待ち遠しかった8巻!
7巻と対のカバーデザインが素敵で目を惹きます。
最初ではなく、ここで急に対の表紙を出してくるなんてズルすぎませんか?
中身のストーリーも7巻のアンサーのように感じられ、延いては「矢代」というキャラクターの変化が幾らか垣間見えた気がする巻だったなと思います。
5巻で訪れた百目鬼の転換点からじっと待ち続けること約5年、ついに兆しが見え始めたかと心ざわつかせながら読み終えました。
この1冊から読み取れることがあまりにも色々あって、伏線掘り起こしのために1巻から再読したくなること必至です。
私は本作をBLというより矢代の物語として読んでいる節があって、百目鬼と出会ったことで矢代という矛盾で溢れたキャラクターがどんなふうに変わっていくのかが丁寧に描かれていくストーリーを矢代の人物像を少しずつ紐解いていく気持ちで面白く感じながら読んでいます。
今回、矢代が思いもよらないワードをとても自然に口にしたことに何よりも驚かされました。
とはいえ、読者としてはああやっぱりなという気持ち。
ああいう行為を心のどこかではそう感じつつも自分を「ドM」で「淫乱」というカテゴリーに入れることで心を誤魔化して生きてきたんだろうなとストンと落ちる発言でした。
そしてそれはきっとこれまで読者向けに描かれてなかっただけで、矢代本人は心の中できっと普通に使っていたワードなんだろうな、とも。だからあんなふうに自然にモノローグに出てきたんだろうな。
同じシーンで明かされるとある事実も矢代に確実に変化が起きたことを教えてくれます。
こちらもああやっぱりかという気持ち。
5巻のレビューに「きっともう矢代は今までのようなエッチは出来ないだろうなぁ。」と書いたのですが、その結果を5年越しに答え合わせ出来た気分です。
だって矢代の本質は「漂えど沈ます、されど鳴きもせす」に最初から描かれているんですもの。
人は変わるけど、変わらない。変わらないけど、変われる。
私はそんなふうに思っています。
他にも色々と矢代の発言やモノローグに矢代の変化を思わされるものが続きます。
だけどそのことに矢代本人は多分まだ半分くらいしか気付いていないであろうもどかしさ。
百目鬼に至っては全く気付かず、矢代は変わっていないと思っているもどかしさ。
それゆえに起こり、起こるたびにどんどんとこじれていく、出口の見えない2人のすれ違い。
トライアンドエラーのように繰り返されるすれ違いに今回もダメか、今回もダメかと何度も打ちのめされて読んでいる間本当に辛かったです。
百目鬼がいまだに1巻で矢代から言われたことを引きずって優しい普通のセックスをしてはいけないと思っているところが何よりも切ない。
矢代(の身体)は「優しく普通に愛してほしい」とあんなにも全身で訴えているのに……!泣
矢代は4年間一体どれほどの行き詰まりと絶望を心のうちに溜め込んで生きてきたんだろうね。。。
齧られて転がった林檎が象徴するものは「知ってしまった愛の味」でしょうか。
井波ってクソ野郎だけどさすが刑事、案外矢代のことをよく見てるんだなと思いました。
はぁ、、、8巻も読み終わってしまった。
またじっと待ちます。
キリキリとした空気感が続くなか、七原と杉本の麻雀シーン唯一和みました。笑
杉本が生意気になってる〜笑笑笑
去年リミット全3巻が一気に音声化された時に目に止まって、試しにこの1作目を聴いてみたらめちゃくちゃ良くて、速攻で全作揃えました。
ゆっくりと進むストーリー重視の原作の良さを損なわない丁寧な作りで最新巻まで続いている貴重な良作長編CDだと思います。
クレジットを確認すると、脚本も音響チームも途中で変わることなくずっと同じ方々が作ってくださっているようですね。
本作について私が真っ先に推しておきたいのは、主演お二人の初々しさが原作の雰囲気にとてもマッチしているところ。
BL出演にこなれている声優さんではなく、若手の声優さんが不慣れながらも丁寧に演じてくださっているのが逆に功を奏していると感じます。
