完結おめでとうございます
1-4巻まとめた感想です。
言葉もろくに喋れずまさに言葉通りのバケモノだった“べな”が壱にご飯と名前を貰ってから特別な感情を抱くようになり、その感情が何かも分からぬまま言葉を学び、人を(壱を)大切にすることを学んでいく...壱もべなと出会ってから自分を大切にすることに気付かされます。このふたりの関係性に男同士であること、人間と鬼という差があることは関係ありません。見世物小屋で出会ったのは間違いなく運命でしょう。
お話の中で2人を邪魔したり乱暴を働くもの、偏見の目を向けるものもいますが話を読み進めていくとメインとなるキャラクター達は皆、敵のように見えても実は自分の大切なものを守りたいだけの、生きるのに不器用な者たちばかりなのです。みな一生懸命だからこそ空回りした時に周りとの歯車が上手く回らなくなってしまうだけなのです。読み進めている時はドキドキしたりモヤモヤすることもありましたが読み終えた頃にはキャラクター皆が愛おしく感じるようになりました。
壱の過去のこともあってか2人や、2人の周りの人間がが自分たちの性別に違和感を抱くような描写はほとんどありませんのでBLである必要はあるのか?と思う人もいるかもしれません。が、壱とべなの関係の間に性別など関係なく、そこにはただ2人がお互いを必要としお互いを愛しているという事実があるだけですのでそれ以上でもそれ以下でもありません。たまたま男同士だったというだけなのです
1巻では感情も制御できないバケモノだったべなが、4巻で「鬼の俺もここまで変わった、お前も変わりたいならー」と手を差し伸べるところ、普段は甘えたで泣き虫のべなが、あまりにもかっこよくてドキドキしました
全4巻、まだ読んでない方は少し手が出しにくいかもしれませんが本当に読む価値大ありの素敵な作品です。最後まで壱とべなのお話を見届けられて感無量です。
お初の先生です。1.2巻まとめての感想
これまでにないような、独特な世界観のファンタジー物語。登場人物それぞれが抱える“愛”かなり偏った愛情な感じがします。タイトルからしてハッピーな光のお話でないことは想像していましたが中身は想像を遥かに上回る様な重くて不器用で不完全な愛情を描いたお話でした。一応不明エンドと書かれているけど個人的にはハピエンなのかなと思います。
メインキャラの二人が旅する中でいろんな登場人(?)物と出会いますが、それぞれに色んな人生があって毎回悲しい気分になったり幸せな気分になったり、感情ジェットコースター状態で読みました。笑
たった2巻とは思えないくらいとても読み応えありました。