たべこ
Bon Appetit
一般書店店頭で購入し、掲載されていたボナペティ!に心を鷲掴みされました。
その後何気なくコミコミのHPを見ていると、コミコミではボナペティ!の小冊子が付いてくるという情報が目に止まり2冊目を購入するに至りました。
本誌を2冊購入するのは初めての経験で少し迷いましたが、両思いの2人の生活を見ることができたので買って良かったです。
「毎晩、溶けるように愛された」というような一文があり、もうそれだけで幸せな気持ちになれました。
個人的に、えっちシーンがなくても満足できると思える唯一の作家さんなのですが、特にこの作品は夜の営みを匂わす描写だけでも十分満足できます。
そう思えるほど、葉くんがかわいいのです。両思いが嬉しすぎて涙が出そうになる葉くんのいじらしさがたまりません。
部屋にいるのが自分だけなのに暖房をつけるのがもったいないと言う葉くんに対して、「僕の大事な恋人に寒い思いをさせるなんて、葉くんは僕に対して失礼だ」とさらりと言えてしまう瑠可がとても素敵でした。
これからもずっと葉くんのことを優しく甘やかしてほしいなと思いました。
本品は『小説Dear+ vol.64 フユ号』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。
内容は雑誌掲載作である『ボナペティ』の後日談で
葉がお菓子作りに挑戦するお話になります。
憧れていたビストロの
オーナーシェフである瑠可と
恋人になった葉。
好きな人に好きになってもらえるなんて
本当に夢のようです。
大晦日は一緒に紅白を見て
元旦は瑠可のフランス風お雑煮を食べ
近所の神社に初詣でに行きました。
そして思いが通じあった仕事納めの日から
年末年始の休暇のかなりの時間を
瑠可のベットで過ごしていましたが
年が明けて二日目の本日
瑠可は料理の師匠とのところに
年始の挨拶に出かけて行きます。
葉も一緒に行こうと誘われますが
瑠可との時間にまつわる諸々による
身体のだるさを口実に遠慮したのです。
瑠可の帰りを待つ間に
葉は以前瑠可に買ってもらった
製菓キットでガトーショコラ作りに
挑戦していたのでした。
気合を入れた葉は
説明書通りに進めていきますが
あまりに簡単すぎて
出来あがりが心配になる程です。
こんな簡単で、
本当にちゃんとできるのかな
本日の瑠可の帰宅は遅く
先の就寝を促された葉でしたが
一人暮らしだった葉には
瑠可を待つ時間も幸せなのです。
瑠可の事を考えながら
オープンを覗きこむ葉の耳に
階下から鍵の開く音が聞こえ…
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)で、
1頁2段組み12頁の長めな番外編は
2人の甘々後日談となります。
時間より早く帰ってきた瑠可は
寒いキッチンでお菓子作りをしていて
瑠可は眉をひそめてしまいます。
1人で暖房なんて勿体ないと言う葉に
瑠可は僕の大切な恋人に
寒い思いをさせる葉は失礼だと
変な理屈をかまして葉を唖然とさせた上
それとも、
僕にあたためて欲しくて、
わざと寒くして待ってたの?
なんて激甘な台詞までくれて
葉は真っ赤になってしまいます♡
その後は2人で葉の作った
ガトーショコラを美味しく頂きますが
今夜の一番のデザートは葉自身という
甘々なオチまで
終始、ハートマークが飛び交う様な
甘々な後日談でした。
本誌は月村先生の20周年記念特集号で
付録が「すみれびより」なので
小冊子も関連作かと思っていたので
掲載作の続編が届いて
ちょっぴり残念かなと思ったのですが
雑誌掲載の本編も
月村ワールドの魅力あふれるお話で
健気な受様に甘々でメロメロな攻様は
とっても楽しいお話でした。
本編も早く文庫になって欲しいな (^_-)v
小説Dear+2017フユに掲載されている「ボナペティ」の番外編小冊子になります。
2人が恋人同士になった後のお話になっています。
以下、内容になります。
2人の思いが通じ合った夜(仕事納めの日だった)から、数日後。新年2日目のこと。
葉は1人でガトーショコラキット(本編で登場)に挑戦中。
瑠可は、料理の師匠の所へ新年のあいさつに行っている。葉も勿論誘われたけれども、気後れしてしまい、体がだるい事を口実に一緒に行かなかったのだ。
1人でキッチンに立ちながら、思いが通じ合った後のこの年末年始の甘くて幸せな時間に思いを馳せたり、瑠可への恋心をはっきりと自覚した日のことを思い出したりする葉。
こうやって誰かを待つのは、今まで1人だった葉にとっては、とても幸せな事で、でも、幸せなんだけれども、瑠可の不在が寂しくもあり・・・
そこに、予想より早くに瑠可が帰宅。
暖房も付けずに寒い部屋にいた葉に、「僕にあたためて欲しくてわざと寒くして待っていたの?」といたずらっぽい表情で言う瑠可。
赤面してしまった葉に、瑠可は、冗談だよ・・・と言う。
それから、瑠可は葉の作ったガトーショコラを食べながらおしゃべり。
そして入浴後、今日は別々に寝ようね・・・という瑠可。葉の体の怠さは、恋人同士になってから瑠可が何度も葉を求めたせいだと反省してのこと。
でも、葉は、外出を断る口実にちょっぴり嘘をついただけ。(実際に体は怠かったけれども、それはあくまでも甘い気だるさで・・・)
だからこそ、瑠可にちゃんと感謝の気持ちや嬉しい気持ちを伝えなきゃ、言葉にしなきゃ・・・という思いに駆られ、「さっき瑠可さんが言っていた通り、あたためてほしくて待っていました・・・」と、瑠可に言う。
それを聞いて、瑠可は、葉を抱きしめると、キスをしながらそっと布団に横たえたのでした。
(おしまい)