リミット1の特典トークCDによると本作の収録は2015年で、榎木さんも古川さんもBLCDで初めてメインを演じたのが本作だったとのこと。
「声がすげー若い」「溢れ出る新鮮さ」「爽やかな成分があった」などの感想が出ていましたが、そんな7年前のお二人だからこそ作り出せているピュアな空気感がすごく原作にハマっていて素敵です。
2022年現在のお二人の声やお芝居のイメージで聞くと結構ビックリします。
CDを聴くようになってから目で読む良さとは違った良さに気付くことが多いのですが、本作は難聴の航平の世界が分かりやすく表現されていて、航平が感じているストレスや、太一を“ひだまり”と感じる気持ちが原作以上にしっかりと伝わってきました。
途切れ途切れの聴き取りにくい声が飛び交う世界にハッキリと聴き取れる声が側にある安心感と、太一の根っからの太陽のような性格にどれほど心が溶かされ、あたたかい気持ちをもらえるか、耳から聞くとより一層説得力がありました。
そして、第4話で航平が言う「好きだよ」の声にこもったなんとも言えない切なさ。
あぁこんなふうに言ったのか、と。
恋愛の好きなのかそうじゃないのかなんてもうどっちでもいいじゃんて思ってしまうくらい、純粋で、切なくて、グッとくるワンシーンでした。
本シリーズは、
「ひだまりが聴こえる -幸福論-」
「ひだまりが聴こえる -リミット- 1」
「ひだまりが聴こえる -リミット- 2」
「ひだまりが聴こえる -リミット- 3」
と続きます。
現時点でCDになっているのはここまでですが、原作はまださらに続いているのでCDも続いてくれるといいなと思います。
それにしても古川さんの声が高い。
トークCDの地声からしてもう今と全然違いますね。
BLアワード2022の受賞作品から真っ先に買いに走った1冊。
こちらがデビューコミックスということで、素晴らしい得票数でのランクインおめでとうございます。
複数のレビュアー様が「映画のような」と評されている通り、表紙をめくった瞬間から主人公の語りが肉声を伴って美しい海と空の映像と共に頭の中に流れ込んでくるような作品でした。
どんなお話なのかざっくりと察した上で読みましたが、まんまと泣きに泣かされました。
時代は1990年冬。
狂信的なカトリックの両親の歪な祈りが充満した家で息苦しさを感じながら生きている〔アラン〕と、根無し草のように街から街へ放浪しながらも家に囚われ続けて生きている〔ヘイデン〕。
アメリカテキサス州の街ダラスで出会った青年2人が一台の車で旅に出るロードムービーもの。
普遍的なテーマだからこそ、彼らは果たして何処に辿り着けるのか、完璧な楽園でなくとも彼らなりに息がしやすくなれる場所が見つかればいい、安らげる場所が見つかればいいと願いながら読むのですが、描かれていくストーリーはリアリスティックで辛いものでした。
家を捨てたところで「家」から出られるわけじゃないということ。
そういう人種が2人で一緒にいても本当の意味でお互いを自分の居場所とするのはとても難しいということ。
きっと解る人には解り過ぎるほどに解るでしょう。
そのことに気付きながら旅を続ける2人の旅路の心許なさが胸を抉ります。
作者曰く「主人公たちに赦しと罪を同時に与える役割」のマリアというキャラが中盤に登場するのですが、彼女が私達読者にもたらす光から絶望感への叩き落とし方といったらなかったです。
救われたいと願う人間の救われ難さ。
真摯に生きようとする人間ほど苦しめられる罪と罰と赦しの問題。
涙なしにはとても読めない、重く、苦しい物語でした。
この結末が彼らなりのハッピーエンドだとしても、私は全否定でこう思っています。
「「「このラストがハッピーエンドであってたまるか!」」」
王道なんだけど捻りとかテンポに独特の個性がある文川じみさんの作品の中でも特にお気に入りの本作。
キャスティングが古川慎さん×村瀬歩さんなら声のイメージも合うし間違いないでしょ〜と思って買ったんですが、いや〜〜〜〜〜最高だった♡♡♡
めちゃくちゃ楽しいドラマCDでした!
