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yoake ni furu yuki
ドラマCD「夜明けには好きと言って」のブックレットに収録されているショートストーリーです。
黒石の目線です。
開店を二か月後に控えた二月の寒い朝、黒石は「真夜中に降る光」にも登場する空間デザイナーの津久井から、店舗の照明について説明を受けている場面からスタートします。
再会してからまだ白坂の本名を呼んだこともない。独りよがりである可能性は判っているけれど、このまま別れるつもりはない。
そんなことを考えているうちに話は終わり、帰宅すると言う津久井にタクシーを捕まえようと提案しますが、津久井は近いから歩いて帰ると断ります。なお、この帰り道で津久井は金崎を拾うことになります。
津久井を見送ってから見上げた空からは雪が舞い降り、春は随分と先に思えた黒石でしたが。
それから時間は経って。
ショットバーをオープンさせてから一月半あまり。
犬森の相手をしながらグラスを磨く白坂を隣に、黒石は白坂の横顔を見ては喜びに胸を温めたり、白坂目当ての客に嫉妬をして独占欲の強さを感じたり。今はまだ同居には至っていないけれど、それも遠い話ではないという内容でした。「今夜は連れて帰る」とオープン前の店内でキスをする二人が素敵でした。