ケンタウロス。
イギリスの某魔法学校の童話くらいでしか、その存在を認識したことはなかった。
ML(BL)ジャンルとコラボするとこんなにも存在感のある芸術作品になるのか!と目から鱗。
それも著者のえすとえむさんの力量の高さがあればこそ、一つの作品として仕上がっているのかもしれない。。
かの人の初期の作品は何となくbassoに似たものを感じていたが、
最近はそんなこともなく、
むしろこのマンガで近年のBL作品の中から一つ頭飛び抜けたような印象を受ける。
まさに「アタマ」勝ちである。
読中の空気感、イラスト、ストーリー全てにおいて素晴らしい。
現在、もう一冊「はたらけ、ケンタウロス!」も他社から刊行されているが、それもおすすめ。
そちらは笑い多めの作品である。
表紙買いした一冊です。
ただ、表紙の絵でのみ中身の感じを決めてしまうと、
読み始めたときに抵抗感を感じることもあるかもしれません。
筋肉描写が激しい感じのお話ですので、それさえクリアできる方にはとってもオススメです!
設定は、「年下の元ボクサーで便利屋×年上バーテンダー」で一冊が完結しています。
好みのはっきり分かれる絵だとは思いますが、
ストーリーと絵がとってもマッチしていて、読みやすいです。
さて、以下、評価と感想です。
■一言で言うと・・・
『表紙も物語の一部な作品』
■絵:★★★★★
一度好きになるとやみつきになる絵です。
とっても筋肉です。
そして、結構、露骨です。
しかし、何となく筋肉系が苦手程度の方は、この一冊を読めば、きっと筋肉好きになるはず(笑)
■ストーリー:★★★★★
悲しみと喜びが良いバランスで入っている作品だと思います。
読んでいる最中の先が予想できない感じがたまりません。
そして、最後にはきちんと読み手の感情移入を救いとってくれる展開なので、
たった一冊なのに大きな満足感が得られます。
メインの作品に「アラビアンナイト」を意識した導入的な描写が入るのですが、
これがまた良い味を出しています。
読後感がとにかく最高。
男でと男ではなく、漢と漢。
「10年後のシルバーラブ」、ぜひ読んでみたい作品です。
■読者として向いていると思われる方
筋肉好きで、漢好きな方、もしくは、そういう系に抵抗を感じない方。
抽象的ですが、どっしりとしたお話が好きな方。
ML好きな方。
■読者として向いていないと思われる方
骨太で、露骨な絵が苦手な方。
ストーリーより絵重視で、かつ可愛い系のまさにBLを好む方。
待望の最新刊です。
この3巻のために、書店前で開店を待ちました。
仕事場の近くの書店はどこもビジネス書が豊富でもちろんBLなんて。
でも、少しの望みをかけて行ってみたら、たった一冊だけの入荷分は「お取り置き」だと断られ!?
もう一つの個人経営の古い書店に駄目でもともと行ってみてやっと見つけました!
しかも、たった一冊。
無事にゲット。
朝からテンションが上がって、会社で朝ごはん食べながら読みふける自分(仕事しろ)。
本当は、終了したお話しかレビューしないつもりでした。
でも、やはりとっても面白いので書こうと思います。
以下、感想を(評価&「神」にするのはすべてが終わってからにしたいと思います)。
読後感は、「また続くか!!!」です。
これは、嬉しい悲鳴&待つこの身のつらさを思って出た感情。
今回のお話はちょっとシリアスでした。
設定は「建築家×型枠工(土建屋)」です。
この攻めで生粋のゲイの建築家がなかなか笑わしてくれまして。
「かに道楽で座椅子を引く男」 と作中でも評されている通り、外面良し男で、気障なことが大好きなの男なのです。
しかし、今回の巻では、それも鳴りを潜めて、受けの初めての男の出現に苦しむ「アンニュイな男」に様変わり。
そして鼻水たらしてよく泣きます。
そこがまた良いのですけども。
んでもって、苦しむ男にさらに追い討ちをかけるかのごとくのアクシデント。
どうなるんだ!
