原作者さまが逝去なされたこと、謹んでお悔やみ申し上げます。
そのため話が途中で終わっていますが、結末は草案を読めばわかるようになっています。ただそれは草案でしかなく、なんとなくの話の流れが書かれているというものです。
元刑事、インテリヤクザ、決して揺るがない強気な受け。原作者さまらしい話だなと思いました。
受けの志堂は強くあるものの、心の中は可哀想なのです。それを救ってくれるのはきっと攻めの比賀しかいないと思います。
ふたりがハッピーエンドを迎える瞬間を見てみたかったです。その後の仲いいふたりも見てみたかったです。
それが叶わないのが残念でなりません。
原作者さまは、ここでどんなセリフを書いたのだろう。志堂はどうやって心を許したんだろう。それは草案だけではわからない。原作者さましか描けないもので、このような形で完結となったことは致し方ないと思っています。
ですが、見てみたかった。原作者さまがいないことがさみしくてなりません。
声優さんのキャスティングも、表現の仕方も、原作もすべて好きです。
遅咲きのファンなので発売からしばらく経ってのレビューになりますが、私は原作ではなく音声からこの作品を知りました。
宗近と椎葉の関係性が神がかってるんです。お互い惹かれあっているのに本心は隠したまま。ただ仕事として、情報の見返りとして身体の関係を結ぶ。
虚勢を張る椎葉を大きく包み込んでくれるような、優しくて強い、宗近の情愛がたまりません。それに負けじと椎葉も強い。
男と男の矜持のぶつかり合い、これぞBL!というかっこいいセリフやシーンが作中に溢れてます。
強気な受け、誰にも懐かない山猫みたいな受けがお好きなかた、是非「エス」の沼にハマっていただきたいです。
恋愛の順番がめちゃくちゃで、いきなりつがいになるところから始まる2人ですが、アルファがめっちゃ溺愛してくるし、それに絆されてしまうオメガも可愛い!
でも話はそんな単純なものではなくて、アルファの方は積年の想いがあるし、オメガの方には面倒くさい双子の弟がいるし、一筋縄ではいかない。
事故つがいのアルファは、自分を嫌ってる幼馴染で、弟の好きな人で、好きになってはいけない相手で、これどうハッピーエンドになるの!?とドキドキでしたが、結末にホッとしました。
贈り物のセンスがない朴念仁アルファ、エルフィーのこととなると冷静でいられなくなる堅物アルファがかっこ可愛かったです。