攻めは漫画でよく見るタイプの二面性腹黒イケメンなんですが、アメリカンサイコ野郎的な行動があり、
受けは仕事も人間関係も結構上手くいっている「オジサン」です。
そんな「オジサン」にイケメンの攻めがグイグイ迫っていくーーーというお話なんですが、
この「オジサン」な受けがなんだか好感が持てるんですよね。
小心、というか人並みに恐怖心とか劣等感とかあって、彼女への躊躇いだとか、攻めへの「理解不能でコワイ…」って躊躇いだとか、そういう普通の人っぽさが良い。
攻めへの恐怖心もあるのに、今までの攻めの外面も忘れられなくて何だかんだ攻めと一緒にいるのも危機感がガバな感じも読み手として「ソイツはマジで貴方を狙ってるんだから逃げなよ…」と突っ込みつつ笑ってしまいます。
また、攻めが現実にいたらあまり関わり合いになりたくないクズなのも面白いです。外面が完璧で、中身はやべぇ奴って結構漫画でよくあるタイプですが、
やべぇと言っても、暗黒微笑を浮かべながら受けを監禁したり、他者を洗脳したり、殺人も辞さないタイプのヤバさでもなく、
過剰暴行とか器物破損とかレベルの犯罪は犯しちゃう系の身内にいたらドン引きレベルのヤバさ、という感じ。
なのに受けはそんな攻めに羨望を頂いているのもおかしくて笑います。
攻めがまた謎多き男で、こちらがシリーズモノの1巻であるために「続きで他のネタバラシとかあるんだろうか…?」って感じで続刊にもつい手が伸びます。
なので、短巻がお好きな方や長編モノへの体力に不安がある方にはあまり向かないかもしれません。あとお財布がイマイチ厳しい方。
(私は後者なので現在少しだけ反省してます)
派手な事件が起きる割に、攻め受け二人とも日常生活を過ごしているので「攻めが受けを監禁」「受けが攻めの浮気を知って号泣しながら失踪」みたいな劇的な展開を期待される方にも向かないかもしれないです。
逆に「好感の持てる普通の人が受け」「そんな受けに執着してるイケメン」「現実にいたらあまり関わりたくないクズ攻め」がお好きな方にはおすすめです。
虫シリーズ、気になった巻だけツマみ読んでるんですが、このお話の世界観を受け入れないと終始ポカンとしてしまいがちです。特にこのお話とか。
なんか冒頭から薄幸の地味メン(受け)が、仲が良かったのに突然自分をフッた攻めが病気ってんで、それを治せるのは自分しかいないとか言うもんだからそれまでずっと会ってなかった攻めに今、会いに行きます……ってところから話が始まります。
そっから攻めがサ◯ヤ人化する病気(金髪になってやたらとキレやすくなる)で、治療法は受けとのセックス……ということで訳もわからぬままベッドイン。
キレやすくなってる攻めは、困惑気味の受けを有無も言わさず無理矢理抱き、何かあればキレ、受けが泣けばヘニャヘニャ、受けが他の男といればキレ散らかし、となんだか忙しい様子。
前半の受けは何も話が飲み込めていないので、終始「なんなん?」って感じで、それに対して攻めはキレ散らかしまくるので私も一緒に「なんなんなん???」って感じでした。
そっから名探偵◯ワロかよ、みたいなネタバラシが展開され、攻めが「俺は幸せにはなっちゃいけないんだ…!」とか面倒くさいことになりつつも二人は幸せなキスをしてハッピーエンド……。
まぁ、二人が幸せならそれでオッケーです。
とりあえずこのシリーズの癌は狂った大人で、そりゃあこんな大人の下で育ったらみんな狂わざるを得ないよね……みたいな話でした。
受けが白痴系と健気の合わせ技で泣かせるんですが、それよりも後半のネタバラシがちょっと馬鹿っぽくて涙が引っ込みました。
余談。
攻めがナイフみたいにキレやすいのは病気の所為、みたいな書かれ方してるんですが、BLの攻めって大体こういう面倒くさい拗らせ方してる攻めばっかなんで、ちょいちょい「キレやすいのは病気の所為」って台詞を見て「そういやそうだった…」とハッとすることが数回ありました。じゃあ病気でも無いのに、やたらとグジグジギャアギャア騒いでるBLの攻めって一体……いやでもこの攻めが普段菩薩系なのか……?ならなんかそういう菩薩要素を病気克服後に見たかったです。
全巻通して、登場人物全員カウンセリングにブチ込みたいなって思いました。
真野未直(モンタージュの受け)
他者(攻め・三田村)への依存心が強過ぎて読んでいて心配になりましたが、二巻以降からはやたらと落ち着いていて驚きました。
親兄弟から虐待を受けて精神的に参っていたけど今は保護者が居るので落ち着いたんだろうな、と納得しました。
三田村明義(モンタージュの攻め)
警察の人が未成年と淫行って大丈夫か?って不安になりました。よく考えたら受けは18歳以上でした。ギリセーフ?なんですかね?
