いまさら手に入れたのですが面白すぎ!
矢代は人のお願い事聞くの嫌いだと本編で発言しているので、ポチとして百目鬼を送り出したのかも(笑)『人』じゃないしいっか、待っててやんよ、みたいなビミョーに小さい事を気にするのが矢代クオリティ。そこが好き。
本編で影山と学生時代の彼女との相合い傘見送ってたし憧れがあるのかな?
まぁ百目鬼くんには頭しか見えてないので自分のことなんて考えてないでしょう。ましてや矢代が相合い傘したいなんて考えを汲める男ではないし(笑)矢代の他のとこ汲める分いったい今まで付き合った子とはどうしてたの百目鬼。
あとなんか。矢代が『うん。』とか相づちうつの初めて見た気が。いつも『…………』か『あぁ』とかなのに(⌒‐⌒)やっぱ百目鬼には甘えてんなぁ矢代。幸せになれよ!!
花とうさぎから読んでるのですが、私かなりハードな作品が好みなので間口の広そうなものはちょっと犬猿してしまうのですが嘉島ちあきさんの作品はまったりギャグといいますかこの秋庭くんの生計といい全く予想外のセリフがぶっ飛んでくるので、セリフ回しと間を読んでいるような感覚です。
あと冒頭、私ハードが好きだと申しましたが、よくよく考えるといろんな意味で花とうさぎにせよアキハバラフォーリンラブにせよ今連載中の未完成なドロップスにせよわりとハードというか柔いマニアックなような独特の世界観が楽しめるので壁なく誰にでもおすすめできる作品が多いです。
特にこの作品はキャラも大幅に裏切られることもなくものすごい暗転もなく穏やかでわかりやすく読みやすいので、ちょっと何か軽く読んでみたい場合におすすめします。
BLに限らず、すべての漫画の中で矢代のようなキャラクターに出会ったことが初めてでした。
矢代と同じような壮絶な過去のあるキャラクターはひねくれていたり、八つ当たりに走ったり、或いは人間関係を拒絶したり、二重人格になったり、最悪死んでしまったりするわけです。
でも、矢代というキャラクターはそれを受け入れ、誰かのせいであってはいけないと思考し、自分の中では楽天的に捉えて前向きに生きていたいという圧倒的心の強さと優しさ、芯の通りすぎた人間性がそこかしこから垣間見えるんですね。
普通、リアルにこんな人いないだろうし、絶対にどこかおかしくなると思うんです。
矢代がおかしくなった箇所といえばセックス依存性になった辺りでしょうが、色々あったにせよわりと現在は楽観的に受け入れており今後気になりますがセックスで何か埋め合わせているという自覚があるような描写も見えますのでこの場面が"おかしくなった"に含まれるかはまだわかりません。
矢代がみんなの心を掴んで離さないのは、このような辛い場面が続きつづけた過去にも関わらず、本心はまっさらな綺麗ですばらしい性格、強さ優しさを保有しながらも前だけを向き続ける、"人間の本音として完成された誰も見たことも聞いたこともないすばらしいキャラクター"だからなのかなと思いました。
あなたには百目鬼くんしか合いません。人間の底の底の心がまっすぐな百目鬼くんだからこそ、あなたが綺麗だと気付いてくれたのです。
ヨネダコウさんはすごいですね。この人格のキャラクターはすべての創作作品を通してそうそう出てくるものではありません。BLを好きでよかったです。BLを知らなければこのどきつい人もヨネダコウさんも知らなかったんだから。
すばらしい作品の完結を楽しみにしています。