この作品のおすすめポイントは二つあって、
一つは、同じ場面を受:安村視点と攻:飯田視点で2回描かれる第1話と第2話。
飯田のクールで硬派なイケメンイメージが早々に(読者の頭から)消えてなくなってしまう飯田視点の第2話が面白くて大好きなんですが、この第2話に凄く力強いフォントで書かれている飯田のとあるモノローグが古川さんの一番のお気に入りだそうで、それをどう言うかをめちゃくちゃ考えて挑んでくださったらしく、期待以上の面白さになっています。
「可愛いなクソッ」とか「うん優しくする」とか「ゲイビに決まってんだろ」とかも全部面白い。
ていうか飯田のモノローグがもう全部面白い。
飯田のこのキャラに古川さんは当たりキャスティング過ぎてます。
村瀬さんとの掛け合いのテンポもバッチリで、原作以上に小気味良い2人のやりとりが聴けます。
聴いててほんと楽しくて、これぞ音声化の醍醐味!
もう一つは、前半のコミカルなノリから一転して、後半に男子高校生のすれ違いじれじれ王道BLがしっかりと展開されるストーリー。
コメディとラブのバランスがいい。
原作では絵の可愛さがあっての安村のピュアな可愛さに飯田と一緒に「可愛いなクソッ」って萌えながら読んでた部分が大きいのですが、絵がなくなっても無問題!
ハイトーンな村瀬さんの声が可愛い安村のイメージにピッタリはまっていて、BLの世界にしか存在しないはずの可愛いDKが実在している…!ってなります。
耳からちゃんと可愛い安村を摂取できてジタバタします。安村可愛い。村瀬さんすごい。
飯田視点は相変わらずモノローグが可笑しくて最高です。
コミカルな前半は思わず吹き出しちゃう面白さ、後半はニマニマしちゃう面白さって感じ。
攻め視点好き派には最高にイイキャラです飯田くん♡
原作ファン、キャストファン両視点から満足度の高い良作CDでした。
特典トークCDも15分たっぷり作品について語ってくださっているので聞き応えありました。
村瀬さんがまこにゃんって呼んでるの地味に萌え。^^
「俺が好きなら跪け」加藤×松田の続編。
里つばめさんのカプで一番好きな2人なのですが、前作がずいぶんと駆け足な展開でendマークが付いて全然読み足りないなぁと残念に思っていたので、続編が出て嬉しいです!
※シリーズ未読の方へ。
▼加藤×松田のお話
俺が好きなら跪け
俺が好きなら媚びてみろ(本作)
▼梶×神谷(松田の上司)のお話
俺が好きなど嗤わせる 上下巻
里作品恒例のシリーズの繋がりが分かりにくい問題。
本シリーズも分かりにくくなってきましたが、本作を読むにあたっては、「俺が好きなら跪け」を読んでいれば大丈夫です。
チャラいように見えて仕事は人一倍の努力で結果を出しているエリートバンカー〔松田〕と、親の会社を継ぐまでの社会経験で銀行にいる生まれながらのエリート〔加藤〕。
松田が勝手にライバル意識を燃やしていた加藤からある日突然好きだと言われて・・・ボンボン特有の押しの強さでグイグイくる加藤とそんな相手にやすやすと落とされたくない松田の攻防戦が美味しいカップリングです。
続編の期待どころとしてはやっぱり、前作は完全に【加藤→→→→松田】だったので、それがどんな感じで変化していくのかな?といったところでしょうか。
前作のラストが無理矢理ヤった後の翌日に路上で跪いてのプロポーズですからね。
タイトル回収としてはいいけど、それで落ちたら松田ちょろすぎんだろうよ、おおおーーーーいって終わり方だったんでね。
続きがどう始まるのかな?と思いながら読み始めましたが、引き続き【加藤→→→→松田】ステイからの再開だったので、ヨシヨシあれで落ちてはいなかったようだな松田偉いぞ!とまずは安心いたしました。
読み終わった感想。
あれ、、、これはもしかして長期戦が期待できる流れなんでは???
王子様に
跪かせて?
媚びさせて?
そんで次は何をご所望ですかお姫様?
