てんてん
oniaidewaarimasen
本品は『小説Dear+ Vol.66 ナツ号』の
コミコミスタジオ限定特典ペーパーで
雑誌掲載作「運命ではありません」の
番外編になります。
本編後、楡がAIに手を入れた件について
社長に報告するお話になります。
楡は御影に近づくために
会社の売りであるAI「ストレンジラブ」の
データを一部改ざんします。
それによって御影は
楡とお付き合いする羽目になりますが
楡の思惑を知っても…というか
知るうちに楡に惹かれていき
2人は恋人同士になります。
結果的には良き方向に転がったとはいえ
楡がAIに手を加えていた事実は
社長に報告すべき案件です。
いくら社長の身内とはいえ
人として会社員としてそれは当然の事で
御影は直に言うべき事だと思いますが
楡はメールで報告しようとします。
楡によると自分がしたことと
その後の状態を証明できるデータをつけられて
合理的だからと丸め込まれてしまいます。
楡がメールを送って数日後、
社長からお呼び出しがかかり…
A4版四つ折りペーパー両面にて
楡の行ったデータ改ざんの
後始末的な後日談になります。
何故かともに呼び出された御影は
びくびくしながら指定された店に
楡とともに赴きます。
社長は2人と顔を合わせると
挨拶もなくメールに目を通したと
単刀直入に切り出します。
こいつが個人的な思惑のために
データを改ざんして御影に近づいたが
嘘から出たまことで交際は続行中…
そういう理解でいいんだな?
御影が肯定すると
社長におもむろに頭を下げられ
楡の脳天にはげんこつが直撃します。
加えてしばらく漁船でも乗って
荒波にもまれてこいと言われた楡は
不真面目な人間が加わったら迷惑とか
漁船は懲罰的労働の場じゃないとか
ああ言えばこう言う的反論をして
益々社長を怒られますが
御影からすれば平社員の自分に
社長が頭を下げるのは楡の為で
そういう身内がいる事のありがたみを
もっと感じて欲しいと諭します。
楡はなんとか社長への謝罪をし
御影は社長からは問われてしまいます。
こんなやつだが、ほんとうにいいのか?
御影の正直な気持ちは
「言い切れない」なのですよ(笑)
2人はきっと相性が悪いから
失敗したら島流しの刑だ
と御影がひつそりと思う幕引きまで
楡と御影、楡と社長の会話の
テンポの良さが楽しいSSでした。
楡のデータ改ざん故の運命なので
確かに相性はよくないかもですが
噛み合わないからこそ
合致した時が嬉しいのかも♪
運命さえも乗り超えた2人に
大切なのは歩み寄りなのか
妥協なのかは
神のみぞ知るなのかな (^_-)