きみがいれば大丈夫

てのなるほうへ

te no naru hou e

てのなるほうへ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神68
  • 萌×262
  • 萌24
  • 中立4
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
28
得点
664
評価数
161
平均
4.2 / 5
神率
42.2%
著者
栗城偲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
てのなるほうへ
発売日
価格
¥890(税抜)  
ISBN
9784773088021

あらすじ

それは昔々。
他の妖怪たちに顔がないからと仲間はずれにされた寂しがりやの妖怪・のっぺらぼう。顔を狐面に隠し、ひとりぼっちで愛する誰かを待っている。
そして二百年──。
一般企業に勤める中途失明者の巽は職場で浮いた存在なのを自覚していた。
そんな巽の唯一の楽しみは狐面を拾った縁で出逢った男・草枕と過ごすランチタイム
。古くさい言葉遣いでちょっと浮き世離れしているけれど真っ直ぐ巽と向き合ってくれる彼に、いつしか恋心が芽生えていく。
そんな時、巽のまわりで不思議なことが起こりはじめ……!?

表題作てのなるほうへ

草枕,妖怪・のっぺらぼう
紺野巽,コールセンター勤務,中途失明者,21歳

その他の収録作品

  • めんない千鳥の啼く夜
  • 春宵一刻
  • あとがき

レビュー投稿数28

優しいお話でした

ムクさんの綺麗な表紙が気になっていたのですが、初読みの作家さまだったので購入を悩んだのですが、あらすじが面白そうだったこと、レビューが高評価だったことなどから手に取ってみました。

すごく良かった。トラウマもちが愛情に満たされ回復していく、というストーリーが好きなこともあるのですが、ツボにどんぴしゃなお話でした。

のっぺらぼうで、仲間の妖怪からも疎まれ孤独に生きてきた草枕。
14歳で視力を失い、職場では孤立している巽。
自分を見られることに恐怖すら覚える草枕と、目が見えないゆえにその人の本質がみえてしまう巽。お互い足りない部分を補いつつも、相手によりかかることはせず思いやりを持って相手に接する二人の優しさや愛情にほっこりとしました。

妖怪(人外)×人間という組み合わせは数多くあれど、「のっぺらぼう」っていうのは斬新で良かった。

草枕も巽も孤独感をかなり感じながら生きてきたわけですが、実は…。というところもよかった。自分が気づけなかっただけで周りは優しさに溢れていた世界だったのも読んでいてうれしくなりました。
妖怪仲間のしたこと(草枕へのからかいとか、巽へのセクハラとか)はちょっと度を越えてるんじゃ…?とは思いましたが、そこは妖怪なので人間とは感覚が違うのかなwww

ただ惜しむらくは後半の草枕が巽を抱いた時。ちょっと性急すぎるというか、急に話が進んだのが残念と言えば残念でした。もう少し時間をかけて、お互いの気持ちをん確認してからでも良かったんじゃないのかな?と。

あと個人的にすごく好きだったのが草枕の友達の春宵。草枕をさりげなくフォローする彼の優しさにKOされました。彼メインのスピンオフ作品、書いてほしいなあ。人間の恋人(男だよね?)がいるみたいだし。

ムクさんの優しい絵柄の挿絵が、このお話にあっていてすごく良かった。「のっぺらぼう」が男前に見えるなんてムクさんならではだと思いますw

読後、ほっこりと優しい気持ちになる、そんな可愛らしいお話でした。

14

とっても優しくてかわいくて安心して読めます

 攻め様がまさかののっぺらぼうの草枕さん。
口だけはあってよかった。キスができるもんね。
受け様は途中失明者でコールセンターで働いてる巽くん。
目の見えない自分を卑屈になることなく受け入れて、できることを頑張ってて、素直でいい子です。
人の弱いとこも頑張れ、と言うんじゃなくてそれでいい、と受けとめてくれる。
人間にはもちろん、同じ妖怪にも気味悪れてからかわれ続けて、すっかり自分の殻にこもってしまって顔を隠す狐のお面をはずせなくなっていた草枕さん。
お面をはずさない自分を不審がることもしないし、目が見えないから絶対自分の顔を見られないし気味悪く思われる事もない。
人恋しくてだれかと普通に話したかったであろう草枕さんは、最初はそんな安心感から巽君とお昼休みだけの時間を過ごすようになって。
 巽くんも目が見えないことを必要以上に気にしない態度で接してくれる草枕さんと話す時間は楽しくて。
気付けばお互いの隣は1人で頑張って生きている二人が見つけた安らげる場所になっていた。
 巽君が、妖怪仲間のセクハラ、というか痴漢されてる(妖怪側は偵察、と称してましたが)と知って、助けに来た草枕さんは巽君に手を出しちゃう。
この展開だけがちょっと私の中では"えっ"。
なんていうか、他の妖怪に手を出させないための儀式っぽくて、甘くない、というかなんというか。
草枕さん、好きともなんとも言わないままだし、巽君突然の行為に気持ちがついてきてなかったし。
まぁそれほど草枕さん、余裕なくしてたのね。