名執真幸(スペクトルの受け)
出会い頭に攻めを強姦した犯罪者。10代の頃に親兄弟から酷い虐待を受けて精神的にとても不安定。
攻めの強姦時は計画的でもない通りすがりの犯行であったにも関わらず、前後不覚になるまで酔わせて拘束するなど慣れたもので、多分調べれば余罪が出てくると思います。
またスペクトルで攻めを強姦するだけでは飽き足らず、その後の巻では元彼に依存して元彼カップルの不和を招くなど非常に凶悪なメンヘラです。
インセンティブの受け(平田)に「俺ってば今カレを強姦したんだよね⭐︎」って犯罪自慢した時は(早く病院に入れなきゃ…)って思いました。
真野直隆(スペクトルの攻め)
多分人格障害があるんじゃないかな?って思うくらいには人間の心が無かったんですが、性犯罪の被害者になった途端にただの変人になっていました。モンタージュのモラハラクソ野郎は何処に行ったんでしょうか…。
何故あんなドドドメンヘラが好きなのかよく分かりませんでしたが、顔が死ぬほど好みだったのかもしれません。
日比谷敦伸(インセンティブの攻め)
自尊心を凹ませない程度に甘えさせろ、負担にならない程度に世話をさせて自尊心を煽らせろ、浮気を匂わせたら嫉妬しろ、まぁ兎にも角にも都合の良い存在でいろ。という現実で彼氏にしたら一週間くらいで胃に穴が空きそうなクソ野郎です。
受けに「なんでそんなに都合の良い存在なんだよ?!」ってキレてた割には「自尊心を傷付けない程度には世話させろ」って要求してたのもクソ度が高かったです。
ただ、仕事相手兼友人のメンヘラにプライベートも侵食されるなどのパワハラ被害を受けてたのは哀れでした。
平田和典(インセンティブの受け)
ダメンズウォーカーのマゾヒスト。
多分攻めが教祖とか詐欺師だったら真っ先にカモられてたと思います。本人はマゾヒストなので幸せそうです。
とんでもないメンヘラが彼氏にパワハラした挙句、それをきっかけに彼氏と喧嘩、最後にはメンヘラから犯罪自慢されてたのは気の毒だなぁと思いました。でもマゾヒストなので攻めともメンヘラとも縁は切らないみたいです。
名執真幸の義姉
義両親とドンパチしたいが為に虐待被害者の真幸を巻き込むやべぇ奴。
ファシネイション(今巻)の一番の癌なんじゃないかな?って思いました。真幸も酷いではあるんですが、多分こいつが一番やばいです。
例えるなら、他人の家に土足でやって来て、家主がやめろと言っても「私が好きでやってることだから!」と勝手に掃除しはじめ、定期的に「こんな生ゴミ出て来た!」「見て見てこっちにはこんな虫の集まりが!」「ほら見てこのおぞましいカビの塊!」と各種ゴミを鼻先に押し付けてくるような人です。
その自覚もあるらしく、嫌がる真幸本人に「お前をダシにして姑舅を殴りたいんだよね」的なことを言い出した時は本気でやばいサイコパスなんかなって思いました。
基本的に胸糞小説とかが読みたい人向けです。
スペクトルが「攻めザマァ系」と聞いてスカッとするつもりで読んでみたら登場人物が狂ってる系の胸糞小説なので驚きました。イヤミスとか好きなので別に良いんですが、BL小説として読むのは厳しいと思ったので「中立」評価です。
個人的にこのシリーズで一番嫌いな巻です。
受けの異常な家庭環境、クソみたいな攻め、メンヘラ真っ逆さまな受け、何から何まで気色が悪い。
CP的にはミントが(脇キャラがクソですが)好きで、それ以外はそれぞれ「この受けはクソだか」とか「この攻めはクソだか」とか「もう脇キャラが鬱陶しすぎるな」とか言いながらも読んだんですが、この巻だけは無理でした。
