【大学の講義で出会った別所と蒔田。他人の目を気にして好きなものを好きと言えない別所は、蒔田への想いも誤魔化してしまう。別所の言葉に傷付いた蒔田からは距離を置かれるが…】
おそらく2人ともノンケか同性を好きになるのは初めてのため、始まりからじんわりするようなお話です。付き合い始めてからもゆっくりと進めたい蒔田。でも近付きたい気持ちはあるんですよね!詰められると引いちゃうのに、離れられると逆に不安になるという…そういう恋愛においてのパラドックスも満載で、ジレジレがキュンとします。
また同性と付き合うことや別所の人の目を気にする性格、蒔田の少し人が苦手なところ、友人関係などがエピソードとして丁寧に描かれていて、一応別所が主人公ですがそれぞれのキャラがよく分かります。心に染み入るストーリー展開でした。
雄っぱいといえば受け!という私ですが(?)、攻めの雄っぱいもいいもんだなぁと思いました
【仕事はできるがぼっちのゲイリーマン・岡田の前に現れた新人の加藤は、岡田が理想とするガチムチ雄っぱいの持ち主だった!岡田は教育係として加藤と接するうちに惹かれていくが…】
あの、岡田さんが若干陰キャなんですけど、その分むっつりスケベで良かったです(笑)妄想もたくましくていい!暗い顔がだんだん可愛くなっていくのも、ただの恋する乙女でしたね。
加藤くんはあらすじに書かれているワンコ系後輩というのがぴったりな明るさで、嫌なところが全然なくて安心して読めました。
しかしあれですね、攻めが雄っぱいだからか、迫るような雄っぱい雄っぱいな描写はなかったですね。やっぱり雄っぱいにはバインバインと迫ってきてほしいのです。その辺にちょっとだけ物足りなさはありますが、エロとほんわかなお話両方楽しめました。
3CP入ってます。書店員の男性陣がみんな男とくっつくという…BL界ならではの確率ですね(笑)
【1CP目:書店員×DK】DKこと健太郎くんが初々しくてピュアラブです!一生懸命さとか素直さにとにかく応援したくなる。書店員の樽谷は11歳年下であることに一応悩みはしつつも、やっぱり恋は始まっている。多分、健太郎の卒業までは待つと思う。頑張れ!
【2CP目:配達員×書店員】書店に配達に来る白兎運輸の白兎さんこと朝比奈さんを秘かに想う書店員の古賀。名前を呼ばれるだけで嬉しい、そんな恋が眩しい。近付きたいけど近付けない、そんな恋が切ない。
【3CP目:書店員×書店社員】上記2カプと違って、こちらの二人は最初からアダルトな関係があります。これまでのお話からのギャップに少々面食らいました。過去の出来事から悩んでしまう書店社員の江見。え?可愛げない?可愛すぎるほど可愛いんですけど?元カレ、ク○か。今カレの鈴木に大事にしてもらって自信を取り戻してほしい!
全体的にちょっぴり切ない恋を応援したくなるお話でした。
オメガバースなのですが、主人公はβの受け、お相手がαの攻めという変化球です。運命の番にはならない2人、それでも運命に振り回されるのがオメガバースなんですよね!
【いつもΩの恋人に振られるβの伊折。理由は運命の番であるαに出会ったからというもの。αなんて嫌いだ!と言っているところに現れ、伊折を誘ったのはα嫌いのαである竹尾だった。伊折はあえて竹尾との関係をセフレと名付けて続けていたが…】
伊折の明るさと流されやすさに癒されます(笑)竹尾の過去が結構衝撃的だったのですが、それを受け止めるだけのキャパと人情もあり、竹尾が好きになっちゃうのも分かるなぁと。ズブズブに甘やかして囲いたい竹尾と、流されつつもハマらないようにと意地張っている伊折との対比も良く、ストーリーを楽しめました。
αとΩの運命って本能的なもので、恋や愛とはまた違ったところで心を支配されてしまうもの。じゃあそれ以外の恋愛は?と、改めて考えてみると、本能ではなく惹かれ合うのだって当たり前に運命ですよね。唯一無二の相手に出会えたこと、それを運命と言わずになんと呼ぶかと。
そんなオメガバース世界の運命について考えてしまう作品でした。テーマの割にはライトな読後感です。
やっぱり野白先生の絵柄には中世風が似合いますね~!『前世』ではなく『来世』というタイトルも良い。某曲名を思い出したりもしますが(笑)
【前世で主従関係にあった雷央(主・受)と七星(従・攻)は、転生して日本の高校生になっていた。転生した主人に会いたくないと思っていた七星だが、雷央が七星の学校に転校してきて…】
転生ものであれば「会いたい」と願うのが普通の展開でしょう。かつての想いを遂げるため、惹かれあう2人というのが王道です。しかし、七星はあんなにも想っていた人に会いたくないのです。その理由は現世と前世を行き来するシーンとともに徐々に明らかになっていきます。
その理由を忘れている雷央は前世でやりたかったことがたくさんあったと言い、七星はその願いを叶えることで未練を断ち切ろうとします。雷央の、ときに無邪気な様子がかわいくてかわいくて…。
2人とも過去で恋愛感情があったことはおそらく分かっているんですよね。だからか、最初から両想いみたいななんとも甘い雰囲気と、その恋が叶わなかった両片想いの切なさみたいなのが、もうキューーンッとします!
七星が雷央に会いたくなかった理由は結局、壮大な痴話喧嘩だったのかなと感じました。前世で消えてしまったはずの七星の顔の傷が生まれつきだったということは、やっぱりあの約束が大事だったからではないでしょうか。会いたくない、は、会いたいの裏返しだった。最後、七星がそれに気付いてくれて良かったです。
その後、とっっってもラブラブな2人を見られて嬉しかった!なんとなく雷央が積極的な気がする(笑)七星は前世の関係もあってムッツリだと思う(笑)
結構前に買ったのですが、表紙の感じとか、絵柄、冒頭部分で、すっごい重そうだなぁと思ってなかなか読めていませんでした。意を決して読んでみたところ……ずぇんずぇん違った!表紙暗いし、攻めの美空がヒモだし顔血だらけだし、てっきりバイオレンス展開と思ってましたわ(笑)
【8年付き合った彼氏に浮気されて降られた雪。ヒモなのに浮気をして彼女に捨てられた美空。山の中に放置された美空を雪が拾ったところから2人の関係が始まるー】
投げやりになった雪を美空が抱きますが、そこからすぐに恋愛に発展するわけでもなく、ヒモとして雪のお世話になる美空。ちょっとずつ絆される雪。雪の元カレがチラッと出てきて言い争いになり、出ていく美空。再会して元サヤに収まる2人。
といった感じでストーリーに大きなハラハラはなく、どっちかというとラブラブです。280ページ以上あるのですが、その割には薄味かなと思いました。このページ数は多分、エロシーンがガッツリあるからですよね。これがすんごくエロくって、こっちは濃厚でした!私はガッツリしたエロが好きなので、ほんとごちそうさまです。特に雪の顔がいい。泣き顔、よだれ、白目、最高ですわ。
まぁ美空は顔がいいだけのグズには違いありませんね。女の方がいいと言ったり、アイスくらいに好きと言ったり…。でも、傷付いた雪を癒してくれたことだけは確かなんですよね。浮気もしなかったし、そこは救い。最後は就職してるしね!
評価を迷ってて、星5にしたり、星4にしたり。エロだけで言ったら星5!ストーリーを考えると星4。買ったとき、どっちに期待するかにもよるかなと思います。デビュー作ということで、今後の作品での濃厚ストーリーを期待したいです。