前巻で、嘘をつく人の顔が黒く見える特殊能力を失った蓮と、もう蓮にとって自分は特別じゃなくなったと思い込む祐真。
2人の間にすれ違いが起き、閻魔大王に記憶を改竄されて妖怪の里に連れていかれた祐真と、祐真の記憶を無くした蓮。
閻魔大王の計らいで初対面となった2人が再び出会い、真実愛しあえるかどうか確かめることになるのですが…
今回も前半はオメガバースを全く感じさせない内容で、83ページまで読んで初めてオメガバースの設定の説明が出てくるのですが、それまでオメガバース作品であることを忘れてたくらいですw
祐真が妖怪の里に馴染みすぎて、あまりにも充実した日々を送っているので、このままでも幸せなんじゃ…?と読んでて錯覚してしまいそうになりますw
それくらい祐真は幸せに暮らしているのですが、一方の蓮は、幼い子どもを置いて出て行った妻の記憶が無く、やっぱりちょっと可哀想で……
そもそも、1巻も2巻も、蓮が何だかちょっと可哀想なんですよね。蓮は祐真と普通の恋人(夫婦)になりたいのに、祐真にとって蓮はあくまで「推し」で。
そこが面白いとこでもあるんですがw
記憶を無くした蓮は祐真を一目見た時から恋に落ち、結果的に祐真が不安になることなんて何もなかったのですが、それまでに随分と時間がかかり過ぎて、2人が再会するまでに隠り世時間で7年もかかることに!(現世では1年半くらい?)
7年生活してたらそりゃもう生活の基盤ができちゃいますよね。
この世のものとは思えない超絶美形の閻魔大王という推しもいることだし…
しかし再会しても中々くっつかない2人!本当に祐真はブレない!
大丈夫かなぁこの2人…と思ってたらここからがオメガバース的展開に。
祐真は一旦は蓮を避けたものの、やっぱり気になってしょうがない。
とあるお菓子を食べて発情期になった祐真と会った蓮は当然のことながら理性を失い、2人とも我を忘れて濃厚なエッチに突入!
長かったですw ラブシーンは10ページくらいありましたww
閻魔大王は初めから2人が(肉体的に)結ばれたら記憶が戻るように仕掛けてあったので、記憶を完全に取り戻した2人。
何だかんだで祐真はやっぱり蓮のことが恋愛対象としても家族として好きなのだと思うし、蓮は嘘をつく人の顔が黒く見えなくなっても祐真のことは特別な存在で好きでたまらないのがよく分かりました。
個人的にはキャラとして閻魔大王がとても気に入ってるので祐真といい雰囲気になっても悪くなかったかもと思うのですが、それだと蓮があまりにも可哀想すぎるし、やっぱりそれは無理かな…
その後、蓮とともに現世に帰った祐真の妊娠が発覚。
産まれた子は女の子で名前が妃和と書いて「ひな」と読むのですが、祐真の妹も「ひな(陽奈)」だし、これは作者さんのうっかりかな??
祐真の夢だった妖怪の里での甘味処経営をきっかけに旅館の規模を縮小するのですが、後継問題や人員不足もあり、将来的に旅館がどうなるのか少し心配になってしまいました。
どちらも両立させるというのは難しいですね。大和に嫁いだ都が旅館を辞めてしまったのでどうしようもない。
外部の人を雇うのは難しいし、家族経営だけでは限界がくる。
そのうち七星荘は無くなってしまうかもしれないという気がします。
結果的に落とし所としては正解なのに、何となく寂しい感じがしてしまいました。
祐真が隠り世で生き生きと働き、妖怪達にあまりにも馴染んでしまっていたので、あちらでお店を開きたいというのは当然のことで、あんなに楽しく充実した日々を見せられると、祐真は人間の世界で生きるより妖怪の里の方が合っているのかもと思ってしまうのですが、普通の人間は隠り世に長くいると具合が悪くなったりするし、蓮や女将もあちらで暮らす気は起きないだろうし、子ども達の気質は祐真に似て妖怪を怖がらないとしても、色々と考えるとめでたしめでたしという感じが薄かったです。
旅館の将来的なこととか、妖怪に馴染んでしまってる祐真、祐真が隠り世に馴染みすぎて半妖になるんじゃないかと心配する蓮。
そういったことが頭の片隅にあるせいか、スッキリとした終わり方という気がしないのですが、結末としてはこれ以上は無いと思ってますし、そういう余韻が残るほど好きな世界観だからだろうと思います。
また何かしらの機会があったらこの世界観で(閻魔大王が出てほしい!)作品を読みたいです!
