正直、他民族を取り扱うBLって結構地雷になる危険性を帯びていると思います。
私も読むまでは、実際に存在している民族でないとは言え、大丈夫なのか?文化人類学的にモヤるところはないのか??などかなり恐る恐る頁をめくりました。
読んでみると、私の場合、その心配は杞憂に終わりました。
もっと深く他民族との関係について考えていらっしゃったり、学んでいらっしゃる方も全く蟠りなく読めるよ!とは言い切れないのですが、少なくとも私は大丈夫でした。
むしろ、難しい話は置いておき、二人とも互いのことや互いの文化のことを大切にしていて、素敵だなあと思います。
もうね、2人とも可愛いし、かっこいいし、ずっとニヤニヤしてました。
作画の方もかなり綺麗で読みやすかったです。
にやま先生の作品は他にも幾つか拝見したことがあります。
個人的には1番好きでした!!
先生もおっしゃっているように、まだアダルトな関係ではないです。
でも、とてもピュアで胸が痛くなりながらも、しっかりときめけました!
「ね、大人ってずるいよね」と思いながら攻の高校生くんを応援したくなります。
周りのお友達もみんな温かく、ストレスなく読めます。
ただ、にやま先生の描かれる大人な関係の雰囲気がお好きな方には、まだ物足りないかもしれません。
また、大人組がやや賑やかな感じです。
ですので、イケてる、落ち着きのある大人といった感じではないです笑
そこが気になる方は気になってしまうかもしれません。
特にスマートな大人がお好きな方は蟠りを感じる部分もあるのかなと思います。
でも、大人だって人間なので気付けないことも、お馬鹿なところもあるよね!大人って意外と大人じゃないよね!と流せる方もいるかなという感じ。
モヤるか、全く気にならないか微妙なラインかもしれません!
ただ、私は大人の受けが、高校生の攻が抱える思春期特有の悩みや恋心にはしっかり向き合っているように思えました。ですので、とても優しい作品だと感じました。
にやま先生らしく、登場人物の感情の動きが分かりやすくて、今回も素敵な作品でした。
ありがとうございます。続きが楽しみです。
まず作画が美しくて、それだけで楽しめます。
きらきらしてますし、湿度まで感じられる。かなり画力がすごい。
物語も、全ての蟠りが解決されるわけではありませんが、むしろそこが現実的だと思います。
作中では受が母に性的趣向を知られ、気まずくなるという場面があります。そして、受とその母はなんとなくずっと気まずい空気です。物語の中でそれらは解決されません。
ですので、母との関係は結局?とか攻はなんでずっと受の部屋に来てたの?とか疑問は残ります。けれど、現実だって2人が結ばれたら、急に周りに認められるんけではないでしょうし、人の行動全てに理由付けがあるわけではないのではないでしょうか。
ただ、そもそもアパートの隣の部屋に毎晩通うなんてフィクションやん!(物語なのでフィクションです)って感じで、The物語な点もあります。ですので、全てが綺麗に収まりきっていないところに現実味を感じつつも、夢のようなときめきも持ち合わせています。
私はそのバランスが心地よくて、好きな作品です。
ちなみに2人は結ばれますので、ハッピーエンドではあります。
まるで純文学のような美しい物語となっています。
おそらくあまり関係ないとは思われますが、谷○潤一郎の『刺青』と似た世界観を感じます。
よって、彼の作品が好きで、かつBLがお好きな方はかなりお好きだと思います。私もその口で、かなりときめかせていただきました。
芸術的です。官能的ですが、下品さはないです。ですので、無垢な受がほんの少し危ない目に遭うシーンや、悲しい場面もただただ魅了されます。
すごい作家さんに出逢わせていただきました。
野暮な話ですが、作家さんの素顔が気になってしまうほどの耽美さです。素敵すぎて何度も読み返しては物語の世界に浸っています!!
感謝の合掌