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うわぁっ!スゲーもん聴いちまった!
もうこれでどんなにエロエロエロいBLCDがきても、これからはこの「長恨歌」を基準に語ることになるだろう。
ワタクシがいままでに神作つけたドラマCD全部とコレを等価値にしてもいいかもしれない。
SEが古めかしくても、構成がいまどきっぽくなくても、これはあらゆるBLCDの原点に立つ作品のひとつだろう、と思う。
BLCDの殿堂があったら、まずはこれを捧げたい!
BLドラマのウォーク・オブ・フェイムがあったのなら、間違いなく鈴置&塩澤氏のでっかい手形があるはずだ。
主演の鈴置洋孝、塩沢兼人どちらもすでに故人ですが…
すごい。
今から20年も前にこんな迫真の演技をされていた方々がいたなんて。
ストーリーは…
沙門に惹かれて、沙門とその愛人、弁天との交わいを見てしまった少女、お澪の視点ですすむ。
BLドラマに女性の登場人物がいるっていうのを嫌う方々もいるわけですが、
このお澪がいることで、ガンガンストーリーの世界に浸れます。
『長恨歌』は、白居易のつくった漢詩の名前ですが…タイトルの意味はこのCDだけじゃわからないでしょう。原作参照。
また、サブタイトルでもあり、劇中で出てくる芝居演目演目「蛇性の淫」(上田秋成が原作か)の意味もやはり原作を読み進めていくとわかるはずです。
それにしても…。
いまどきのBLCDと違って、音が重くてゴージャスなんです!
切り貼りしてSEでちょいちょいデジタル処理してる感じじゃない。
ことに塩澤さんの語り口に驚いた。
あくまで『男性』なんだが凄まじい色気。濡れ場でなくとも壮絶な色気。
ゾクゾクする。
また鈴置さん、塩澤さんともに発声がすばらしく美しい。
どんなに喘いでも囁いても息を吐いても言葉がブレない。
それで強引に物語にひっぱりこんでしまう。
とにかくBLCD好きならこれはスルーできない。
そういえば、BL界の女帝と名高い緑川光さんはその昔、鈴置洋孝さんと組むことが多かったようですが、緑川さんの色気のお手本って…もしかしてこの塩澤さん?
商家のお嬢様が惚れた剣士・沙門には、
美貌の男妾・弁天がいて…相手にもされない。
思いつめたお嬢様は、ついに…
せめて弁天の体を共有することで、
沙門と関係していたい! …とばかりに、
男妾と強引に関係をもってしまいました。
なんとまあ、鶴屋南北の歌舞伎と、映画「アデルの恋の物語」を、
足して2で割らないような…凄絶なお話!
黎明期のBLCDだけあって、役者がまさに驚嘆…!
運命を狂わせる麗人・弁天には塩沢氏。
生前から絶世の美声と評判の声は…(言葉では説明しづらいけれど…)。
しいて言えば「吐息の洩れるような声」!
(喘ぎだけでなく、会話部分まですべて!これが色香の正体。)
そして「やや鼻にかかったような、震えるような、囁くような…言いまわし」。
(つまり、セリフまわしが美人風。これが美貌の正体。)
…と、ここまでならセクシーな美声にすぎないのですが、
氏の声を絶世たらしめたものは、意外にも「声がよく通ること」!
(この吐息と、震えと、囁きであるにも関わらず、
こもらず涼やかに通ります。これは奇跡に近いかも…。
この清潔感が、たぶん絶世の絶世たるゆえん。)
バロックな江戸の闇には、なんとも似つかわしい…。
この声なら「何があっても驚かない。」と思わせますからねぇ。
キャスティングの攻・受ともに、もはや故人。
今は亡き伝説の1枚です。
余談ですが、塩沢氏は「クレヨンしんちゃん」の…
ぶりぶりざえもんの声でもあります。
美麗な声で豚さん…のギャップには、のけぞりましたが。