今作で矢印ひとつくらいは←になったでしょうか。
いや、0.5かな?
ただこの2人、進展はなかなかしなそげな雰囲気を出しつつも、松田の身体がわりと押しに弱くてちょろいせいで1冊1エロあるエッチで松田の変化が見てとれてしまうのが堪らんね。
前作と今作を読み比べてふふ♡ってなります。
てか女の子遊びできなくなってる時点で読者はお察しだけどねーーー。
加藤が銀行を出ていくまでにはまだもう少しの猶予があるっぽいので、焦らずゆっくりあの手この手でプロポーズし続けて粘り勝ちしてほしいなと思います♡
【電子】ebj版:修正-、カバー下なし、裏表紙なし
絵だけで物語るシーンが1巻以上に多かった2巻のあの内容、あれらのシーンはどんなふうに音声化されるんだろう、ちゃんと作ってもらえるかなぁと祈るような気持ちで待った2巻ですが、そんな心配まったく無用でした。
本作は音声化が難しそうな原作にも関わらず制作陣もキャスト陣も本当に丁寧に作ってくださっているなぁと感激します。
ジャケットから盤から中身から何から何までお洒落な1枚。
手元にあることが嬉しくなるようなCDです。
キャストの数が相変わらずBLCDと思えない豪華さなんですが、2巻から登場の2人がまたまた豪華なキャスティングで、
オーナーの恋人ロイド役に平川大輔さん
オーナーの友人アシファク役に上田燿司さん
ですよ?
全然まったくもっての余談なんですけど、私その時ちょうどジョジョ熱を再燃させていてですね、朝から晩までジョジョ漬けになっていたもんですから座裏屋先生のアカウントからこのお二人の名前が並んだツイートが流れてきた時は「なんですとー!」ってなってました笑
オーナーの素敵な楽園論から始まる2巻。
再生ボタンをタップした瞬間から頭の中に広がるおだやかで心地よい「シャングリラの鳥」の世界。鳥の鳴き声、波の音、落ち着いたトーンの会話劇にBGM、すべてが耳に心地よく入ってきます。
2巻の聴きどころはすばり、アポロに訪れる最初の転換点とそこからほんの少しだけ進展を見せ始める2人の関係性じゃないかなと思うのですが、原作コミックでは座裏屋さんの画力のなせる技といった感じで絵から読ませる表現だったので、絵のない音声作品で果たしてどんなふうに聴かせてもらえるのだろうかと2巻を読んだ去年からとても楽しみにしていました。
聴き終えての感想は、中島ヨシキさんのお芝居が本当に素晴らしい!ということ。
元々中島さんのフィーの声は私の頭の中のイメージそのまんまだったのですが、様々な顔を見せるフィーを1シーン1シーン丁寧に演じてくださっているので生身のフィーがすぐそこに存在しているような錯覚を覚えました。
BL的な意味合いではact.11で見せるフィーの変化が一番のジタバタシーンなのですが、そこも素晴らしかった!
それまでのフィーってベッドの上では男娼力が自然に発揮された形の色っぽさで朴訥なアポロを翻弄しているような感じで、中島さんの声色もまさにその雰囲気が滲み出た感じだったのですが、その仮面を少しだけ外してアポロに身を任せるフィーはこんなにも可愛いのかと、それまでとは少し雰囲気の変わったフィーの声にむちゃくちゃドキドキしました。
アポロ役の松田さんは今の状態(情熱を失っている)のアポロにすごくハマり役なので、これから徐々に熱を取り戻していくであろうアポロの変化を今後どんなふうに演じていってくださるのかまだ全然想像つかなくて楽しみです。
主役以外ではオーナーとロイド、オーナーとアシファクの会話シーンもたいへん聴きどころ。
特に友人(アシファク)と話すオーナーは普段の小鳥ちゃんやアポロに接する時のオーナーとは違う等身大のイケオジ感が出ていて素敵です♡
ロイドは平川さんがキャスティングされた時点でピッタリ過ぎるのでは???と思ったのですが、“夫婦”というよりも“パートナー”って感じの雰囲気を平川さんが作られているせいか2人の声の高低差(差があまりない)が想像していたよりも素敵で、思わずスピンオフを期待したくなりました。
特典のインタビューリーフレットでそのうちオーナーの過去を描くかもとおっしゃられていたので、アシファクやロイドも出てくるオーナーの過去話が読めたらいいなぁと思います。折角のキャスト陣、もっと喋ってほしい!
