ディレッタント 下

dilettante

ディレッタント 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神27
  • 萌×218
  • 萌11
  • 中立10
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
11
得点
250
評価数
69
平均
3.8 / 5
神率
39.1%
著者
カシオ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
電子発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784396785314

あらすじ

<成り代わり三角関係>

奪ってやる。お前のすべてを。

情事の最中、鉄馬に首を絞められ気絶してしまった夏原。

夏原が死んだと思い込んだ鉄馬に“処理”を頼まれた神崎は、夏原を連れ去り、モーテルの一室に監禁する。

目覚めた夏原は抵抗するが、ついには神崎に体を許す。

夏原を抱いたその夜は、神崎にとって人生最上の一夜となり――。

一方、鉄馬は神崎がひた隠してきた秘密を暴き、自分の罪を被せようとするが……!?

望むまでもなく全てを持っている男と、望むことも許されなかった男の人生が、入れ替わる。

罪を犯した御曹司vs秘密を握った貧乏青年×憧れの人、罪と嘘の末路を描くサスペンスBL!

表題作ディレッタント 下

神崎正夫,元大学の清掃夫
夏原りょう,大学生

レビュー投稿数11

一気に読みました。

成り代わり三角関係、、
すべて読むと納得です。
(感想です。)

ネタバレだと感じる部分があるかもしれません。気になる方はネタバレ厳禁で、彼らの行く末を見てください。

上巻では主人公の境遇など詳しい話は、ほぼ出てきませんでした。
そこからの下巻の情報量が凄い!!

正直、愛や恋の話ではない気がします。執着、立場、願望が近いかな、、
愛や恋では語れないもっと重いものが根底にある気がします。

終わり方は、賛否両論あると思います。
光が見え始めた!と思ったら、急に陰りだしましたよ。

最後の駆け足感(エピローグ感?)はありますが、カシオ先生の暗い重い作品が読めて幸せです!!

気になる方はぜひ!!

10

好みが分かれそうな作品ではありますが

『ディレッタント』の下巻。上巻と同日発売になった下巻ですが、上下巻まとめて買われることをお勧めしたい。

上巻のネタバレも含んでのレビューになります。ネタバレ厳禁な方はここで回れ右されてください。







あらすじにも書いてあるので、ここでもちょっと触れようと思います。

上巻で、情事の最中に夏原の首を絞めた真崎。
その行為によって気を失ってしまう夏原だったが、それを真崎は殺してしまったと勘違いしてしまう。

その「後始末」を、神崎に押し付ける真崎ですが、それを依頼された神崎は―。


下巻に入り、神崎の家庭環境が見えてきます。
かなり薄幸な家庭環境にいた神崎ですが、だからこそ、なのでしょう。優しく声をかけてくれた夏原が彼のすべてになった。独りぼっちで息をひそめるように生きてきた彼にとって、夏原のたったそれだけの行為が嬉しかった。

んー。
神崎視点でストーリー展開しているので、読者としては神崎に感情移入してはいるんですよ。真崎は外道だし、神崎に同情してしまう部分は多い。多いですが、見方を変えると神崎という青年はかなり歪で歪んだ愛情を夏原に向けているんですよね。

けれど、真崎というこちらも大きくゆがんだ男を愛し、それ故に彼自身も歪なカタチになってしまっていた夏原にぴったりはまってしまった。そんな感じがしました。

真崎、夏原、そして神崎。
三人の男たちが行き着いた場所は―。

え、そういう結末?
というかなりシリアスな展開です。仮にも恋愛ものを描いたBL作品においてかなり異質と言えるでしょう。甘々で優しいお話を好まれる方にはお勧めしづらい作品です。

神崎が手に入れた幸せ。
それは、本物の幸せなのか。

多くの問いを読者に投げかける、そんな作品でした。BL的な萌えは正直あまりありませんが一つの作品として読んだときに、めちゃめちゃ面白かった。好みが分かれそうな作品ではあるのですが、個人的にはドツボに突き刺さる作品でした。