蓮と祐真のその後も気になるし、続きが出たら嬉しいです!
クロスノベルスの全プレ小冊子クロほんで続きが読めるようなので応募しようと思います。
1巻の時は、この世の者ではない人々が見える水琴がそれらを絵を描く、という不思議具合でしかなかったのが、今作ではついに怨霊とのバトル(操られた人間ですが)まで繰り広げ、絵に描いた人物を殺せる特技(?)を持っているキャラ登場と、随分とオカルトファンタジー的な要素が増した感じです。
そのうち妖怪退治とか陰陽師とか出てきそうな…(気がしたけど多分出てこないw)
そういうのも好きなんですけど、この作品はもっとふんわりとしたオカルト要素があるだけの人間模様を描いたお話と思っていたので、ちょっと思わぬ方向に行ったなぁという感じです。
今回、泉里にも霊が見えて水琴を助けることができるのですが、その理由も取ってつけたような感じで、ちょっと都合が良すぎた気がしました。
悪霊に対抗できる能力を持たない水琴を助けるには泉里の助けが必要ですが、悪霊を退ける方法もちょっと呆気なかった気がします。
水琴が悪霊に操られてる人に本心を問いかけて、操られてる人が自分の本心に気付いて悪霊を拒否したらあっさりと消えてしまい、ちょっと物足りなく感じました。
雪輪の特殊能力が恐ろしいですが、水琴も幽霊の絵を描くことによって何か別の特殊能力があったりするのかどうか…(無さそうな気はするけど)
雪輪が怖すぎて、このままだとちょっと不安。
読んでる側からしたら雪輪がめっちゃ不気味なんですけど、泉里も水琴も最後までそれほど警戒してなかった感じなので、その辺はまた次巻かな。
圭月と水琴の高祖母との関係や絵の秘密等、まだまだ分からないことが多く、続きが楽しみなシリーズです。
電子限定番外編。挿絵無し。ページ数は文庫の半分も行かないくらいです。
本編の最終巻「龍の始末、Dr.の品格」の、晴信が日光の高徳護国の本家から脱走したあたりからの正道視点のお話です。
本編での氷川や桐島とのやりとりもあり、全てが正道視点です。
本編での正道の出番は、晴信がハマチの運転する車に押し込められて日光に連れて帰るまでしか書かれてませんでしたが、番外編はその後が少しプラスされています。
本編最終巻でのラストのジュリアスでのお祭り騒ぎというか、馬鹿騒ぎというか、チ◯コ騒ぎというか、あの打ち上げの場に晴信も参加予定だったそうですw
そして、タイトル通りの虎の本心ですが、何だか脈絡もなく突然リキが正道の住むタワマンに現れるので、結局何しに来たのかよく分からない感じのままベッドイン…という流れでした。
(正道に告白しに来た??)
相変わらずのムードの無いラブシーンで、「いかにも」とか「参る」とか、シュールすぎる会話でしたw
やっぱり清和と氷川が好きなので、あまり萌えとかは無かったですが、正道視点は新鮮でした。
それにしてもBLでこんなに萌えない2人は初めてですw
2人がラブラブとは信じ難い感じですが、多分ラブラブなようです…
詳しい内容はすでに他の方達ので書かれているので、個人の感想を。
本編の最後がカストールを倒したとこでプッツリと終わっているので、もう少し後日談が読みたいと思ってました。
痒いところに手が届く感じで、特にローレントの戴冠式まで読めるとは嬉しい内容でした!
主役の2人のお話は、2人がラブラブで、非常に幸せな内容でした。
特に布商人チャールズのお話が良かったです!