まず受けのメンヘラがすごいです。
これは異様な家庭環境が原因だとは思うので、同情の余地はありました。厨二病のまま大人になった可哀想なメンヘラなんだなぁ、と納得しました。
しかし攻め、テメーはダメだ。
最初の受けとのいざこざはまだ若さゆえ、で済ませられますが、猿でも分かりそうな決定的な失敗を犯し、それで発狂した受けを見て自分がしでかしたことの大きさを知り、その後罪悪感で何年も受けに付き纏い、最後は自分のメンヘラ加減を自覚して歩み寄る受けに「それじゃあ君はこの先どうしたいの?」
もうコイツなんなんだ?って感じでした。
メンヘラの受けに粘着しているところを見ると、多分精神的にはマトモではないのでしょうが、モラハラ臭さがすごいです。
受けを傷付けてしまい、謝罪を受け入れてもらえず、何年想い続けても叶わない。
確かに可哀想ですが、普通にストーカーです。
あと受けは早急にカウンセリングを受ける必要があるように思います。攻めのように「俺は謝ったし誠意を見せ続けた、それにお前だって悪かったんだから、誠意を見せろ。ん?謝ったら次はどうするんだ?ン?ンンー?」みたいな態度を取る奴といると精神を病むだけです。
恐らく共依存とかトラウマとかの関係で離れられなくなっている恐れがあるので距離を取って通院して欲しい。
そして受けの保護者(姉と義兄とその愛人)をまとめてボストンバッグに詰めて川に流したい。
クソみたいなメロドラマ演じる前に子供達を他所にやれ。子供にクソを見せるな……。
受け姉が後半に「攻め君と仲直りしなよ〜」と受けに説教をするシーンがあるんですが、ただでさえ自分の所為でクソ情緒不安定になってる弟のメンタルを穴ぼこ豆腐にした男と復縁させようとする神経に、読んでるだけでどうにかなりそうでした。
確かに受け姉も可哀想な生い立ちですが、子供に歪んだ家庭を押し付けるのは立派に虐待だと思います。「アタシも恋したぁい」とか言っている場合ではない。
受けが姉を指して「アイツは天使だ」って言ってるシーンがあるんですが、虐待児って本当に可哀想なんだなぁとしか思えませんでした。
多分受けは攻めと出会わなければただのメンヘラ、攻めは受けと出会わなければただのモラハラ野郎として一生を終えていたと思います。
でも出会ってしまったが故に、クソメンヘラとクソモラハラ野郎に育ってしまった哀れな共依存カップルと成り果てた感じしかしなくて「なぜ…どうして……」とぐるぐる考えてしまいました。
BLを読んでいるのか、家庭板を読んでいるのか、それとも複雑な家族ドラマを読んでいるのか、よく分からないお話でした。
色々あって腐ってた攻めと、そんな攻めを放っておけなくてつい構ってしまう過去ありの年上受け、という設定なんですが、崎谷先生の書くお話なので「やべぇ奴」が登場します。
なんなんでしょう、落ちこぼれがちょっとした出来事をきっかけに上手くヤレてしまい、謎の万能感を得て調子に乗ってしまった……という感じの事件が起きます。
おかげで攻め一家は10年近く家庭崩壊気味になるんですが、しかし何故こんなものをBLで……?という感想しかありません。
全くBLに集中出来ない……ここまでやべぇ奴をクローズアップする必要はあったのでしょうか……。
途中で攻めが受けの助けもあって立て直し、家族との関係を修復しようとするシーンもあるのですが、これも良い話なんですが、やっぱり主役CPを喰ってるなぁ……と感じました。
信号機シリーズは全部読んだんですが、それにしてもこの巻の脇キャラは本当に酷いです。
三行感想
> 殺人事件は添え物
> そんなことってある?
