ワスレナグサさんのマイページ

レビューした作品

女性ワスレナグサさん

レビュー数5

ポイント数36

今年度246位

通算--位

  • 神5
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

それぞれの選択

乙女ゲームの世界に転生した、悪役令嬢の父であるアンドリム・ユクト・アスバル(受け)と、アンドリムと敵対していた騎士団長ヨルガ・フォン・オスヴァイン(攻め)の、断罪された悪役があの手この手で正ヒロイン陣営に復讐していくざまぁ系異世界転生ファンタジーBLです。BLです。コミカライズの第3巻なので、既刊を読了下さい。
参考までに、あっさりとですがヒロイン陣営の女性と魔獣の獣姦があります。
ネタバレありで感想を書いていきます。


2巻でしっかりアンドリムへの執着が芽生えていたヨルガですが、ついに陥落しましたね。屈服ともいうかもしれないですが。アンドリムと清廉潔白な正義を秤にかけているであろうシーンは一コマ一コマでヨルガの逡巡を描いていて気持ちが伝わってきました。そして、アンドリムと共にあることを選択したヨルガの行動表情がもうまさに悪堕ちです。別に洗脳したりとか魔法をかけたりして強制的に思想を変えたわけじゃなく、ヨルガ自身にこうなることを選ばせたアンドリムの手練手管は凄いと同時にうすら寒さを感じました。
そんな二人ですが、アンドリムにヨルガに対する執着は存在するのか?と思いきや、他人に触られたくないレベルでの執着があるようで…何よりです。

もう一つのカップル、ヨルガの息子でアンドリムと敵対していたリュトラ(攻め)と壮絶な過去を持つ悪役陣営の神官長マラキア(受け)ですが、こちらもこちらで、リュトラも選択を迫られ、心を決めます。大切な人を守りたいリュトラと、今まで恋も愛も心も知らず凌辱されてきたマラキア。この二人のセックスは、砂に水が染みわたるような感じがしました。

次巻で一段落しそうな雰囲気ではありますが、楽しみにしています。

猫、22歳 コミック

柳沢ゆきお 

感じるもよし、考えるもよし

こちらは4つの話が収録された短編集で、記憶が薄くなった頃合いを見て読み返してしまう作品です。

●「猫、22歳」「猫、35歳」
ポルノ作家で志朗の叔父の昇平(攻め)と、猫のようになってしまった昇平の甥の相田志朗(受け)の、手にした愛の行く末を見守るラブストーリーでした。ガチの叔父と甥です。冒頭のインパクトでもうつかみはOKでした。

●「皿の上の明くる日」
ゲイがばれて学校を辞めた元教師の尾張創(おわりはじめ・受け)とふらふらしていたら創にナンパされたシリアルキラーの三田村晴美(攻め)の、とある冬に二人の男が出会って別れた話です。
こちらはBLとして楽しむというのもありましたが、それ以上に自分の中の倫理観や正義感と何度も照らし合わせて考えさせられた作品でした。確かに、どれくらいの日数を過ごしたかはわからないけれど、2人で過ごした時間というのは幸せがあって愛もあって、癒しがあったと思う。けど、三田村はサイコパスなシリアルキラー。当事者じゃないから想像するしかないですが、遺族にとっては犯人なんて胸糞以外の何物でもないだろうし、世論ももちろん「とんでもない奴、許しちゃいけない、死刑だ」的な流れになるんだろうな、と想像する中で、「自分だけはあなたのことを愛している」って気持ちを否定することは私はできないな、と思ってしまいました。

●「男と男と蚊帳の中」
ケガで引退して現在引きこもり中の元プロサッカー選手の睦郎(攻め)と、睦郎の部屋に通って世話をしているプロサッカー選手の奥村圭の、ライト共依存ラブストーリー。攻めも受けもガタイがいいです。引き込もってひたすら筋トレに勤しむ理由、かいがいしくお世話をする理由。お互いに対する感情がむき出しで、体当たりで。しっかり伝わってきました。

●「戦争は平和」
こちらはBLというか哲学として面白かった作品。「なぜ戦争は無くならないのか?」という百人いれば百通りあるような命題の解答例の一つですよね。擬人化ってパワーすごい。皮肉が効いてる。最後の1コマは誰がウマいことを言えと、とツッこまざるを得ませんでした。


インパクトのある描写、表情、セリフ、ストーリー。表題作は2話ありましたが、他は1話完結。どの話も一冊まるっとで作るのは無謀なお話だなと思いました。

もちろん「考えるな、感じるんだ」で読んでもいいし、とことん突き詰めて考察するのもアリだと思います。

とても面白い作品集でした。

おいしくたべて?

