ポッチ
shijima no tsuki
「静寂の月 上・下・Another 同時購入企画」という事で、コミックス『静寂の月』上下巻と、小説版『静寂の月 Another』の帯にそれぞれついている応募券3枚で応募できた全プレのリーフレットです(残念ながら応募は終了しています)。
必要だったのはこの3枚の応募券だけで、ほかに自己負担金や別の書籍の購入が必要だったわけではないので、ペーパー一枚とかそういうものをイメージしていたのですが、手に届いてみれば、
めっちゃ豪華なリーフレットでした…。
森嶋さんの描かれたコミック部分が16P、姉村さんの書かれた小説部分は4P、合計20Pのリーフレット。薄いピンク色の薄手の紙に印刷されていて、表紙もなく半分に折ってホッチキスで留めた造りですが、実質本を買うだけで応募できるリーフレットにしては豪華すぎる感じ。
しかも、姉村さん&森嶋さんのコメントが書かれたペーパーに、喬木×幹のイラストがついた付箋まで同封されてました…。なんというサービス精神か。ちょっと感激しました。
という事でリーフレットの感想を。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
まず序盤はコミック版。
時系列は本編終了後。
結婚式が執り行われるであろうシーンからスタートします。
そこで色々手配している男性が。
彼は進藤くん。コミック版の最後で出てきた幹の転校した先の高校で幹の親友だった彼です。
その進藤くんに声をかけたのが島崎。奥さんと一人娘も同伴していて、お互いに挨拶をしたり世間話をしたりしている彼らですが、そこに幹の双子の弟(超ブラコン)の樹が登場。
幹の結婚相手について愚痴をこぼす樹ですが、うん、この結婚式は喬木さんと幹のお式なんですね。
樹の恋人なのでは…?と思う男性が登場したり(樹主役のスピンオフがあるらしい)、そして相変わらずラブラブな喬木さん×幹の描写があったり。
でも、このストーリーは進藤くんのお話でした。
ずっと、幹のことが好きだった。
好きだからこそ、幹の幸せだけを望んでいる。
進藤くんの視点で描かれていて、そこに描かれているのは喬木さんと幹の結婚式なのだけれど、そのストーリーを通して描かれているのは、進藤くんの報われない恋心なんです。
そんな彼の一途な想いに、ぎゅんと萌えが滾りました。
できることなら、彼主役のスピンオフも描いてほしいな。
終盤は姉村さんの書かれた小説が収録されています。
タイトルは『タイトル・ロールのその先に』。
こちらも本編終了後。
幹が、目を覚ましたのであろうその後のストーリーを、島崎くん視点で書かれています。
島崎くんの奥さんの所有している別荘に、目を覚ました幹を連れてきた島崎くん。
彼を苦しめてきた全てのものから、幹を掻っ攫って連れてきた。
「財布以外、全部置いて来い。全部だ」
というセリフとともに。
幹を縛り付けるしがらみをすべて理解したうえで、それらから幹を解放してあげたいと願う彼の気持ちに、なんとも萌えが滾ります。
けれど、誰も知らないであろうその場所に、一人の男性が訪れて―。
コミック版と小説版ではエンディングが異なり、キャラの性格やシリアス度も全くことなりますが、このリーフレットも本誌を踏襲していて、「結婚式」という甘いテーマを描いたコミック版とは異なり、小説の方はややシリアスです。
視点は島崎くん。
そして、その彼の目を通して見えてくるのは、離れても、どれだけ時間がたっても、それでもなお忘れることのできない喬木さんと幹の深く複雑な想い。
実は、小説部分はこのリーフレットで完結していません。
この後のお話もあり、それは姉村さんのHPに掲載されています。リーフレットにURLが記載されていますが、おそらく姉村さんのHPに行けば読めると思います。
ここまで読んで、初めて完結するストーリーだと思いますし、このリーフレットを読んでいない方でも二人の行く末がうっすらわかる内容になっていたので、興味のある腐姐さまは是非HPを訪れてみてほしいと思います。
コミック版と小説版の二つのストーリーが楽しめる、一冊で二度おいしい、非常に豪華なリーフレットでした。