御影さんのマイページ

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男性御影さん

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隣にある気持ち

 老舗旅館の外波山旅館の息子、幸星は、父が勝手に決めたお見合いに臨むことになりますが、同じ旅館で働いている幼馴染みの帷から告白されます。
 お見合い当日も幸星は、帷の言動が気になって仕方がありません。一方帷も幸星に告白してしまったので、幸星は気持ちの整理ができないままお見合いに臨みます。

 帷は元々湧川旅館の子どもでしたが、倒産して子どもの時から外波山旅館で一緒に暮らしていて、まるで本当の兄弟のような仲です。
 隣にある恋に気づく幸星と片思いが実った帷ですが、温泉街を舞台に隣にあるものに気づく姿が萌えです。

美しくいたいことは自然なこと

 高校生の光は、プライベートでは姉の残した服を使って女装ライバーとして活動しています。光は学校では冴えない、地味な高校生ですが、同じクラスの高校生で、モデルとして活躍している凌に女装ライバーであることを気付かれてしまいます。
光の配信が大好きな凌は、積極的に光に近づいて距離を縮めていきます。
 メイクがとても上手な光と、元々イケメンな凌はどちらも「美しいこと」の世界にいる人だと思います。美しくいたい、美しいものに惹かれてしまうのは恋愛以上に自然な気持ちなのかなと思いました。
 光のお父さんのイケメンに反応してしまうのは分かる気がします。

その気持ちには気づかない

 優等生でイケメンのヤマトが好きなのは幼馴染みのカケルですが、カケルはヤマトがカケルに好意を寄せていることを知りません。ヤマトとカケルは毎日学校で会っていますが、ヤマトがカケルのことが好きなことに気づかれてはいけないと必死に隠しているところは切なかったです。

 全部を知っているのはヤマトの妹であるミコトなのでしょうが、ヤマトもカケルから向けられる好意を気にする瞬間もあり、恋になる前の段階の過程がもどかしかったです。

かわいい神様

 神使いのシンは、背中の羽が小さくて不揃いのため、飛ぶことができません。そのため一人前の神使いとは認められずにいますが、ある日三十二の山の神使に任命されます。
 三十二の神、バグは、普段は大きな毛玉状の神様ですが、実は人の形にもなれる神様です。バグは、澱んだ気を食べる神様で、他の神様とは異質です。
 バグは過去にシンと知り合っていますが、シンもそのことは忘れていて、再会までの距離感がもどかしかったです。新しい二人の門出は、でこぼこしたコンビの誕生の瞬間でもあったのかなと思いました。

大人同士だから

 コーヒー店を営む乙広は妻から離婚されたばかりですが、常連の結城はそのことにいち早く気づきます。自身のセクシャリティーを公言している結城は乙広と大人の関係になり、体を重ねていきますが、その関係がほぼ一定で、それ以上深くなることはありません。乙広の言う不確かなまま続く関係が大人の余韻を教えてくれます。
 結城の元彼の出現、元彼の年齢詐称には驚きますが、この彼は乙広と結城が付き合うきっかけにもなっています。
 時にはあっさり、時にはじっくりと近くなったり遠くなったりしている二人の関係が大人そのものでした。

憧れのお兄さんのその後

真咲は大学進学で上京し、従兄弟の晴臣と同居します。 
 真咲は晴臣に幼い頃から憧れていましたが、久しぶりに再会した晴臣はすっかりおじさんになっていました。
 晴臣の今の仕事は官能小説を執筆する作家で、その上だらしのない生活を送っています。かつての真咲の憧れたきれいな従兄弟のお兄さんではなくなっていたのです。
 真咲と同居するようになってからは、少しずつ晴臣の生活も良くなっていきますが、晴臣はかつては恋愛小説を書いていた小説家でした。
 真咲への気持ちに気づいてしまい、地元を自分から離れた晴臣と、晴臣を追いかけてきた真咲は、両片思いの関係です。真咲が幼いときから好きだった気持ちがようやく報われたような気がしました。