6

苦い愛

このような衝撃的な物語を作ってくれた作者に感謝します。

3人の関係は、単純な愛憎では片付けられない。

最初の出会いから、りょうは正夫の心の中にある現実と想像が重なるイメージだった。 それは正夫の心の女神であり、救いである。
"嘘をついても、騙しても、それでも俺のそばにいてください"
これは普通の意味での愛ではありませんが、私の心を揺さぶる愛であることは否定できません。

表面的には、りょうはこの漫画の中では非常に一面的なキャラクターであり、花瓶美人のようでさえある。
しかし、作者は物語を通して、この美しく、傷つきやすく、知的で優しいキャラクターを引き出しています。
幼馴染の鉄馬に病的なまでの思い入れがある。
その後、正夫はりょうに首輪をつけるが、それを外してもりょうは正夫から離れようとしない。

りょうは非常にユニークな気質を持ち、魅力的な魅力を持っています。
りょうのおかげで、正夫の人生の道が不可抗力的に変わったというのはわかるような気がします。

二人の結末がどうなるかはわかりません。しかし、私はこの二人はお互いに絡み合っているとしか思えず、分離する可能性はないと思っています。

本当にストーリーが楽しめて、本当に作者に感謝しています。

(この記事は機械翻訳されていますので、お読みになる方にはご迷惑をおかけします。)

5

トワイライトな境界線

カシオ先生は初めて読んだのが心を殺す方法だったせいか
新作を読むときは毎回かなりびくびくドキドキしながら読むのですが
久しぶりにトワイライトな人間性を堪能できる作品でした
登場人物三人のためかキャラクターに入り込むことがなかったせいか、痛みを感じたりえぐいとは感じることは意外になかったです
なんというかこの三人の関係は愛のためというより、冒頭に先生が投げかけたレゾンテートルのために見える
歪んだガラスの向こう側を見ている気持ちでした
あらすじは読まない方がいいと思うのであまり多くは言えませんが、上下巻で変わる帯が最小限の文字数で全てを表していて秀逸だなと思います
三人がそれぞれ抱える闇が後半暴かれていく展開や関係性などBLというか普通に映画にしたらいいと思うお話でした

BLを恋物語やエロスを楽しむと受け止めている方にはお勧めできません
BLが抱える多様性を楽しみたい方にはおすすめです(カシオ先生は全般)

















探偵は逃してあげて欲しいです

1

上下巻一気に読んで

ちるちるさんで特集(「BLで殺人なんて起きない」と思っていませんか)されていて購入してみました。普段読んでいるあまあまな作品の中に、たまに読むダーク、シリアスな作品が刺さりますね。BL的萌えはないかもしれませんが、どういう結末を迎えるか気になって読むのを止められない感じでした。

全体的にツッコミどころがありそうな気もしましたが、鉄馬が神崎に罪を被せようとするところからラストまで構成が整っていると思います。うまく神崎が成り代わるが、夏原に疑念を抱かせるという終わり方で、余韻が残り、次の展開がどうなるか考えさせるもので、ある程度納得できました。ただ、付き合って3年経過するのに夏原は神崎を未だに苗字読みであるのに何か意味があるのかなと思ったりしました(名前で読んであげて)。また、鉄馬の死体を埋めた場所は恐らく車が見つかった青木ヶ原樹海であるのに、毎年神崎が林檎の木に立っていた理由がいまいちわからず。解釈と察する力が足りなかったかもしれません。
絵の細かいところで少し線が雑に思うところがあり、少し読みにくいと思いました。

普段読まない作風だったので、いい刺激になりました。定期的に挟んでいこうと思います。

0

すごく面白かった!

ちるちるで紹介されてた作品で面白そうだったので手に取りました。
普段はホラーやミステリー小説など好きなのでよく読むのですが、こちらはBL×ミステリーですたまにミステリーBLみたいなの読みますが、こちらの作品飛び抜けて面白かったです。本格的サスペンスドラマ見てるみたい
どろどろあり愛憎あり
それにしても鉄馬のクズさ加減にはびっくりちょっとまれに見ないクズ野郎です。普段どんなに夏原がひどい扱いされてたのかあの別荘ての出来事でよくわかる
そんな鉄馬に執着する夏原もよくわからないし、不憫でいえば1番は神埼かなと…
最後のシーンで曖昧に終わってましたが、多分予想としては一瞬何かを察した夏原でしたが、何事もなかったように神埼と夏原は仲良さげに歩いて行くのかな?
私の願望ですが…それか夏原は薄々神埼のしたことに気がついてたのかと思ったけど、どうなんでしょう?
非常にハラハラな展開で面白かったのでミステリー好きな人にはおすすめです。評価は迷ったのですが、とにかくミステリー強めでその分きゅんきゅん萌が半減してしまってたので萌2となりました。

