あらすじに惹かれて購入しました。
仕事のできるかっこいい男が、実はトラウマやコンプレックスを抱えていて、素敵な相手と出会い、解きほぐされていく過程が丁寧に描かれていてすごく良かったです。
既にゲイの自覚がある者同士が、ゲイバーで知り合う展開大好きです。
秋文が本当に真面目で、辛い事があっても言い訳せず、そのたびに傷ついていく様が可哀想で、どうか幸せになってほしいと願いながら読み進めました。
人それぞれに違う世界があって、他人の世界も自分と同じだと、そう思い込んでしまうのは怖い事だと茜と同じように感じました。
茜もたくさん傷ついてきて、そして本当に優しくて、優しい茜の、超えてはいけないラインを秋文が超えてしまった時の拒絶の冷たさが痛いくらいで、優しい人を怒らせてしまった時の取り返しのつかない感じがリアルでした。
お互いに分かり合えたときには万感の思いで、何度も読み返してしまいました。
自分を押し殺してしまう秋文が、もっともっと茜に心を許して、柔らかくなっていく様が見たいな、と思いました。
この作品が2015年のリンクス初出だった事に驚いたのですが、出版され、出会えた事に感謝したいです。
戸田先生の他の作品も、作家買いしてみようと思います。
麻生先生の挿絵も本当に素敵で、秋文と茜はもちろん、クロマツが可愛すぎて悶えました。
カバーイラストがとっても素敵で、特に表情が好みすぎて引き寄せられました。
読んでいて新鮮に感じたのは、受けの徹も攻めの泉輝も、男同士であるという事や、相手が自分に好意をもっているかどうかという事について悩まない所です。かなり最初のうちからお互いを好き合っているので、主題である(?)SMの部分に集中できました。
SM作品はあまり読んだ事がないですが、痛々しくて可哀想に感じるものは見ていられないので、泉輝と徹の関係は愛が感じられて良かったです。
攻めの泉輝は時折ゾクッとするほどサディスティックな表情を見せますが、同時に徹が望まない事はしない、徹が拒絶するならば自分の性癖を抑え込んでもいいという覚悟を持っています。
徹の事をよくジーッと観察していて、そんな泉輝が可愛いです。
徹が嫌がっていないか、ちゃんと感じているかをいつも確認しているところが健気で、読んでいて愛おしく感じました。
受けの徹はピュアで可愛くて、痛いのは苦手なのに泉輝の為にマゾになろうとするところが、こちらもかなり健気だなと思いました。
泉輝への好意がダダ漏れで、元気な可愛い系と思いきや、開発されるごとに表情がどんどん色っぽくなっていくのでたまらないです。
泉輝に虐められた後、キスしてほしがったり褒められたがる徹が超絶かわいいです。
徹がなぜ他人の思考を読めるのかについてや、お互いを恋愛対象として好きになったきっかけなどの説明はありませんが、そこはそんなに気になる事なく読めました。
お互い愛し合っているのはヒシヒシと伝わってくるので、相性が良かったのだろうなぁ、と思います。(心も体も)
乳首ピアスに対する泉輝の執念が最初から最後まですごいです。いつのまにか最後の方で貫通していましたが、少ししか見られず残念だったので、この2人の乳首ピアスに関するエピソードをもっと読みたいです!
「眠り男と恋男」「太陽と秘密」はPINK GOLDで読んでいましたが、ほかの作品は初めて読むものでした。
私は「眠り男と恋男」がとにかく大好きで、この作品を読んだ時から座裏屋先生のファンです。
コミックスとして発売される事を願っていたので、すごく嬉しいです。
ただ、他の方もレビューで仰られている通り、修正がすごいです。
丸々白抜きなので、PINK GOLD版と比べて読んでみるともったいないなぁと思います。
しかしそれを差し引いても、ストーリーにも絵にも魅力があふれていますし、萌えも満載なので読後の満足感があります。
すごくおすすめの作品です!
