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山場が少し弱いかな~

クロスノベルスさんで先生が書かれるほのぼのオメガバースシリーズ(繋がりはなく私が勝手にそう呼んでるだけです)

これまでは純粋なひとめぼれだったり、お見合いだったり、子供がきっかけだったりしましたが、今回の二人の出会いはなんとガチャガチャ。
運命の相手を探すアルファの超有名芸能人である攻めがガチャガチャに託した『婚約権利』を引き当てたオメガの受けが、熱烈に愛されるお話です。

なんじゃそら、さすがにありえんと思わなくもないですが、まあそもそもオメガバースなんて一目見た瞬間『運命の番!結婚!』展開も当たり前。ファンタジーだと思って気楽に受け入れました。

さてこのお話、タイトル通りとにかく『甘い』『婚礼(結婚生活)』なんです。婚約者のはずが出会ったその日に一線超えて、最初こそ困惑していた受けは超イケメン有名人の攻めの押せ押せ溺愛攻撃にすっかり陥落し、番にはなっていないもののすっかり夫婦としてラブラブ新婚生活を送り、やがて愛の結晶である長男を授かります。

妊娠したとか子供が生まれたあたりが山場になるかと思いましたが、そこまでも実にスムーズ。じゃあこの作品の山場は?というと、子供が成長するにつれ問題になってくる『大人気俳優である攻めが実は結婚してて子供も産まれていたというスキャンダル』になります。
元々は受けが妊娠したタイミングでさっさと公表するはずが、やれ新作映画の撮影中だから、やれ好感度一位で売れてる時だからとタイミングをはかって伸ばし伸ばしにしてるうちに、子供は遊び盛りの二歳。遊びに行った遊園地で親子三人でいるところを見られ、ついにバレてしまう。という展開。

まあ正直言って、この山場が弱いです。盛り上がりに欠けるし、なんだかんだ先延ばしにした攻めの事務所が悪いし、ぶっちゃけると深刻気味に引っ張った割には結末もかなーりあっさりしたもの。
全体的にトントン拍子で進む内容でしたが、一番の山場までこんなあっさりなのはちょっと残念です。

全体的にほのぼの甘々した展開は好きなので、この山場さえもうちょい盛り上がったなら評価一つ上にしてもよかったかもしれませんね。

たっぷり甘々ですがエロシーンも多めです。先生おなじみの攻めフェラもたっぷり。八千代ハル先生の挿絵もエロシーンに多めなので、甘いだけじゃなくエロスも欲しい時にはいいかもしれません。

エロくて、ハードで、ラブもあって。

誰にも愛されなかった主人公が異世界転生し、王様に吸われまくり抱かれまくり、衆人環視に乱行、がっつりモブからのレイプもあるよ。
そんな西野先生らしい特濃な一冊です。

あらすじとしては、
子供の頃から良い子でいよう、迷惑をかけないようにしようとするも全て裏目に出てしまい、自分に自信のない佳那は、職場の倒産や恋人からの一方的な離縁に心身ともに傷付いていた時、道端にいた猫を庇い事故死してしまう。
だがその猫の正体は別世界の神であり、佳那は彼の温情で見知らぬ異世界のコードウェルという国に送られ、王であるディランの『蜜花』として迎えられる。

この世界では『雄蜂』と『蜜花』という限られた存在がおり、『蜜花』の精は雄蜂に力を与え、逆に『雄蜂』から精を受けることでより濃密な精を放つようになるという特性を持つ。
かねてより予言されていたディランの蜜花として、その場で一昼夜激しく吸われ抱かれた佳那は、その日からディランのそばで『蜜花』としての淫らな性質を開花させ、また初めて他人に愛され、必要とされることに幸せを感じるようになる。

だが、佳那がディランの蜜花である事に反対する一派により佳那の身に危険が迫りーー

といった感じです。

エロシーンはかなり多めで、先に述べた通りディランとの描写以外にも、他の男に見られたり吸われたり抱かれまくったり乱れたりとかなりバリエーションがあります。
そこは西野先生ファンであれば許容範囲じゃないかなとは個人的には思いますが、『攻め以外が受けに手を出すのが地雷』という方にはおすすめできませんね。

私的にはそこはまあ大丈夫でしたが、受けの名前とビジュアルが女の子っぽかったのと、佳那を酷い目に合わせた奴らへの落とし前がぬるすぎたのがあまり好みじゃなかったかな……。