まさか、レイメンの正体にずっと気付いてないとはw
デイミアノスがカストールの裏切りを暴くために奴隷に扮してヴェーレの王子と出会って恋に落ちたという他愛もない噂話を耳にして、尚且つレイメンがローレントの奴隷だったことを知ってて2人のキスシーンまで目撃してるのに、レイメン=(デイメン)デイミアノスという考えに至らなかったのは鈍すぎるというかw
でもまさかアキエロスの王が目の前にいるとは思わなかったのかな。
ローレントの戴冠式でアキエロス王だと紹介されたのに、「レイメン!一体どうして王のような格好をしているのだ!?」と全く信じてないのが面白かったですww
チャールズ、良いキャラですね!
それで前述のチャールズのセリフでお話がいきなり終わるのですが、終わり方が何だか落語のオチのようでしたw
本編もですが、いきなり終わる終わり方が日本のBLと違うなあと感じました。
もちろん、きれいに終わってはいるのですが、もう少し余韻が欲しくなってしまいます。
チャールズが、レイメンの正体がデイミアノスだと理解した後に起こるドタバタとか、想像すると楽しくもあり、読みたかったなという気持ちもあり…
まあ結局のところ、デイメンとローレントのお話を少しでも読んでいたい気持があるだけなんですけどね。
ところで、カストールの子供や両国の後継に関しては一切触れられてなかったですね。
私がよく読む日本のBL小説だと、後継ぎに関してさらりと触れている場合が多いのですけど、海外BLはあまりそういう部分には触れないのかもしれないですね。(勝手な想像)
1巻で挫折しないで良かったです。本当にこの物語は格別です!!
1巻の翻訳の読みにくさに耐え、登場人物の名前の覚えにくさに耐え、恋愛の気配すらない過酷なストーリー展開に耐え、ストーリーはどんでん返しに次ぐどんでん返しが続き、厳しい状況下での、やっとここまで来た感のあるラブシーン!!
読者もストーリー展開に一喜一憂しながら読みつつ、そんな中でひとつふたつ出てくるラブシーンは、まさにご褒美で、読者も登場人物も耐え忍んだ中での甘々は格別です!
最初から最後まで甘々な話では食指が動かないので、そういった点では最高でした!
やっと恋人同士といえる仲になった2人が見られます。
もう、2人にとって絶体絶命な展開が3冊通して何度あったか…
その中でもやはりクライマックスの3巻は、もうダメかも…と思うくらい絶体絶命で逃げ場が無く、この状況を打破できる策は読んでても全く思い付かず、心臓痛くなる展開でした。
でもカストールの最期は悪役の王道でしたね…(悪役キャラとしては小物だけれど)
デイメンの後継ぎを考えると、ジョカステの子供はデイメンの子供でもよかった気がします。(攻めが受けに出会う前に出来た子供だし)
ローレントは結婚しないし一族は自分で最後になると言ってますが、デイメンはそうもいかないだろうし。
外伝をこれから読みますが、その辺のことは出てくるのかな?
ジョカステは悪人になりきれない人でした。元々は自分の身かわいさでカストールに鞍替えしたのかもしれませんが、デイメンを見殺しにはできなかった。
本当に真実が二転三転して、登場人物も敵になったり味方になったり、どこまでが誰の策略なのかも分からず、でも薄々感じてた部分もあり、とても練り込まれたストーリーでした!
ラストが呆気なく終わるので、外伝があって良かったです。もっと終わりの余韻に浸りたい作品です。
久しぶりに心を奪われて夢中になって読んだ作品でした!!
攻めが3人(か、それ以上)の女性と子作り(?)するラブシーンが萎えます。
描写はほとんど無いと書いてる人もいますが、それなりの描写はあります。
例えば「彼女はデイメンの上で、のたうつように身を震わせて激しい絶頂を迎えた」とか、
「二度目はもっと開いて身を任せ」というように、いくつかの描写が書かれています。
2人目と3人目の女性は攻めに体を密着させる描写までです。
個人的には地雷というよりも、せっかく攻めと受けの距離が縮まってきたのに萎える展開という感じです。
元々女癖の悪い攻めとか、過去にそういうことがあったという設定ならともかく、現在進行形で、せっかく受けとの信頼関係も少しずつ出てきたところでこれはあんまりなのでは…?
