続編楽しみにしてました。
マヨくんが新しい事に挑戦しようとして凄く前向きなんだけど、そこはやっぱり陰キャな部分がちゃんと出ていて、そんなトントン拍子には上手くいかないよねーって。
そんな所を一巻では荻野さんがHなサポートで助けてくれていたけど、今回はなんと!別の意味で体を張ってサポートしてくれました。荻野さんの献身ぷりがちょっとヒーローの様に見えてしまいました。
そしてエッチな部分もちゃんと凄い事になってましたが、また色々なシチュエーションでマヨくんから誘ったりなんて場面も見られて楽しめました。エッチで幸せそうなマヨくんの表情が良いのですが、REC.9に出てくる自己肯定感無くなってる時の切なさ漂う事後のマヨくんのお顔がとても綺麗でセクシーで気に入っています。
そして、荻野さんの顔。今回優しい顔たくさん出てきてまさに表紙の微笑みを堪能出来るのですが、それ以外にLuria先生の手の描き方がとても拘りがあって好きです。特に荻野さんの手の血管が浮き出た表現がちょっと年上の力強い大人の手って感じで荻野さんの手が出てくる度にじっくり観察してました。
VTuberが好きなので大手のイベントの裏側を覗けた様なストーリーも楽しめて大満足の続巻でした。
凄い作品に出会えました。表紙絵のオリバーの泣き顔に惹かれて表紙買いしたのですが、、
読み終わると、攻めのバンドレンにどっぷりハマってしまい、何周も読んでしまいました。
ルタ国王の愛人であったオリバーは目の前で国王をバンドレンに殺されて泣き崩れていました。その泣き顔を見た瞬間にバンドレンがオリバーを見初めてしまうんですよ。バンドレンは敵対国の将軍でオリバーを自国に連れ帰ります。
しかし、オリバーにとっては愛する人を殺した仇。憎まれ口をきいたり、自死しようとしたり、バンドレンに食事用ナイフを突きつけようと抵抗はするものの、大した抵抗は出来ずに犯されてしまいます。
オリバーを自分のものにしたいバンドレンですが、最初はオリバーに憎まれても仕方ないと思いながらも、ずっと敵国の王の思い出から抜け出せないオリバーのその真っ直ぐな視線をいつか自分に向けて欲しいと思いながら接して行くのです。このオリバーが国王を思い出しながら見せる表情にバンドレンは自分を置き換えて妄想?錯覚?している作画が結構重たい表現だなぁと思いながら見ていました。バンドレンは褐色肌で白っぽい髪とバサバサなまつ毛で、美しさがエグいのです。屈強な肉体と繊細な美しさのある大男が、何の力も無いオリバーの視線に狂ってしまうのです。
オリバーはどんな風にバンドレンに惹かれていくのだろう?と思いながら読み進めましたが、ただ優しくされ絆される様な単純な展開ではありませんでした。
オリバーは常に自分の愛した国王との思い出と、バンドレンとを対比するのですが、その中で国王に大切にされていたと思っていた自分の気持ちに疑問を持つようになるのです。それは愛人であるオリバーは教育も与えられず、自分で考えたり意志を持ったりすることは出来なかったと、、国王は自分を何だと思っていたのか?自分の置かれていた立場や愛した国王がどのような王だったのか?どんな国だったのか?知りたい。そういう〈学び〉を欲する気持ちをバンドレンは与えてくれたのです。
屈強な男バンドレンですが、彼自身がとても難しい身分で産まれながら(詳しくは読んでください)沢山の戦いの中で今の地位を築いた苦労人だと言うことが分かって来るのです。
かつて愛した国王は正しかったと証明したいと勉強を始めるオリバーですが、本当なら国王に学びを与えて欲しかった。自分ではあえて考えないで楽しく暮らしていた国王との思い出が、バンドレンと出会ってから、どんどん彼との思い出に塗り替えられて行くのです。それは悲しいことだけど、それでも本当は自分が知りたいことも知りたくないことも全て与えられている事に喜びも感じているのです。この心の揺らめきが読んでいるこちらにもヒシヒシと伝わって来るのです。