「鉱物食」の美しい青年、烏丸一織(からすまいおり・大学1年・攻め)と、鉱物料理を一織に提供する一方で、鉱物のように食べられたいという願望を長年燻らせている、美園藍生(みそのあおい・大学1年・受け)の、「食べること、食事をすること」を考えるラブストーリーです…私の主観ですが。まだ継続中で、待て次巻!となります。

藍生の作った鉱物料理を食べている一織の食べる過程や、ちょっとした食レポが本当に美味しそう。美味しいものを食べたときの高揚した表情はいいものですね。藍生の産み出す料理を食べる一織を見て、この漫画はグルメ漫画なんだなぁと思いました。
改めて「食べる」という生きる上で必要不可欠な行動に楽しみや喜びを感じる意味を考えてしまいました。

そして
なんと言っても色々マニアックなんです。
ある意味無知シチュにも似た感じで、こちらは藍生が一織にお願いされて色々教える流れになるのですが、前提として、「鉱物食」の人は、生殖機能が作用しなく、発情しないんですね。男性同士の性的知識ほぼ皆無で欲情をしない体質の一織に、自分が気持ちよくなる方法を実演も交えながら淡々と説明せざるを得ないシチュだけでも中々なのに、それを一部始終ガン見されているって状況がかなりスゴい。そして一織が学んだことをすぐ実践に移してあれこれ試して質問して結果的に軽い言葉責めみたいなことになっているのがもうポテンシャルが未知数すぎて。このまま学習が進んだらどうなっちゃうんだろうって思っちゃいました。

はたして、一織は、わからないはずの性欲を理解してしまうのか?
藍生のある意味生殺しの状態はどうなるのか。
これからのお話が楽しみすぎです。

Trust

自分の衝動をもて余してイライラしている問題児の寺西菊馬(Sub・高2・受け)と、菊馬の監督のために菊馬と同室になった品行方正の寮長、瓜生高澄(Dom・高3・攻め)の、二人で信頼を築いていくDom/Subストーリーです。
ちなみに合意での首絞めがあります

こちらはフューチャーコミックスさんから出版された電子単行本の紙での再販になります。内容は描きおろし以外は同じとなっています。わたしは元の電子の方も持っているのですが、改めて読み返すと、当時は気付かなかったことを発見できたりしたので、購入してよかったです。

菊馬が高澄に戸惑いながらも懐いていく様子が表情豊かでよかった。反対に、爽やかな好青年そうにいつもうっすら笑顔を浮かべてて表情を崩さない高澄が菊馬に対してはなかなかのヤバさを垣間見せたりして、菊馬の反応を見て、色々と高澄なりの方法で愛でていたのがわかりました。ちなみに、電子特典、高澄のヤバさが好きでしたね。

「愛情というには薄汚れているけど、いつか受け入れてほしい」 「好きだとか、そんな甘ったるい言葉で収まらない、まだまだ足りない」 と、二人が気持ちを表現しているのが、印象的でした。そして契約ですよ。
「恋人でありダイナミクスのパートナー」という方向性を求めると、あと一歩欲しいものがあるかもしれないですが、この二人だからこその信頼関係と考えれば、これはこれで唯一無二とも言えるのではないかと思います

商業BLで読んだDom/Subがこちらの作品だったので、何だか原点に帰ってきたような
気持ちになりました。面白かったです!

