クラスのイケメンに女装趣味がバレてしまったことから正反対な2人の距離が近付いていき⋯という学生焦れったピュアBL。
女の子っぽい受けは射程範囲外なのですが、好きな作者さんなので迷わず購入したところ新たな扉を開きそうになりましたね⋯!
この日並くんは先生の作品の受けではめずらしく、お顔もかわいらしく華奢で小柄でおまけに女装男子。見た目も中身もThe受けちゃん!という感じなのですが
オドオドと気弱な面はあるものの、好きなものに真っ直ぐ努力できるところや芯が通っているところがあり大好きになりました。
『可愛い顔なのに男勝り』とか『顔に似合わず腹黒で口が悪い』などのわかりやすいギャップは無いのにこんなに魅力的に感じれるとは⋯新発見でしたね。
そしてなにより、女装によって美少女に変身した時も骨格が!華奢なのにしっかり男の子なんですよ⋯!先生の拘りや画力の高さが伺えます。
女装をしていない時もいわゆる女顔とか美少女顔ではなくちゃんと男の子みを残した『可愛い』だったのも個人的に好きでした。
対する攻めの漆原くん、こちらも正統派クーデレ攻めと見せかけて実は抜けている(天然?)部分や濃厚オタクな面があったり⋯一言でいうとバカ(褒め言葉)なんですよ。真顔でボケるシーンが大変かわいいです。
序盤は持ち前のコミュ力とイケメン特有の圧で日並を振り回していたものの
日並への恋心を自覚してからは日並に振り回されている純真さがあり見た目からは想像できないくらいピュアです。
過去に彼女がいた?ような発言があったので恐らく恋愛経験はあるのでしょうが自分から好きになったのはきっと日並が初めてなのでしょう。
ポーカーフェイスなのに作画でしっかり心情がわかるところも凄い。日並にだけはすっごい優しい表情するんですよね。5話の後夜祭で『にっ』と笑いながら日並を覗き込む時の表情がもう~言葉では表せないくらい本当に辛抱堪らないので是非見ていただきたい。荒んだ心に沁みますので。
接点もなかったただのクラスメイトから友達に、そして恋心やお互いへの独占欲を抱くようになるまでの過程がコスプレ趣味を絡めながら丁寧に描かれていて、焦れったいのですがそこも可愛くて⋯とにかく幸せな気持ちになれます。ハラハラやドロドロ展開が好きな人は物足りないなもしれませんが可愛すぎて胸焼けしそうなるようなBLが読みたい人は読むべき!!
良くも悪くも平和に読み進められるので試し読みで気になったら購入して損はないです。
あとは、抜きあい未遂などはありますがエッチシーンもほとんどないのでBL初心者にもおすすめしやすそう。
ラッキースケベやエッチな妄想に苛まれる事が多い中で頑なに攻めに手を出させないところにも先生の拘りというか執念を感じました。そこがまた良い。
身体を描くのが上手い作者さんだからなのか、エッチでないはずの採寸シーンなどが逆にエロい気がしてくるので不思議ですね⋯。
2巻以降ではもう少しイチャイチャや初エッチが読めるのかなあと期待する気持ちと
いやこの2人はまだピュアでモダモダしていてくれ!という気持ちでどうにかなりそうなのですがとにもかくにも続きも楽しみにしています。
特典
コミコミスタジオ⋯ねこちゃんになる日並(かわいい)
とらのあな⋯ラブホ事後(漆原くん頑張れ)
アニメイト⋯卒アルを見ながら中学生時代の話で盛り上がる2人(かわいいショタ見れるのも嬉しい)
電子⋯彼氏による餌付け(かわいい)
今回は単行本化待機だったこちらの作品。
個人的にですがざらめ先生のお話は受けと攻めの関係性が優しい印象が強くそんな先生がD/Sを描く…?!一体どんなお話になるのだろうと連載開始のお知らせを見たときから楽しみにしていました。
読んでみて大正解、主従関係の中にも信頼感やちゃんとした気持ちの変化が描かれていて読んだ後心がジンとなるような作品になっています。
Domなんて要らないと頑なだった受けの晴綺は意外と押しに弱いチョロかわちゃんで
タイトル通りどんどん攻めの朱来に本能を暴かれていました。笑
先生がSNSで、こんな攻めを描くのは初めてだと仰っていましたが確かに柔和なイメージとは逆に押しが強い!笑
いいぞもっとやれ!という気持ちになりながら読み進めてしまいました
いやーそれにしても互いが互いに執着していく過程が本当にお上手ですね。
D/Sという強者、弱者がハッキリとしている世界の中でも、もしかしたら先生は対等性をテーマにしていらしたのではないかな…
毎度の事ながらざらめ先生の描く2人の恋愛観というか関係性は現実世界にもリンクしているような気がします。
もちろんHシーンもしっかりあります!