学べば学ぶ程、自分の存在が意味の無いものに思えてきたオリバーに、バンドレンはとんでもない提案をするのですが、、もう、このラストを読むと2巻が待ちきれなくなります。
ちなみに、国王がかなりのイケおじで、あまりオジに反応しない私でも素敵な作画でした。亡き国王は悪者の様にだんだんと思えて来ますが、オリバーには戦神と言われる自分が普段出せない無垢で優しい気持ちを持っている象徴の様な存在でいて欲しいと思っていた様な表現もあり、これからのオリバーがどの様に人間として成長するのかがとても気になります。
バンドレンも心は完全にオリバーに占領されているのに、ただ力で支配する事なくオリバーの心を掴もうとじっくり構えているのがとても読み応えある作品でした。
5巻です。ピットスポルムの二人と言えば茶色の制服というイメージなのですが、、最初表紙を見た時「この二人誰?」ってくらいにいつもと違う雰囲気の二人でした。先生の画力が上がっているのと、2人もだんだん大人になってるのと、今回は修学旅行での浴衣着用の表紙絵だったので、セクシーな表紙絵に読む前からかなりテンションが上がりました。
メインは修学旅行のお話と、その後二人で過ごす初めての冬、そして3年生を迎えるにあたっての部屋割りや進路決定の話と、、前半は明るめのお話でしたが、文化祭と修学旅行終わったら一気に現実的な気持ちが襲って来る展開でこれはこれでとても高校生らしい気持ちの移り変わりが見事でした。
修学旅行でも我慢してたって割には結局凄い事になっていて、大部屋で寝るシーンはかなり大胆でした。それにしても矢野のTKBがかなり育っていて、このままいくとどうなるんだろ?と、勝手に心配していました。
この作品、エロな部分は高校生にしてはかなり行き過ぎている様な感じがしていますが、それでも、それ以外の部分のストーリーはとても好感を持って毎回読んでいます。
今回は矢野が青森から遠い乙羽学園に入学した経緯が描かれていて読めて嬉しかったです。矢野の家族のお話は、まさに実家の様な安心感。
そして、小田島はようやく自分の家族と向き合う決心が出来たようですが、母親のメンヘラが鬼門だと思っていたらその他にも祖父、そして弟の存在がなんだか不穏な感じの終わり方でしたが、、次回どうなんるでしょうね?
高校生の話しもまだ続きそうですが、今回の表紙絵の様な少し大人になった様な小田島と矢野の姿も見てみたいと、、大学生の姿とか将来的に読んでみたいと、そんな思いを抱かせる五葉でした。
1巻は高校卒業で終わっていましたが、2巻は大学2年からのお話でした。
亀山君は鷹虎を好きだし、鷹虎も亀山を気に入ってそうだったと思っていましたが、やはり2人は付き合っていましたね。Ω同士でヒートとか関係なくやるセッ は、鷹虎が強引な感じで支配者のようですが、その後は体力のない亀山君を労ったり、体力つける為に一緒にランニングしたり、、思った以上に普通の彼氏っぽくて安心しました。
そして、有坂と龍ケ崎もずっと交流があって、有坂の母親の(Ω父)策略からは逃れられたみたいで安心しました。今回、詳しく話が出た登場人物の中でこの龍ケ崎×有坂の2人が1番安心して読めました。
鷹虎は新しい事業を立ち上げたり、資金を増やすことに忙しくしていて(まあこの辺りの仕事での失敗な無さそうと思って読んでいました)でも、そんな中αと交流する中で彼がセクハラ被害に遭ったのはとても衝撃的な事件だったのではと思いましたが、どうも、会合に行くことを勧めた彼の叔父がなにか企んでそうでちょっと気になりました。彼は敵なのか?味方なのか?
