恋愛の順番がめちゃくちゃで、いきなりつがいになるところから始まる2人ですが、アルファがめっちゃ溺愛してくるし、それに絆されてしまうオメガも可愛い!
でも話はそんな単純なものではなくて、アルファの方は積年の想いがあるし、オメガの方には面倒くさい双子の弟がいるし、一筋縄ではいかない。
事故つがいのアルファは、自分を嫌ってる幼馴染で、弟の好きな人で、好きになってはいけない相手で、これどうハッピーエンドになるの!?とドキドキでしたが、結末にホッとしました。
贈り物のセンスがない朴念仁アルファ、エルフィーのこととなると冷静でいられなくなる堅物アルファがかっこ可愛かったです。
本編は重苦しく苦難ばかりの椎葉と宗近が心を通わせたあと仲良くしてる!本編を読み切ったご褒美のような一冊でした。
番外編集なのでしょうが、それぞれのお話が繋がっていて、短編集という感覚はありません。さまざまな人物の視点からエスという話をより深く知ることができ、実は本編よりも読み返しているかもしれません。
宗近視点の『sleeping beast』は本編中の宗近の胸の内が書かれていてあの時こんなことを思っていたんだと嬉しく思ったり、宗近の密かな葛藤に心苦しく思ったり。
『I missed you』の椎葉のツンデレが最高です。あの恋愛には絶対に堕ちなかった椎葉がデレ……♡
奈良先生のマンガも最高で、私史上最も好きなセリフがあります。行為のあとの、バスルームでの椎葉のひと言。こういうのBLでしか無い愛のセリフだと思います。カッコよくてその裏に隠れてる愛情と宗近の返し!惚れました。
宗近視点『No hestitation』は会えなかったふたりの一年半の出来事が宗近の回想とともに書かれていて、宗近がまさかあんな恐ろしいことを考えていたとは思いもせず、びっくりしました。椎葉、一生独り身で宗近の迎えを待ってたら……。大変大変!
『Distant past』は篠塚兄さんのブラコン具合(語弊)がたまらない話です。
『Keep promiss』は鹿目の献身が苦しくて宗近と再会してほしいと願ってしまいました。
『Unforgettable』は本編の最中で別れを告げなければならなかった人々の回想です。タイトルどおりなのでしょうが宗近がそばにいてくれればきっと大丈夫だと思えるラストでした。
『New Year's kiss』は甘々♡椎葉も可愛いけど、宗近は本当に口がうまい!モテる男はこういう男なんだろうなぁ!
小説七つ、漫画一つ収録の短めの本なのでしょうが、エス四巻を読んだからには必ず読んだほうがいい一冊です。
そしてもっとたくさん読みたくなって次の番外編へと手を伸ばすという……沼が深いところがたまりません。先生ありがとうございました。