> 受けを病院に行かせてやってくれ
普通に感想
受「なんか最近、美少年になって掘られる夢見るんだよね〜〜〜意味不明過ぎて逆に気になる〜〜〜……って仕事先で出会った奴が夢の中の美少年クリソツやんけ!」
みたいなお話。
不思議な夢の真相は一体?!的なノリで読み進めましたが……個人的に微妙な落とし所のように感じました。
確かにここでそういう伏線があって、ここでそれっぽい所もあるし、それに……って読み返すと分かるんですが、記憶にも残らないような伏線が多く、伏線回収でよくある「アレがそうなるのか…!」的な驚きやカタルシスはあまり無かったように思います。
殺人事件も起き、それが受けの夢にも関わってくるんですが、結局その殺人事件のネタバラシ的なのも一緒に済ませてしまうし……。
やり方はともかくとして結構気味の悪い真相なのに、と勿体ない印象を覚えました。
真相とかミステリっぽさとか、全部取ってつけたような感じなので「タイトルになる程の淫夢の真相や如何に?」みたいな期待で読み始めると「そっか〜…」と不完全燃焼に終わる可能性があります。
あと謎解きが雑な印象を受けます。頭が良いとされる脇キャラの謎解きも「えぇ…」って感じてしまって……。
でも攻めの執着具合に関しては「気味悪いなぁ、コイツ」って思えました。「ヤンデレ」よりも「執着」と表現するのがピッタリな攻めだと思います。
個人的に気になった部分
受けが夢に悩まされまくって仕事に支障をきたしまくりだわ、長いこと気味の悪い目に遭ってるわで可哀想でした。
病院に行ってカウンセリングとか受けた方が良いと思います…
まとめ
謎解きとかミステリーとか期待せずに読むと良いと思います。お話としては個人的に微妙に思いましたが、薄ら寒い攻めが見れます。
三行感想
> ヘタレ攻め
> マゾ受け
> 脇キャラが濃ゆい
普通に感想
これは、過去のトラウマで妹のワガママを拒否れない受けが、妹を誘拐され「妹を返してほしければ学生時代にフッた攻めの婚約を妨害しろ」と言われる話です。
意味が分からないんですけど、まぁなんやかんや受けは攻めに嘘の告白をして婚約破棄させ、その後も惰性で攻めとの関係を続けます。
攻めには恋愛感情の無かった受けですが、攻めのSMちっくなプレイにハマってしまい……そっから攻めと別れたり妹と修羅場ったりしてなんやかんや脇キャラの助けもあって攻めと結ばれます。
個人的にはよく分からない話でした。
個人的に面白かったところ
とある人物が結構なことをやらかして目的を達成するのに、途中から「なんか思ってたんと違う…」って言ってリタイア宣言したのは笑いました。
まさかの◯◯の不一致が原因で…だと……?みたいな衝撃を受けました。ギャグならたまに見かけますが、シリアス系の話では珍しいと思います。
ここまで色々周りを巻き込んでお前……みたいな驚きで、つい最後まで読んでしまいました。
まとめ
サスペンス展開みたいなものがあると聞いて読みましたが、過度に期待し過ぎました。
ちょっとシリアスな執着攻めが読みたいな〜って軽い気持ちで読んだ方はオチを楽しめると思うんですが、「ゾッとする話が読みたい!」「サスペンスどんとこい!」みたいな方は肩透かしを喰らうと思います。
イカれたメンバー
① 親兄弟との◯ックスに焦がれて家出する主人公(受け)
② イカれた親父
③ イカれた兄貴
④ 自分のことを宝石と名乗る不審者
大体こんな感じのメンバーが絡んで、大体①と④がモブメンズと爛れた性生活を送ったのちに①が真実の愛に目覚めて「邪婬地獄で会いましょう」と別れの言葉を送ってジ・エンド。
何言ってんだ?って感じですが、私も何を言っているか分かりません。
なんでいきなり邪婬地獄で同窓会開くことになったのかは分かりませんが、兎にも角にも受けは真実の愛に目覚めるわけです。その間はなんかその辺にいるメンズを引っかけて性愛の坩堝をキメまくるのですが、色んな男に抱かれながら別の男の夢を見て「ワイの好きな相手はコイツやったんや!」って気付くっていう。
どのページ開いても大体濡れ場ばっかりで最初と最後ちょちょっと読めば事足りる感じの作りになってますが、個人的には冒頭のイカれ親父の戯言が好きなので、イカれた奴がお好きな方は是非お読みになってください。
ギャグ◯んが日和の「うおおーーー!!◯◯、うおおおおおおーーーーー!!」ってテンションなイカれた親父が見れます。性欲全開の言いがかりが凄いです。