そして、社会人となって様々な道に進んだΩ同級生を見ている亀山はΩに優しい社会作りを目指して官僚になる為に努力しています。
Ωでも高い理想を持って努力している亀山を鷹虎は凄く気に入ってしまうんですよね。でも、優秀な亀山を気に入った気持ちを何で表すかと言うと子供が欲しいって。亀山に自分とお互いの親族の遺伝子で子供って、、
亀山を好きで、彼の頑張ろうとしている事を応援したいなら、なんで子供欲しいって言うの?この辺りがαとして育てられた人なんだなぁとつくづく思いました。
そして、鷹虎はもう子宮を取ってるから鷹虎には子供を産めないし、、
自分は子供を産む道具にはならずに我が道を進みたいって思っていながら、他のΩが子供を産む道具になる事には何の躊躇いもない鷹虎。この辺りの考え方を改めたり、あと亀山のキャリアの事とかも大切にしてあげたいです。子供は欲しくないっていう亀山の気持ちに耳傾けて、もっと話し合わなきゃだよねとは思いました。今後の展開見守りたいです。
そして、一番心配なのが大雀ですよ。そういうえば1巻でもガタイが良いのにやたらセクシーな水着きてたなぁと、、整形とか、見た目で頑張る方向はやっぱり間違っているんじゃないかな、、とは思いました。でも彼はその事に凄く固執していたから、、大雀に説教した鷹虎には私も同意見でした…が、鷹虎が大雀に斡旋した仕事はやっぱり賛成できないと思ったり。
この作品、鷹虎の性格や行動が良い部分と悪い部分が交互にやってきて、憎らしいけど憎みきれない絶妙なキャラクターで、そこに社会問題も絡めて考えさせられる所がとても面白い作品です。
なんだかんだと自分が関わったΩを気にかける鷹虎が最終的には(多分亀山も中心となって)なにか大きな事をやってくれそうで、これからも期待してよみたいです。
こちらの2巻は恋愛編という事で、
急速に成長したルネと、老人からどんどん若返ったエヴァンは、ちょうど同じ年齢の見た目になりました。1巻の可愛いルネが大好きでしたが、成長したルネは見た目はとっても美しくて、翼が立派になった姿は天使の様でした。
しかしこの作品はコメディ要素がたっぷりなので、その美しい見た目に反して、まだ心の成長が追いついていないルネの行動がとても面白かったです。エヴァンか大好き!なんだかエヴァンがキラキラしてる。そんな風に思いながらエヴァンを遠慮のない目でじっと観察しているルネが可愛かったです。様々なシチュエーションのルネがポンポンと出てくるテンポ良い作画は吾妻先生ならではですね。
恋に目覚めたルネは漁師のオジサン達や、修道院の子供達に恋の相談をします。オジサン達のアドバイスでは大失敗な事態になるんですが、その失敗で落ち込んでいた所を修道院のカミーユ達との会話によって立ち直るのです。そして、そういう経験の中からルネの心自体も急激に成長するのです。下世話な大人からは失敗を子供達の純粋な心からは学びを得るという展開がとても面白いストーリーでした。それに合わせてというか、色々事情があって途中からルネの服装も変わるのですが(表紙絵の服)心が成長した大人なルネに相応しい変化でこちらの表現もとても上手いと思いました。
急激に成長しているルネに反して、エヴァンは若返った体になった事により、思い出したくない昔の事を考えてかなり陰キャになっていました。ルネが楽しく過ごそうとすればするほど、自分は幸せな人生を歩んではいけないと、、
エヴァンにはかなり深刻な出来事が過去にあった様なんですが、まだそのヒントが小さなピースとしてお話の中に散りばめられている状態で、読者は何となく想像することしかできていませんが、次巻は真実編となるらしいので、そちらを楽しみにエヴァンの過去とルネの秘密を待ちたいと思います。
こちらの2巻で2人がどこまで恋が進んだのかは書きませんが、心が成長したルネによって、ウジウジと卑屈になっているエヴァンを何とか前を向かせる事が出来てたので、もう、ルネのこの前向きさを信じて読者も読み進めるしかないんですよ。これは完結したら絶対に名作になると思っています。
完結する前でも既にとても面白い展開になっていますので、今から読んでも損はしませんよ。
本編last sceneから四ヶ月後のお話。
本編では二人は告白してキスするところで終わっていましたので、その後どんな感じなのかな?と楽しみでした。
冒頭から夢の国デートの帰りというシーンで耳付カチューシャしてる二人がかわいい!桃子すいか先生の描くちょっと天然な感じの男子は本当に良いのです。順調そうで良かった良かった。
ただこの二人、文哉は言葉で自我を伝えるのが苦手だし、海斗は文哉を大事にしたいあまりに、無理矢理な事はしたくない(もう失敗したくない)という気持ちが強いので、キス以上は進んでいないのが悩みみたいです。
