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ネタバレあり

本作がyoutubeのショート動画で紹介されているのを目にし、気になって購入しました。
舞台は「社会保障制度のなくなった日本」ということで
作中で100,000円札が登場することからも、物価が上昇しお金の価値が下がっている世界なんだと推察できます。
地方公務員である主人公(攻)が暮らすのはとりわけ貧困に苦しむ町。
癒しを求めてレンタルした猫が、本物の猫ではなく美少年(受)だった〜…というところから物語がスタートします。

絵柄やキャラクターデザインは非常に好みです。
受の壮絶な過去も、具体的にどんなことがあったかは
行間を読まないとわからない(説明的な表現が少ない)のでサラッと読めます。
猫転生エンドというのも、表紙からは想像がつかず新鮮でした。
ただ、細かいところが気になって困惑している間に物語が終わってしまった感が否めません。

そもそも、タマ(珠井 青)というキャラクターが理解できませんでした。
ただの人間でありながら猫のような縦長の瞳孔をしており、
(コンタクトレンズではないはずです)
幼少期の回想でも言葉を発するシーンはなく、行動もどことなく猫っぽいです。
彼は精神障害を持っていて自分を猫だと思い込んでいるのでしょうか。
それとも絵本のタマのようなハッピーエンドを夢見て、必死に猫を演じてるだけなのでしょうか。
「演技」にしては猫用の餌を食べたり猫用のオモチャを飲み込もうとしたり…。
お風呂を嫌がるシーンでも、「身体の傷を見られたくないから」という人間としての感情で嫌がっているのかと思いきや
見られた後もなおお風呂に威嚇し拒んでいます。
この辺の描写、演技にしては真に迫りすぎでは。

猫レンタルの目的は美人局なので、だったら↑のような
徹底した猫の演技は必要ないはずでは…?と思い
最後までよくわかりませんでした。

タマにとって主人公だけが、自分から何も搾取しない安心できる存在だったということなのでしょうが
であれば他のレンタル先で酷い目にあってる描写を入れて
主人公の真っ当さを際立たせて欲しかったなと。
また、主人公の方もずっとタマを猫扱いしていたので
タマと会話を試みたり人間用のご飯を与えたりしてみて欲しかったですし
タマをお風呂に入れたあと裸のタマを温めるシーンで、
作中では耳と尻尾を付けたままでしたがあそこは外して欲しかった。
猫のタマにも人間の青にも変わらない愛情が注げるんだ、というところを予め見せて欲しかったです。

世の中の汚いもの全て啜って生きてきたような青(タマ)が、主人公とは最後までプラトニック。
スキンシップも触れるだけのキスまで。
主人公はタマにときめきこそするものの性愛を向けることは一切ありません。
飼い主と飼い猫の間にあるものは家族愛だと思いますが、
まさにそんな感じの無償の愛を感じられるストーリーでした。

好レビューに惹かれ購入したのですが

この作家さんの「なつめさんは開発かれたい」が面白かったので作家買いしたのですが、
正直Amazon等で好意的に書かれているレビューの内容とは全く違う感想を持ちました。

読者目線で、攻のことを全く好きになれないんです。
まず、恋人でもない受に対して素面でいきなり下半身を擦り付けてくるのが怖いし
(後に、元々攻が受に思いを寄せていたという回想シーンがありますが、それでも距離の詰め方がバグってます)

特に話の終盤で職場の同僚に二人の関係がバレそうになり
誤魔化すために攻が受に対し酷いことを言ってしまう…という展開があるのですが、
この失言をした後の攻の言い訳が
「バレたらまずいと思ってわざとキツく言った」なんです。
その後「急でびっくりして言葉選べなくて」と言い訳が続きますが、
個人的にはなんじゃそりゃ!!と思いました。

例えば、攻自身が必死にゲイであることを隠してる描写があったり
実はあがり症でアドリブに弱く失言が出やすい性格なのであれば
上記の発言が咄嗟に出てしまうのも納得行くんですが
別にそういうわけじゃないし。
「あれは本心じゃない」といくら言い訳しても、納得させるだけの描写が足りないので口先だけの謝罪にしか見えません。

しかもその後、受を一人で帰しておきながら鬼電し、
謝罪よりも先に「電話出て」のメッセージ。
読者である私はこの辺でだいぶあれ?なんかこいつ(攻)嫌なんだけど…という思いが湧いてます。

(メッセージの続きで攻が「今家ですか?」「行きます」と送ってくるんですが、
このメッセージを送りながら実は受の家のドアの前に立っている、とかなら
まだ誠実さとか必死さが感じられるました)

数日後、休憩室で鉢合わせした受に対しても
攻は謝りもせず開口一番「避けないでよ」です。
反省してるんですか?この人。なんで被害者目線?
まじで反省は口先だけか?態度に表れてないんだが?

作者さんは攻を「年下だけどイケメンでスマートで余裕のあるスーパーダーリン」風に描きたいのかもしれませんが、
攻の言動から気配りの出来なさや余裕の無さ、他責思考が見てとれます。

それを攻自身が自覚して「余裕ぶってるけどやっぱり年下なんだな」と
受が大人の包容力で受け入れる、というオチになるのならまだわかるんですが
攻がそんな自分を顧みることもしおらしくなることも一切ないまま
受がはわはわしながら強引な年下彼氏に抱かれて終わります。

ええ…待ってよ…。

個人的に、あの失言のシーンは
受側が「こんなオジさん、相手にされるわけないでしょ」と自虐してしまい
攻が咄嗟にフォロー出来ず同意してしまう…のほうがまだ良かったです。
攻側がただただうっかり失言してしまって大したフォローもせず
あまつさえ同僚に逆ギレ。
受は確かに可愛いのですが、あんな攻を選ぶ受には全く共感出来ませんでした。