名作文学(笑) シリーズ ヤブノナカ

名作文学(笑) シリーズ ヤブノナカ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
16
評価数
4
平均
4 / 5
神率
50%
媒体
CD
オリジナル媒体
小説
CD発売会社
フロンティアワークス〈CD〉
収録時間
74 分
枚数
1 枚
ふろく
シリーズ第1巻・第2巻連動購入抽選プレゼント
フリートーク
あり
発売日
JANコード
4562207971645

あらすじ

「ああ、そうだ…。すべてはここから始まったんだ」
息絶えた男、金沢武弘は思い出す。
親友・守との確執、弟・真砂とのすれ違い。
なぜ、武弘は死ぬことになったのか?
守、真砂、そして武弘自身の回想から見える真実とは…。
事件に対する三者三様の物語は矛盾を孕んだまま展開していく――。
(公式HPより転載)

表題作 ヤブノナカ

金沢武弘 → 安元洋貴

金沢真砂 → 寺島拓篤

その他キャラ
田丸城太郎[中村悠一]

レビュー投稿数3

奇妙な三角関係、真犯人はヤブノナカ

芥川龍之介の「藪の中」をリスペクトした
シナリオは【別モノ】というCDです。
原作のほうは、夫婦と間男というカップリングで殺人事件が起こりますが
この「ヤブノナカ」では、兄弟と男というカップリングで殺人事件が起こる。

キャストは
田丸城太郎:中村悠一
金沢真砂:寺島拓篤
金沢武弘:安元洋貴 
あと、花田光さんがお父さん役ででてました。

兄(武弘)と弟(真砂)と男(城太郎)の奇妙な三角関係。
物語は、3人の視点で3人がそれぞれ語ります。
同じ出来事を語っているにも関わらず、語り手が違うだけで
ことの真相は、まったく違うのです。

誰が武弘(安元)殺したのか?
・・・なぜ殺したのか?
三者三様の真相を愉しむという内容。

販売元では、BL作品として謳ってはおりませんが
BL作品と位置づけてよいと思います。
激しい絡みなどはありませんが、BL作品です。

シナリオは、元の文学に沿って文学テイストで作られているので
真理としては重いと思います。
エロとかそういうのではなく、人を好きになる真理とはなんぞや?的な話で
幸せってなんだろうねぇ・・・と。

そんな重いシナリオを払拭するようなオマケが3本。
●恋愛シミュレーション編
●書籍化編
●映画化編
と、それぞれパロディ風に「ヤブノナカ」CMが入ってました。
声優さんたちノリノリでした。
おもしろかったけど、脈絡もなく入っていたので面食らいましたw

最初のトラックの安元さんの語りから
ドンっと低く重くて、そこはかとなくエロい文学作品に叩き堕とされます。
とにかく安元さんの演技が非常に良い。
狂気の場面なんかもあったりして、すごい!すごい!すごい!
ああ、聞いてよかったーvの1枚。

2

むつこ

うわーうわー、
おもしろそー!!
芥川龍之介の『藪の中』、大好きなんですよ。時代が変わっても輝きの衰えない、上質のミステリーだと思います。文学を超えてる!(という言い方はおかしいかw)
『藪の中』『羅生門』『地獄変』が私的に芥川龍之介の神三作で、読むと鬱の神さまが下りてきて、三時間はブルーになれるw

これを男三人にしてBL化ですか!
どひゃー、愛憎どろどろ劇なんでしょうねぇ…人間のエゴイズムが浮き彫りにされる、スゴイものになってそうな予感がします。
視点が変われば真相も変わる。みんな自己弁護と保身のために平気で嘘をつき、その嘘で自己暗示がかけられ、もはや自分でも嘘をついた意識などなく……。
声優さんの力を存分に味わえそう……。

ああ、なんかもう興味しんしんで、頭がへんになりそうです。

BLは、名作文学をも浸食するのだ

芥川龍之介の原作が好きな方に注意を。
まったく別モノなので、原作好きの視点から聴いちゃいけませんですよー。原作は文学ですが、こっちはエンターテイメントです。『藪の中』ではなく『ヤブノナカ(笑)』なのだ。
原作好きの視点で聴くと、不満いっぱいになっちゃいますw
そんな私は原作が大好きで、思い入れも強い作品だったんですが、切り替えて聴くことができました。

原作と比較したときの不満は一つだけかな。
原作だと、「検非違使(当時の警察)に語る」「尼寺で語る」「イタコの口を借りて語る」って感じで、三人の語る物語を、必ず「誰かに対して訴える」という形にしてるんですよ。
ここ結構重要な部分なんです。
「独白ではない」という前提があるから、「語ってる中身は嘘かもしれない」という疑問を生むことができるんですね。
こっちではそれが無いのが不満でした。最初の一人をのぞくと、みんな独白なのだ。

ちなみにこの原作、解釈が分かれてます。ありとあらゆる人がいろんな解釈をしている。「三人とも“自分が信じる”真実を話してる」という解釈が一番多いかなー。真相は藪の中なんですが、文学者がマスターベーション(笑)するのに、これほど素晴らしい素材もなかなかないんですよね。
芥川龍之介さん、遠いお空で「してやったり」とニヤニヤしてるかもしれませんw
さらにBL化されてるのを見て、苦笑してるかもw
イエス、BLの浸食っぷり!

演じられた三人とも、素晴らしい演技でした。
面白かったー。
あと、映画化編には大爆笑してしまいました。

フリトについて。
安元さーん、原作にはそんな記述ないっす!w

それから、興味を持たれた方がいましたら、芥川龍之介の原作を読んでみてくださいな。
原作、大迫力です。
人間の醜悪さや狂気やエゴなどが濃縮されて詰まってる、神短編です。
初読したときはまだ私は若々しいピュアな感性を持つころで、しばらく呆然として、そのあとオエッと吐き気がしたのを覚えてます。

なんかCDに関係ない話いっぱいでスイマセン。

2

誰が好みかで結論も変わる

名作文学(笑)シリーズとのことですが、(笑)な展開はありません。
強いて言えばおまけのCM?がめちゃくちゃおかしいですが、本編は真面目です。

海で溺れていた真砂少年(CV.寺島拓篤)と彼を助けた城太郎(CV.中村悠一)、真砂の兄・武弘(CV.安元洋貴)が藪の中で死を迎えるシチュエーションを主軸に、城太郎の視点、真砂の視点、武弘の視点で事件が語られます。

最終的に真相は藪の中のままなのですが、主観が入ると同じ事実もこんなに違うということがまざまざとわかります。

何が怖いって、真砂が一番怖かったよ。
で、武弘が一番可愛そうだった。私としては城太郎は武弘とくっつくべきだったと思いました。
だって、真砂怖いんだもん。

そういう意味では城太郎って普通の人だったねぇ。

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