夢と現実の続き

 遙は不眠で悩んでいるサラリーマンですが、彼の勤務先に中学生のときに知り合いだった一色がいることも原因のようです。
 遙の不眠の原因は、遙が夢中になっているタロット占いをモデルにした「マジカルメモリアル」というゲームのの全ルート制覇からの裏ルート開放に夢中になっていることも原因です。しかも、マジカルメモリアルの推しキャラのトーマは一色とそっくりなのです。
 不眠を心配した一色は度々遙を訪ねて、遙に料理等を振る舞います。

 遙は「大事な人を作るのが怖い分だけ、大事にされたい」と心の中で言っていますが、再会した後に二人の中でのわだかまりが解け、最後に遙が笑えるようになったのが良かったです。

そこで終わらないで!

 高校生の田綿公英は、その名前からあだ名がたんぽぽと言います。
 たんぽぽは第二性ダイナミクス検査では、ナチュラル(ノーマル)との診断でしたが、モデルで人気者、その上完璧なドムの依藤一澄から目が離せません。たんぽぽはナチュラルの診断は間違いで、もしかしたらサブではないかと疑問を持ちながら生活しますが、寮では一澄と同室です。憧れの相手でもあり、たんぽぽをからかってくる憎い相手でもあり一澄はそんなたんぽぽを簡単にリードしてしまいます。
 一澄は強力なドブとして、周囲のサブはサブドロップを起こすほどです。
 二人はこのお話の中で何度か体の関係になっていますが、たんぽぽちゃんの気持ちが強すぎたのか、消化しきれなかったのか「終」「製作・著作TPP」で無理矢理終わりそうになっていました。本当にここで終わらなくて良かったです。
 たんぽぽちゃんは読んでみたい名前、呼びやすい名前のためか、みんな彼のことをたんぽぽと呼んでいます。カバー裏の絵で、たんぽぽちゃんが5歳まで自身のことをぽぽたと呼んでいたのは萌えでした。たんぽぽちゃんは困るか焦るか怒るかで、顔を見ているだけでも楽しかったです。

明るさと落ち込みの落差

 高校生の咲翔と咲翔が通う学校の先生、令とのお話です。
 咲翔は時々心あらずになる令のことが気になっていて、高校卒業後に令の家を訪ねて、二人のお付き合いが始まります。
 私は咲翔の明るいキャラクターも楽しかったのですが、令の真面目、マイナス方向へ考え込んでしまう性格、ずっと忘れられない相手、鷹見への気持ちに共感しました。 教師であるが故に、生徒とは一線を引いたお付き合いをしないといけないこと、鷹見との再会、ずっと捨てられなかった鷹見の連絡先など、20代後半の大人の姿そのままで、ほろ苦さがよかったです。

LOVE CONTROL コミック

蓮川愛 

美しさに癒やされる

 この画集に収録されている絵は、コミック、小説の表紙や、カラーページの再録が主ですがやはり目を引くのは『恋愛操作』です。『恋愛操作』の奥村さんと言えば、実業家として成功している姿しか目にしたことがなかったのですが、コックコートで料理を振る舞う奥村さんも色香が漂
います。奥村さんと啓さんは満開の桜の木の下で何を思っていたのかも想像してしまいます。
 『あなたの隣に座らせて』の亜澄ちゃんはサツマイモを抱えていますが、純和風な世界もあり、ほっとするような懐かしさもあります。
 さらに豪華だなと思えるのは、リブレさんの『豪華客船で恋は始まる』のエンツォと湊はもちろん、崎谷はるひ先生の『世界を包むすべてをきみにあげる』の二人の絵も収録されていたことです。
 ずっしりと重い画集を開くと、たくさんの美麗な絵ばかりです。眺めているだけでとても癒やされます。