んでいるのだから、アルトとエルヴァには幸せになってもらいたいな、と思います。

悪の華

生前やり込んだ乙女ゲームの悪役令嬢の父である宰相アンドリムに転生してしまった主人公が、前世でのゲーム知識をフル活用して、自分と娘を破滅に追いやった清廉潔白な王子や正ヒロイン達に苦汁と辛酸をなめさせていく、ざまぁ系ダークファンタジーです。

原作未読でしたが、あらすじとサンプルを読んで即購入が決定しました。

もう、宰相アンドリムと神官長マラキアの腹黒いこと!そしてその頭脳や手練手管で正当派主人公達を悪い顔をしながら、じわじわと、いけしゃあしゃあと追い詰めていく様子が、そうなっちゃうんだ!?の連続で、次の展開が読めず、ゾクゾクワクワクしました。

人物の背景や、世界観の設定など、複雑な伏線が満遍なく張られていて、それがすごいと思ったのと同時に、その情報量に自分の理解力が中々追い付かず、3回くらい読み返して理解できました(多分)

いや、本当に、結構えげつないこともしてるのに、なんでこんなにも爽快感があるのか不思議でたまらないです。そして、美しい悪が、どのように高潔な騎士を堕とすのか、楽しみでなりません。

もしも、  だったなら、

「Subだけどセックスではタチ希望」の、会社員の渡瀬(攻め)と、「Domだけどセックスではネコ希望」の、DomSub風俗店のNo.1Domキャストのトウマ(冬馬・受け)の、出会うべくして出会った2人のドラマティック進化系DomSubユニバースラブストーリーです。

「Domがタチ、Subがネコ」という世間の風潮と、自身の抱える性質の不一致でねじれてこじれて、いびつだと思っていたそれぞれの形が、お互いの空白を補い合えたようにぴったり合わさった様子がとても好きでした。

二人のセックスにおけるイニシアチブのやり取りがDomSubならではの設定と物凄い融合していて、この二人だからできるセックスというものが見れたと思います。

終始、2人のプレイもセックスも、お互いに思いやりがあって、やさしくて、相手の欲しい所に的確に手が届いてる感じがいいなと思いました。


とにかくドンピシャで私の好みに刺さって何回も読んでしまいました。楽しかったです!

うららかな午後に無垢な笑みが放つもの

エルヴァに幼少時より仕えているアルトノウル(攻め・18歳)と、海の化物と夜な夜な戦っている南の覡(かんなぎ)エルヴァ(受け・26歳)の、二人の行く末と島の行く末を見届けるスペクタクルBLですね。こちらはシリーズ物の4巻となるので是非既刊を読了下さい。そして、またしても気になるところで待て次巻!となります。

新情報が多いです!初見では処理できずに既刊含めてあちこち読み返してしましまいました。エルヴァの過去についても着々とパーツが埋まってきましたね。もうシヨンが不気味すぎる。そしてついにアルト自身も知らなかったアルトの秘密が明らかにされてしまったわけで。もう波乱です。

この二人はイチャイチャしていい雰囲気になるのに色んな要因でその先に進まないんですよ…焦らされます。でも、ポジション確認も無事にできましたし、新月が待ち遠しいですね。そんな中で、新事実によりまた二人の間に問題が浮上したわけですが、思い合っている二人がどうするのか、ハラハラしてしまいます。

修道院、領主シヨン、黒海の勢力、レティ達、それぞれの行動と思惑が複雑に絡み合っている中で、アルトとエルヴァはどう行動していくのか、情報の波に振り落とされないように食らいつきながら次巻を待とうと思います。

これが二人の生きる道

とある理由で虎王組を追いかけている、仕事は謹厳実直だが性癖はSな警察官の久世康之(攻め)と、母性と父性にあふれたパーソナルスペースゼロ男子の虎王組七代目組長の虎前聖(ひじり・受け)の、ガチムチ受けロミジュリラブコメディでした。

詳細は伏せますが、他にケンカップルとおじおじカップルが出てきます。参考までに書くと、別カプにてタチのネコ化とネコのタチ化(性描写は変化後のみ)と、別カプにておもらしがあったりします。

全体を通してマンガのテンポがよくて、シリアスになりそうでならなかったり、思いきった展開があったりと、ノリがハマれば面白いコメディテイストな作品でした。でも大事なところはちゃんとしっかり魅せてくれてたので、メリハリがありました。

印象に残っているのは、聖の乳首との初対面のシーン1コマ目。無言の圧力というか、時が止まる感じ、そして詳細な描写があいまって、とにかくすごくて読む度に釘付けになりました。

ふわふわしててヤクザとして大丈夫…?な感じの聖の、しっかりと自分の欲を通す強かさを見れたのが良かったです。
あと、中盤と終盤のタイトル回収している感じが好きでした。

ロミジュリ愛の結末として、とてもたくましく、とても強かで、愛で満ちていた終わり方がとても素敵でした。

獣様達の事情

幼少時に助けた獣の嫁になり息子を出産した、獣医学部の学生の友利人(受け)と、無事に友利人を嫁にできた、溺愛の過ぎる俺様で神様な獣様のコロ(攻め)の、まだまだ波瀾万丈子育てラブエロコメディでした。
そして、不穏な引きで待て次巻!です!
ちなみにこちらはシリーズ3作目となりますので、ぜひ、無印・妊夫出産編を先に読了ください。

