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考えさせられます

上巻からまるで映画のような、読み応えのある作品でしたので、完結を楽しみにしていました。

下巻ではお互いのお互いに向ける愛情の大きさがわかるシーンがたくさんあって、ウルっとくることもしばしば…

一言で言えば「良かった!」んですが、
サナダムシの所業が胸糞悪すぎました。
それを断罪しない社長も。
現実と非現実(作品の中の世界)を同じものだと考えるのはナンセンスだと分かっていても、割り切れなくて、怒りで話の流れがあまり頭に入らなくなってしまいました。裁かれてハイ終わり、で済まない話だと思うので。
これに関しては読む側の感度によるものなので、私はそうだったけれど、そうは感じない人ももちろんいると思います。

あとは蓮が和真の母と対面した時、母が「和真が女の子だったら私は絶対にあなたを許さなかった」と言うのですが、このセリフの真意がよく分からずモヤモヤしています。
皆さんがこのセリフをどう捉えたのかお聞きしたいです。

ネガティブなことをたくさん書いてしまったのですが、真正面から男性同士の恋愛を描いた、色々なことを考えさせられる素敵な作品でした。
「人間はそう簡単には変わらない」「世界は10年後も大して変わっていないだろう」、それでも、と進んでいく2人の未来が、少しずつでも変わっていくことを願っています。

ドライな2人の濃厚エロ!

電子書籍で購入したので、本の分厚さとか分からず、読んでも読んでも終わる気配がしないなと思ったら300ページもありました…。
ボリュームあるぶん内容も濃すぎるほどに濃いので、私は数日に分けてでないと完読できませんでした。結構疲れます。サスペンスものが好きな方にはぴったり。

あれはなんだったのか?この人物の正体はなんなのか?ということは明かされずに終わるので、すべてのフラグ回収されないとモヤモヤする!!!という方には向いてないと思います。カイリのことは「素性を知る必要もない」と狩野尾も言ってますしね。

体の関係からスタートし、愛してるとか言わない2人なんですが、カイリの「今のお前のツレは俺」発言に始まり狩野尾も「お前なら一緒にいても大丈夫かな」とか言い出す。決して体だけの関係じゃなくて、気を許しあえる関係になったんだなー!バディものとしても面白く読みました。

エロは何も文句ないです!!!イヤイヤ受けも嫌いではないのですが、性に開けっぴろげで欲しいものは欲しいという受け、好きです。でも2人ともドライな感じがまた良くて。

ちょっとグロテスクで暴力、犯罪要素を含むので(盛りだくさんですね…)、それさえ苦手でなければ、刑事バディ・サスペンス・エロが堪能できる1冊になってます。

先生もあとがきであれこれ書きたいネタがあった…と仰ってましたので、続きやスピンオフが読める機会があれば嬉しいです。

変わったもの、変わらないもの

一穂先生の作品の中でも印象的な2人のお話です。
やっと幸せになろうと前を向いてくれてよかったー!!の一言に尽きます。

ただわたし自身が(苑のような境遇では到底ありませんが)あまり真っ直ぐに育って来なかったので、どうしても苑と実瑠の間の感情に移入しすぎて読むのが辛かったです。あと苑も怒っていましたが雑賀家の明渡への対応もモヤっとして…
(もちろんこれは個人で感じ方は違うと思います。)

なにかが変わってしまっても、結局のところ苑は明渡のことが好きで好きで、明渡も苑を死んでも離せないんですよね。
自分には愛される価値がない、愛を欲することが恥だと思う苑が、明渡と周囲の人の想いに触れて決意する姿にはじーんときました…

めでたしめでたし。という終わり方ではなく、(これからどうなるか分からないけど)これから大切な人を信じて生きていく、という2人の始まりを感じさせる終わり方だったのがまた良かったです。
いつかの2人があげたランタンが、今作のラストでも生きてくるのがもう…!涙
どうか、どうか、2人がこの先支え合って幸せに歩んでいってくれますように。

最高の贈り物

完結記念本ということで発売をとっても楽しみにしていました。普通(?)のファンブックかと想像していたので、少しお値段高め…と思っていたのですが、実物はしっかりした素敵な装丁の、ぶあつーい御本でした。これが2700円で読めてしまうなんて…。

