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saint beast
ドラマCD、アニメ、小説とメディアを超えて展開してきた「セイント・ビースト」。本作「セイント・ビースト ドラマCD short stories~天使たちの横顔~ 」をもって一区切りだそうです。つまりは事実上の最終巻。シリーズを長く見守ってきた自分としては、久し振りの新作ドラマCDに期待半分さみしい気持ち半分で購入しました。
物語はシリーズの続編ではなく、天使たちが幸福だったころを描く過去編。
大好きな「セイント・ビースト」。登場人物たちの結末が描かれないのは残念ですが、最後ぐらい殺伐とした本編の傷つき苦しんでいる様子ではなく幸せな彼らの姿を見るのもいいだろうと思いました。しかしながら、出来栄えは非常に残念なもので、ドラマCDの仕上がりにがっかりしました。
本作は全5編収録。
1.「secret episode~寝物語~」
眠れないマヤのためにキラが童話を読み聞かせるお話。
2.「profile・1 妖し茸」
3.「profile・2 悪巧み」
シンとマヤが森の奥で拾ったのは、食べると最初に目にした人を好きになるという妖し茸でした。偶然その会話を聞いたシヴァはユダを手に入れるため、その妖し茸を使おうとします。
4.「secret episode~正夢~」
シンがユダを独占しようとする夢のお話。
5.「profile・3 憂える或る日のゴウ」
いつもより鍛錬を早く切り上げて帰城したゴウ。ユダ、ルカ、パンドラに怪しまれますが…。
登場人物は六聖獣、キラとマヤの兄弟、シヴァ、パンドラの初期からのレギュラーメンバー。最終巻+過去編ですから、この先続編が作られたとしても登場する可能性がほぼ皆無のカサンドラやシリーズ後期から登場したが強い個性を持つサキやユリも登場してほしかったです。ゼウスやルシファー、ガブリエルたちの過去も知りたかったと思いました。演じている声優さんは豪華なのに登場させないのは勿体ない。残念だったので、星一つ減点です。
ブックレットが紙一枚というのも残念です。今までのドラマCDシリーズにはポストカードが12枚ないし6枚と書き下ろし小説が封入されていたのに、本作には何も入っていない。
一番の問題は物語が面白くないこと。全5編すべてつまらない。「profile・1 妖し茸」「profile・2 悪巧み」は今まで散々描かれてきたエピソードの焼き直し。さらに、ユダの行動はシヴァの好意を判っていながらあえて行ったというように描かれているのですが、これではユダの性格が悪くなってしまいます。ユダは他者から向けれる感情に鈍感だからこそ、どんなにモテモテ完璧超人であっても嫌味っぽくならないのに。本作の描写に疑問が残ります。
「secret episode~寝物語~」と「secret episode~正夢~」は特に語ることはないくらい、何もないお話。「profile・3 憂える或る日のゴウ」は硬派なイメージを守ろうとするゴウの姿にくすくす笑えさせられましたが、オチが下品ですね。
こんなつまらない作品で「セイント・ビースト」の最終巻を飾ってほしくありません。「セイント」の復活を祈るばかりです。