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このシリーズを本格的に好きになったきっかけ

恋インはずっと「みんな可愛いわ〜」って感じで、笑えるエロが読みたいって時にかなりゆるく楽しんでたんですが、
この巻がきっかけで「ゆるく萌えてる作品」から「大好きな作品」に変わりました。

3巻で深津について軽く掘り下げられた時、何て可愛い子だろうと思いました。
ボロ家に一人帰宅し、温めた味噌汁を啜りながら、寂しさでしゅんとする。
しかも超美人で強気な感じなのに、極貧が理由で未経験…。
えっ…やだちょっと…可愛い…極貧になった理由も健気すぎる…って思ったのに、武笠の武笠が非常識過ぎて喧嘩するシーンで3巻の武笠×深津は終わり。
嘘でしょ?!ってなって、何の迷いもなく4巻を買ってしまいました。丹下先生、続きが気になる仕様にするのがお上手…。

そしてわくわくしながら読んだ4巻ですけど、もう本当に期待を裏切られませんでした。
小松菜が40円で買えた!って喜んでる深津が可愛いにも程がある。
終始とにかく深津が健気で不憫で可愛いのはもちろんのこと、
深津をビッチだと誤解して冷たい態度を取る→誤解が溶けた後は溺愛 になる武笠の変化にもぐっときました。
借金の額が出てきた時には思わず目を見開いたんですが、その後のシーンがもう…!そういうのもっとちょうだいって言いたくなるぐらい大好きな展開。
そして噂の「はあはあはあはあはあはあはあはあ」には笑いました。気持ちは分かる

すごく気持ち悪い言い方になってしまうんですが、思わず守ってあげたくなるような健気さと不憫さのある強気美人受けと、その受けを全力で包み込む王子様ポジションの攻め(王子様というには深津が未経験と発覚した時の暴走ぶりがアレですけどw)が好きって方には本当におすすめしたい作品になりました。

本気で腰を据えて読まないと理解出来なかった

理解出来なかったのは話の内容ではありません。
この作品の魅力が、です。

とりあえず人気作品だからと飛びついて読みましたが、初見時の率直な感想は「だめだ、分からない…」でした。
面白さが全然分からない。なまじ話の内容自体はちゃんと分かるだけに、「どういう話なのかは分かったけど、この話の何が面白いんだろう…」と思ってしまったのが正直なところでして。

でも凄まじい人気作だから、度々話題になったりしてますよね。その度に1巻を読み返しては「やっぱり分からん…」となっていました。
悔しかったです、本当に。大人気作だし、ファンがめちゃくちゃ多いからファン仲間も作りやすそうだし、二次創作だって結構な数ある。こんなに多くの人を魅了してる作品なのに、その魅力を理解出来ないのが悔しくて悔しくて仕方なかったです。

そんなある日、私は目の手術をしまして、「目は使ってもいいけどあんまりキョロキョロ動かさないでね。ゆっくり動かしてね」と言われました。
やることを全て終えてしまって暇だなーでも動画とかゲームとかは駄目だろうしなーと思ってた時に「内容を知ってる漫画ならゆっくり読んでもストレスにならないよね、続きが気になったりしないし」と考え、その時再び手が伸びたのが「囀る」の1巻だったんです。

いやー、ほんと…一体今までどれだけ雑に読んでたんだ?って感じでした。わたし的にはちゃんと読んでたつもりだったんですよ?
でも、一コマ一コマをじっくりゆっくり読み進めると、あー、はいはい、なるほどね、これがこの作品の魅力ね、っていうことがじわじわ伝わってきました。
矢代さんと百目鬼の心情が、じっくり読み進めることでこんなにも伝わってくるとは思いもしなかったです。視線ひとつにすらこだわりを感じると言いますか、これって意図的に作られているのでしょうか?はぁー、凄いなー、ってめちゃくちゃ感銘を受けました。

残念ながら魅力を理解した上でも「好みとは異なる」というのが本音ではあります。これはもう私自身の問題ですね。劇的な展開が好きか淡々とした展開が好きか、とかそんな話です。だけど、これだけ高い評価をつけられている理由はとてもよく分かったので神評価です。

私みたいに魅力をすぐ理解出来ない人って珍しいのかな、珍しいからこれだけ高く評価されているんだろうなと思いますが…もし私と似た感想を持ってる方がいたら、是非一度じっくりゆっくり読んで欲しいなと思います。

初めての座裏屋蘭丸さんがこの作品でよかった!

すごく人気のある方ということは知っていたんですが、一度も手に取ったことはありませんでした。
というのも、私が受けに求めるのが「美人」とか「クールビューティー」とか「長髪」とかなので、座裏屋蘭丸さんの作風とは真逆だったんですよね。(特にリカー&シガレットは「そっちが攻めかぁ〜…!」って思ってしまった…笑)
でも「短編集なら一つぐらい刺さる作品があるんじゃないかな、絵がすごく好みだし一度読みたいな」と思ってこの作品を手に取りました。

いや、本当に良かった!!
受けが私の好みと異なるっていうのは確かにそうなんですけど、シナリオが良いからか…不思議とものすごく萌えました。自分でもびっくりしています。
特に表題作がとても刺さった!二人の心情がすごく丁寧に描かれていて、特に受けにすごく感情移入させられました。エッチシーンも評判通り超色っぽく、評価の高さにも納得です。
自分の好みとは異なる受けなのにこんなに萌えたので、受けの設定が超好み!という方はマストバイだと思います。

