Jewel
sakurachirukoro
2016年発売の雑誌の付録を2024年に未開封のままの雑誌ごと発見できたのは奇跡的なので、喜びのあまり感想を残そうと思います。
こちらの作品は小説からの音声化のため、容姿や仕草から人となりの情報を得られるコミックスと異なり、演じる声優さんたちが文字から得た情報を解釈してキャラクターが具現化されると思い、期待が高まりました。
小林裕介さんが演じた穂木啓を視聴して感じたのは「裕介はBLデビューから適性バリ高!」に尽きました。
(興奮のあまりの呼び捨て御免)
裕介さんの声質がBLと非常に親和性が高く、とりわけこの作品のモラトリアム期にはピッタリで、同性愛者がストレートの男性を好きになったことを勝手に負い目に感じて、相手の言動にいちいち心を揺らしてしまうモノローグのトーンにも高いBL受け適性を感じました。
声優さんの中には一般的なアニメ作品ではカッコいいのに、BLでは演技が急に模範的というか、テンプレートというか、萌えに発展しないタイプの方がいらっしゃると感じていたのですが、裕介さんの演技は違和感なく引き込まれます。
小林裕介さんのBLファンなら、裕介さんが初出演からただならぬBL適性を発揮していた生き証人となるべく、聴いて欲しい1枚だと思いました。
佐藤拓也さん演じる志方は、感情をわかりやすく声で表しずらい低音口下手にも関わらず、穂木に対しての愛情と情欲が要所要所でしっかりと伝わってきて、この当時から安心安定の演技力だったことが確認できました。
お二人の掛け合いがとてもよく、BGMの雰囲気と音量も適正で(音声作品ではこれ大事)、下手な製品CDよりも満足度が高かったです。
BL作品への出演はご自身の年齢や結婚をきっかけに辞めてしまわれる声優さんも多いので、我々腐女子のBL脳を刺激する高度なBL適性をお持ちの声優さんたちには、可能な限り長く出演を続けて頂けることを切に望みます。
※入手困難になってしまっているCDですが、このレビュー投稿時は(2025年1月)は中古サブカルグッズ通販でまだ見かけました。
【好きで、好きで】の番外編。小説Dear+の付録CDです。
志方(佐藤さん)と穂木(小林さん)の初体験編。
本編は期待が大きすぎたのと、自分の想像していた人物像と少しズレがあったため、そこまでの高評価には至らなかったのですが、こちらは凄く良かったです!
想いが通じ合い、つきあい始めた志方と穂木。
はじめてのキスから時間を掛けて、やっと身体を重ねる日。
この何とも言えない初々しさと恥ずかしさ、そして甘酸っぱさが堪らなかったです。
お二人ともその辺の不器用さの演技が巧みで、いざコトに及ぼうとしたときのギクシャク感が凄く良かった。
挿入前の言い争いも面白い。志方はあそこが大きいので、穂木に負担をかけないだろうかと真剣に心配するのに対し、自慢かよ! とツッコミ入れる穂木とか、掛け合いのタイミングや間が絶妙で楽しめました。
そして本編では少し辛口評価してしまった佐藤さんの演技ですが、こっちの志方は最高に素晴らしくって、これが聴きたかった! と滾ります。
一番胸が熱くなったのが「お前はバカだな」という台詞なんですが、志方の穂木に対する愛しい気持ちがそこに全て表れていて、この一言、このニュアンス、このトーン、とにかく素晴らしかった。
何度でもリピートしちゃうくらい素晴らしい。
事実、ここばっか5回くらい巻き戻して聴きました。
志方の声が甘すぎて、腰がへにゃへにゃっと砕けそうになります。
何回でも聴ける。
フェードアウトなので物足りないと思う方もいるかもしれませんが、私は志方の「お前はバカだな」を聴けただけで大満足でした。
この一言で迷いなく神。