初回限定盤には1巻同様、ショートストーリーのDay timeシリーズが収録されています。
Day time 4・・・コミックス2巻描き下ろしの音声化
Day time 5・・・コミックス2巻とドラマCD1巻のアニメイト連動購入特典小冊子の音声化
Day time 7・・・ドラマCD1巻初回限定小冊子の音声化
Day time 8・・・本CD初出のオリジナルエピソード
Day timeシリーズはいつもフィーに翻弄されるアポロで終わるのでクスッとしてしまうのですが、音声になると松田さんのアポロの焦り具合が漫画で読んでた時以上にいい味出しててニマニマしてしまいます( ´艸`)
オリジナルエピソードのDay time 8は相変わらず座裏屋さんのオーディオドラマ向けのシナリオの巧さが発揮されていて、耳から摂取できる極上の萌えが詰まっています♡
フィーの極上テクニックをいつもいつもタダで体験してるアポロずるすぎない?笑
2巻も期待以上の満足度でした!
マリンさんがいいのかなぁ。良作多いもんなぁ。
どうかこのクオリティで最終巻まで聴き続けられますように。願ってます!
2017年に刊行された「ワンダーフォーゲル」の続編です。
閉所恐怖症の〔沖津〕と人の頭の中が読める小説家〔伊武〕をメインに、「見えない友達」の続きも絡めたストーリーになっていて、前作に立ち込めていたモヤがすーっと晴れていくような完結編でした。
草間さんの作品好きだけど「ワンダーフォーゲル」はよく分からなかったなーってしょんぼりしちゃった人も本作とあわせてもう一度チャレンジしてみるのも良いんじゃないかなと思います。
「彼のためにあれを解決してみよう」という伊武のセリフで始まる本作。
場所は沖縄上空、東京行きの飛行機の中。
閉所恐怖症の沖津を連れて飛行機に乗るイブ先生つよいww
“あれ”とは「見えない友達」で語られた、幼少時代の〔ゆうと〕の身に起こったあの謎めいた出来事のこと。
沖津、伊武の「ワンダーフォーゲル」組と、祐人、幸四郎、南の「見えない友達」組が一堂に会して、わちゃわちゃと楽しいトーンの続編になっています。
今作から登場のイブ先生のお友達〔マリさん〕がナイスな役どころで、マリさんのおかげで“人の頭の中が読める小説家”という謎めいたイブ先生の本当は可愛い素顔がバンバン炙り出されてるのも続編ならではの醍醐味♡
私は前作から沖津と伊武のおねショタ味ある関係性が大好きなのですが、今作で稜(沖津)がますます男前に成長していて、それなのにいまだにイブ先生(伊武)の無自覚オアズケ喰らい続けて童貞卒業出来てないってとこが至高の萌えポイントでした♡♡♡(鬼)
自分の心と自分に対する相手の心は全く読めていない(そしてそのことに本人は全く気付けていない)イブ先生ほんと可愛いんだから( ´艸`)
本作をじっくりと丁寧に読んで思ったこと。
人にとって大事なのは、真実を解き明かすことではなく、心に巣食っているわだかまりをなくすことだなぁと。
それをしみじみ感じながら読了できるあたたかくて素敵な完結編でした。
伊武がいう“解決”とはそういう意味だと思います。
草間作品を「良いなぁ」「好きだなぁ」と思う気持ちを改めて噛み締めました。
前作で挫折しちゃった人にも届くといいなと思っています。
【電子】ebj版:修正-、カバー下○(1p)、裏表紙、カバー折り返し○、電子限定特典(4p)付き
見た目をそっくりにして他人から見分けられないようにしている双子の〔愛司〕と〔誠司〕。
彼等はとある理由から故意にそっくりにしているので、原作では特に前半はどっちがどっちなのか本当に区別がつかないくらいそっくりに描かれています。
そんな愛司と誠司を古川慎さんが一人二役で演じられているということで、古川さんの声の高さの調整ってすごい精密な感じがするし、CDで聴いたら面白そうだな〜と思って買いました。
これぞ音声で聴く醍醐味◎って感じの楽しさと聞き応えでした!