さて、私的にはこちらの作品といえばまずエロい方面についてになるのですが、友利人とコロの関係が、まだ素直じゃない所もあるけど当初に比べて気持ちが通じてきているのもあり、激しさとか汁感、母乳(出るんです)がたっぷりあるものの、充足感もあって、平和になったなぁ、と思う一方。とある理由で嫉妬と独占欲が暴走したコロによる、徹底した快楽責めがあったり(快楽以外考えられなくなる思考操作や触手による耳責めもアへ顔もあるよ!)ライト?からハードまで中々に幅広いバリエーションでした。

ストーリーとしては、「子育て編」ということで、無事に利丸(としまる)を出産した友利人とスパダリ開花なコロが、なんだかんだ喧嘩しながらも仲良く育児していく様子が好きでした。
そしてコロ側の事情編がスタートしたわけですが、事実や背景が少し明らかになり、新キャラも登場し、布石が打たれましたが、まだ真意が見えない印象ではありました。友利人の目線で物事を追っているので、何でこの人はこんなことしたんだろう?などなどわからないことや不穏な感じにモヤモヤソワソワしましたね。

コロの兄弟たちなど棲家側の事情、利丸、そしてコロと友利人。
また次巻を楽しみに待とうと思います。

一番初めにおはようを 一番最後におやすみを

作家の岡村康彦先生(42歳・攻め)と、先生の担当編集の中井優誠(40歳・受け)の、「おじ✕おじ」且つ「作家×編集」カップルの日常ラブストーリー短編集でした。「よつもじ。〜今日も、明日も〜」→「よつもじ。〜過去も、未来も〜」に続く第3弾となります。前2冊を読んだ方が深みが増しますが、今作から読んでも大丈夫かと思います。

今回、いつもと趣の違う先生が見れたり、中井さんの意外なギャップが見れたりしてしまったのですが、二人それぞれが、生活をしていくなかで、ふと、今をかみしめてこれからを考える描写がすごく身近に感じられていいなぁと思いました。

先生の膝で眠る中井さんと三四郎。日常にありそうな光景なのに、「幸せ」がすごく伝わってきて、好きでした。

改めて1巻から読み返したのですが、本当に終始穏やかで、ほんわかして、ゆったりとした時が過ぎるような作品でした。
ここで一区切りとのことでしたが、またいつか彼らの何気ない日常を垣間見ることができたらいいな、と思いました。

癒やされました!ありがとうございました!

イロトリドリの

森丘美術大学で過ごす生徒や教授たちの3つのお話からなるオムニバスです。

それぞれの主人公たちが生活の中で関わりあってる描写が好きでした。また、読み返していくと、何気ない会話の内容が実は意味のあることだったり関連が見えたりして、面白かったです。

●「プシュケの恋」
周囲と比べて自信がなく、モヤモヤを抱えている紀井彩輝(グラフィック学科2年・受け)と、破天荒な天才型の陽キャ天野蒼大(彫刻学科4年・攻め)の、成長と救いのラブストーリーでした。ほぼ彩輝の目線で進んでいき、彼の迷う気持ちが伝わってきました。天野が抱えているものに関しては深くは触れられてはいないですが、彩輝によって天野が救われたのは確かなので、よかったなと思います。

●「目覚めのワルツ」
スランプ気味で進路に悩む高木利人(彫刻学科3年・攻め)と、憂いを秘めたロシア出身のヌードモデル、ミハイル・マルコヴィチ・ニジンスキー(もうすぐ30歳・受け)の、産声を上げるような衝動のラブストーリーでした。スイッチの入った高木のデッサンのシーンが迫力があって何度でも見てしまいます。そして、ミハエルの高木を誘う時の色っぽさや、高木の貪欲に求める表情がたまらなかったです。恋愛ではない所から始まった二人の関係がどう成熟していくのか、先が読みたいですね。

●「メメント・モリ」
一度は諦めたゲームクリエイターの夢を叶えるべく一念発起した元営業マンの兼弘大地(情報デザイン学科3年・29歳・攻め)と、日本を代表する彫刻家でもある彫刻学科教授の大竹実(41歳・受け)の、切なさとほろ苦さを感じる再会と再生のラブストーリーでした。タイトルにもあるように「死」が重要なファクターとして絡んできます。前章で出てきた「(作者が)死んでも作品はこの世に存在し続ける」というワードがこの章でズシリときました。そして、もう諦めたくない兼弘の恋の続きを、見届けたくなりました。

●「楽園」
オールキャスト。森美祭のにぎやかな様子や、楽しんでる表情、三者三様の二人きりの瞬間がいいなと思いました。

●「卒業旅行編」
天野×彩輝 in京都
彩輝が天野に一生懸命にグイグイいく感じがたまらない…!これにつきます!

それぞれ、喪失や苦悩や煩悶を抱えながらも、前を見て、芸術と向き合い、未来に向かって前進していこうとする生き様がキラキラして、とても素敵な作品でした!