 草枕さんにとってやっと手にした自分の大切な存在、自分を大切に思ってくれる存在である巽だからこそ、御簾裏さんとの「約束」を果たしてもらうのは怖かっただろうな。
時間の流れが違う世界を生きている二人だから、いつかまた草枕さんが1人になってしまうのでしょうけど、それが一日でも先でありますように。
2人が幸せに暮らせますように、と願うとても優しいお話です。

 またムク先生の挿絵がとってもかわいくてステキです。
妖怪達も愛嬌あるし、巽くんはかわいく草枕さんはのっぺぼうのくせにかっこよくてかわいい。
平気でレジに持っていける表紙に裏表紙です。

12

snowblack

はるのさくら様、こんにちは。
心温まるいいお話でしたよね!
こういう人外ものは、寿命の問題を考えると切ないのですが
そこもふんわり〜というやさしいテイスト。
「平気でレジに持っていける表紙に裏表紙」という一言がツボに入り
しばし大笑いしてしまいましたものですから、
一言お礼申し上げたく書き込ませていただきました!

現代版のおとぎ話

いやぁ〜〜〜〜。よかった!
ものすごく好みのお話でした。

最近早い刊行スピードで作者さんの本が出版されていて、なんとか追いかけていますが、あまり好みのにぶち当たってなかったんですが……

これは、ツボでした。小椋ムクさんのイラストもぴったりだし。

のっぺらぼうって、どうなの!!! 

いけました! ほぼ視点が視覚障害者の巽なので、読んでいても周りが見えなくて、不思議な感じでした。だから睦の人を恨んだりしない性格や、草枕の控え目ながらも優しい心がよく感じられました。

なんていうか、読んでいてすごく幸せな気分になりました。

最近、人外ばっかり読んでいて……というか特に選ばなくても目の前に人外があるっていうか、本当に増えて嬉しい限りなんですが、これは久々に異形の者のとの恋を読んだ気がしました。そして見た目じゃないんだなと。

受けなさそうな設定でも、作者さんの熱い思いがあればきっとハマる読者もいるはず。クロスノベルスさんみたいな出版社が増えるといいですねー。

10

個性的な設定に萌え!!

初読みの作家様でした。
最近ファンタジー色濃い目の作品が読みたいと思っていたのですが、人外は苦手で、今一つピンとくるものに出会えていなかったところに、ちるちるさんのランキングで見つけました…この作品を!!
妖怪系は個人的に怖くてあまり好きではないのですが、イラストが小椋先生ということで、ほわっとした優しさに溢れている表紙に安心感を持ち、即効本屋にて購入したのですが、やはり、どストライクでした(*'ω'*)

ストーリー自体は、最初から何となく結末が読めてしまったのですが、それでもどんな過程で二人の恋愛が進んでいくのか…というところが、読み進めていくうちにどんどん楽しみになってしまい、あっという間に読み終わってしまいました。
特に、のっぺらぼうの攻めの顔を触ったときの受けの言った「ゆでたまごみたい」という発想に衝撃を受けました(笑)(その発想はなかった…!とはまさにこういう気持ちなのかと…w)

また、小椋先生の描くキャラクターが皆魅力的で可愛いのですが、個人的には『春宵一刻』の挿絵がお気に入りです。
まさに「むちゅっ!」といった雰囲気のキスをする二人が可愛くて可愛くて…。読んでいてほっこりしました。

そして、メインの二人以外のキャラもまた素敵な人ばかりなので、他の方も既に書かれている方がいらっしゃいますが、是非私も春宵のスピンオフを読んでみたいです。
(そして合間に、またこの二人がラブラブしているのを見たい!!)