二人のそんな悩みを解決したのが、やっぱり一花ちゃんでした。
言葉にするのが難しいけど文学好きな文哉にはとてもナイスな提案でした。
海斗の文字が美しいというのも確認出来て嬉しかったです。
本編読んだ方は、二人が結ばれるまでを是非読んでみてほしいです。二人共優しさと可愛さが溢れていました。
冒頭で何気なく夢の国のお土産にマグカップを買っていたのですが、本編では渡せなかったマグカップをここで渡しているなと思っていたのです。
しかし、よく考えるとその部分が本編でマグカップが壊れた事が二人の心の関係も暗喩している様な表現がされていた事に繋がっていたことに気づいてしまいました。文哉が、いつかは壊れるモノに対しての不安を持っていて、それを海斗の言葉で文哉を救っている場面はとても心に響きました。
ただのラブラブだけに終わらせず心のモヤモヤも解消とても読み応えある番外編でした。
今回は、イリヤが自分の国に一時帰国するという事で、、何かしら嫌な予感がしながら読んだのです。
父親との確執や、Ωを差別する国への帰国は不安しかなかったです。
病床の国王に代わって第一王子のソーンが好き勝手に国を動かそうとしていました。イリヤがハヌ王国に嫁いで10年くらいなのに、それでもその結婚は無かったことに、って話が人を馬鹿にし過ぎじゃないですか?そしてまた別の国に嫁がせようとか。実は少し前に某嫁物語漫画を読んだので、そちらも同じ様な話だったので、この展開は既視感があったのですが、、それはさておき。
前作でイリヤと子供ハーリドのやり取りが大好きだったのですが、今回は第一王子の子供として出てくるヒューイとのやり取りがまた良かったです。イリヤは子供の扱いが上手いですね。ちょっと意地悪な言い方だけど、ズバリ言ってることが図星を付いて、父親よりも話の分かる人?という興味がヒューイをイリヤに近づけたんでしょうね。
ヒューイとの交流で相容れないと思っていた父親には自分の知らない面がまだたくさんあると考える様になるイリヤ。イリヤにも父親に対して「誉められたい」という感情があったことを思い出します。
そんな中で、ヒューイが行方不明に。そして離縁状を受け取ったハーリドも動きます。
今回もイリヤが危険な目に遭ったりと、エンタメに飛んだお話が繰り広げられていましたが、
父親(国王)がハヌにイリヤを嫁がせた理由を知り、父と分かり合えた展開が一番熱かった。それは、一人で何もかも諦めていたイリヤでは取り戻せなかったものだと思います。ハヌで一人になった時に民と協力して集落を作った経験や、ハーリドもイリヤも諦めない心があったからまた国を立て直せた経験などが、イリヤを強くしたのでしょう。そしてハヌで役に立った技術を生かせたのは父の思いがあったから。
前作では分からないままだった親子の気持ちを知ることができてとても満足な1冊でした。
ハーリドとの生活や二人のその後、子供は産まれたのか?は読んで見てください。そちらはもう幸せが溢れていました。困難を乗り越えて幸せになったイリヤの姿に涙しました。
最後に、続編でもスゥヤやタルジュが活躍してくれています。スゥヤは安定の献身ぷりでしたし、タルジュは、、タルジュにも春が、、
これはちょっとした先生のサービスだと思いますが、舞踏会でスゥヤがちらっと踊っている姿がとても微笑ましかったのでお相手を良く見て欲しいです。
全ての能力がαの2倍優れている特級α(100人のαに1人)の礼。その秀でた能力の為にバース研究所でも、学校でも、どこでも注目の的になっている。そんな彼が唯一自分が特級αという事を忘れさせてくれる場所が、美術室で一人で絵を描いている司と一緒に過ごす時間。
オメガバースだとヒートが来てそのまま運命を感じて、、なんて展開がよくありますが、
こちらの作品はヒートが来てもお互いに迷惑をかけないで過ごしたいという感じで、またヒートで学校を休む司にノート(礼は優秀だからノートは普段取らない)をとってあげていたのが優しいなぁと。なんだかこの2人のは普通にアオハルだなぁとか思いながら読んでいました。静かに過ごす二人の時間が尊い。
しかし、そんな二人は司がレイプ被害に遭いそのまま離れ離れに。
10年後に弁護士と、体外受精で出産代行を希望してるΩとして2人は再会するのです。
普通のオメガバースだと、Ωが不妊に悩むことはあまりないと思います。が、こちらの作品は過去のPTSDの影響か?出産を希望しても正常なヒートが起きなくて悩んでいます。このあたりはなんともリアルなお話に感じ、司の気持ちの問題で妊娠が上手くいかない展開は心に刺さりました。
司の過去を知った礼が彼のPTSDをどのように克服しようとしたのかは実際に読んで見て欲しいですが、
オメガバースでありながら礼はとても理性的で、司に寄り添いながら過去の司の恐怖を少しずつ取り除いていったのがとても良かったです。