この作品がきっかけでリカー&シガレットも購入しましたが、「そっちが受けかぁ〜…!」とほざいていた過去の自分をビンタしに行きたくなるぐらい良かったし萌えました。確かにこの作品で逆カプやリバは無いな、と納得させられるキャラ像で、魅力的なキャラを作るのがすごく上手い方なのだなと。

短髪はマジで地雷です、絶対見れないです、見たら手が震えます、という方じゃないなら強くおすすめ出来る作品です。

率直に「そっかぁ〜…」と

1〜3巻までまとめて読みました。
評判通りの素晴らしい作画と読者をグイグイ引き込むストーリー、確かにこれは話題になる!と感銘を受けました。
BLがメインというよりはBL要素があるファンタジー、という感じで、イチャイチャエロエロしまくれよ!という方には物足りないかと思いますが、私的には「むしろ萌えが加速するのでウェルカム!!」という感じで全然良かったです。

ただ、既にご指摘がある通り、この巻で某有名漫画にかなり酷似している部分があって、そこが本当に引っかかってしまいました。そのレビューを拝読する前に本編を読んだ私でもそう感じたので、やっぱり似てると思う人は少なくないんだなと。素直に楽しめなくなってしまった…というのが本音です。
どの漫画にも全く似ていない作品を出すなんて不可能に近いです。何かキャラ設定被ってるな…何か似たような展開だな…と感じたことは何度もあります。
ですが、この作品では殊更引っかかってしまいました。期待値の高さもあったと思います。

賛否分かれる現代要素については全然良いんです。善し悪しというより好みの問題だと思うし、否定的な意見も分かりますが私は全く抵抗ありませんでした。

あと、一つフォローしたい点として、一応一巻から外の世界を示唆する伏線はありました。「もしかしたら世界のどこかに安住の地があるんじゃないか」という台詞などが恐らくそうだと思います。
ただ、だからといってそこから現代を想定することはしないかなぁ、とも思います。
私はこのような伏線があったことで、ああ一巻から某作品に寄せていくつもりだったのだろうか…と逆に悲しくなってしまったくちです。
何もパクりだと言いたいわけではありません。あくまで引っかかってしまっただけで…ただ、改めて読み返してみても…やっぱり似てるなぁ、うーん…ってなってしまいました。

2巻までが大変良かっただけに、残念…というより、悲しい気持ちが強かったです。

「BLとかエロくてナンボでしょ」という価値観をぶち壊された作品

本当に大好きな作品なんですが、
ものすごく重厚な物語に対してとんでもなく深いレビューをされている方がたくさんいらっしゃって
頭の悪い文章しか書けない私が今更レビューするのもなぁ、と思っていました。

が、「最近BLのエロに慣れたせいでそういうシーンでドキドキしなくなっちゃったんだよね」と言っていた友人に
私もエロ重視だけどこの作品は本当にドキドキしたよ、おすすめ!と勧めてみたら
「マジで久しぶりにときめいた…」と嬉しい返事が来まして、
そういう観点でレビューするのも有りかなと思った次第です。

皆様のレビューにある通り、シナリオがとにかく重厚で濃密。この世界観でこのキャラクターたちが毎晩盛ってセックスに突入…なんてするわけもなく、徹頭徹尾エロは少ないです。ほとんど二人が触れ合わない巻もあります。

ですが…そのシナリオ故なのか、キャラクター故なのか。明確な理由は分かりませんが、些細なキスシーンや触れ合いだけで本っ当にドキドキさせられます。
何というか、超清楚系で露出なんて一切しません!みたいな女の子がちょっとだけ胸元開けてたりしたら、それだけで「見てはいけないものを見ちゃった…!」みたいになるじゃないですか。イメージとしてはそんな感じです。

たとえば、お互い抱きしめ合いながらキスをする。舌を絡め合う。こういうシーンはBLではありふれており、特別エロい行動ではありません。なのに、それらの行動一つ一つに互いの感情が籠っていて、どこを切り取っても色っぽい。
エロいからドキドキした、ではないです。恋をした時のドキドキに近かった。恋をした瞬間って、その人の一挙手一投足全てにときめくし、些細なことで色気を感じてドキッとするじゃないですか。私にとってはそういう感覚でした。
キスしかしていないシーンで「あわわ…っ」ってなった作品は本当に初めてです。
この巻に入っている話ではないのですが、物語中盤で桂木が初めてフ〇ラをしたシーンなんて本気で心臓が爆発するかと思いました。ほんの数コマです。濃厚に描かれているわけでもありません。なのに初めてエロ本を読んだ小学生男子みたいに「うわ、うわ、舌が…桂木の舌が、うわ…」なんて思ったりして、何度そのシーンを読み返したことか…。

ああそうか、これが「萌え」かと。
まだ子供だった頃に目覚めて以来何冊もBLを読み、すっかり慣れ切っていましたが、そんな私が久しぶりに「萌え」を感じたのがこの作品でした。

あまりの色気にどうしようもなくときめいて、くらくらさせられました。
確かに近づいているはずなのに完全なゼロ距離にならない二人に悶絶させられて、
最後には本当に美しいエンディングを迎えて…。
BL作品なのに、ほとんど恋と等しい感情を抱いた作品でした。

最近のエロ食傷気味なんだよね、とか
エロ度少なめ?ないないww とか
そう思ってる方にこそ読んで欲しい作品かもしれません。