Dom/Sub
会社の同期
パラレルワールドへの転生もの。ダイナミクスがない世界からある世界へ。
Domの梁川と転生してSubになった瀬上。
こちらのコミカライズを連載中に見かけて原作を読み、今回ようやくコミカライズを購読した。
電子版を購入。
小説の挿絵とコミカライズを同じ作家さんが描いてくれるの、イメージがブレなくてありがたい。
篁ふみ先生、どちらかというとシンプルなタッチだけど、色気を感じる絵柄で素敵。
コミカライズだと、プレイのときの身体の密着感とか、表情や息づかいがよくわかって良かった。
梁川の腕の中で心地良さそうにしている瀬上にほっこりする。
原作だと、ふたつの世界で会社の体制がどのように違うのかとか、ダイナミクス関連の制度的なことなどを詳しく書いている(個人的には原作の中でかなり好きなポイント)けど、
コミカライズでは適度に省略されていて、漫画という媒体に合っていて読みやすいなと感じた。
また原作も読み返したい。
2巻を読む前に復習読み返し。
会員制ホストクラブオーナー(諏訪)と借金苦の天然獲物系大学生(旭)
とにかく旭がウブで可愛くて泣き顔がたまらない。
皆がいじめたくなる気持ちわかる。
素直で健気な良い子。
そんな旭に一目惚れしてしまった諏訪。
表面上はスマートで余裕があるように見えつつも、終始様子のおかしなモノローグが楽しい。
諏訪のアプローチが押せ押せで、旭が困惑しながらも流されほだされ…という構図だけど、
本当に恋愛に振り回されているのはむしろ諏訪の方なのが良いなぁと思う。
諏訪、恋愛ごとで相手に縋って泣いたことなんてなかったでしょうきっと。
好きすぎて余裕を失くす攻め、いいわぁ。
ラスト、エッチしたけど付き合ってるのか…?と旭。まだもう一悶着ありそうだ。
脇キャラも個性的で楽しい。
最後に出てきた人物は新キャラなのかな?気になる。
『悪役BL』アンソロジー収録作の単話売り
表紙や奥付があるので本編は20Pの短編。
殺人鬼(古谷)×刑事(赤城)
カニバリスト(人肉を食べる人)だと噂される連続バラバラ殺人鬼。重要参考人の古谷を張っていた赤城は、隙をつかれて捕らわれてしまう。
たったの20Pだけど、必要な情報がしっかり詰まっていて読みごたえがあった。
殺人鬼古谷の行動ひとつひとつに「何故」それをするのかという理由付けがされているので、サイコパスながらも整合性が感じられて良かった。
殺すのは食べるためであり、赤城に触るのも下処理以上の意味を持たなかったものが、
赤城の反撃によって一転する様が見どころ。
赤城のように気概のある男でなかったなら、殺され食べられて終わりだったろうに……
ラストシーンの背筋が ぞぞぞっ… とする感じがたまらない。
相棒刑事が特徴的な上着を着ていた点も上手いなと思った。
赤城がこれから何をさせられるのか、想像の膨らむ終わり方で大変良かった。
個人的に、「人肉を食べる」という行為を好んでする人、させられる人、せざるをえなかった人…などが描かれている作品を読むのが好きなので、この作品はかなり好みだった。
オメガバース。
αの竹尾とβの伊折。α嫌い同士
Ωと付き合っては、αに取られるかたちでフラれるのを繰り返している伊折。
バイト先のバーで、自分と同じくαが嫌いだという竹尾に誘われてセフレになる。
竹尾がαだと判明するも、関係は続き…
竹尾の押しが強くて、伊折が流される構図。
身体の相性は良いらしく、カメラと写真という趣味の共通項もある。
竹尾がαを嫌いな理由は明かされないままだが、デートや媚薬を使ったエッチなど楽しそう。
後半明かされる竹尾の過去は悲しかった。
竹尾が何故伊折を好きになったのかもよくわかったし、伊折が気持ちを返したことで竹尾が救われてジーンとした。
十年経っても仲良く一緒に居ること、伊折の愛がとても大きいことがわかって、とても良い読後感だった。
読後感的には神評価だけど、竹尾の過去を知った後だと途中の媚薬使った発情プレイが異様に見えたので萌2に。
(これを提案した竹尾の気持ちが全く理解できない…)
大学新入生幼馴染みの壮志と陽希
シーモアで電子版を購入。セール+クーポンでお得に買えた。
壮志は幼馴染みの陽希が好きすぎて執着心強め。陽希に近づく者を牽制し、自室はストーカー仕様、GPSまで…!