解決するのか!?待て次巻!
そんな展開です。
アクシデントはまぁよくありがちなものではありますが、
このお話でこう来るとどうなるのかしらとワクワクドキドキしています。
まさかこういう方向に行くとは思っていませんでした。
基本的に漫画は単行本になってからしか読まないのですが、今の連載が気になってしょうがありません。
早く出てくれ!そう思う、昨日と今日です。
鹿乃先生は魅せてくれる作家さんだと思います。
漫画自体は、「P.B.B」から読むようになりました。
今は、そちらより「Punch!」シリーズが断然、好きになっています。
このシリーズは、これまた受けの型枠工が男らしくてエロくてオススメです。
一つのカップルで両方を楽しめる作品はそうないと思いますので、
まだの方はぜひ1巻から読んでみて下さいませ。
3巻をその方が断然楽しめると思います。
この作品と出会ったのは、ちょうど2008年に出版された直後でした。
阿部先生の前作「制服のためのラブソング」をとっても気に入りまして、
次作品の発売を心待ちにしていた矢先のこと。
見つけたときは、余計に嬉しかったのを今でも覚えています。
さて、このお話ですが、書下ろしの作品「愛だなんだというまえに」がもう私的にかなりツボです。
何がというと、何から何までと言いましょうか(身もふたもなし)。
物語は、元ヤンキーで元美容師のとある男が庭付き一戸建ての古家に引っ越してくるところから始まります。
その家の縁側でくつろいでいる不法侵入なガリガリ少年。
彼は中学生なのですが、家庭にも学校にも居場所がなく、空き家だったその家に逃げてきていたのです。
そうとは知らず初めは追い出す男。
でも、人情はあるので何か気になってしまう。
そんなやりとりから二人の交流が始まって最後には・・・、というお話です。
以下、評価と感想です。
■一言で言うと・・・
『とにかく一度は読んでみてほしい作品』
■絵:★★★★★
かなり好みです。
ぶっちゃけますと、最近の絵よりは、前述の前作からこの作品までの絵が一番丁寧で好きです。
あと、阿部先生が描かれる猫がこれまた、ぶさいく可愛くて好きです。
■ストーリー:★★★★☆(萌え度は★★★★★)
緻密かと言われると、そういう類の話ではありません。
メインの二人の関係性と「こころの交流」、少年の成(性)長を楽しんで欲しい作品です。
作中の「俺の趣味は貯金と家庭菜園だ。(略)・・・お前を育てること」というセリフにはかなりグッと来ました。
■読者として向いていると思う方
「読者として向いていないと思う方」以外の方。
■読者として向いていないと思う方
攻め・受けは年功序列で決まる方。
受けは絶対可愛くなきゃ!な方。
話の流れに哀愁漂う緻密さを好む方。
絵と設定に惹かれてお買い上げしました。
メインの話は、「イケメン御曹司×淫乱サラリーマン」という王道設定です。
こういう設定は、日々の疲れをBLで癒そうとする私のような読者にとっては有難いです。
ある種の安心感が持てるからです。
さて、以下、肝心の評価と感想を書きたいと思います。
■一言で言うと・・・
「絵のうまさとストーリーがうまく漫画としての相乗効果を生んでいない作品」
■絵:★★★★☆
好みはあるかと思いますが、あっさりした絵でお上手だと思います。
■ストーリー:★★☆☆☆
絵のあっさりさに似て、話が大変あっさりです。
話の構成要素である、御曹司の金持ちゆえの苦悩の精神描写もとってもあっさりしています。
御曹司が出てくる漫画にはよくある「お見合いイベント」の描写もとってもあっさりしています。
要は、中身があまりありません。
■読者として向いている方
「男と男の肉体的絡みが好物だ」というエロ重視の方。
難しいことは考えずに、ただBLを読みたい方。
■読者として向いていない方
「男と男の心理描写や駆け引きなどが好物だ」というストーリー重視の方。
以下の作家を好んでいる方。
(山田ユギさん、円陣闇丸さん、木原音瀬さん、榎田尤利さんなど)