タイトルにも書きましたが、なかなかない設定の作品かと思います。
けれど、もっともっとこんな作品が増えてもいいのにな、と思えるような、とても温かくてほのぼのとしたお話でした。

9

癒されます

作者買い。人外ものが苦手な私が内容も確認せずにネットにて購入してしまいました。
届いた本を見てびっくり!小椋先生のかわいい表紙を飾るのは、獣どころか妖怪です…マジか。
ダメだったら途中でやめてしまおうと、半ば投げやりに読みだしました。
ところが…すごくおもしろかったです。思いがけず一気読みしてしまいました。
攻めの草枕、受けの巽、どちらも周囲の人(妖怪)とは違う〝ふつうじゃない自分〟に、孤独を感じながら生きています。まず、そのさみしさに胸をうたれます。草枕が初めて鏡というものを知って自らの姿を知るシーン、巽が口にするまで中身のわからないサンドイッチやおにぎりを食べるシーンは、読んでて切なくて泣けてきました。
それでも、草枕も巽も心がとってもきれいで優しくて、二人が怖る怖る不器用に心を通わせていく様子は、こちらまでうれしくて…癒されました。類友なのか2人の周りには結局いい人(妖怪)ばかりが集まってきていて、脇役もみんな魅力的でした。読後 とっても気分がよかったです。
人外ものがお好きな人はもちろん、私のように苦手な人にもぜひ読んでいただきたいです。
きっと「読んでよかった」と思っていただけると思います。

7

まさかののっぺらぼう!

小椋ムクさんのイラストに惹かれて購入!
あらすじを読んで、どんなお話なんだろうとドキドキして読みましたが、かわいーーいお話でした!
人外大好きなので、受け君より草枕に萌え萌えでした。こんなBL初めて読みました(笑)脇役も魅力的なキャラばっかりです。

5

自分のバカヤロウ

実は栗城偲さんの作品はこれまでの実績から相性が良くない印象があって、こちらの本も積んだままになっていたのをようやく読みました。

…何故もっと早く読まなかった自分のバカヤロウ!と壁ドンする勢いで、大好きな作品になりました。小椋ムクさんのイラストがまた素晴らしくマッチしていて、妖怪と人間、のっぺらぼう、視覚障害者、男同士…などのやるせない事実がありながら、全篇にわたってとにかく優しくて温かい物語になっています。

もの哀しいプロローグにあたる「めんない千鳥の啼く夜」から始まって、表題作の本編、そしてエピローグと、面白くてドキドキする構成で、最後まで惹き込まれて読みました。

美醜に左右される恋愛というのはあって当然ですが、のっぺらぼうと言うのは…一つの究極の形ですね。ともすればシュールなコメディーになりそうな題材をこんなに素敵なお話にしてくれたことに感謝します。読めて良かったです。

続編があったら是非とも読みたいと強く思います。

5

とっても楽しかった♪

栗城偲先生の本を読みたくなって、買ってみました。
一言でいえば、設定が面白い!
そして、とっても優しいお話でした。
このお話アワードノミネート作だったようで、もっと早くに読むべきでしたね。
読むのがちょっと遅かった…残念だなぁ。

表紙からもわかるように、妖怪たちが出てくるお話です。
非BL本にも人気の妖怪コミックや小説がありますが、私は昔からこの妖怪ものが大好きでして。
小学生の頃は、妖怪百科みたいな本も何冊か持っていたと思います。
かの有名な妖怪ものの作者の故郷へも旅行で行きました。
幽霊とは違って愛嬌があるといいますか、とても親近感がわきますよね。


お話の主人公である紺野巽(こんのたつみ)は、盲目の青年。
中学生の頃、完全に見えなくなりました。
そんな巽は、独り暮らしをしながらコールセンターで働いています。
いつもお昼休みには、近くの公園ベンチへ座ってコンビニで買ったものを一人で食べていて。
そんな巽の足元に狐のお面を落としてしまい、拾ってくれと頼むのが、もう一人の主人公である草枕(くさまくら)。
この出会いをキッカケに、お昼休みに話をするようになり。
徐々に親しくなっていきますが…?