受けの命令というか、族長の頼みで部族の女性に子種を仕込むという展開なのですが、別に必要性も感じないし、何故ここで?という疑問ばかりです。
日本のBLを読み慣れてる人には、こういう展開が地雷の人は結構いるのではと思います。
多分ですが、日本のBLなら担当編集さんが攻めと受けの距離が縮まり始めたときに攻めが複数の女性と思いっきりヤリまくる展開はNGになるのではと思いました。
ただ、後半からの怒涛の展開や、受けとの初夜のシーンはとても丁寧にページ数も割いて書かれていて、本当にお互いが特別な存在であるというのがよく判ります。
1巻に比べると翻訳も多少は読みやすいですが、やはり分かりにくい部分が多く、何度も同じとこを読み返して理解する感じでした。
「それ」が何を示すのか分かりにくい言い回しや、誰のセリフか分かりにくい部分があります。
ですが、もはや挫折せずに最後まで読了出来そうなくらいには面白く目が離せない展開になってきました。
続けて3巻に突入します!
(3巻読了後の追記です。1巻で挫折した人は結構いるのではと思いますが、何とか堪えて読みきって欲しいです。翻訳は2巻以降だいぶ読みやすくはなってきます。私自身、1巻冒頭の展開がよく把握できず、訳も分からずとにかく読み進めてやっと…という感じでしたが、もう2巻からラスト3巻まではどんどん嵌っていきます!物凄く練られた作品なので、ボリュームもかなりあり、複雑に物事が絡み合います。しかし、3巻を読み終えた今は、誰がこんな展開を予想できただろうか?と思うくらい、壮大なストーリーだと思います。2巻は萌×2、3巻は神評価にしました。1巻の評価は読み終わった時のままであえて変えてないので中立ですが、この1巻を読んでから、その先にある物語を是非読んでみてほしいです。)
王族が出てくる話としては、陰謀やら策略やら血族同士での水面下での争いとか、まあ有りがちな感じですし、特に目新しさは無かったです。
日本人目線で見ると新鮮だったのが、奴隷に関する部分でした。
無垢なまま色々教育されて、見目麗しく整えられ、大切に扱われているのが基本という、一般的に「奴隷」と聞いてイメージする感じとは違いました。
それはともかく、文章がかなり読みにくく分りづらい。
これ、普通に書いたらこういう文章なんじゃ?と思う部分が多すぎて、英文の変な言い回しや強調するとこがそのまま日本語になっている感じで、意味を理解するのに時間を要します。
会話のシーンがあるとセリフが誰のセリフか分かりにくかったりもして、かなり読みにくいです。
あと、これは仕方ないとは思いますけど、登場人物の名前や地名がが非常に覚えにくく、名前だけでは男女どちらか分からない名前も多く、しばらく読んでたら「彼女は」「彼は」と出てきてやっと性別が分かるという感じでした。(ジョカステ、エラスムスとか)これがなかなか慣れず…
作家さんが外国の方だとこうも分かりにくい物なんですね(*_*)
最後の方の奴隷達の話はあまり興味もなくて流し読みしてしまいました。
初めての海外BLで、名前の覚えにくさ翻訳の分かりにくさに挫折しそうですが、レビューを信じて続きを読みます…
電子で読了。挿絵無し。表紙イラストも解像度低い。奈良先生ファンとしては電子は残念です。
兄弟ものは好きですし、特に地雷というほど絶対に避けたい設定とかも無いです。(でも好き嫌いはあります)
BLに女性が絡むのは確かにあまり好きではないし、暴力とか陵辱ものも好んでは読みません。
ですが、この作品はそこまで嫌悪感はありませんでした。というのも、主役の2人がどちらもキャラ萌えするような思い入れというか感情移入が起きなかったからです。
非常に淡々と、客観的に物語が進んでいくせいか、どこか壁一枚隔てた向こう側の景色を見ているようで、それなのに目が離せないというか…不思議な魅力があります。
龍昇が抵抗する日向を殴ってまで犯すシーンも、とんでもねぇヤツだと思うのに、読んでて受け入れられないほどの嫌悪感が無いのは、2人の関係が紛れもなくヤンチャな兄弟である延長線上だからかなと感じました。