ラストに司の加害者が司に接近した場面で、妊婦の高橋さんが鉄槌を下した場面は、かっこいい所を全て彼女に持っていかれた感がありましたが、、
このお話全体から、母性とはとても感受性が豊かで、たとえオメガバースでもきちんと心を伴って家族が作られる事を強烈に感じさせてくれます。
ラストに番となった礼と司の静かで穏やかな表情で幸せになりました。
上巻で滝が言ってた「一歩進んで二歩下がる」この言葉は滝の心を良く表していると思いました。柴田と自分の心の距離は縮んだのか遠くなったのか?凄く不安だったと思います。まだ何も柴田の事を知らされていない滝。
それは同時に柴田も同じ気持ちだったと思います。だから何度も滝の前から姿を消してしまう事で、柴田の心の中の葛藤が伝わってきました。イキガミの情報をリークして彼らをを苦しめていた政府への復讐をしてもなお消えなかった怒り。何人ものイキガミが春人がイキガミとして死んでしまったのに、まだ生きてる自分への怒り。
そんなに自分を責めなくても良いのに、、既に滝に絆されてるのに、、
と、思っていたら反逆を起こしたイキガミの怒りが柴田に向かって…
事の顛末までは書きませんが、
柴田は鬼道に対しても幼い彼に呪いの言葉をかけたことを後悔していたけど、、柴田が思っている以上に鬼道は強いし、そして強すぎるが故に心の機微が分からないのを上手く吉野がサポートしてあげているのがとても微笑ましかった。
そして、急な迎え火の展開。
春人の登場で慌てる滝、そして嫉妬を顕にする春人。凄い展開でしたがとても幸せな時間を描いてくれて先生ありがとうございます。という気持ちになりました。滝の性格がほんと、ジメジメと考える様な事無さそうだから、そういう部分は安心しました。
前作の鬼道と吉野が好きだったので、柴田の話はどんなだろう?と思っていましたが、もう、この四冊全てを読み終えると、過酷な状況の中でも、大切な人のために生きるイキガミとドナーの尊い生き様を読めて本当に素晴らしい体験が出来たと思います。
大切に読み続けたい作品になりました。
既刊イキガミとドナーに出てきた柴田さんのお話。柴田さんの過去という事は、、もう最初から悲しいのは分かっていたのですがそれでも想像以上に悲しい過去でした。
防衛省に入省して将来を約束されていた柴田。しかし急にイキガミのドナーとして選ばれた為に官僚の地位を諦めなければならなくなります。しかしイキガミを最大限有効活用する為のデータを提供するという名目で防衛省に留まる事を許されていたんですね。これが柴田さんを苦しめる原因だったのがほんと悲しい運命を背負ってしまったなぁと。
イキガミの春人が穏やかで優しくて、子犬みたいな可愛さのある少年なのが、柴田をかえって苦しめる事になっていたのがなんとも、、悲劇的なんですよ。春人は柴田を全面的に信頼しているし、だんだんと好意を伝える様な関係になってるのに、柴田はその春人の気持ちを素直に受け入れる事が出来ないんです。それは、彼には防衛省に入った役目があったから。
春人は、メディア露出などは苦手なのを分かっていても、それを上手くとりなして、イキガミのPR活動を積極的にやらせなきゃならなかったり。春人は疲れていても柴田の為ならと頑張って活動しているしで、春人が純粋に柴田の為に頑張っている姿を見ているだけで泣けます。。春人が「柴田さん、柴田さん」って言ってるだけで読んでいて苦しくなりました。春人も柴田には官僚としての役目があって自分と一緒にいてくれているって事も分かっていたのかも知れないけど、それを凌駕する柴田への愛着があったのでしょうね。本当に春人のそういう姿が健気です。
結局、春人は戦闘中に死ぬほど重症を負った訳では無いけど、このまま撤退したら怪我を治す為には柴田の身体を大きく傷つける事を悟って、命と引き換えに任務を最後までやり遂げてしまった、、柴田が自分のせいでと言っていたのはそういう意味だったのかと知るとまた泣いてました。
それにしても、春人が死亡した直後の政治家の反応が胸糞悪かったです。そういう胸糞悪い連中の中でずっと役目に徹してきた柴田は責任感じたし、官僚の立場に憎しみが湧いたのも分かります。
後半は鬼道や滝がいる時間に話が戻っています。
このずっと抱えた柴田の憎しみや後悔をどのように滝くんが消化してくれるのか?どうなのか?疲れた感じの柴田がなんかセクシーでした。
それにしても、イキガミに愛されすぎる柴田さん。春人も滝も不安や孤独の中で、柴田のちょっとした優しさの積み重ねで好きになっていったのが、、イキガミの置かれた立場の困難さや苦しみが分かっているからこそ、二人のイキガミに愛されたんでしょうね。
最初から最後まで幸せな時も、苦しい時も胸がきゅうきゅうと締め付けられましたが、柴田の苦しみを知ることができて良かったです。