原作ではどっちがどのセリフを言っているのかすら分からなかった2人ですが、こちらのCDでは愛司が僅かに高め&軽めの声、誠司が僅かに低め&重めの声で、聞き分けようと思えば聞き分けられる程度の差が付いています。
原作片手に聴いて、これは誠司が言ってたのかとか、これは愛司が言ってたのかとか、ここのセリフこんなふうに2人で交互に言ってたの?!とか、色んな答え合わせが数年越しで出来てしまいました。
ただ、愛司の低めの声と誠司の高めの声だとほとんど差がなくなるので、シーンによってはCDでも「あれ?これ愛司だよな…?」と一瞬分からなくなったりするんですよ。その匙加減の巧さは感嘆モノ。
声色は変えずにキーの高低とニュアンスの違いで演じ分けされているのでめちゃくちゃ双子感あります。
古川慎が2倍存在する世界やばい、、、、
古川さん分どうやって録ったんだろうと思いながら聴いたのですが、販売元サイトに公開されていたキャストインタビューによると「交互にキャラクターになりながら、シナリオの台詞の順番通りに」だそうで、まさかの同録。プロの凄さを思い知りました。
ちなみに双子がハモるセリフは「愛司で言ったそのすぐ後に、誠司で同じ台詞を言う形で収録」とのこと。一言では済まないハモりセリフなんかもあるんですが、どれも息ピッタリで見事なハモりっぷり。
その他、誠司×愛司の絡みシーンや、誠司と愛司の会話シーン(特に最終話のあのクライマックスシーン!)など、古川さん目当てに聴いた身としては聴きどころが満載過ぎて、何度も聴きたくなって繰り返し聴いています。
感動のあまり双子の感想ばっかりを長々と買いてしまいましたが、小林裕介さんの〔斗和〕もすごくハマっていましたし、シナリオは原作ファン目線で見ても丁寧に書かれていますし、買って損のないCDでした!
ガルマニが去年あたりから販売し始めたオリジナルボイスドラマ作品の1作で、おそらくその中でも初めての試みと思われるバイノーラル(ダミヘ)収録のBLボイスドラマです。
18禁作品になりますので、キャストのお名前を馴染みいいほうのお名前でレビューすることが出来ないのがすごくもどかしいのですが、
キャスティングは、
攻(後輩):河村眞人さん
受(先輩):土門熱さん
です。
河村さんは一番オーソドックスな感じの河村さんの攻め声で、優しげな口調でエッチは意地悪する感じの後輩攻め、土門さんは普段は先輩らしく後輩の止め役なんだけど一旦スイッチ入っちゃうと我を忘れて積極的に没頭するタイプのどえろい受けです。
土門さんってBL作品で初めてお名前見ましたよ。(ゲームならあるのかな?ゲーム界隈あまり詳しくないのですみません。)
しかも土門さんが掛け算の右側なんだわ。
私知ってる。これ絶対可愛いやつ。可愛くないわけがないやつ。
それをバイノーラルで聴けると言われた日には、、、買うでしょ。
ちなみに本作、前半パートをまるっと無料で聴ける「無料版」もあるので、気になった方はまずはそちらを聴いてみるといいですよ!
「~ビジホで密着ひそひそエッチ&ラブホで大胆生ハメエッチ~」のうちの、「ビジホで密着ひそひそエッチ」部分がまるっと全部聴けます。
ただ、、、それを聴いてしまうと・・・・・たぶん高確率でガルマニさんの思う壺の行動に出てしまうと思います。笑
感想。
一言で言うと、ダミヘBLすごい!
シチュエーションCDのダミヘとは全く別モノの楽しさです!