そういえばジュードはずっと茶髪だと思っていましたが、表紙を見ると金髪だったので意外でした。
電子書籍で拝読しました。
2000年の作品と98年の作品が収録されています。
所々昔っぽさを感じつつも、絵も内容も魅力があってすごく楽しめました。
少女漫画っぽい絵柄ですね。
恋愛ジャンキー
意地っ張り×クーデレ?
かっこいい子が受けるのが大好きなので、途中で受け攻め交代したのは嬉しかったです。
最初はアツシの方が大人っぽかったのが、ハルキが受けから攻めに羽化(笑)してからは逆転していました。
攻めになったハルキは包容力ありそうです。
本編その後は、リバでも固定でもどっちもいけそうな気がしました。
かなり好きな話です。
Shadow
心と身体に傷を持つ幼なじみものでした。
お互いに想い合っていて、お互いに過去の負い目がある複雑な二人。
子供の頃病弱だったアラタが元気に大きく育って、元気な子供だったヨシキはある後遺症を抱えている。
ヨシキが基本的に明るいのでそんなに暗い話ではなかったです。
お互いに抱えていたものを知って、これからはもっと仲良く幸せでいてほしい二人です。
そういえばボクシング部のマネージャー、あんなとんでもないマネージャーがいたら嫌だな(笑)
二作とも繊細で心に響く素敵な話でした。
それと二作とも途中で立場の逆転がありますね。
エロ度はかなり高かったです。
他の作品も是非読んでみたいと思います。
イラストと作家買いしました。
クラス内ピラミッドの底辺に属する平良と、頂点に属する清居の不思議で興味深い関係の話。
あらすじに「無口で友達がいない」とあっても、イラストを見て平良は周りから距離をおかれるようには見えないな、と思っていましたが吃音にまつわるエピソードで納得がいきました。
平良も清居も、どんな子供時代を過ごしてきたかがそれぞれの生き方に反映されていますね。
作品は四編に分かれていて、特に平良視点の小学校から高校卒業までの「美しい彼」は、クラス内カーストやいじめの描写がリアルで陰鬱な印象です。
ただ、平良が卑屈ながらも自分にとってのキング、清居の下僕である事を積極的に受け入れて喜びを感じているせいか、読んでいて悲しい気分にはなりませんでした。
平良の生活の中心は清居で、頂点グループからの普通ならば耐え難いであろうパシリ扱いも、清居の為だと思えば平気。
犬といえば犬ですがワンコ攻めというのはしっくり来ず、後に清居視点でファン体質と形容されていて確かにと思いました。
想い合っているはずなのに、お互い意図を察しようとせず、平良が清居を神聖視し過ぎているせいもあって噛み合わない二人は面白かったです。
あまり萌えは感じませんでしたが、清居視点を読んで何を考えているか分かってからは、清居がすごく可愛かったです。
序盤の孤高の姿と終盤のアタフタさは別人みたいでした(笑)
別人といえば平良は、セックスが手慣れた感じで少し違和感を覚えたり(笑)
最初は平良の愛が重いかなと感じましたが、なんだかんだ清居の愛もけっこう重そうな感じなのでお似合いな二人です。
はらだ先生の「教室の歪み」のみ、「変愛」を先に読んでいたので既読でした。
今まで知らなかった先生の作品が思いがけず好みだったりして、嬉しい出会いがいくつかありました。
特に好きな話が3作品あるので、それについて書きます。
「オレはかわいい弟と」高久尚子
高久先生の作品は「僕はすべてを知っている」しか知らず、こんなにエロエロなものが描ける方だったのかと衝撃でした。
そろそろ終わりかな?と思うと更にエロがあり、すごく満足度の高い話でした。
近親ものは好きではないんですが、絵も話もふんわりしていて嫌悪感がなかったです。
それでも小四と小三からはすごい(笑)
「裸族の花嫁 裸族村は刺激的だよ編」せら
ツッコミ所満載なギャグエロで、笑いながら読みました。
アナコンダからミチルを助けるロディのシーンが、かっこいいはずなのに股関が気になって仕方ないです(笑)