初期からのペーパー類はほとんど網羅されていますので、私のように途中から作品を知ったファンにも優しい…。巻頭にはカラーのページもあって、余すことなく日高先生の美しいイラストが堪能できます。

日高先生とタキエ先生のインタビューも興味深く隅々まで読ませていただきました。作中で具体的な年号を提示しなかった理由や桂木の名前の意味について、参考にした資料などなど、色んな裏話が盛りだくさんです。10年という長い時間の中では、先生方には沢山の苦労がおありだったでしょう…。バッドエンドにならなくて本当によかった(笑)(←インタビューを読めばお分かりいただけるかと)

あとはもう描き下ろしが最高です
留学から帰ってきた暁人様と桂木の感動の再会シーン…!と思いきや、やっぱり桂木は桂木だよね〜という話です。笑
思っていることと言っていることがちぐはぐになってしまう桂木ほんとうに可愛いですよね。暁人様は桂木のそんなところもきっと分かってるんだろうなあ。最後はちゃんといちゃいちゃしてくれて眼福でした♡

充実の1冊、大事に大事に読みました。ついに完結してしまったんだなあ…と寂しさもありつつ、暁人と桂木2人の生きる道を見届ることができて本当に幸せです。「憂鬱な朝」に出会えてよかった!

生み出してくださった日高先生、タキエ先生、そして連載からこんな素敵な記念本の出版まで、作品を大切にしてくださったスタッフの皆様に感謝です。

「楽園の鳥」と「心の愛人」の行く末は

座裏屋先生の作品はすべて作家買いしてますが本当にハズレがないです。絵柄は独特ですが、すこし海外コミックチックで好きです(Guilt Pleasureさんの絵に近いかな?)。

今回は「楽園」シャングリラで男娼として生きるフィーと、その男娼たちを癒す「心の愛人」「当て馬」の試情夫になったノンケ・アポロの話。

ノンケのアポロがどうしてシャングリラに向かい、試情夫として働くことになったのかは1巻で早々に判明しますが、フィーの地雷が何なのかは明かされませんでした。

1巻で2人は完全にビジネスライクの関係なので糖度は低めですが、試情夫の3つの制約 ①イカせないこと ②挿入しないこと ③恋に落ちないこと。 これらがこの先の展開でどう生きてくるのかが楽しみです。

絵の美しさとそこはかとないエロスを堪能できる、座裏屋先生ならでは!の作品です。

この関係に名前を付けるなら

天使(?)の少年とおっさんがワンルームで…ってどこかで読んだなと思ったんですが、はらだ先生ご本人の短編「止まり木」のセルフリメイクでした。

エロがないはらだ作品とはこれいかに、と思っていましたが、はらだ作品の魅力ってエロだけじゃなくて、やっぱりその緻密なストーリー構成なんですよね。はじめは繋がらなかった点と点が繋がって、まさかここでフラグ回収!と唸らせられました。

人が1人生きていくって全然楽じゃなくて、結構大変なことで、みんなそれなりに日々必死に生きている、その必死に生きていくなかで、幸紀と天使、2人のこの関係、感情は一体なんと名付けられるのか?というお話です。

幸紀にその感情を教えてくれた天使とのシーン終盤はぼろぼろ泣きました…
すこし寂しい終わり方なのですが、悲しいだけでは終わらせない、本当に優しくてあったかい描き下ろしのエピローグでまた涙(号泣)

最後のページのQRコード、ぜひ読み込んでくださいね。IDとパスワードはお話を読んでいればきっと分かるはず。このQRコード読み込んでまた泣きました(3回目)

まだ気分が高まっていてうまく文章も纏まらないのですが、もう少ししたらもう一度じっくり読もうと思います。

愛しているから弱くなる

だかいちスペイン編。
「東谷のルーツが明かされる」と裏表紙に書いてありますが、ぶっちゃけるとそこまで深刻なものではないのでご安心ください。
チュン太の祖父母、幼馴染が登場します。

