初めての作家先生でしたが、面白かったです。
真っ直ぐな純情っ子・鼓太郎(受け・実はタヌキ)とお医者さんの季史(攻め)の数年間に渡るお話。
文章が読みやすく、気難しい表現もないのでスラスラと読めました。
なかなか面白いお話で、話が進むほどに2人もサブキャラクター達もいい味を出してきます。読んでいてクスッとしちゃう!
鼓太郎はただ可愛いだけじゃなくおバカさを出し
てくるし、季史も真面目なお医者さんなだけじゃなくちょっとズルいところが見えたり。
それから、イラストがストーリーに本当にマッチしていると思います。鼓太郎がタヌキに戻ってしまった悲しいシーンがあるのですが、そのイラストが本当に可愛くて!ぜひイラストにも注目してほしいです。
泣けるシーンが何箇所もあって、下巻はほぼ泣きながら読んでいたような状態でした。
きっとこういう結末になるんだろうなとわかっていましたし、結果その通りになるのですが、とても良いお話で。好きだからこそ遠慮してしまったり、意地を張って面倒くさい彼氏になってしまったり、歯痒いカップルを楽しめる下巻でした。
タクミンもルイもお互いを大切に思う気持ちが強すぎて、特にルイはちょっと辛い10年だったんですよね。そんなルイの10年に気づいてしまったタクミンも苦しくなってしまって。
それでも幸せだったと、自分で選択したんだと言ったルイはカッコよかったし、最高のハッピーエンドでした!
砂原糖子先生の作品は何冊か読んだことあるのですが、こちらが一番好きでした。ちょっとシリアスな感じ、切ない感じが好きな方には響くと思われます!ぜひぜひ読んでみてほしいです。
主人公の洸生と省也。両思いスタートのお話。兄弟のフリをして駆け落ち先で暮らしています。お互いを愛するゆえに…っていうお話です。省也の知り合いがやってきて、途中ドキリとさせられる場面もあり、読み応え抜群でした。
「世界のすべてを君にあげるよ」「世界のつづきを君におくるよ」で構成されていますが、表題作のみで終わらせるのも良かったかも?と思ってしまうくらい、終わり方も良く、素敵なお話でした。もちろん、「世界のつづきを〜」も良かったですけどね!