作中にも書いてありましたが、昔から龍昇は気に入らない事があると殴るそうですし。
よくある陵辱もののように、プレイという名の苦痛を延々と続けられる展開よりは、余程健全であっさりしてます。(でも龍昇は酷いと思いますけど)
最後の方まで龍昇に全く良いところが見出せず、日向も大概下半身が緩いとこもあり、2人に絡んでくる女性もなんだかなぁ…という感じもあって、日向の友人達含め、好感度の高い登場人物が全然出てこない!w
だけどそういう人間の汚い部分やちょっとした醜い部分がやけにリアルなので、変に期待しないで静観して見ていられるというか…
極悪人も敵も出てこないけど、健気で真面目な良い子も出てこない…リアルにその辺にいそうな人達。だから淡々とストーリーを追っていける。
いや、一応長兄の龍慶は真面目ですが、個人的には龍慶も日向に多少なりとも心を奪われてたのではと思いました。性的な対象というよりも、弟以上、恋愛未満というか、アイドルに心奪われるような気持ちはあったかも?でないと龍昇への殺しそうなほどのあの怒りは説明がつかないと思うんですよ。大事に愛でていたお気に入りのかわい子ちゃんによくも手を出したな感が凄かったw
最後の方まで読んで、やっと龍昇の苦悩というか、気持ちがはっきりするんですけど、それが作中にもう少し書かれてたら神評価でした。
BLなので、やっぱり龍昇が日向に心奪われていく過程とか兄弟なので苦悩する描写があればもっと高評価の人も多くなるのではとも思うのですが、でも、そういう丁寧な恋愛物とはまた違う、リアルな人間の愛憎劇が魅力の作品だとも思いました。
今時のBLではあまり無いような展開(兄と自分がヤってるところを兄の彼女にわざと見せる、長兄に龍昇との関係を打ち明ける等)に目が離せなく、最後まで一気読みでした。
そして、ハッピーエンドといえるのか分からないラスト。龍昇と日向の立場逆転!
日向に執着してた龍昇が、彼女の存在が露呈してから日向を避けるようになり、今度は日向が龍昇に執着して、最後の最後で欲望に勝てず日向に捉われる…この後どうなるのか激しく気になりますが、そういう終わり方がかえって余韻がすごい。
龍昇はついに日向の手に落ちてしまうのですが、もうその後は色々と修羅場が待っていそうで、妄想をかき立てます。
続きが読みたい…けど、この終わり方が一番だと思うし、これ以上は作品としては蛇足になりそうだし…
過去のレビューで大洋図書の公式HPにSSがあったそうですが、古い作品なのでもう見れなくなってる…(泣)
甘い内容らしいですが、どんなSSだったのかすごく気になります。
この作者様はもう新しい作品を書いてないようですが、かなり残念です。作品数も少なく、もっと活躍してほしかったです。
前巻でラストと思ってたので、まさかのもう1冊でした。
読めるのは嬉しいのですが、表紙イラストがなんだか暗い雰囲気だし、清和が血塗れの木刀を持っているし、それで出版社の煽りが「真の完結」ということなので不安な気持ちでしたが、中身はそれほど悲惨な展開ではなかったです。
奈良先生のイラストはいつものように美しいですが、何故あの表紙イラストなのかよく分かりませんでした。
このシリーズは続けようと思えばいつまでも続けられそうな作品ですが、今回は今までのいくつかの伏線に決着をつけるべく書かれたような感じでした。
氷川と氷川家の問題、リキの異母兄晴信の問題、リキと正道の恋人宣言(投げやりな気もしなくもないw)、長江組の残党に拉致されたサメ、諜報部隊を離れたシャチ…
気になるこれらのエピソードが書かれています。
最後らしく色んな人達の名前が出てきて、久しぶりの信司や夏目、氷川の義父に、氷川に想いを寄せる義弟の正人。
氷川の義弟の正人が氷川に恋心を抱いているのは先にTwitterSSで書かれてましたが、予想通り本編に絡んできて面白かったですw
もっと巻数が続けば正人絡みのドタバタが読めたかもなぁ…なんて思いました。
正人はとっても良い子に育ってるので、報われない恋は諦めて他にいい人を見つけて欲しいです。