2人でいちゃいちゃスペイン旅行するのかなと思いきや、案外しんどい展開でした。無理やりするシーンもあるので、なんだかんだラブラブな2人が好きな私にとってはちょっと辛かったです。

前巻までの騒動で高人がチュン太に「別れる」「離れる」というようなことを告げたことがチュン太にとっては相当のダメージだった模様。
幼少期は何にも興味を持たず、ただ毎日を過ごしたチュン太にとって、高人は世界を拓いてくれた最愛の人、愛することで(いつか別れが来るのではないかと)弱くなった…と明かします。

ここできちんと自分の想いを伝えてあげられる高人、さすがでした。このスペインでの出来事が2人にとってのターニングポイントになったんじゃないかな。

卯坂GMと在須の話も若干ですが出てきました、過去に何があったんだ。

次巻予告がどう考えても全然ハッピーじゃないんですけど、、、楽しみにしています。

本当の仮面をかぶっていたのは

前作のカスタマスカレード!(無印)でまんまと岸本さん&江藤さんワールドにハマり、今回も楽しみにしてました!

前作よりもかなりテンポアップしたような…、次から次へと色んなことが巻き起こる。笑
岸本さんと付き合うようになったからなのか、江藤さんの表情がぶっ壊れがちなのがツボです。
(「ざっけんなブッ○す」のシーン、ほんとに声出して笑いました)

「BLは続編にも障害がつきものなんです」という江藤さんのメタ発言よろしく新登場のキャラたちがめちゃくちゃ個性派で、こんな濃ゆい人たちで占められた職場、素直に心配になります。

今回の本当の「障害」は、江藤さんが岸本さんと出会ったことで感化され、人ともっと関わろうと成長していくのに対し、岸本さんは、江藤さんにとっての絶対的存在が自分ではなくなるのではないかと不安を抱いていたことでした。

成長した江藤さんがちゃんとそのことに気づいて、今度は自分の番だ!と手を差し伸べる姿にジーンときましたよ…!

シリアスなシーンでも、濃いキャラや台詞の端々にクスッと笑える、相変わらずバランスの良い作品です。まだ連載は続いているようなので、次は思い切り甘々な2人が見れるんでしょうか。楽しみです。

STAYGOLD 4 コミック

秀良子 

なんて切ない恋………

3巻から駿人と優士がどうなるのか気になってたので、4巻で日高編になると知って少し残念に思ってたんですけど

日高編、なんて切ないんだ…。ウゥ〜〜!!!

10年間という長い間、日高は「想いを伝えたい」「(関係を終わらせるくらいなら)このままでいい」という相反する気持ちを持ちあわせながらコウの隣にいたんですね。

たった一度のキスを一生の思い出にしようとしながらも、抑えられない、欲張ってしまう、期待してしまう苦しさ…

コウは何も考えていないように見えて、実際はとても思慮深く、友達想いなんだなあと思いました。だからこその(終盤のカラオケでの)言葉だったんだなと。

またものすごく気になるところで終わって焦れったい!!!願わくば、どうかこの先また、コウと日高が(どんな関係性であったとしても)穏やかに同じ時間を過ごせますように。

エロ、ギャグ、純愛ぜんぶ味わえる欲張りな1冊

吾妻先生を「ラムスプリンガの情景」で初めて知ったのですが振り幅がでかい、でかすぎる!

表紙からして結構えぐいSMなのかな?と思ったのも一瞬、17〜18p目くらいでもうすでに声出して笑いました。ハイテンションラブコメSM…もう何が何だかわからねえ…

桜田がダメダメすぎずちゃんと良いところもあり、逆に壬生もスーパー完璧人間ではなく頭がおかしいところもあるので(失礼)バランスが取れてて良いんでしょうね。ギャグも濃いですがきちんと純愛なので安心して読めます!!

番外編の「藤咲忍はかく語りき」、めちゃめちゃビビったんですが、ビビり損でした。笑

最初から最後まで、果てはカバー裏まで大充実、
エロとギャグと純愛ぜんぶ味わえる欲張りな一冊なので濃ゆいエロとSMさえ苦手でなければめちゃめちゃおすすめします!