シチュCDの場合はマイク=ヒロインとみなしているのでどうしても声の動きがセリフと連動する形でパターン化してしまいますが、こちらはマイクはマイクでしかないので、近い時はめちゃくちゃ近いんだけど「私」をドキドキさせるために近寄ってくるわけではないのですごい不思議な感覚。
私は完全に「部屋にある何か」です。距離感的にシーツかマットレスあたり。壁どころじゃない!
とにかくすごい近くに2人がいます。
で、2人の声の動き方も自然で、右側でずっと致してたかと思ったら左に動いたり頭の上ら辺にいたりとベッドの上で動いてる感じで動きます。
気持ちよすぎて頭イヤイヤしたり身体が逃げたりするとめちゃくちゃ自然に声が一瞬離れたりするんですよ。あ、今のけぞった、とかも分かります。お二人とも芸が細かくてやたらリアリティありました。
編集を後から加えてるにしても実際にもちゃんと動きながら録ってると思うので、1本のマイクで録るんだとしたら演者さん達の実際の距離感どーなってんの???って思うし、個々にマイクあるんだとしたらそれはそれで余計に難しそうで、実際どうやって録られたのかめちゃくちゃ気になってしまいます。(河村さんによると掛け合いで収録できたそうなので)
そんなとんでもない臨場感で聴く土門さんの喘ぎがやっっっっばいです。
前半パートからすでに激しめですがこちらはまだ理性が残ってる感じなのに対して、後半パートは挿れた状態で電マ使われて訳が分からなくなってるので声も演技もえらいことになってて、エロエロ系のコミックでよく見るあの激しい画面そのものな感じ。
普通のBLCDでこんなに喘がれたら恥ずかしくなって聴いてられなくなるんだけど、声が近すぎるともうね、逆になんか「無」になれるんですよ。
没入しきって聴いてしまいました。
クセになりそうな没入体験。やばい。
バイノーラルの威力すごい。
先輩(土門さん)可愛すぎる。
イヤイヤ言うくせにおねだりしてくるの卑怯〜〜〜
とにかく土門さんが可愛すぎた。
オマケとして後半パートのコミックが8ページ分付いているので、もし音声だけじゃ構図が分からなかった人でもそちらでしっかり補完できます。
18禁作品なので濃厚セッションシーンのことばかり書きましたが、多分これ普通のストーリー性の高いBLCDがバイノーラル対応したらまた違った可能性が広がると思います。
テレビでドラマを見ているような感じだったのが、生でお芝居を見ているような感覚で聴けるようになるんじゃないかな。
最高のコンテンツが出てきたなって感じ。
ダミヘBL、思った以上に楽しいので今後の商業参入を期待したいです!
※最後に。
18禁作品らしくお二人とも直接的なワードを口にされていたりリップ音も激しめだったりするのでダメな方はご注意ください。
あと電マ音あり。これも人によっては不快かも。
いやもうこれ連載開始された5年半前(もうそんな前?!)からずっと思ってるし、2巻のレビューにもぶちまけたけど、本作の関係各位にはどうか本作と座裏屋さんのお名前がもっと全人類に拡がる何か素敵な展開をお願いします!!!!!って叫びたくなります。
この画力とシナリオ力をBL読者しか知らないのはそろそろ本気でもったいなくない?!
でもアニメだとこの画を保ちながら動かせる制作会社はかなり限られてしまうと思うし、実写だと日本人俳優さんで作られるとちょっと…ってなるし、作品イメージ壊さないで何ができそう?って考えたらめちゃくちゃ難しいんですけどね。
さて4巻。
廃れた遊園地、というこれでもかってくらいにコヨーテの世界観に合った場所で〔ドミニク〕と〔キーファー〕が満を持して顔を合わせる場面からスタートです!
冒頭のカラー6ページが美しすぎて痺れます………!
どうしよう、、、このシーンがドラマCDであの声とあの声で聴ける日がすでに楽しみでたまらないんだけど一体それはいつになるのだろうか、、、
さてさて。
登場人物の中で唯一未だガーランドサイドの人間なのかヴァラヴォルフサイドの人間なのかがはっきりと明かされていなかった謎キャラ、ドミニク。
この4巻でついに彼がフィーチャーされています。(そして帽子をとった素顔も初公開です!)
