たべこ
kinmokuseibiyori
20分程のふろくとは思えない、満足感と幸福感でいっぱいになれる1枚でした。
応募者全員サービスのような形で手にするCDでも良いと思えるくらいです。
シナリオが本誌に掲載されているので、
・CDを聴く
・CDを思い出しながらシナリオを読む
・CDを聴きながらシナリオを読む
・CDをまた聴く
と、何度も何度もいろいろな角度から楽しんでいます。
作品自体とキャストさんが大好きという贔屓目もありますが、何度聴いても飽きがきません。
芙蓉ちゃんの好みに合った映画を選んでくれた大町に対して、「ありがとう」と言う芙蓉ちゃんが本当に本当にかわいかったです。
両思いになって幸せいっぱいになっている芙蓉ちゃんの気持ちがこの一言にぎゅっと詰まっているようで、とてもきゅんとしました。
「俺の方が百万倍好き」と言い合う2人はまるで無邪気な子どものようで、小学生の頃の恋心を持ったまま再会した2人なんだなぁと思わずにはいられませんでした。
本編の時のように植物の生態が大町と芙蓉ちゃんの2人と非常にうまく絡み合っており、伏線といいますかテーマといいますか、月村先生はそういったものの張り方や回収の仕方がとても自然で素敵だなと感じました。
いやー、かわいいですね。その一言につきます。
付き合い始めて5ヶ月、二人は映画デートの帰り、カフェにて一休みしてます。
そこへ友人と待ち合わせの田上が来て、デート中の2人に割り込んできて。
「ラブホ帰り?」との問いかけに飲んでいた紅茶にむせる芙蓉。
「行きません、そんなこと」と強く言い切る西澤。
一番ムラムラするお年頃なのに、となおも言い募る田上に、こうやって静かな時間を共有できるだけで楽しいんだ、と西澤はきっぱり。
夏休みに結ばれて以降2ヶ月、そういう事はないようで、確かに確かめ合いたい時期じゃないのかしら。
その後も田上にからかわれて、冷静に返せていない西澤が年相応の男の子でかわいかったです。
下宿への帰り道。
キンモクセイの花が咲いていて、西澤のお母さんから届いた庭木の本に載っていたキンモクセイの話をしながら帰り着くと、おばあちゃんはお出かけで、下宿生も出払っていて珍しく2人きり。
当然、そんな雰囲気になり、押し倒される芙蓉。
シャワーを浴びたいというのに、西澤は「1秒だってもったいない」と押し切るわりに、優しくて甘い口調で、愛おしさあふれてました。
「大好き」「俺の方が100万倍好き」
事の前と後に、お互いに言い合っているのですが、それがまたかわいい。
芙蓉は大事な秘密を打ち明けるような嬉しそうな口調で「大好き」
西澤は、ひちすら優しく慈しむような「大好き」
初恋が実ったばかりの蜜月の初々しく優しいCDでした。