陽希の「彼女作りたい」宣言にタガが外れてしまう。
口絵(単話表紙)でもわかるけど陽希のムチムチ雄っぱいがすごく良かった。
壮志にキスされた瞬間服越しにも乳首ピンとなってるのわかってドキドキした。
すぐトロトロになっちゃう表情とか、ヘコヘコしちゃう腰とか、反応がウブで可愛い。
壮志も、陽希のアレを握りしめておうち帰ったんだなと思ったらなんか愛しくなった。
壮志の理屈はむちゃくちゃだけど、下着プレイも可愛かった。陽希似合う。
話と話の間に挟まる小ネタも楽しい。
執着心重くてストーカーで変態な壮志だけど、最後の一線は(一応)踏みとどまるので 、執着モノにしては話が重くなりすぎず良かった。
友人の桑原くんの存在も、コミカル要員でありがたい。(カップルに挟まれ ちょい気の毒なポジションではある)
付き合ってからのパイ○リ挑戦は陽希の「ワガママ」が動機だけど、壮志にとってもご褒美でしかなくて胸アツ。
陽希ぽやぽやでエッチで最高。
描き下ろしで、陽希の股間吸ってる壮志見て、こいつホンモノだなって思った。いい表情してら。
そこでスマタなのも良い。
コミカルで読みやすく、最終的にちゃんと相思相愛なのが感じられて素敵な話だった。
(シーモア限定のオマケも可愛かった)
エロ特化作品。
Kindle unlimitedで読んだ。
タイトルと表紙とあらすじの通りの作品だった。
若い男を抱く側だったおじさんが、若い男に一方的に抱かれて雌墜ち。おじさんに人権はない。
テンポよくおじさんをいぢめるフルコースが味わえるので、性癖さえ合えばかなり満足度が高い。
受けのおじさんは、むっちり筋肉、体毛(脇、脛から腿、ギャランドゥ)、強気なのに快楽に弱いところがとても良い。
攻めは明るく楽しげにドSな感じが良い。
痛い辛いとかでなく、羞恥心を煽る感じのSで、褒め口調で揶揄するみたいな言葉責めが軽妙。
やっていることは結構えげつないのに、攻めのキャラクターのおかげで軽減される感じがある。
受けのおもらし、攻めの体内放尿からの見開き使ったダイナミックな放出はかなり見応えがある。(ダイナミックすぎて笑った)
おもらし描写が好きな人ならかなり楽しめるのでは。
(私はすごく楽しかった)
最後、攻めの執着心が垣間見れて、その後を想像できるような終わり方も良かった。
とにかく自分の好みに合っていて、充足感を味わえた。
40ページ弱でお腹いっぱい堪能した。
シガーソムリエで煙草の輸入販売をしている久野と、シガーバーのバーテン見習い香坂。
久野に高い借りができた香坂は、それを「身体で」払うことに。
シガーバーやシガーソムリエといった題材や、エロスな雰囲気はとても良かった。
久野の煙草の香りに身体が反応してしまったり、従順な可愛げを見せる香坂が好き。
久野も、ちょっとコワい雰囲気と煙草の煙が合っていて魅力的な大人の男という感じ。
ただ、「ヤクザみたいにコワい」だけじゃなくてガチで「前職がヤクザ」っていうのは設定を盛りすぎでは…と思った。
前職のせいで、後半の倉庫街?で男と会ってるシーンがヤバい取り引きの現場にしか見えず(わざとそう見えるように描いているんだろうけど)「あれ?久野さんとこの煙草ってダメなハッパ入ってる系のヤツだったりする??」と混乱したので勘弁してほしい…。
クライマックスも、不穏さで盛り上がったわりに因縁のホストの絡み方がクソダサくて拍子抜けしてしまった。(路地裏に連れ込んで「俺が気に入らないなら殴ってみろ」てなんだそりゃ)
駆け付けた久野さん格好よかったけど、告白シーンで一から十までベラベラ喋っててちょっとダサかった。初日で惚れ込んでたらしいのも納得いかない。チョロすぎん?