お話の性質上か玩具半分、本番半分という感じでしたが大きすぎる攻めを受け入れるために頑張ってしまう晴綺は本当に可愛いです。最初は朱来を拒絶していたとは思えないほどのチョロかわちゃんに成長したのも朱来さんの深い愛と激しい調教があったおかげなのでしょう。
余談ですがモブのホストさん達もとにかく顔がいいです。巴はいけ好かないけど意外と可愛い?一面もあるようだったし潮見(黒髪メガネ方言グラスチェーン)が好みすぎるのでスピンオフがあったら読みたい。
ざらめ鮫先生の新刊、待ってました!
まとまるのが我慢できず単話でも追っていましたが
やはり纏まった状態で読むと満足感が段違いです。
利害の一致で番となったアイドル達のその後ーとインタビューでも仰っていたとおり、1巻よりあまラブ度が増しています。前作ではなかなか見られなかった密生さんの柔らかい態度や、攻めにだけ見せる安心しきった表情は1巻を読んでいたからこそのたまらないものがあります。
瀬兎も学生から大人へと成長しているのですが、新キャラの【顔面最強おにいさん】の登場に嫉妬したり動揺したり、かわいい年下攻めの魅力も忘れず見せてくれて・・・可愛い攻め好きとしてはもうざらめ先生最高ーーー!!とスタンディングオベーションしてしまう勢いでした。
前作よりもお互いを想い合っている瀬兎と密生なのですが、その想いが強すぎるあまりすれ違ったりアイドルとしての華やかな活躍をする一方で年相応に思い悩んだり。2巻では2人の人間性や価値観もたくさん描写されていてよりキャラの魅力が伝わる内容になっていました。
そして、もともと絵がとてもお上手なざらめ先生ですがまた画力をあげられましたね。
ライブシーンやえっちシーンの魅せ方は言うまでもないのですが、瀬兎・・・!瀬兎の体格がとても良くなっている・・・!!!男性キャラとしての魅力が更に増していてどのページもビジュアル大爆発で大変眼福でした!!
小冊子、特典ペーパー類はどれもファン必見の満足度でもう本当にお腹いっぱいです・・・!!3巻の発売も楽しみに待ちたいと思います。
アイドル同士のオメガバース作品。
ちょっとこれはまずいくらい良かった。
まず題材(アイドルもの)と作画の相性がドンピシャです。画面作り、構図、キャラの美しさ…どれを取っても最高級でした。
受けである密生はα同士の両親から生まれたことに加え、幼少期から神童だなんだと持て囃されていたのでポテンシャル自体は高い子なんだと思う。
Ωだと判明した後も見捨てず支えようとしてくれた両親に応えるためにも今まで以上に努力しないと…!となるあたり、すごくストイックで素直で応援したくなる人物です。
ストイックすぎて、コップいっぱいに注がれたミルクのような、いつ決壊してもおかしくないそんな危うさを感じました。
そんな、ギリギリで生きてきた密生だから瀬兎とビジネス番を結ぶことを受け入れちゃったのかなー…と。
今までΩであるという事へ感じていた負い目が、
『性別にとらわれず真っ直ぐにその人自身を見てくれる』瀬兎と過ごすうちに
自分の中にもαに対する偏見があったことに気づいたり
自分は自分のまま(Ωのまま)いてもいいんだと変化していく様子が
The絆されツンデレ受け!と言った感じで萌え心的にもとっても良き。
後半からの流れは、わたしたちが生きる現実にも存在する様々な差別や偏見やそれに立ち向かっていく姿勢に似ている気がして瀬兎の言葉に思わず感動してしまいました…。
あの言葉は『アイドル、蜂谷密生』に憧れ、追いかけてきた瀬兎だったからこそ言えた言葉だし
だからこそ密生にも響いたのだと思います。
そこまで暗かったり重かったりするお話ではありません(むしろハピエン王道を貫いている)が
作者さんの絵柄や画面作りのおかげか
後半の2人の気持ちが重なっていくシーンはしっとりと、ゆっくり心に染み込むようなものもあり
改めて、誰かを思いやることの大切さが伝わってくるお話でした。
描き下ろしのラブラブっぷりというか、本物の番になってからの密生のエロさが天井知らずだったので
これから瀬兎は大変だろうな~とニヤニヤせずにはいられません…。笑
続編も楽しみにしています!