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女性千太郎さん

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相手と向き合うのは自分と向き合うこと

何度も読み返している本の1つです。
みなさんのレビューにもある通り、執着攻め好きな人には絶対おすすめしたい作品です。

執着攻めの作品は色々読んできましたが、その中でも群を抜いて切なくて苦しいです。
他の執着攻め作品と大きく違うと思う点としては、受けの苦しさが単純な同性同士の恋愛に対する葛藤ではないということかなと思います。
攻めに対する劣等感や親からの過度な期待…恋愛だけでなく攻めとの関わりを通して自分自身とも戦っている苦しさみたいなのがより関係をこじらせていて、
攻めも受けも苦しいけどどちらにも感情移入できてしまうから終始切なかったです。

この作品で一番好きなのは最後です。
受けが攻めに対して、"好き"と伝えるのは待っていてほしい、自分が攻めと対等に思えるくらい頑張りたい、と伝えるところです。
この描写こそがまさに受けの自分自身との向き合い方、ひいては攻めとの向き合い方に対して前向きになっていることの現れで、安易に自分も好きだと言わないところがすごく自然で綺麗だと思いました。

すれ違い最高です

BLにハマり始めた頃に読んだ作品で、今でも何度も読み返してしまう本の1つです。

英田サキさんはDeadlockが代表作だと思いますが、それを知れたきっかけもこの作品でした。
お互いが好きすぎるけどすれ違いすぎて傷つけ合うっていうストーリが本当に良きです。他の方のレビューにもあるように、王道ストーリーです。だからこそ何度読み返しても楽しめるのかなと思います。

この作品はビジネスの話も絡んでくるので、“TOB”など初めて知る言葉もあり読んでいて勉強になりました。

山を登るようにゆっくりと…

静かで優しい恋の話だと思いました。それが山登りの情景描写ととってもマッチしていてすごく素敵な作品です。
私もまだ経験は少ないですが山登りが好きなのでその点でも読んでいて楽しめました。

心をえぐられるような辛いシーンなどはないので終始穏やかな気持ちで読み進められて、寝る前の読書タイムにピッタリの作品でした。
BLは基本しんどくて重い話が好きなのでこのような本を楽しめたのはすごく新鮮な経験でした。これを機会にあまりジャンルを縛らず読んでいけたらなと思います。

あいって?

いつもは色々頭の中で整理してからレビューを書くけれど、今回は頭に浮かんだことそのまま書き連ねていこうと思います。
というのも、この作品は理屈では語れないものが多すぎます…

“愛”という漠然としたものを漠然としたものとして描ききっている。それなのに読む前と後だと“愛はね、”というタイトルから感じる“愛”というものへの感じ方が全く変わります。小説だからこそ成せる技というか、はっきりとした結論はなくても読者が色々と考えを巡らせていく。読後こんなにも考えさせらせれたのはBL作品で初めてです。お気に入りの1つになりました。

他の方も書いている通り、この話には続編がでています。ただ、私はこのままの終わり方が正直好きで、続編を読もうかどうか迷っています…個人的には攻めの俊一は受けの望に対して恋愛感情としての愛を向けることができないままでいてほしいです。(本編の最後でのキスシーンからするとそれは難しそうですが…)

今のところ樋口先生の作品は全て大好きなので、迷ってると言いつつ結局読んでしまいそうな気がします。そして感動して、読んでよかったなんて思っている自分がいるような笑

綺麗で切なくて。

今まで読んだBL小説の中でベスト10に入るくらい好きな作品です。

BLを読み始めたばかりの頃は、ファンタジー要素のある作品にはあまり興味がなかったので有名だとは知りつつも読んでいませんでした。
「パブリックスクール」がとても良く、同じ樋口美沙緒先生の作品だということで、“ムシシリーズ”を読んでみることにしました。その中であらすじと設定を読んで一番気になったものを読もうと思って手に取ったのがこの作品です。

結論から言うと、とてもとても良かったです。
ムシシリーズは、他の作品で言うところの身分差と、虫の生態を組み合わせた唯一無二の作品だと思います。身分差ゆえの行き違いが切ないです。そしてなによりクロオオアリとクロシジミチョウの共存関係がうまく作品の中に落とし込まれていてとても面白かったです。
気になって読み終えた後調べたりして、勉強にもなりました。

男性同士の恋愛の葛藤は全く描かれていませんが、普通の恋愛小説としてでもすごく面白い作品だと思いました。

一番この小説で好きなのは、綾人のグンタイアリの病の設定です。怒ると目も髪も金色になるという特性が話の展開のなかですごく綺麗に描かれています。
とにかく綺麗で切なくて最高の作品です。

読んでいて幸せな気持ちになる

大正浪漫風の時代設定と子育てというストーリーですごく良かったです。
BLというよりは家族愛の小説として読んでいました。
前半2/3は恋愛要素はほぼありませんが、それでも龍郎と子ども達とのかかわりが微笑ましくて続きが気になって仕方なかったです!後半は政隆との関係が進んで、読後はすごく幸せで満たされます。
ただ、BL小説は男性同士であるがゆえの葛藤が醍醐味だと思って読んでいるのでそれが少しでも描かれていたらもっと嬉しかったかなとは思います。
とはいえ読んで良かったと思いますし、また癒やされたい時に読み返すような気がします。

究極の執着愛です

和泉桂さんの「この罪深き夜に」がすごく好きなのですが、設定が似ていると思います。
大正浪漫、身分差、執着攻め、主従(従えるほうが攻め)、という設定は同じで、異なるのは下剋上があり、エッチが多めなところです。

中原は梓を思いすぎるあまりにあえて傲慢でそっけない態度をとることが多いですが、その時の中原の表情描写がとても切ないです。
執着愛が隠せてなくてとても萌えます。

個人的に、攻めが受けを好きででもそれが伝えられなくて凌辱強姦するかたちで受けに向き合ってしまうというお話しが大好きなので、この作品は何度も読み返してしまいます。