サイコパスと騒がれている当て馬はただのヤンデレですが、その当て馬に粘着されてる受けが妙にDV被害者っぽくてしんどかったです。
幼い頃に両親を亡くして、友人の家で育てられて、いじめに遭って……とこんな幼少期送ってたら自尊心が傷付きまくってさぞ正常な判断力を低下させたんだろうなぁって思いました。当て馬がBLでよく見るヤンデレで、そのわりにはやることがいちいちねちっこいモラハラ野郎で……。
受けみたいに、虐待に慣れすぎて逃げられない人間はだれかが介入しないともう自力での脱出は難しいんですよね…。周りからすると「イイ歳して何でそんな奴にしがみついてるの?」「自尊心無いの?」って感じなんでしょうが、バキバキに居られてら仕方ないよなぁって……。こういう被害者は大体自己肯定感も低いので自虐的で、かえってドツボにはまるような選択をとったり、助けを拒んだりして…みたいなことを考えていたら萌えるどころではなかったです。
個人的にそんなに「攻めザマァ」感を覚えませんでした。確かに哀れっぽい感じの話なんですが、この攻めをザマァと笑うにはなんかちょっと躊躇われてしまって…。
あらすじと「ラプンツェル王子」というふざけたタイトルからして、読む人を地味に選ぶお話だと思います。
32歳の大の大人を捕まえて「ラプンツェル王子」ですからね。嫌な予感がした方は覚悟した方が良いです。
攻めは一言で「子供」です。
良く言えば少年のような男性で、真っ正直に言うならガキです。それなりに好意を寄せる相手に嘘をつき続けたり、試すようなことを言ったり、とても大人という感じではありません。
特に、金持ちだと知られると面倒だからと酒の席でついた嘘を撤回するのが付き合って暫くして、というのがもう幼稚園児以下。金持ちなのに自分を貧乏画家だと宣って許されるのはティーンエイジャーか童話のキャラクターぐらいです。32歳の大人がすることではありません。
酔った勢いで受けを抱くし、受けが身の回りの世話をしても他人に指摘されるまで気付かないし、受けが具合が悪そうでも自分の興味を引くものがあれば受けを置いて走り出してしまうようなガキです。
そんな攻めに惚れて、しかし我慢ならなくなって愛想をつかす受けは「妻になりたかったオカン」
「ちょっと子供っぽくて浮き世離れしてるけど金持ちで顔が良くて才能がある素敵な攻め。おれは平凡だけどほんの少しでも支えになりたいの…」的な奥様気分だったのに、現実は「ガキの世話をするオカン」だったことに気付いて目が醒めて愛情も冷めます。
そっからなんかやや若年層向けの女性誌の主人公みたいな感じで、攻めの支援者的な人間が中を取り持とうとすると「プライベートな事情を勤務先に持ち込まないでください」とキレたり、攻めを忘れるために恋人でも作ろうかなと悩んでみたりとヒス……元気です。
途中で、受けが目を覚ますきっかけとなったクソガキ的なモデルが受けに指摘するんですが、攻めを受け入れると決めたなら、確かに言いたいことは言うべきなんですよね。
気付いてくれないかな、気付いて欲しいな、なんて最初っからガキ丸出しの攻めに期待するのが間違いです。自分から言い出せないなら、他人の変化を期待してはいけない。
だからといってクソガキモデルは普通にクソガキですし、受けが見切りをつけるのも仕方がありません。
そうして結末は、攻めがウジウジオロオロ受けに憐れっぽくまとわりついて、そんな攻めに受けは絆されて、二人は結ばれハッピーエンド。
ザマァどころかモヤモヤしまくりでした。
なんか攻めがザマァ出来ないんです。可愛いとも可哀想とも思えなくて、
金持ちで才能があっても、それを活かせなかったら攻めはただの空気の読めない役立たずなんです。まともに仕事はできない、極端に他人に興味が持てないからコミュニケーションも上手く取れない。そんな人間が、取り柄である画家の仕事が出来なくなれば地獄です。
「普通の人は努力して色々頑張ってる」んですが、攻めは普通じゃないのでスーパーのアルバイトですら悲惨な有様を晒すしかない。
一応最後は地獄を見て少し改心したようですが、本質は変わらないと思います。
まぁ受けはダメンズウォーカーっぽいし、自分がいないと攻めは駄目らしいというアドバンテージも見つかったので上手くいくことでしょう。
なんかこういう攻めを見るとひたすら悲しくなってしまうのは、自分が無能者故なんだろうなってさらに悲しくなってしまって駄目でした。