「ホストの美山徹は(以下コピペ略)」
こういうあらすじを読んで、これから二人がどんな紆余曲折を経て結ばれていくのかなって、ワクワクするじゃん?
このCDの何が凄いって、この部分が無いんですよ!無!!まさか本当にあらすじそのまんまでしたとは!!凄い!!!(※褒めてません)
気付いたら知り合ったばかりの二人が何故かもう身も心も預けられる恋人同士になったらしく…?……??
待って?トラック取り込み漏れでもあった?!?と慌てて確認しました。
憧れの有名人だ!ラッキー!→脳内覗いてみたらなんと!初対面の男を妄想の中で虐める変態だ!→両思いだ!ヤッター!SMごっこしよ!
...Excuse me???
ストーリー性やキャラ造形に関してはこの時点で諦めたからせめてイチャイチャとかHシーンだけでも頑張って楽しもう!と思ってたら…
何だろう……この、まるで和訳が下手な吹き替えを聴いてるようなぎこちない掛け合い……
白井悠介さんはいつも通り他人の演技に合わせようとしないマイペースな芸風(?)だし、目当てだった斉藤壮馬さんのドS攻めは印象に残る程の目新しさもなく、少女漫画系やオトメ系によくある気取り演技。
……SMプレイの解説……はあそうですか……
Hシーン聴いてる途中でだるくなったのは初めてかも……ごめん……
そしてクライマックスと言える場面が一向に来ないまま、気が付いたら(※2回目)――
━━━━━終━━━━━
… … …
今まで斉藤さん主演のBLCDで良質なストーリーと良質なエロばかり摂取してきた自分がどれだけ恵まれていたのかに気付かせてくれた、ある意味ありがたい一枚でした。
昨今では珍しい3枚組+キャストトークで4時間弱の超大作、密度の濃いドラマを丸々1シーズン観終わったかのような衝撃と満足感で余韻冷めやらず……
主軸である恋愛はもちろんだけど、丁寧かつ立体的に描かれた人間模様や成長過程と、それを余すことなく表現する声優たちの熱演に、目頭と胸が熱くなりました。
最初はいかにも「クールビューティ女王様受け」だった「清居奏」という人物像に魂を吹き込み、血肉を通わせ、その人間味と生命力を文字だけでは表現しきれない高みへどんどん持っていく斉藤壮馬さん、感受性の天才では……???
クライマックスシーンの緊迫感と二人の感情の迸りが凄まじすぎて鳥肌……呼吸するのも忘れるくらい聴き入ってしまいました。
平良一成と清居奏は間違いなくそこにいました。そこに息づいて、動いて、生きていました。
これぞ「萌え」と「燃え」を両方美味しく味わえる奇跡のBLCDです。
1年間待ち続けた甲斐がありました……次作の「悩ましい彼」もいつかCD化していただけますように、どうかお願いします!!!