0

ignorance is bliss

どうも作者様とは相性が悪いようで、迷ったんですが、好きなテーマなのでポチ。

やっぱり詰めが甘い。作風なのかな?

残念ポイントをひとつだけ挙げるとすれば、あの人の無能っぷりは時代設定が違えば気にならなかった気がします。

あと、これはダーク系の時の作風だと思いますが、感情移入しづらい。AI同士のチェスを眺めているみたいな感覚。

それでもこの短さでまとめる手腕は凄い。

以下少し落ちについて書くのでご注意下さい。




不安が忍び寄るラストシーンがあることで、その後の妄想が捗りますw
こういう所は本当に上手いと思ってます。

ディレッタントとは誰なのか?
これはパパと神崎で合ってるのかしらね?

評価はストーリー自体はかなり楽しめましたが、サスペンスとしてもBLとしても中途半端かなということで萌

4

モヤモヤする

カシオ先生は「心を殺す方法」で衝撃を受け、ちょっと苦手に思っていたのですが、その後手に取った本はそんなに苦手でもなかったので油断してました。
きっとカシオ先生の本来の作風はこっち寄りなんでしょうね。

ネタバレしてしまうと面白さ半減だと思うので、ネタバレなしの軽い感想など。

三角関係のそれぞれの闇が絡み合って、ぐっちゃぐちゃです。
最初から3人の関係でまともな人がいないので、苦手な話を買ってしまったなと悟りました。
話が動く後半は急ぎ足ですが、最後までモヤモヤの残る終わり方でした。
最初からあの3人ではハッピーエンドになりようもないですが、不穏な空気を残して終わりなのもなんとも後味が悪い…
どこにもぶつけようもないモヤモヤが残りました。
好みの問題なので、自分は苦手な話だったけれど、好きな人はいるだろうと思います。

4

どちらがより悪いかなんて誰にも分からない

 萌2に近い萌評価です。血で血を洗うような殺伐とした展開が最後まで続いたところはとても好みでした。鉄馬も神崎も根っからの悪人ではないし、人を殺すことに快楽を感じるようなタイプでもない。捕まるかもしれない未来に不安を感じ、できる限り真実を隠して生きる。ごくごく普通の人間だと思います。ただ、りょうという人間を介して最悪な繋がり方をしてしまった。接点など持ちようもなかった2人が、わずかな歯車の狂いで複雑に絡み合い、堕落する。人生や運命の面白さを感じました(殺しを肯定はしません)。メインであるりょうと神崎の関係性については、りょうの神崎への心情変化をもう少し時間をかけて掘り下げて欲しかったのでこの評価にしました。

0

話の骨子が『太陽がいっぱい』

貧乏青年と、性格に問題のある金持ちの息子と、その恋人の成り代わり三角関係BLというあらすじを読んだ時に、パトリシア・ハイスミス原作の『太陽がいっぱい』とその映画化作品2作に似てるな。設定を借りてきたのかなと思ったのですが、本編を読んでもやはり似ているなと感じました。

そういえば、『心を殺す方法』も萩尾望都先生の『残酷な神が支配する』を所々思い起こすシーンがあったなと思い出しました。
個人的な見解ですが、作中、『残酷な神が支配する』の重要局面の元ネタと思しき『悲しみよこんにちは』も出てくるので、他の想起させる部分を含め、そうではないかなと思っております。

ただ、『心を殺す方法』は『残酷な神が支配する』の支配欲と愛の違い、義父から性虐待に遭った主人公の丁寧な魂の回復の過程、対話を諦めないという骨子の逆張りで、キャラクターの設定を変えた作品という風だったので、想起させるぐらいの印象でした。が、今回は読書中、『太陽がいっぱい』(99年リメイクの映画『リプリー』の要素が1番多いと思いますが)がそこかしこにチラつく、パロディというか焼き直しという印象です。

