ポッチ
mouiikai madadayo
コミコミスタジオさんで購入すると特典でいただける、おなじみの特典小冊子。A4の紙3枚を真ん中で折ってつくられているA5サイズの大きさで、小説部分のページ数は11P。
本誌の表紙がこの小冊子の表紙でもあるので、ムクさんの描かれた可愛らしい絵柄が大きく見ることができて眼福でした。
という事でレビューを。すみません、ネタバレしてます。
本編は春宵視点で描かれていますが、この小冊子は樋野くん視点のお話。
時系列は本編終了後。
本編で樋野くんが山崩れに巻き込まれ大けがを負ったときに助けてくれた鼫鼠さんが樋野くんの家に遊びに来るところからストーリーは始まります。
春宵は樋野くんが妖怪と懇意にするのをあまり快く思っていないので、この鼫鼠・楓さんは春宵がいない時にこっそりやってきて、樋野くんのことをなにくれとなく気にかけてくれているお母さんのような存在。
男同士で付き合うということ。
人間と妖怪という、種族が違う者同士であるという事。
そういった不安を、楓に訥々と相談する樋野くんですが、彼女に相談しながら樋野くんが決意を固めたこととは―。
老いることのない春宵と、(妖怪からみたら)すぐにその生涯を閉じてしまう人間である自分。
春宵とともに生き続けるために、少しずつ決意を固めていく樋野くんの想いが描かれている小冊子でした。
樋野くんと春宵が、ゆっくりと着実に絆を深めている様子もうかがえて、気持ちがほっこりする、やさしいお話でした。
本品は『もういいかい、まだだよ』の
コミコミスタジオ特典小冊子になります。
樋野視点でまだ恋人になりたての頃の
妖怪との交流を描いたお話です。
樋野は大学生の頃
山で遭難しかけたところを
鼫鼠の妖怪夫婦に助けられます。
雌鼫鼠の楓はとても母性が強く
妖怪的には「脆い人間」である
樋野をとても心配してくれて
樋野を訊ねるようになっていました。
しかしながら春宵は
樋野が妖怪と接触する事を
あまりよく思っていないので
楓は樋野ひとりの時にやってきます。
今日もバルコニーに現れた彼女を
樋野は笑顔で向かい入れました。
本日も母方の実家から届いた柿を
お茶請けにして近況を報告から
春宵との同居についての話になり…
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)で、
12頁と長めな小冊子は
樋野と妖怪達との交流風景になります。
本編続編「もういいかい、もういいよ」で
樋野が妖怪達と交流を持っていたと
言っていますが
本作はそんな交流の一端が
垣間見れる幕間的なお話です。
樋野は春宵との関係で
取り留めもなく悩んでいる事を
楓に吐露するように相談します。
楓は辛抱強く、合いの手を打ちながら
樋野の話を聞いてくれますが
「命の短さ」と比べたら
「案ずるより産むがやすし」だと
樋野の背中を押してくれます。
その後、春宵がやってきて
樋野が自分の思いを春宵に告げる
終幕まで
ゆっくりとではありますが
樋野と春宵が2人の未来を見据えて
共に前に進もうとしている様子が
とても良いなと思えるお話でした。
続編では同居生活も長くなり
2人暮らしも様になっていましたが
「もういいかい」という問いかけに
「もういいよ」と応えられるまで
人で有限な樋野と不老の妖怪春宵には
いろいろな事があったと思います。
そんな彼らの思いの一端を
本作は詳らかにしてくれました。
樋野の本当の望みは
本編続編でもかなえられてはいませんし
成就することが必ずしも
幸せになる事ではないかもしれません。
それでも樋野の願いは
かなうと良いなと思います (-人-)
※他店舗特典(レビュー済)
フェア店舗特典は安藤視点での
春宵との関りを描いたお話になります。