フロムヘブンヘブンというタイトルの通り、ずっとしあわせなところに主人公が置かれるので、穏やかな気持ちで読めました。(ただし平坦という印象はありません)
1冊まるまる同じストーリーなのですが、第1話が読みきりと言われても違和感がないほど序盤で展開がトントンと進みます。
とは言え無理な話の運びではなく、キャラクターの心情は丁寧に描写されています。
物語の最初と最後がなんとなくリンクしているような雰囲気があるのもおしゃれで好きです。
二人が不器用ながらもちゃんと思い合っているのがわかってキュンもほっこりも感じられて、繰り返し読んでしまう1作です。
二次創作で知ったDom/Subというジャンル、中々商業BLでお目にかかれないので、即購入しました。
Dom/Subという支配する側、支配される側と分かれてしまう以上、強引なやり取りがあったらどうしよう?と思っていたのですが、ちゃんと「セーフワード」の仕組みの説明もあったし、Domである攻めがとにかく紳士的でちょっとワンコ要素もあって安心して楽しんで読めました。
Subである受けが攻めに対して心地良さそうにしているのもすごくかわいかったです。
設定の説明もしっかりあって、Dom/Sub入門には適していると思います。Switch、Neutralっていう性があるのは知らなかったな。
ワンコ攻めと美人ツンデレ受けのケンカップルという定番なようで最近では一周回って珍しいようなカップリング。受けの姫宮先生が一重のクール美人というのがツボで、イラストも素敵でした。攻めがどんどんワンコっぽくなっていくのがかわいかったです。
作品はシリーズなしの単体ものですが、恋する救命救急医シリーズと世界観が同じで、出てくるキャラクターも重なるところが多く、英成学園など固有の設定も共通しているので、恋する~を読んでる身からするとかなり楽しく読ませてもらいました。
逆にこの作品から入る人は少し置いてけぼりをくらうかもしれないな~とも感じましたね。(身内ノリっぽくなってる感じ)キング神城とかクイーン篠川とか突然出てきてもイラストにもないし、わからないと思うので、気になる方には恋する救命救急医シリーズをおすすめしたいです。
春原先生の長けた医療知識で、医療現場の表現についてはリアルでお仕事ものとしての面白さもいつも通り楽しめました。
オメガバース作品の中でも設定が少し他の作品と違って、エクストラアルファやアルファオメガなどバース種にこだわりのあるシリーズなんだなと言う印象でした。後書きで他の作品のスピンオフだとありましたが、作中でも過去の因縁について思わせ振りな表現が多く、この作品から読み始めるとモヤモヤしながら読み進めることになるかも?という感じでした。もう少し過去の経緯や、関係するカップルの説明があった方がスムーズに読みやすかったかなあと。
作品自体はスパダリ×意地っ張り(攻め属性?)のイチャイチャでオメガバースにありがちな強引感が少なく、安心して読み進められました。