読み終わると、胸が痛む。確実に。100%。
でもそれこそが醍醐味。
正直、読む前にかなり警戒していた。戦争や神風を美化するのか、と気になっていたが、そのことは無く、むしろその酷い概念から生まれた苦しみや淋しみにスポットライトを当てる作品だと思う。
こんな無意味に死なせられた若者はまるで呪われたようで、限られた時間で一生懸命生きようとしていてーいや、「生きるふりをしようとしている」の方が相応しいかもしれない。
奪われた人生。実らない恋愛。
突然終わるまで、終わらなさそうな戦争。
amase先生の画力が凄まじく、特にペン遣いや表情が非常に上手い。ぜひ今後も先生の作品を楽しみにしたいと思う。特に続編を…
朝田先生の最近の「スリーピング・デッド」が素晴らしすぎて心に刺さりましたので、過去の作品も読んでみようと思って本作を買いました。
何よりも心理描写が上手い!傷ついた、哀れな人にとって、自分に手を差し伸べて助けてくれた人という存在がただの人間、恩者などではなくて、まして拝むべき神様になる傾向を繊細で丁寧に描かれています。
カルトという非常に興味深いテーマを用いて、結構不気味な雰囲気を作れたと思います。最初は、もっと見せて欲しいな、もっとこの場所や信者を見たいと思っていましたがやはり知らないものが一番怖い、ということですよね?囚われる神父と同じく、狭くて感じて息苦しくなります。
二作目はまあまあ普通ですが、表紙作のインパクトが強すぎて神にさせていただきます。
じじいに惹かれて本作を買いました。はい、そういう人間です。
三角関係が苦手な私は読み始めると嫌な予感がしましたが、進んだら良い意味で期待から外れました。3人の主人公はそれぞれ問題や心配を抱えながら一生懸命生きようと、幸せになろうとしています。行き来していてお互いにぶつかり合う時の描き方、この先生の心理的な描写が特に上手いと思います。同じシチュエーションを三視点からアプローチするのが中々難しいですし、悪い点もしっかりつけながら悪い人にしないのも簡単ではありません。
絵柄が綺麗で、ストーリーのテンポも良い感じです。あと切なさも丁度良い量だと思います、個人的に。
何よりもじじいは最高に可愛かったのでオススメします。
もっと早めに読めば良かったなぁと今凄く反省しています。だってこれが噂通り名作ですもの。
アメリカ生まれ育ちの者としても、アーミッシュというのが身近な存在ではないです。一般的なアメリカ人とは異なっていながら、信仰を含む自由の国「亜米利加」のシンボルとでも呼べるでしょう。
本作ですが、兎に角素晴らしい。主人公二人は魅力的で人間味のあって、良いところも悪いところも挙げられるキャラクター。このラブストーリーも、リアリティがあって質感がとても良くて、ペースも丁度良いです。絵柄も綺麗で、とかとか。
でも一番刺さったのは、その薄悲しい雰囲気です。ずっと漂っていて、囚われるかのような重さが何となく感じられます。ああいう、ここから出ないと一生ここに閉じ込まれるだろうとの絶望と言えますでしょうか。なのにちゃんとテーマに沿った、苦味が残る後味のハッピーエンドが出来て非常に満足しています。
良かった、良かった。
作家買いです。琥狗先生の作品が大好きで、男の描き方がとにかく理想的です。
結論から言うと、良いです!グリム童話から大きなインスパイアを受けた短編集です。普通短編集は少し苦手ですがこういう同じ主人公系のやつは比較的にもっと嗜みやすい方です。
グリム童話といった西洋御伽話を扱う漫画作品はよく目にしますが、元の物語に入っている悲しみや苦みがわかった上で扱う作品が一番満足します。これも断然そちら系で、結構重い雰囲気の中で繊細なロマンスを描くのが簡単ではないと思います。
わがままを言うと、もっと読みたいなぁ。甚だ短いです。読み終えたあとの「え?これだけ?」感が辛いです。
まあ男がカッコよくてロマンスが悲しくて美味しかったのでひとまず満足です。うん、萌にしておきます。