それにしても、サメが爪を剥がされたり拷問を受けても、相変わらずフラダンス踊りながらオネェ言葉で登場するのは凄いです…
全てはシャチのため…つまり、優秀な人材確保のため…?拷問されても簡単には口を割らない訓練を受けてはいるのでしょうけど、大丈夫なの…?(/ _ ; )
真鍋組にとって一番の敵、長江組の若頭補佐との戦いが書かれないままでしたが、ターゲットとして認識されていたので、きっとシャチが始末してくれるのでしょう…
そして、怒涛の「チ○コ」連発w なんなのこの展開はw
すっかり終わったと思ってた、佑とサメの賭けの罰ゲームが行われ、清和のチ○コ危うし!?と思いましたが、そこはやっぱり氷川が黙っていませんw
ジュリアスのホスト達のシャンペンコールも脱力でしたが、今回やたらと「チ○コ」発言が多くて、35回くらいは出てきますw
氷川と信司と夏目のプロジェクト「お母さんの台所」(ファ○マみたいw)の試作品が振舞われたり、楽しい雰囲気でフィナーレを迎えられたのは良かったです。
紙より先に電子で読みましたが、電子特典のSSはボリュームがあって、全然本編と関係ない別の話になってましたw
しかも、SSなのに新キャラ!?単なるモブにしてはフルネームでゲイ設定なので、他作品のキャラなのかもしれませんが…
一般的に特典SSというのは本編に絡む番外編とか裏話的なものだと思ってたのですが…常識が当てはまらないw
本文で書かれたサメを表現する言葉「すべての常識外で生きているような」がこの作品にも当てはまるような気がします。
BLの常識外で書かれたような本作なので(褒めてます!)、こういうのも有りなのかもしれません。
それとも、これは次回作の前振りで、フルネームで出てくるキャラは新作の主人公なのかも?と、ちょっと思いました。
長いシリーズですが、私は読み始めて日が浅いので、終わってしまうのは寂しいです。
とにかくこのシリーズのキャラ達が大好きなので、ラブシーンが無くてもたまにイチャイチャしてくれれば満足でした。
設定上、どうしても組同士の抗争が多かったですが、たまに書かれる日常や、おバカなエピソードが癒されました。バナナと記憶喪失や、氷川女装に石化する清和とかw
およそBLらしからぬ展開とキャラ達が魅力的でした。
シリーズ中、浮き沈みはもちろんありましたが、読み始めたら止まらず一気に読んでしまいました。
多少、読む人を選ぶ作品かもしれませんが、私は嵌りました。
氷川と愉快な仲間たちが大好きです。
う~ん、ごめんなさい!
ストーリーとしては色々盛りだくさんだったんですけど、どうにも…晶と虎目の間に、いつ愛が芽生えたの?という感じで、お互いに惹かれ合うタイミングがよく分かりませんでした。
そもそも、虎目の体液を取り込めば好きになっちゃうという設定ですし、延々と陵辱されてて、それは本心からの気持ちなの?と頭の中が疑問符だらけで…
沙野先生の作品ですから陵辱展開はよくあるのですけど、それでも他作品はお互いに惹かれ合うのが判るんです。でもこれはページ数が足りないのかイマイチわからなくて…
虎目の体液の効果で好きになってるだけのようにしか見えなくて、虎目の晶に対する気持ちもかなり後の方になってからじゃないと出てこないし、今更晶に惹かれてたとか言われても、取ってつけたような感じがしてしまいました。
事件が起こってから少し展開が早すぎた感じもありますし、甦りの忍術が、亡骸はそのまま残るのに紙から出てくるということは、亡くなった者の遺体があるのに同じ人物がもう1人居る状態というのも微妙に本人という気がしなくて…
わざわざ亡骸を残す設定にする必要は無かったのでは…
受けがいたぶられる展開は沙野先生あるあるですが、晶の純真無垢すぎる設定と、虎目の体液効果で本人の意に反して好きになっていっただけのようで、なんか今回は只々晶がかわいそうでした。触手も仕掛けたのが気色悪い最悪な敵キャラのせいか気の毒感しかなく…(他作品の触手三部作は好きです)
奈良先生のイラストは素晴らしかったです。