遅ればせながら初めて中村明日美子先生の作品を読んだのですがとても良かったです、、、。
三郷が現れるまでは知らなかった新しい気持ちに犬飼はとまどいながらも止まらない思いを不器用すぎて暴力で表すしか無かったのかな、と。そこからなぜ2人があのような関係になったかしょう子含め私たちにもわからない。2人の秘密を、行間として自然と想像させられます。お互いへの想いを言葉にするシーンがほぼ無いのに惹かれてしまう様子が先生の描く余白から伝わってきます。他の方もおっしゃっていたように描かない綺麗さ、がありました。
この作品の視点であるしょう子は芯があって強くてかっこいい女性である一方で友達思いで好きな人がいる、普通の女の子なのかなと思いました。よーじが好きだったからこそ2人の火花に気づいてしまった切なさ、再開しどちらからともなく抱きしめあった時に言ったそれはこの世で1番美しいもの、私が1番それを知っているという言葉にしょう子への切なさが一段と強くなってしまった。だからこそ最後の書き下ろしで笑顔でじゃあねと言ったしょう子にいい人と出会ってほしい、と思いました。
基本的に女性が絡むBLは好きではなかったのですが先生の描くキャラクターはどれも魅力的で嫌悪感なく見ることが出来ました。 とても素敵な作品です