お話は、三つにわかれていまして。
「めんない千鳥の鳴く夜」は少し昔の時代のお話で、草枕視点。
「てのなるほうへ」は現代のお話で、巽視点。
「春宵一刻」は本編後のお話で、草枕の友人である春宵(しゅんしょう)視点。
主人公以外の人物視点のお話はとても好きなので、最後の春宵視点のお話大好きです♪


巽と、巽の職場の同僚以外の登場人物が、ほぼ全員妖怪という。
しかもハッキリと何の妖怪か書かれていないものも多くて。
そこも何とも面白かったです。
視覚障害というデリケートな部分も、きちんと細やかに描かれていました。
私の使う最寄駅には視覚障害の方がとても多くて、時々お手伝いをする事もあるのですが。
杖の事だとか、色々知らない事もあり、とても勉強になりました。
今後駅などでお手伝いをするとき、ちょっとは役にたてるといいなぁ。

巽は、大人しくて真面目で几帳面なところもあり。
視覚障害があっても、卑屈になり過ぎないよう努力している頑張り屋さん。
意外に大胆な面(昼食の具材の話、草枕との交流など)があって、とても面白い人物で。
見た目は可愛いのに、酒豪というギャップも楽しいです♪

草枕は、人ならざるものである事と、自分の顔に多大なコンプレックスを抱えています。
とても優しい、そしてとても寂しがり屋な妖怪さん。
いつも言葉足らずですが、ひとつの言葉に沢山の気持ちを込めている気がします。
顔はアレでも心の美しい妖怪さんで、一緒にいてホッとする巽の気持ちがよくわかります。

書籍は文字が大きく読みやすいのですが、その分あっという間に読めてしまい、ちょっぴり寂しかったですが。
もしかしたら、春宵のお話もスピンオフになるかも?なんて期待もしています。
なるといいなぁ~♪
栗城先生、素敵なお話をありがとうございました。

4

もうひとりぼっちじゃない

読み終わって幸せな気持ちでいっぱいです。
1日たっても余韻から抜け出せません。

めんない千鳥の啼く夜
草枕の孤独がこれでもかと書かれています。他の妖怪が草枕に酷すぎる!
胸が張り裂けそう

てのなるほうへ
こちらは現代のお話。
巽の境遇に色々障害者に対する対応とか考えさせられました。
草枕に会いたくて公園に毎日通って、会話に一喜一憂する巽が可愛いですね。
草枕の気持ちが中盤までは謎だけど、同僚との関係をやたら心配したりランチ行かなくていいのか聞いたり。言い寄る女はいないかとか。
巽の同僚に好意を持たれてないか心配してたのかな?
毎日巽に会いたくて通ってたんだね

他の妖怪も草枕の応援?味見?のつもりか巽の部屋に忍び込んだり毎晩淫らなことをしたり巽と草枕にとっては迷惑です。
他の妖怪に巽が手を出されたことで草枕が激しい嫉妬を見せ強引に巽を抱いてしまいます。そしてもっと優しく順序を守ってしたかったと謝り落ち込みます。エッチがしるしつけに?これで他の妖怪は手を出さなくなるということ?

お山のボスにこれ以上妖怪に巽へ手を出させないでくれるよう頼みに行きますが、昔の借りを返すのになんと巽の目を戻してくれると!
草枕は顔を見られることより巽の視力を優先させた。

その後はぶじにお札を見つけ視力も元に戻り矯正すれば見えるようになります。
草枕との対面や他の妖怪たちとの交流など楽しくほのぼのお話は終わっていきます。

辛い過去や境遇を経たからこそ今出会えて良かった。
二人とも出会ってくれてありがとう。
草枕、もうひとりぼっちじゃないね!愛する巽がいるよ!

妖怪のみんながあんなに草枕のことをつまはじきにしたりからかったりしたのに話の後半で心を入れ換えて応援したり巽をさらって草枕を強制参加させ宴会したり、もっと早く草枕を受け入れてあげてたらとも思ってしまいます。

草枕と巽の寿命を考えるとせつなくなります。たくさん一緒にすごしてラブラブしてね!

4

イントロは特に秀逸

昨年夏に続編が発売された時に書泉でペーパー復刻だったので同時購入して読み始めたものの部屋の中で行方不明に( ;∀;)
やっとサルベージできてやっと読むことができました( ;∀;)

何も情報入れずに読んで欲しい!
妖怪と人間のファンタジー。
イントロの「めんない千鳥の啼く夜」が秀逸。
ネタバレするのでできれば裏面の紹介文も読まないのお薦め。

とにかく素敵な物語。

哀しい場面もありますが、ほっこりもできます。妖怪達が可愛いですっ!

主人公が視覚障害者だけど、その設定が認識も改められる部分もあり奇異でもなんでもなくストンと普通の流れで読めます。

ファンタジーが苦手な方も、妖怪達が関わってくるだけで荒唐無稽なだけではないのでぜひ手に取ってみて欲しい本のひとつです。

小椋ムク先生のイラストが本当にぴったりで世界観彩ってます♪

やっと続編も読める~!

2

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