フランク
gokudousan wa aisareru papa de aisaika
あとがき(あとがき;と銘打った項目から最後の著者名含めて)のボリュームの約7.5倍くらいの量です。
内容は激甘です。
そしてこれまたこの小説のファンなら是非読んでほしい〜と思わせる内容で、電子限定なのが申し訳ないくらい。
ネタバレしてます。
夕飯後、佐知に突然腕をつかまれて賢吾は車の後部座席に押し込まれます。
運転席にいるのは伊勢崎。
佐知は驚くほど強張った顔をしていて、こんな緊張した佐知の姿は小学生時代の予防接種以来です。
そして車が向かった先は、雨宮医院。
伊勢崎は二人を送り届けるとさっさと車を出してしまい、相変わらずぶっきらぼうな佐知と戸惑う賢吾はそのままリビングへ向かうと…
そこには見慣れない間接照明と、寄り添うように並んだワイングラス二脚と、佐知お手製の芸術品のようなおつまみが。
いかにも恋人と甘いひとときを過ごすための空間といった様子。
そして、意を決したように、「お誕生日おめでとう!!」と佐知。
賢吾すら忘れていた誕生日を、佐知がお祝いしてくれている…
そりゃあもう、嬉しいに決まってますよね。
この書き下ろしは賢吾視点で綴られているので、もうそこらへんの気持ちがめいっぱい詰め込まれてます。
さらにサプライズが。
なんとどう見ても数百万はするという時計を用意してるんです、佐知が。
あの堅実な佐知が!
あまりの事にびっくりする賢吾に対して「う、嬉しくないのか?」とおずおず不安そうに尋ねる佐知。
「誕生日にこんな高額なもの渡すのが重いってぐらいわかってる!」
「店員が腕時計をプレゼントするっていうのは、「一緒に同じ時を刻む」って意味があるって言われて、それなら壊れたりしないような、ちゃんとしたやつが…でも ごめん やっぱり重すぎるか?」
だなんて、佐知、その気持ちは健気だけど賢吾のことまだ全然わかってない!!
佐知の気持ちが重ければ重いほど喜ぶ賢吾のことを。
賢吾は、当然のごとくさらりと「一緒に同じ時を刻みたい」という佐知の言葉を聞いて、口を開いたら泣いてしまいそうな気がして、返す言葉も出てこない状態になっちゃってます。
もう、こんな佐知がいてくれることへの幸せを、そして与えてくれた神様への感謝をする賢吾。
そして、もう一つプレゼントがあるんだけど?という申し出に、もう十分なのにと思いながらも、「もう一つ?」と尋ねる賢吾。
もう一つのプレゼントは当然、佐知本人。
それでは遠慮なく一晩中堪能しようと思う賢吾。
めっちゃ甘いです。
予想外のことをしてくれる佐知に対して、もう賢吾はほぼノックダウン状態です。
感動しすぎて口がきけない状態になってる賢吾なんだけど、それを見て、もしかしたら重かったかな…みたいな悪い方向へ捉えてるであろう佐知ったら…。
この書き下ろしを一番読んでほしいのは佐知かもしれない。
これを読んで、賢吾の深〜い愛&思考回路をもっと知ってくださいと言いたいな。
二人のイチャイチャが何より好きなので、お邪魔虫も登場しないこういう書き下ろしは本当に嬉しい。