すさまじくこじれている

オメガだけど別に番は求めていないパティシエ志望の澪と、人違いで見合いの場に現れた金持ちのエリートアルファ雅信。『運命の番』じゃないはずなのにお互い発情してしまい、正気に返った澪は無理矢理番にされてしまうかもという恐怖から逃げだす。だが時を経て、雅信との子、隼斗を抱えながらオメガ支援施設で働いていた澪の元に、雅信が現れる。
いまだに澪を愛してる雅信と番になりたくない澪、二人のすれ違いこじらせラブストーリー、という作品です。

とにかくこの作品の肝はまっすぐに好きだと言ってくる攻めの雅信に対して受けの澪が感情をこじらせまくってるところなんですが、まず澪の心情を理解するためには、以下の2点が重要となります

1、この世界では生まれてすぐバース性が分かり、それぞれの性に応じた抑制薬を投与される。そのため、オメガはめったにフェロモンを出さないしアルファもそれをかぎ分けられない。
2、『運命の番』とは、国が発見した『番遺伝子』から導き出した『子作りにおいて相性のいいアルファとオメガの事』であり、基本的にオメガがフェロモンを出すのはこの『運命の番』に対してのみと言われている。

これが常識となってる世界なので、澪は自分のことを「『運命の番』じゃない男に発情した淫乱」だと責め続けるし、いくら雅信から愛を告げられても「『運命の番』じゃないのにそんなわけない」とはねのけてしまう。

雅信への怒りと嫌悪は割と早い段階で解けるのですが、上記の『自分が知る運命の番のありかた』と、そもそもの『番なんてほしくない』という感情が澪を頑なにして、なかなか二人の仲は進展しないのです。

雅信も雅信で逃げた澪に対して「謝って、そして改めて番として迎えたい」と割と甘い事を考えてたけど、澪に怒りと嫌悪をぶつけられた事にショックを受けたり、『番なんていらない』という澪の気持ちを尊重したいけど諦められないし他の男に渡したくないと思い悩んだりするわけですが、作品の全体としては澪がとにかく思い悩み、それに対して雅信含む周りの人たちが優しくサポートしてあげる、というのが主軸ですね。

特に澪が身を寄せていたオメガ支援施設の良治と琴羽は、まだアルファとオメガがお互い本能で強く惹かれ合い結ばれていた世代なので、遺伝子だけで相性が決まるわけじゃない事を知っており、また澪に、相性なんて関係なく強く惹かれ合う『真の運命』というものがある事を教えてくれます。

そんな感じで一つずつ頑なな澪の心をほぐしていくわけなんですが……なんかそれだけこじれた割に、全部解決した後はあっさり二人が結ばれてしまった気がします。

特に澪が『番はいらない』から『番にして』に代わる一連の流れは何度見ても「なんで今の流れでそうなった……?」という感じで。そこまでは割と悪くなかっただけにくっつくまでの流れがよくわからなくて、ちょっと冷めてしまいました。

おまけストーリーも悪くなかったけど、全体的に引っ張った割に盛り上がりに欠けて、まあ普通、という印象でしたね。きちんと澪の心情を理解できないとただただ身勝手で情緒不安定なキャラにしか見えないし、『純情』というタイトルは少し違うかなあという感じです。

読み返すほどではないな……。

溺愛というには弱い

個人的に義月先生は当たりはずれがあるなあという印象の作家さんなのですが、今回のは……個人的にはやや外れ寄り。

タイトル通りのオメガバースものですが、特に目立ったオメガ差別だとか番にするしないのハラハラドキドキ的なストーリーはありません。
あとがきを見るとおり、子猫的な可愛らしい受けをかわいいかわいいと攻めが愛で倒す、そういう話を書きたかったのだろうというのはわかります。

実際、出てくる人物はごく一部を除き、明るく優しい大学の生徒や受けの親族ばかりで、誰もトラブルを起こしたり二人の恋路を邪魔したりということはありません。強いて言うなら一番トラブル起こしてるのは受けのカナタ君かな?