ドミニクにあまり興味を持たずにきた人のためにおさらいをしますと、、、
ドミニクってのは、ガーランド一家の顧問であるランドルフを通してガーランドと協力関係にありながら、3巻で発見されるまで暫く行方不明になっていた肉屋のハリスを通してヴァラヴォルフとも繋がっているイケボでイケオジの政治家です。
私は1巻の初登場時点からこいつの役回りがとにかくずっと気になっていたのですよ。
1巻でこんなことを言っていましたね。
「言ってるだろ?俺の恩人がフーコ首相のお孫さんだって
ウソツキ政権の子孫なんて呼ばれちゃうと俺も困るのよ」
この気になる発言、ドミニクは今巻でキーファーに対しても言葉を変えて改めてしていて、あぁやっぱりここに何か意味があるんだなと。
気になるのは、1巻の発言でも今回の発言でも「フーコ首相のお孫さん」が明かされないことなんですよね。
ドミニクがいう「フーコ首相」ってのは現在の首相ではなく、70年前の大虐殺事件当時の首相で名前は〔アーノルド・フーコ〕。ヴァラヴォルフの存在を公式に否定した人物のこと。
そして前巻のラストにドミニクと一緒に登場した部下らしき女性(デボラ)はそのアーノルドの曾孫だということも判り、、、
つまり整理すると、「フーコ首相のお孫さん」=デボラの父親で、ドミニクが言う「恩人」。
で、この人物が現時点ではまだ明かされない。
そしてどんな「恩」があるのかも。
めちゃくちゃ気になります。
これまでヴァラヴォルフvsガーランドファミリーだと思っていたところに、本格的にフーコ一族が3つ目の勢力として絡んできて、ますます面白くなってきました。
1巻でアレンに「最近少しおかしい」と言われ、今巻でキーファーに「心を無くした下等な獣に成り果てている」と言われているガーランドファミリーのボス〔サイモン・F・ガーランド〕。彼のヴァラヴォルフに対する憎悪の真意は何なんだろう。息子夫婦を奪われた恨みだけではないような…?
リリーの父親に関してもまだ伏せられているし、この辺りも気になります。
変わって、マレーネ&リリーサイド。
こちらはマレーネがガーランド家に戻ったことで本格的に離れ離れになったところからのスタート。
でも3巻のラストでリリーが告げていたように、リリーは遠く離れた場所からじっとマレーネを見守っています。
それだけでも読んでるこちら側からすると絶大な安心感があって、離れ離れになる間際にマレーネが言っていた「君が何処からかずっと僕のことを見ていてくれるのかと思ったら僕は安心してその場に立っていられる気がするよ」って言葉の心強さを噛み締めながら穏やかに読み進められました。
そして何より。
やっぱり座裏屋さんは読者の味方!
会えないままにしたりなんてしません!!
かなり大胆に、むしろめっちゃ密会してます!!!
アレンの暗躍っぷりに4巻のMVPをあげたい!
リリーとの初対面時のアレンが可笑しすぎてもうにまにましっぱなしでした。
なんだかんだで今回の発情期も一緒に甘く濃密に過ごせている彼らにほっこりしますが、いよいよリリーたちの群れにもガーランドによる人狼狩りの犠牲者が出始め心穏やかではいられない状況になりつつあり、、、物語は終結へ向かって突き進んでいきそうな雰囲気。
早く落ち着いた世界で2人が自由に愛し合える日々が来るようにと願って止みません……!
冒頭にも書いたけど、本作の連載が始まったのはもう5年以上も前になるのですね!
2016年頃はBLジャンルの流行と自分の好みがめちゃくちゃ合致して新刊との出会いがとても楽しい時代でした。
最近は神作品に出会えることもかなり減ってしまい徐々にBLからは離れつつありますが、そんな中でこの大好きな作品が長く読み続けられていることはとても幸せで貴重に思います。
終わりの始まりを感じる最後のページを読んだせいか、もうすぐ訪れてしまいそうな有限への寂しさのようなものが急にじわっと込み上げてしまった4巻でした。
あぁやっぱりこの作品が終わってしまわない何かが展開されてほしいなぁ。