綾ちはる先生の本は「神様の庭で廻る」に続いて、まだ2冊目の新参者ですが、なんていうんですかね、他の作家さんにはない世界観を違和感なく描いてくださいますよね。文章も読みやすくて、でも読み応えがあって。本当に才能のある方だと思います。
今回のお話は老婆に貰った指輪の不思議な力により、欲しがっていた愛情を欲しかった人からもらえるようになった、でもそれによって心は苦しいことになってしまい…というお話。
どういう着地点になるのかなとちょっと不安もよぎったのですが(指輪に不思議な力なんてなく、主人公の勘違いだった、とか、実は夢の話だった、みたいになったら嫌だなって思ってました)そんなことはなく、ちゃんと納得できるおさめ方だったので良かったです。
そうそう、今回のお話、攻めやサブキャラの内面がちょっとばかりエグいです(笑)
初めて読んだ先生でしたが、とても読みやすい文章でした。クドくなく、一文一文が簡潔です。BL小説って読んでいて読みづらいなーと嫌になることがたまにあるのですが、この話はそれがなかったです。
ちょっと天然で、ブラコンで、革が大好きなタラシな受け。特徴が満載ですが(笑)かわいい受けでした。でもそれより気に入ったのは攻めの方。受けをおちょくったりするんですが、行動には優しさを感じるところがあってキュンキュンしました。
読んでいて、もう少し期待しちゃったのは受けと兄との関係ですね。過去に何かあったのかな?と思わせる描写だったのですが、特段なかったようで。ただ単に当て馬的な役割だっただけなのかな?