エロシーンもモブカップルの存在感がすごくて、名前も知らないキャラ達なのにメインカップルよりそっちの方が気になりました(笑)
「眠り男と恋男」座裏屋蘭丸
こんなに気持ち良さそうなエロシーンは初めて見ました。
挿入の角度がリアルな感じがします。表情も良いです。
ストーリーもとても面白くて、一番のお気に入りになりました。
続きが読みたい作品です。何度も読み返しています。
お仕事BLとしても三角関係ものとしても面白かったです。
終盤までどちらとくっつくのか分かりませんでした。
答えを知ってから読み返すのも楽しいです。
攻め二人は見た目も中身もそれぞれタイプの違う良い男達です。
どちらと結ばれてもおかしくないとは思いつつ、「この人とくっつかないかなー」と期待しながら読みました(笑)
受けの後藤は、表紙を見た段階ではパッとしないタイプかと思いましたが、考えてみれば二人の美男から想いを寄せられる訳で、それだけ魅力的という事ですよね。
自分の意思をはっきり持っていて、可愛げもあって、好感が持てました。
新商品のパン開発の様子は、読んでいてパンが食べたくなります。
鳩村先生のお書きになる働く人達はすごく素敵ですね。
先が気になるタイミングで話が終わっているので、数年後の二人の話が読みたいです。
読後あとがきを拝見しまして、「Home,sweet home.」という作品のスピンオフだったのですね。
上記作品は拝読していませんが、この本単体でも問題なく楽しめました。
たくさんのいい男と遊びたい、一人を愛するなんて柄じゃない藤沢と、普段は王子様キャラで、藤沢の前では天然ぽわぽわ系の白石。
序盤は白石が藤沢にちょっかいをかけられ振り回されますが、よくある強引さに負けて寝てしまう展開ではなく自分の意思で寝るところが新鮮でした。
白石が自分をゲイだと認めたくないうちは藤沢優勢で、このまま藤沢のペースでいくのかと思いきや早いうちに形成逆転(笑)
白石は物事を割り切ると強いみたいです。
浮気を許容しようとしたり遊び人になって経験を積もうとしたり、度々妄想の世界にとんでいったり面白い子でした。
天然ぽわぽわな妄想家の印象が強かったので、藤沢以外と接する時の王子様っぷりをもっと見たかったです。
天然キャラはそんなに好きではないんですが、遊び人が一人に夢中になる話は好きなので楽しく読めました。
一穂先生の作品とは相性が悪いのですが、フルール文庫の作品だと何故か相性が良いので不思議です。
同じシリーズだからかな。
前作は、奇を衒った内容ではないのに今までに読んだ事のないBLだと感じ衝撃を受けたのですが、今作はジワジワと染み渡る感覚でした。
柊の魅力によるものでしょうか、前作以上に今作が好きです。
とにかく柊に魅了されました。森そのものみたいな子ですね。マイナスイオンを放っていそうです。
整への負い目や後悔で頑なだった和章が、自分で自分を幸せに出来るようになるのも良かったです。
それから、柊の祖父がとても素敵でした。
今作を読んで、花の咲かない季節の木々にも注目したくなりました。
ヒイラギモクセイや抗火石のガラスも検索してみました。
「ナイトガーデンシリーズ」は、整が見たら何をイメージして作ったのかバレてしまいそうですね(笑)
竹美家らら先生のイラストもピッタリで、相乗効果で素敵な作品でした。
スラスラ読めるのに中身がスカスカという事もなく、萌えもたくさんあって、幸せな読後感の作品でした。
二人の想いが通じ合うまでに大きな障害があるわけではなく、ちょっとした空回りの末に割と早くに結ばれるのですが、その空回りが面白くてニヤニヤでした。
お仕事関係で大変な事はあっても二人の関係は安定していて、安心して読めます。
しっかり愛しあっているカップルの話が好きな方にオススメです。
ディアプラス文庫さんは、「愛の一筆書き」も最初からくっついているカップルの話でしたよね。
くっつくまでをハラハラ見守るのも良いですが、くっついた後の愛しあう二人を見守るのがすごく好きなので、こういう作品がもっと増えて欲しいです。