ここにいるよ そばにいるよ

待てのできる従順ワンコのアルトノウル(アルト・18歳・攻め)と、黒海と夜な夜な戦う覡(かんなぎ)のエルヴァ(26歳・受け)の、主従、年の差スペクタクルファンタジーBLです。6巻目になりますので既刊をぜひ読んで下さい。

感情の乱高下の激しい巻でしたっていうのが、ひとまずの感想ですねネタバレ注意です。

ミカの一連の騒動はひどく苦い後味を残して終わる形となりました。闇堕ち復活の時点で中々アレだったのにここまでの結果になってしまったのがどうにもこうにも…本当にエルヴァにとっても辛いことでした。

でもとっさの行動だったとはいえ、エルヴァ様大好きマウントでミカをあおり倒すアルトとあおり耐性の低いミカのやりとりがとても好きでした。

そして、なんと言ってもエルヴァがカッコよすぎましたね。
お前の手綱は俺が握ってやるから安心しろ的な?ちゃんと身をもってわからせてやる的な?それもこれも大切なものを手放さないために必死だからなんですよね。

クーデレで情緒が育ってきたエルヴァのとんでもなく男前で包容力がある一面(事後に攻めを腕枕して愛でる受けとは…!)と、元気で頑丈なアルトのものすごく脆(もろ)い一面。生きてるなぁ、と感じました。

余談ですが、「ここにいます」と言いながらも、アルトの方が出掛けたり行方不明になったりして、それをエルヴァが探して回る(待ってる)ケースが多い気がするな…と改めて思ってしまいました。ま、しょうがないんですけどね。そんなこんなで、また不穏分子を残して、待て次巻となりました。

修道院、貴族、領主、黒海、レティ達、様々な勢力が複雑に目的に向かって動いているなかで、二人がどう立ち回るのか楽しみです

これは見た目じゃわからない!

SE社畜のゲイ、森田(受)と、派遣の企業コンサル柳瀬(攻)の、勢いの嘘から始まる、宇宙を股にかけるSFラブコメディです。

まさか、この表紙とこのタイトルでSFだとは思わないですよね…いい意味でビックリしました。参考までに、タイトルから推察して”大きすぎて入らなくてさぁ大変!”という入れるために試行錯誤するシチュエーションを求めると肩透かしをくらうかもしれないので、ご留意ください。

BLとしてもさることながら、漫画として面白い。全体的にコミカルにテンポよく進んでいくのですが、特に第1話が面白いと思いました。「俺は繁殖を目的として地球にやって来たエイリアンだ」という森田さんの突飛な発言から始まり、必要な説明をちゃんとしつつ、奇抜さもあり、エロもあり、そして衝撃の事実ありで、これからの展開に対するワクワク感と得も知れぬ壮大感を煽ってくれるとてもいいオープニングでした。

式のシーンは、鉄板の王道のネタではあるんですが、使い方がビタッときて心地いいと思いました。

面白かったです!

アソコの開発とアレの管理…だと?

突然親友の前立腺を託されてしまった、手が器用な賢人(攻)と、陰茎が萎縮してしまう奇病に罹り、やむを得ず賢人を頼った陸上選手の一星(受)の、幼馴染みで親友の大学生二人が、関係性の変化に悩みながらも熱い友情と新たな想いを共にするハートフルラブコメディです。

出落ちも相まって、かなり軽く考えていたのですが、読んでいく内に一星にとっては笑い事ではない事情が出てきて、賢人と一緒に納得せざるを得ませんでした。

さて、親友の奇病をノーリスクで改善するために、前立腺マッサージと射精管理をすることになってしまったわけですが。

エッチなお姉さんのお尻から目が離せないDT男子大学生の二人なのですが、

快感を拾う反応に可愛さを感じてしまい、戸惑い、葛藤し、すれ違って。
快感になれてきてつい好奇心が出た結果、気まずくなっちゃって。

それでも、相手の好きなものはずっと覚えてるくらい一緒にいて。どんなカタチになるのか、ちゃんと二人で考えて。

自分を救ってくれたヒーローを今度は自分が救いたい

自分をヒーロー足りうるように支えてくれた想いに報いたい

二人の気持ちの流れがもの凄くキチンとしてて、驚くほどストンと来てしまいました。

とても楽しいお話でした!