誕生日のエピソードと、最後の描き下ろしは良かった。
キュートアグレッションとM気質の組み合わせ、美味しくないわけがない。
あとシガーバーのマスターは、にこやかに胡散臭い雰囲気が素敵なので、もっと掘り下げが欲しかったしスピンオフがあったら嬉しいなぁと思う。
獣人がいる世界観
舞台は雪深い狩猟の村
獣人のヴェルグと人間のリュカ
大怪我をして倒れていたヴェルグを拾ったリュカ。
元気になったヴェルグに番になって欲しいと迫られているが、身体は許すものの番になることは断り続けている。
物語の始まりの時点で二人の関係性はある程度出来上がっていて、回想でそこに至るまでを振り返り、そこからさらに進展する…という構成だった。
番になりたいとヴェルグが言って、身体の関係になるまでにもハードルがあったろうと思うけれどもそこは描かれてなかった。ちょっと残念。(リュカとしては、ひとときでも辛いことを忘れたい気持ちで流されただけなのかな?)
ヴェルグの過去話、獣人の捉え方や扱いが地域や文化によって大分差があるのが見てとれて面白い。
(リュカの村では「吉兆」、ヴェルグの故郷では「呪い」、普通に家庭内で愛される例も、商人に売買される例もある様子)
ただ、この違いはどのような分布なのか…ヴェルグ一人が見てきたバリエーションにしては多いような気もする。
リュカの過去は悲しかった。
ヴェルグの番の誘いに応じられない理由も、その考え改めたをきっかけも、納得感があって良かった。
ただ、最終的に奇跡が起こったわけだけれど、そうなる前になんとかなったら良かったのにな~とはちょっと思った。
(命尽きかけないと前に進めないというのは、家族を喪った者へのアンサーとしては希望も救いもないな…と思う)
ラスト、二人ともがお互いの存在に救われているのが感じられて良かった。
魔術がある世界観。
主計局のミカドと術部隊長のアロイ
表面上はお互い素っ気ない態度をとりつつ、実は親密な関係の二人。
ファンタジー世界だけど、物語自体はシンプルで、ファンタジーならではのエピソードも特にないので「別世界のお話なんだな」くらいの認識でよさそう。
(二人の肩書きに馴染みがなくて「ミカドは経理部、アロイは営業部エースで重役の息子みたいな感じ?」と置き換えながら読んだけど、これで結構いけた)
幼い頃から周りの期待に当然のように応えねばならなかったアロイが、唯一素を出して甘えられるのがミカドであるという関係性に萌えた。
品行方正な堅物に見えるミカドが実は元孤児だったり、お兄ちゃんぽいのにアロイより年下だったり、ギャップも美味しかった。
親密な関係であることを秘密にしている理由は、身分差があり引き離されるのを恐れていると同時に、相手の恋する姿を自分だけが知っていたい独占欲もあって、切ないながらも微笑ましかった。
最終的に、のっぴきならない状況で関係性を暴露する二人だけど、恐れていたほどゴタゴタすることもなく収束するので低ストレスで読めた。
ここは、アロイの母マキトが肝かなと思う。彼女にも秘密があるから、息子たちの秘密もあっさりと受け入れられるというのは納得感がある。
母たちの恋は悲恋には違いないけれど、どんな関係性だったのかなと思いを馳せるのもいいなぁと感じた。
ファンタジーの凝った設定とか、低い身分の者への理不尽な扱いとかもなくて、個人的には読みやすかった。
(逆に言えば、重厚なファンタジーのストーリーを求めて読むと物足りないかもなぁとも思う)
自称死神の男(ヨシキ)と打ちきり寸前BL漫画か(光)
光は担当編集との打ち合わせの帰り道、酔ってヘロヘロのところを死神キャラを自称するヨシキに拾われ自宅に数日泊めることになる。
(光は気付いてないが、ヨシキは打ち合わせをした居酒屋の店員)
宿無し金無しの男を家に置いたら、食事を作ってくれて生活が向上し仕事のアイディアも得られてWin-Winという、よくある感じだったけど、ヨシキのもうひとつの顔が見えたあたりでちょっと不思議な感じになった。
ヨシキが急に独占欲出してくることも戸惑ったけど、光がヨシキに鍵を預けて出ていき担当宅に転がり込んだのはビックリした。
ヨシキ自分の家に帰ってるし。(家あったんか)
結局、なんでヨシキが宿無し金無しだったのかとか、同居人とはどんな関係なのか分からず、特に触れられもしなかったので、ストーリーに整合性を求めて読むには向かない作品だなぁと思った。
絵柄も好きな感じだし、ノリでサラサラ~っと読む分には楽しめた。
最後の、リモート会議で同居をバラしちゃう(わざとじゃない)くだりはおいしかった。