ただ、読み終えたところ、タイトルの『溺愛』はちょっと違うなあって感じです。
攻めの宇柳はほぼ後半まで自分の恋心には無自覚。カナタの事は可愛い猫ちゃんだと思っており、気まぐれにかまうだけだと豪語。実際その通りで、作中何度もカナタが忙しい宇柳とすれ違ってばかりで不安を抱える場面が目立ちます。

溺愛というならもっと甘さを出してほしい。というのが感想ですね。

二人の恋についても、描写が足りていたかと言われると微妙なところ。二人はお互い特別な何かを感じていたようなので、多分運命の番……なのかな?というところですが、カナタはどうも他人からの『宇柳はすごい』で勝手に好感度上がってヒートからのセックスに気持ちが引っ張られた感がものすごい。(直接二人が接していた時に宇柳がそんな好感度上がるような言動をしたように見えない)
宇柳は一応作中ただ気まぐれにかまってたカナタを本気で好きなのかも?と考える描写や、これこれこうでカナタが好きなんだよと告白するシーンがありますが、それよりなんかもう常の上から目線がどうにも鼻について……

『傷ついて怒ってるカナタ可愛い』とか言ってる男はやはり溺愛ではないと思います……。

話自体は平凡な日常描写メインの割には面白かったのですが、『溺愛』というタイトルから甘いお話を予想してたのでなんか裏切られた気分です。

カナタ君自体はとても可愛かったですが、とにかくかわいい受けが一人でぐるぐるしてるのが好き!という方くらいにしかお勧めはしないかな……。

運命を叩き壊す!

小中先生、まさかの悪役令息もの!

現代に住むゲイのしがないサラリーマンである主人公は、目が覚めたら自身がプレイしていたBLゲーム『SAINT』の悪役令息、ジョシュアになっていた!
という導入なのですが、主人公は別に腐男子というわけでなく、『SAINT』は妹に頼まれプレイしただけ。
というのもこの『SAINT』は絵柄以外クソゲーであり、とりわけ主人公が乗り移ったジョシュアは悪役とはいえどのルートでもこれでもかという程酷い扱いを受ける役なのだった。

記憶を頼りに、一番ジョシュアの扱いがマシであるルートに導くため、婚約者の王子と主人公から断罪されるイベントが起きる日、フラグとなる魔獣カーバンクルを拾いに行くジョシュア。
そのカーバンクル、ハナが非常に可愛いんです。獣人の男の子っぽく変身した姿がまた最高に愛らしい。
記憶喪失のハナに『ママ』と慕われ、ジョシュアは彼を連れ帰ろうとしますが、その前に断罪イベントが始まってしまう。とっさにハナをある人物に預け、真正面から婚約破棄を申し付けるアレン王子と主人公キャラの聖也に立ち向かうジョシュア。その彼に救いの手を伸べるのが今作の攻めでハナを預けた伯爵のイーヴァルでした。

タイトルでネタバレの通り、イーヴァルは人間のふりをした魔王で、ゲームではジョシュアを一番ひどい目に合わせる天敵ともいえる男。しかし魔獣を預けるなら魔王の彼しかいないというとっさの判断でしたが、それが気に入られてジョシュアはイーヴァルに身柄を預けられ、ハナと共に彼の屋敷で暮らすことに。

どうやらこの世界はゲームと同じようで大分違いがあり、アレン王太子はアホだし主人公役の聖也は性格の悪いビッチだし、自分が乗り移る前のジョシュアは悪役令息どころか逆に二人からいじめられている立場。そしてイーヴァルも例にもれず、冷酷な魔王どころか意地悪なところはあるが紳士な性格で、ドキドキしっぱなしのジョシュア。

中盤でとうとうイーヴァルが魔王であることが判明するのですが、それでも性格は変わらず、むしろ魔王と呼ばれた彼が魔族や魔獣関連のトラブルを片付けて回る正義の味方側であることが判明。同時にジョシュアも素性を明かし、晴れて隠し事の亡くなった二人の仲は急速接近。
チート級の力を持つイーヴァルと可愛らしいハナに囲まれて、一気にジョシュアは幸せルートを駆け上がる!
そんなお話です。

深層の令息、といった外見を裏切るジョシュアの気の強さ、ハナとのほほえましいやり取り、イーヴァルとの駆け引きなど小気味よい展開と、地味な嫌がらせを受け続けながらも自分の後ろには最強の魔王がいるんだぞという安心感が素晴らしいです。

入れ替わりに現代転生した本物のジョシュアを始め、ハッピーエンドでよかったと心から思える作品でした。