これは救われるための話

仕事を頼まれると断れなく、帰宅はギリ終電が当たり前のリーマン角谷透(すみやとおる・受け)と、角谷の不在中に侵入して家事をして、寝入ったら角谷を優しく抱く、角谷のストーカーさん(攻め)の、ありふれた「普通」の定規では測れない、幸せと救済のラブストーリーです。

仕事でヘトヘトになっている角谷の生活は二人の男によって支えられていまして。
一人は、角谷の事を慕っていて快活でイケメンで仕事もできて、山のような角谷の抱える仕事を助けてくれる、まるでスーパーヒーローのような職場の後輩の八雲くん。
もう一人は、不法侵入までして、掃除・炊事・洗濯・風呂炊きそしてカラダのお世話(性的な意味で)をしてくれるぶっきらぼうな正体不明のストーカーさん。
しかし、八雲くんとの距離が近くなった途端に、この生活に変化が出てしまって……

という感じなのですが、まぁ、正直、リアルでこんなことあったら警察通報一択だと思います。けど、限界に達した角谷にとっては恐怖よりも、過程はどうあれ、してくれた事に対するありがたさが砂漠の一滴の水のように心と体に染み込んでいったのかなと思います。これは抗えないかもしれない……

個人的には、ストーカーさんがいざ角谷の部屋に向かおうと、鼻歌交じりに身支度を整えているシーンが若干の狂気をはらんでて好きでした。あと、攻めの方が多分年下なんですが、年下的あざとさを出す瞬間の表情のギャップが好きでした。

自分で自分の幸せの形を選ぶこと、自分にとっての「普通」を選ぶこと、そのためになりふり構わず貪欲に、強欲になれること。

このお話は、確かに、救われるための話でした。
面白かったです!

清廉潔白な堅物騎士団長の堕とし方

前世が日本人男性の悪役令嬢の父で元・悪の宰相である、アンドリム(受け)と、ヒロイン陣営の騎士団長でありアンドリムとは宿敵同士だったヨルガ(攻め)の、断罪された父と娘陣営が復讐を果たすべくヒロイン陣営に苦汁と辛酸を舐めさせる、ざまぁ系転生ファンタジーBLです。
参考にいうと、ヒロイン陣営の女性とモブ男のセックスがちょっとあります。
描写としてはえげつないこともあるけど、アンドリムが暗躍してるよりかは、もう種は蒔かれていて、自滅している感がありましたね。

前巻ではメインカプの二人のBL的な動きは無かったのですが、今巻ではしっかり動き始めましたね。ただ、恋だ愛だとはほど遠い感じではあります。

もうね、特筆すべきはアンドリムのヨルガ篭絡の手練手管ですよ。

ヨルガのアンドリムに沼っていく過程がスゴい。気持ちの変化がヨルガのモノローグからありありとわかって、おぉ……!ってなりました。
殺したいほど憎い相手だったはずなのに、自分だけの物にしてしまいたくなって。
そしてこれを処女の身でやってしまうのだからアンドリムはすごいな、と。

そんな色々と計算づくなアンドリムにも、ちらほら想定外の瞬間があって、そのギャップがたまりませんでした。

物語はクライマックスを迎えそうです。次巻を楽しみに待とうと思います。

諦めないこと 信じ抜くこと 

人間を襲う人狼となってしまった大学生・灰島夜(攻め)と、人狼専門の探偵で夜の義理の叔父・赤月黎人(受け)の、様々な変化を受け入れ、二人の幸せを掴みにいくバディラブストーリーです。内容のネタバレを含みつつ感想を書こうと思います。

あらゆる条件が絶望的のなかで、どうにか二人で一緒にいられるよう、行動を起こした黎人がカッコ良すぎてシビれました。普通に考えたら、離れることが夜も黎人も助かる最善策なのに、夜との幸せを諦めず、なりふり構わずに全力で黎人が挑み、つかみ取った結末だと思いました。

そして、個人的に注目してしまったのが、緊迫したシーンなのに、彼シャツ(彼コート?)の絶対領域+ファスナー開けたらもう全裸+「大丈夫だ、準備はしてきた」のコンボの破壊力がとてつもなくて、うっかり何かの扉が開きかけました。もうね、その後もじっくりたっぷりと描写があって、幸福感がたまらなかったです。

2人の話はここで一段落とのことですが、まだ続いてくれるということなので、楽しみにしたいと思います。