もちろんそのままではないですし、あらゆる作品が何かのパロディといえばパロディなのですが、『太陽がいっぱい』や『リプリー』を知ってると、たぶんこの作品の要であるサスペンスの大筋が予測ついてしまったので、初めて読む作品なのに、読んだことあるみたいになり(BLジャンルにはあるあるで、そこを求めて読むこともありますが)、この話においては先の展開がどうなるかのサスペンス部分が重要だった気がするので、もうちょっと既視感のないものが読みたかったな…となってしまいました。また、やはり『太陽がいっぱい』及び『リプリー』の時代背景と舞台設定ならスルーされるストーリー運びも(特に事件後の展開)、現代だと厳しいものがあるのも気になりました。ここを現代でも無理のないものに変えていたら、もっと印象は変わった気がします。
いくら別荘地とはいえ、防犯カメラに何一つ引っ掛からなかったのかなとか…。

逆にそこ変えてしまうのかと思ったのは、太陽がいっぱいは主人公が金持ち息子に嫉妬や憧れを抱き、彼が好きで(60年の映画はこの同性愛要素がなくなってますが)、仲違いをしたことをきっかけに、彼の全てを自分のものにしようとして成り代わる話なので、好きな人と間違った方向に一緒になりたいという心理がゾワゾワしていいのですが、本作は鉄馬に嫉妬や憧れはあるが、好きではなく、成り行き上、成り代わるので、あまり成り代わりに伴う心情の旨味がないと感じます。ただ、リメイク版の『リプリー』の方は事の成り行き上、成り代わるので(主人公が金持ち息子に好意を持っているのは原作と同じです)、こちらに倣ったのかもしれません。

そもそも新しさを求めて読んでいる作家さんではなく、作者さんの作品に昔のジュネっぽさへの憧れや、懐古趣味的なものを感じる時があり、個人的にはそこを期待して読んでおりますが、やはり今作は読後の第一感想が「ずっと『リプリー』がチラつくな…でも『リプリー』の方が色々納得できるし巧みだったな…」と、ついいちいち比べてしまったので、個人としては評価しにくいです。
あとこれは筋とは関係ないのですが、猟銃の保管法が現実だったら完全にアウトだな…と思いました。ガンロッカーに入れておかないと、所持許可取り消しになると思います。
ちょっと元ネタに頼り過ぎて、おざなりになっているところが多々あるというのが本作の総評です。

不穏な心理描写や、綺麗な色っぽさがあるところや、表情の描き方は好きなので、そこは変わらず良かったです。

知らない人にとっては何のことやらなレビューで申し訳ないのですが、気になった方は『太陽がいっぱい』、または『リプリー』で検索すると、映画版のあらすじは割と詳細に出てくると思います。
原作小説、映画の筋は同じでも、それぞれに違う面白さがあるので、実際に読むか観て、本作と比較しても面白いかと思います。

ザッと一部の比較を紹介すると、三角関係、リンゴが罪の果実のモチーフは60年映画版に近いと思います。

また、学生に間違われたことがきっかけで、どんどん成り行きで嘘をついていく、相手の興味があるものを勉強して相手に近づく、金持ち息子の過ちを自分がやったことにしようかと主人公が持ちかける、こめかみ殴打、探偵が出てくる、乗り物のシーン、金持ちの父親が息子に愛想を尽かし、主人公に目をかける、嘘を重ねることに苦しむ主人公のキャラ、金持ちDV息子のキャラなどは99年リメイクの『リプリー』に近いです。(作中の夏原の「すごく優しかったと思ったら〜」や鉄馬の「本当にうちの大学の学生かどうか賭ける」などの台詞は『リプリー』に出てきたのとほぼ同じなので、やはり本作は『リプリー』の要素が多いです)。

物語の最後は本作の夏原が気付いた感じと(『リプリー』でも金持ち息子の恋人があることがきっかけで気付く)、その前に象徴的に出てくる首を絞めるシーンから、『リプリー』の最後を想定されているのかなと思いました。
本作では、その寸でで止めているような終わり方ですが。

14

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